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映画「カンパニー・メンThe Company Men ’10」劇場公開2011年9月

2012-04-13 11:16:45 | 映画

                 
 2008年9月15日アメリカの投資銀行リーマン・ブラザーズの破綻がきっかけとなって世界同時不況に陥った。その余波を受けて多角企業のGTX社の造船部門の赤字化とともに株価も低迷、会社の立て直しのためにリストラが断行された。

 若い販売責任者ボビー・ウォーカー(ベン・アフレック)は、今朝も豪邸からポルシェで出勤、口笛を吹きながら個室へ。ところが人事部門からの呼び出しでクビを宣告される。
 再就職なんてすぐに決まると思い込んでいたボビーにも、そのチャンスが一向にめぐってこない。報酬の提示も今までの半分以下で、家のローンや車の維持、子供の教育費が重くのしかかる。それでもボビーのプライドが許さず、あくまでも現状の報酬である年収1千万円を受け入れる企業を求め続ける。
             
             
             ボビーの邸
 現実は甘くなかった。会社はリストラを続けていてCEO経営最高責任者の友人と自認していたジーン・マクラリー(トミー・リー・ジョーンズ)も例外ではなかった。それに造船部門の工員からの叩き上げの責任者フィル・ウッドワード(クリス・クーパー)にも解雇通告が下される。
             
             フィルの邸
             
             
             ジーンの邸
             
             
             
             
             
             


 この三人の男、仕事場でのエネルギッシュな態度に比べ、出勤の必要のないウィークデイの新聞しか読まない手持ち無沙汰の様子は、無気力の象徴みたいに見える。広大な地所と誰もが羨む御殿のような屋敷。どんなところに住もうと男から仕事を取り上げると、なんともひ弱で頼りにならない存在と化すのか?ジーンとフィルの妻は冷たい態度になった。

 その中で、ボビーの妻マギー(ローズマリー・デウィット)は、ポルシェや豪邸を売り払ってはいるが自らパートで働き自分の兄ジャック(ケヴィン・コスナー)の建築業の仕事も悪くないわよ。と慰める。このあたり、なんだか日本人的内助の趣に見えた。
 ボビーも行くところがなく妻の助言でジャックに頭を下げた。しかし、残念ながらボビーには適応できない。そうこするうちにフィルが自殺しその葬儀の日、ジーンが話があると連れ出したのは今は廃墟と化したかつての造船所の跡地だった。ジーンは過去を語りながら将来を見つめていた。

 その後ボビーにも協力の依頼があり、ネクタイにスーツのボビーは活きのいい魚のように、いきいきと販売部員に檄を飛ばしていた。

 結末は少し甘いかなという印象だが、ここから何を学べばいいのだろうか。つまり年収1千万円が永遠に続くことはないということ。従って、ポルシェや無駄な豪邸にうつつを抜かすより、収入の5割か7割の範囲内の生活を心がけるべし。それが教訓ではないだろうか。
 ボビーの生活も今や収入はかつての半分になった。ボビーの両親と同居しているが、いずれ独立して身の丈の生活が出来る筈。そう、過去の栄光は忘れなさい!

監督
ジョン・ウェルズ1957年生まれ。テレビドラマ「ER緊急救命室」や「ザ・ホワイトハウス」を制作。

キャスト
ベン・アフレック1972年8月カリフォルニア州バークレー生まれ。
クリス・クーパー1951年7月ミズーリ州カンザスシティ生まれ。’02「アダプテーション」でアカデミー助演男優賞受賞。
ケヴィン・コスナー1955年1月カリフォルニア州リジフッド生まれ。’90「ダンス・ウィズ・ウルブス」でアカデミー作品・監督賞を受賞。
ローズマリー・デウィット1974年10月ニューヨーク市クイーンズ生まれ。
トミー・リー・ジョーンズ1946年9月テキサス州サンサバ生まれ。’93「逃亡者」でアカデミー助演男優賞受賞。
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