うぉんばっとな毎日

大用、現前するとき、軌則を存せず

凱旋門賞枠順確定

2006-09-29 20:16:03 | 競馬日記
凱旋門賞の出走馬が確定したようです(記事1記事2)。

枠、馬名、騎手調教師馬主、主なレースをまとめます。

1.Hurricane Run(牡4歳):K. FallonA. FabreMichael Tabor、凱旋門賞、Kジョージ(ブログ
2.Deep Impact(牡4歳):Y. TakeY. IkeeKaneko Makoto Holdings Co. Ltd、三冠
3.Best Name(牡3歳):O. PeslierRobert ColletP. Vidal、プランスドランジュ賞(GIII)(ブログ
4.Rail Link(牡3歳):S. PasquierA. FabreK. Abdulla、パリ大賞典(ブログ)、ニエル賞(GII)(ブログ
5.Pride(牝6歳):C.-P. LemaireA. De Royer-DupreN.P. Bloodstock、サンクルー大賞典(ブログ
6.Shirocco(牡5歳):C. SoumillonA. FabreBaron G. Von Ullmann、コロネーションC(ブログ)、フォワ賞(GII)(ブログ)、BCターフ
7.Irish Wells(牡3歳):D. BoeufF. RohautB. Van Dalfsen、ドーヴィル大賞典(GII)(ブログ
8.Sixties Icon(牡3歳):L. DettoriJ. NosedaMrs. Susan Roy、セントレジャー(ブログ)、ゴードンS(GIII)(ブログ)。

全て過去に取り上げた馬ばかりですね。この1戦のために今年、海外競馬を徹底マークしてきたようなものです。
9/12時点から頭数が更に減り、結局8頭になりました。Ouija Boardは10Fの英チャンピオンS、Sir Percyは筋肉の不調を訴え、こちらも英チャンピオンSに行くことになりました。Mandeshaは当初の予定どおりオペラ賞に行きます。
騎手については、Mandeshaが回避したために大きなサプライズはなかったのではないでしょうか。フランキーはSixties Icon、ペリエはBest Nameに落ち着きました。

9/12時点で名前がなかった馬を見てみます。
Best Nameは前走プランスドランジュ賞で重賞初勝利をあげました。クラシック路線では仏ダービーでDarsiの2着があります。とはいえ、いきなりの相手強化、厳しい戦いになります。
Irish Wellsも前走のドーヴィル大賞典が重賞初勝利。仏ダービーはDarsiの6着。ドーヴィル大賞典(2500m)の勝ちタイムは2分50秒1(very soft)。勝ち負けするのは難しいでしょう。

同一馬主2頭出しはないですね。ペースメーカーがいないのはディープにとってプラスでしょう。勝負の中で邪魔されることはあっても勝負完全度外視の妨害はなくなりました。ペースは速くはならないと予想されているようですが、問題はどこからペースアップするかです。ディープはラストの切れ味で勝ってきた馬ですので、道中で脚を使わされるのはつらいです。有馬記念ではひたすら脚を使わされ続けてハーツクライを捕まえられませんでした。またスパートする際に前が開くのか、そのときの前との距離は?前の馬の手応えは?など、問題がいろいろあります。要するに位置取り、仕掛けどころが難しいということです。これは一般的にどの馬にも言えることではありますが、海外で競馬をする分、更に難しさがあります。騎手同士の駆け引きもありますし、日本の馬に簡単に勝たせないようにするでしょう。ダンスパートナーでヴェルメイユ賞に臨んだときはがっちりポケットされ脚を余して6着でした。でも、馬の仕上がりは非常にいいようですし、豊にとって何回も乗ったことのあるロンシャンです。いい結果を期待します。ダンシングブレーヴ張りに突き抜けてほしいですね。

斤量の軽い3歳勢に有力馬がいないのも好材料です。3歳馬ではRail Linkが大将格ですが、それでも古馬3強とは力に差があると見ている人が多いようです。

さて、バッドニュース。合田さんが土日に雨が降りそうとレポートしています(合田直弘のカウントダウン凱旋門賞)。嫌な話です。秋山さんの情報によると軽い雨で済みそうです(記事)。なんとか持ちこたえて欲しいです。

もう一頭の遠征馬ピカレスクコートは凱旋門賞の前日にダニエルウィルデンシュタイン賞(仏GII、芝1600m)に出走します(記事)。コースは凱旋門賞と同じようです(まだ仮柵は外されませんが)(オフィシャルサイト)。豊にとっては凱旋門賞の試走という意味でも大切なレースですが、管理する池江泰寿師にとっても重要なレースです。日本競馬界の今後を担うべき若手調教師です。いい経験を積んで欲しいです。豊は他にも何鞍か確保しているようですね(スケジュール)。GIフォレ賞にも乗るようです。仮柵が外されるのは凱旋門賞当日の第3レースの後と聞いてます(記事)。できれば第4レース以降でも騎乗馬を確保したかったですね。

凱旋門賞オフィシャルサイトなんてあったんですね。

ところで向こうのメディアが豊のいわゆる失敗騎乗をわざわざ取り上げているのは単なる意地悪だという趣旨のブログを書いたのですが、ペリエさんはムーランドロンシャン賞の騎乗について語ってくれていますね(記事)。それにしてもペリエのもとにディープインパクトの取材が殺到していたとは。

QエリザベスIIS

2006-09-25 20:55:36 | 競馬日記
イギリスで行われたQエリザベスIISは今年の2000ギニー馬George Washingtonが勝ちました。2着は今年の愛2000ギニー馬のAraafa。今年の3歳馬はレベルが低いといわれてきましたが(ブログ1ブログ2)、最近Dylan Thomasも愛チャンピオンSを勝ちましたし(ブログ)、調子が出てきたかもしれません。Court Masterpieceは3着、Librettistは6着でした。

2歳牝馬戦フィリーズマイルはこちらもDanehill産駒Simply Perfectが勝ちました。母父はSelkirk。Sharpen Up系はRaise a Nativeを通らないNative Dancer系でなので、重宝します。またヨーロッパにも合っているようです。祖母父カーホワイト、曾祖母父Derring-Do(ゼロ交配)も渋いです。

牝馬戦プリンセスロイヤルS(GIII)はRiverman系Bahri産駒Acts of Graceが勝ちました。母父はこちらもSharpen Up系Kris。祖母父はPrince Rose系アーティアス、曾祖母父はHyperion系バウンティアスで、きれいな配合ですね。

2歳戦ロイヤルロッジS(GII)はDanehill産駒Admiralofthefleetが勝ちました。母はMachiavellianの全妹です。
仮想配合

カンバーランドロッジS(GIII)はKing's Theatre産駒Young Mickが勝ちました。母父はMan o'War系ウォーニング、祖母父はHampton系Herbager分枝Star Appeal、曾祖母父はHampton系Hyperion分枝のマイナー種牡馬Breeders Dream。祖母の産駒にGIII2勝のYoung Ernがいます。

ディアデムS(GII)はRed Ransom産駒Red Clubsが勝ちました。祖母はPetongの全姉です。

フランスで行われたラクープドメゾンラフィットはGold Away産駒Musical Wayが勝ちました。Nearcticクロスがありますが、父方のNearcticがゼロです。ノノアルコらと同牝系です。

ドイツで行われたオイロパ賞は凱旋門賞出走も噂されたYoumzainが勝ちました(ブログ)。これも3歳馬です。

オイロパマイレ大賞(GII)はSingspiel産駒Lateralが勝ちました。母内の血がことごとく渋いです。

アメリカで行われた2歳牝馬GIメイトロンSはMeadowlake産駒Meadow Breezeが勝ちました。4代血統表できっちり父系を変えていますね。

コスモバルクとメイショウサムソン

2006-09-24 22:29:43 | 競馬日記
オールカマーは斤量58kgのGIIの鬼バランスオブゲームが勝ちました。2着に59kgコスモバルク。フジのアナが最内から伸びようとするコスモバルクの名をなかなか呼ばないので、テレビを見ながら、内からバルク!と叫んでしまいました。道中見たことがないぐらいの落ち着きっぷりで、内で折り合っていました。新境地と言っていいのでしょうか。何はともあれ天皇賞の権利が取れて良かったです。

神戸新聞杯はメイショウサムソンがまずまずのレースでした。道中から少し折り合いを欠き、直線でよれながらもアドマイヤメイン、フサイチリシャールを捻り潰しました。
ドリームパスポートは見事でした。メイショウサムソンの直後から追い出したのですが、内の馬に合わせに行ったサムソンに対し、馬場状態のいい外に進路を取って差し切りました。勝負根性たっぷりのサムソンに馬体を合わせる意味はありません。それより瞬発力勝負に徹した高田騎手のファインプレーでしょう。
アドマイヤメインにとっては最悪な負け方でした。折り合って競馬をしたのですが、4角でサムソンにかぶせられて終わりました。ダービーの負け方も嫌な感じだったのですが、サムソンを相手にする際には極端な競馬をした方がいいかもしれません。

サルモネラ

2006-09-23 22:34:39 | 農・食・医・環境
最近、サルモネラ菌についてのニュースをよく目にします。
サルモネラ菌は一般的な食中毒菌ですが、たまに重篤な症状を引き起こし、日本では年に1人程度の死者が出ます。

まずは鶏卵のサルモネラについて。
採卵場の4分の1からサルモネラ菌が検出されたそうです(記事)。
実際の陽性率はもっと高いと思われます(記事)。
日本の卵1万個に3個程度が感染している実態があるそうです。
卵は極力加熱して食べるべきなのでしょう。

は虫類からのサルモネラ菌感染もあるそうです(記事)。
「欧米の報告では、爬虫類の5~9割が菌を持っている」とのこと。感染率が高いですね。
動物からの病原体感染は牛などからのO157感染が有名ですが(ブログ)、は虫類が相手でも当然注意しなければならないということでしょう。

久々更新

2006-09-22 19:38:48 | 競馬日記
ちょっと仕事で燃え尽きていたので、久々更新です。

アイリッシュのセントレジャーはアガカーン殿下の牝馬Kastoriaが勝ちました。Sharpen Up系Selkirk産駒です。母父のShernazarも渋いです。母はミネルヴ賞(GIII)を勝っています。祖母の産駒にはケルゴルレイS(GII)のKassani、曾祖母の産駒には英愛ダービーのKahyasi、セントサイモンS(GIII)のKalianaがいます。サニングデールとも同牝系です。
2着はYeatsでした。

2歳戦愛ナショナルSはGalileo産駒Teofiloが4連勝で制しました(ブログ)。合田さんによるとこの勝利により2000ギニー、ダービーの前売り1番人気に躍り出たそうです(記事)。

ルネッサンスS(GIII)はDanehill産駒Beauty Brightが勝ちました。4代血統表で3回Northern Dancerを使っていますが、父Danehillのゼロ交配、母父はStorm CatなのでNorthern Dancerは切れています。また祖母父がTeddy系Private Accountです。母は短距離重賞を二つ勝っています。曾祖母AvianceはフィーニックスSを勝ち、その産駒にはデノン、コロネーションSなどのChimes of Freedomがいます。

2歳戦C.L.ウェルドパークS(GIII)はArch産駒Arch Swingが勝ちました。父のゼロ遺伝です。祖母はハリウッドオークスを勝っています。

ブランドフォードS(GII)はSelkirk産駒Red Bloomが勝ちました。2歳時にはフィリーズマイルを勝っています(2着はサンデーサイレンス産駒Sundrop)。母にも重賞勝ちがあります。曾祖母の産駒にイブンベイがいます。

イギリスで行われたアークトライアル(GIII)はセン馬のBlue Mondayが勝ちました。凱旋門賞トライアルという名前のレースなのにセン馬が勝ってしまいました。ヴェンチアのクロスがありますが、母父ソヴィエトスターがゼロであるため、弊害を逃れています。祖母父、曾祖母父もゼロです。祖母は優秀な繁殖牝馬で、産駒にGI馬LusoWarrsan(2頭ともJCで日本に来ましたね)、重賞ウイナーのNeedle GunCloud Castleがいます。

ドバイ国際空港ワールドトロフィー(GIII)は牝馬Dixie Belleが勝ちました。父は貴重なMan o'War系Diktat。曾祖母父インデェアンキング、高祖母父グランディがなんとも言えません。日本に種牡馬として導入されましたが、成功しませんでした。こんなところに血を残してくれているとは。

2歳牝馬戦ファースオブクライドS(GIII)はDesert Prince産駒Prince Irisが勝ちました。父の8歳時種付けです。祖母父Ela-Mana-Mouが渋いですね。母も2歳重賞勝ちがあります。キラヴーランS(GIII)で後の愛2000ギニー馬サフロンウォルデンを2着に破っていますね。

2歳戦ミルリーフS(GII)はPivotal産駒Excellent Artが勝ちました。血統表上Northern Dancerクロスがありますが、切れてはいません。タップダンスシチー、Winning Colorsなどと同牝系ですね。

フランスで行われた2歳戦シェーヌ賞(GIII)はAnabaa Blue産駒Spirit Oneが3連勝で重賞制覇しました。今年産駒がデビューするAnabaa Blueに初重賞をもたらしました。Anabaa Blueには注目しています(ブログ)。

プランスドランジュ賞(GIII)はKing's Best産駒Best Nameが勝ちました。仏ダービーはDarsiの2着、愛ダービーはDylan Thomasの8着でした。配合的には、父Kingmanbo×母父Sadler's Wellsのニックスが1代ずつ繰り上がっています。

ドイツで行われたユーロC(GIII)はDanehill Dancer産駒の牝馬Nordtanzerinが勝ちました。半兄に独ダービー、伊ダービーともに2着で春季3歳賞(GIII)勝ちのNadour Al Bahr、独オークス2着でヴァルターJヤーコプス牝馬賞(GIII)のNorth Queenがいます。
以前、クロス馬の種類が極端に少ない配合について書いたのですが(ブログ)、これら3頭もクロス馬種数が少ないです。Nordtanzerinは26、Nadour Al Bahrは33、North Queenに至っては17です。

凱旋門賞いろいろ

2006-09-14 21:53:45 | 競馬日記
凱旋門賞についていろいろ思い出せないこともあったので、整理してみました。

1.凱旋門賞を勝ったダービー馬(勝った年)
Sea Bird(1965年)、Mill Reef(1971年)、ラムタラ(1995年)、Sinndar(2000年)
ダービーからの直行で勝った馬はいません。4戦目で凱旋門賞を勝ったラムタラですら、あいだにKジョージを使っています。Sea Birdはサンクルー大賞典以来でした。
Sir Percyはどうでしょうか。

2.凱旋門賞連覇
Ksar(1921、1922年)、Corrida(1936、1937年)、Tantieme(1950、1951年)、Ribot(1955、1956年)、Alleged(1977、1978年)
86年の歴史(2回の中止を含む)で5頭だから案外多いですが、最後の達成から30年近く経っています。

3.凱旋門賞を勝ったセントレジャー馬
セントレジャーを勝った年(すなわち3歳時)に凱旋門賞を勝った馬はいません。
Nijinskyが凱旋門賞で負けて以来、有力馬がセントレジャーを避けるようになったこともおおきいでしょう。Sixties Iconは歴史を作れるでしょうか。
両方とも勝った馬であれば、Ballymossは1957年にセントレジャーを勝ち、翌1958年に凱旋門賞を勝ちました。

4.Kジョージを勝って凱旋門賞を勝った馬
Ribot(1956年)、Ballymoss(1958年)、Mill Reef(1971年)、ダンシングブレーヴ(1986年)、ラムタラ(1995年)
両方とも勝った馬ならばMontjeu(1999年凱旋門賞、2000年Kジョージ)もいます。2回目の凱旋門賞は4着でした。凱旋門賞→Kジョージ→凱旋門賞を達成したのはRibotのみ。
Montjeuの子、Hurricane Runはどうでしょうか。

5.ブリーダーズカップと凱旋門賞を勝った馬
該当なし。ピルサドスキーは1996年凱旋門賞2着、BCターフ1着、1997年凱旋門賞2着でした。これが一番惜しいケースでしょう。

6.牝馬の勝利
Pearl Cap(1931年)、Samos(1935年)、Corrida(1936、1937年)、Coronation(1949年)、La Sorellina(1953年)、サンサン(1972年)、Allez France(1974年)、Ivanjica(1976年)、Three Troikas(1979年)、Detroit(1980年)、Gold River(1981年)、Akiyda(1982年)、All Along(1983年)、Urban Sea(1993年)
14頭による15回の制覇があります。牝馬の勝てないレースではありません。古馬の勝利も7回(6頭)あります。


Sir Percy、Sixties Icon、Shirocco、Hurricane Run、ディープインパクト。全て歴史的偉業に挑戦します。

パリ大賞典、仏ダービーからの参戦についても調べようと思ったのですが、施行条件が変わっているのでやめました。

Racingpost.co.ukのエンターページの写真がディープインパクトでした。“The wrap come off Deep Impact”という見出しでした。ベールを脱いだディープインパクト、って感じでしょうか。ロンシャンでの追い切りについて、大きな記事になっていました。タイムは6ファロン72秒(スポニチ記事)。9/7にロンシャンで行われたGIIIバン賞(1400m)の勝ち時計が1分22秒7。まさしく実戦さながらですね。
報知新聞はracingpostのレスポンド・ストーンハム記者がシビアな見方をしていたと伝えていますが(記事)、報道陣が現地の人の対抗心を煽ってしまうことがしばしばあるので、騒がずそっとしておいてあげて欲しいです。フランスRTLの実況アナ、ベルナール・グラス氏が「他の騎手との駆け引きなど戦略勝負が大きい」と語ったと報知は伝えています。戦略勝負はメディアを巻き込んで行われるものであり、レスポンド・ストーンハム記者がracingpost記事中で、ホワイトマズルに騎乗した凱旋門賞ではその乗り方が正しかったか論争を招いた、ってなことを書いてるのは、単なる事実の指摘だけではなくて、伝統あるヨーロッパによる新興国に対する揺さぶりの意味や、新興国蔑視の意味も含んでいるでしょう。単純に武豊を評価するのであれば、シーキングザパールでモーリスドギース賞を勝ったり、アグネスワールドでアベイユドロンシャン賞、ジュライCを勝ったりしたことも評価対象になるでしょう。ファーブル厩舎所属のスキーパラダイスに乗ってムーランドロンシャン賞を勝ったこともありました。このときは大胆な脚質転換で追い込んだんでしたっけ。これらは特に言及されることなくグループ1のレースを54回勝った、という一言の中に簡単にまとめられています。また報知記事中ベルナール・グラス氏の「武にとってはジョッキーとしての資質が試される」という言葉自体、豊に対する揺さぶりでしょう。
ディープには彼らの価値観をひっくり返してやって欲しいです。

凱旋門賞展望

2006-09-12 23:04:42 | 競馬日記
凱旋門賞の出走馬がだいたい決まったようですね(記事)。
1頭ずつ見ていきます。

Ouija Boardはハーツクライなどとの比較により、3強より少し落ちると思います。また距離も2000mぐらいがいい馬ではないでしょうか。

Sir Percyはダービー以来の出走となります。ダービーからの直行で勝ち負けをした馬って過去にいるのでしょうか(データを洗ってないので分からないのですが、記憶にはありません、少なくとも近年はないはず)。久々の出走でデータが少ないので血統的なことも見ますが、母系はPinza、Sassafras、Blakeneyと極めてヘビーで、それにマイラーのMark of Esteemを付けてバランスをとった感じです(と言っても、Mark of Esteemの父はこれまたヘビーなDarshaan)。五十嵐氏理論的にはBlakeneyが最優位でDjebelの影響が強いです。中島理論的にはPinzaが優位です。いずれにせよ、ヘビーであることは変わりありません。馬場状態が悪化したときや混戦での急浮上はあるかもしれません。欧州の極悪馬場や混戦はディープインパクトにとって未経験なので、Sir Percyが急浮上しかねない条件が整わないことを祈ります。
と、重さばかり強調しましたが、Sir Percyは2歳戦から活躍し、デューハーストSを勝っています。2000ギニーでの2着もあり、案外器用です。よく分からない1頭です。

Sixties Iconは勢いはあれどもまだ一つ落ちるかなと思います。セントレジャー組も良績がありません。昨年もScorpionが10着と大敗しました。近2戦はデットーリが乗っているのですが、本番は誰が乗るのでしょうか。

Shiroccoはやはり強いです。フォワ賞も同厩Hurricane Runに先着しました。順調度から見てもディープの強敵です。バーデン大賞典を回避してフォワ賞に出たメリットがあるのか注目です。

Hurricane RunはKジョージではElectrocutionist、ハーツクライにきっちり勝ちましたが、前走Shiroccoに先着を許しました。スケジュールに再三変更があり、調整に不安があるのではないかという憶測もあります。

Prideはサンクルー大賞典ではHurricane Runに勝ちましたが、フォワ賞ではShirocco、Hurricane Runに先着されました。力のいる馬場の方があっている印象があります。馬場状態と展開次第で浮上もありますが、斤量的には恵まれないので厳しい戦いになると思います。

Freedoniaはフォワ賞組よりは連対の多いヴェルメイユ賞組とは言え、古馬ですので斤量面のメリットがありません。低評価は仕方がないでしょう。

Mandeshaは牝馬GIを連勝して凱旋門賞に向かいます。そして、ヴェルメイユ賞の勝ちタイムはフォワ賞、ニエル賞よりいいです。勝つのは至難の業ですが、2着までなら狙えるかもしれません。

Youmzainは前々走グレートヴォルティジュールSで重賞初勝利を挙げ、ニエル賞ではRail Linkの2着に入りました。勝ち負けをするには力不足のように思います。

Rail Linkは人気を上げているようです。ニエル賞を勝ったので当然でしょう。前々走パリ大賞典を好タイムで勝っています。ロンシャン競馬場で3連勝、ロンシャン巧者です。非常に恐い1頭でしょう。
Rail Link自身は凱旋門賞をターゲットとして順調なローテーションを組まれているのですが、それでも4番手評価です。その理由の一つは今年の古馬勢が強いことですが、ほかの理由としては他の3歳勢が順調でないことが挙げられるでしょう。仏ダービー馬Darsiが愛ダービーで完敗したり、その愛ダービーを勝ったDylan Thomasが英インターナショナルSで簡単に負けたり、ダービー馬Sir Percyがダービー後レースに出てこなかったり、2000ギニー馬George Washingtonも愛2000ギニーで破れ、その愛2000ギニーを勝ったAraafaもサセックスSで完敗したり。相対的にRail Linkの価値を落としているように思います。評判どおり今年の3歳馬は弱いのか、それともやはり凱旋門賞は3歳馬が強いのか。

ディープインパクトが勝つためには、馬場状態が一番の気掛かりです。悪くとも2分半を切れる状態でレースをしたいです。しかし、有力馬のHurricane Runは昨年このレースを2分27秒4で勝ち、Rail Linkもパリ大賞典を2分26秒4で勝ちました。Shiroccoも2分半を切る持ちタイムがあります。地元フランスの有力馬に速い馬場で実績があるので、散水して不良馬場にするようなことはないと思っています。ディープに勝たせないことだけを目的にするなら撒いてしまうかもしれませんが、そうすればSir Percy、Sixties Iconの英所属馬が浮上するかも。後は天気次第ですね。
宝塚記念から直行という変則ローテーションとなりますが、仕上がりの早い馬だけに問題ないでしょう。

各馬の鞍上を巡る攻防については合田さんがコラムに書いています(netkeiba.com)。
ここにある馬が全部出走した場合、スミヨンはMandesha、デットーリはSixties Iconに乗り、ShiroccoとRail Linkの鞍上が空席になるとのことです。

*追加情報:Shiroccoにはペリエが乗るかもしれません(記事)。