うぉんばっとな毎日

大用、現前するとき、軌則を存せず

9億円の駄馬と貴重なAlydar系

2007-10-31 22:40:13 | 競馬日記
関口氏所有の800万ドルの駄馬Mr. Sekiguchiは種牡馬入りすることになりました(記事1記事2)。通算成績4戦2勝、重賞未出走。
父が名種牡馬Storm Catで、名競走馬且つ名種牡馬A. P. Indyの近親という血統が買われ、種牡馬入りできました。A. P. Indyの近親と書きましたが、父がStorm CatですのでプリークネスSのSummer Squallの近親と言った方がいいかもしれません。Summer Squallは二冠馬カリズマティックやBCジュヴェナイルフィリーズのストームソングなどを出しています。
Storm Catの仔は種牡馬としては競走成績によらず成功する時は成功しますので、とりあえず種牡馬にしてみるのもいいかもしれません。

日本どころか世界的にも貴重になってしまったAlydar系で個性派スプリンターとして活躍したギャラントアローは引退し、乗馬となることになりました(記事)。
父系も貴重ですが、近親にはSaritamerハワイアンイメージがいる名牝系です。母父はNorthern Dancer系ですがゼロ交配。Nearcticクロスを持つという特徴もあります。種牡馬になって欲しかった馬です。飽和状態のサンデーサイレンス系を薄める意味で使い道があったんじゃないでしょうか。血統のカードの枚数は揃えておいて欲しいです。
そう言えばトウカイテイオー産駒ストロングブラッドも種牡馬になれなかったんでしたね。世知辛い世の中です。

天皇賞秋

2007-10-28 21:17:01 | 競馬日記
メイショウサムソンが鮮やかすぎる勝利でした。やっぱり強いです。楽勝でした。タイムも優秀です。抜け出してからソラを使うような面も見せませんでした。
天皇賞春秋連覇はタマモクロス、スペシャルウィーク、テイエムオペラオーに続く4頭目。秋春連覇をした馬としてはスーパークリーク、春2勝馬としてはメジロマックイーン、ライスシャワー、テイエムオペラオー、秋2勝馬としてはシンボリクリスエスがいます。これらの馬とメイショウサムソンが違うところは複数のクラシックを勝っているところです(しかも春の)。3歳の春に頂点に立ち、秋に調子を崩し菊花賞を逃しながら4歳になって更に成長を見せてもう一度頂点に立つというのは前代未聞です(予想上手の馬券ベタ)。

(更にいえば、メイショウサムソンは3歳終了時点で通算15戦を消化しています。これはここに挙げた馬の中で最多です。そしてその内容はクラシックフル参戦、秋は菊花賞→JC→有馬記念。3歳終了までにここまで使われて更に伸びる余地のあるタフさもこの馬の特徴です。)

楽勝になった原因には、先行したコスモバルク、エイシンデピュティが直線でヨレヨレで、外に出そうとしたほとんどの馬が影響を受けたこともありました。ただし、メイショウサムソンは強すぎる競馬でしたので、不利がなくても逆転までは厳しかったように思います。下の順位はいくつか入れ替わるところがあったかもしれません。
メイショウサムソンは見事に不利を受けませんでしたが、豊はコスモバルクが直線でよれることを以前から指摘していました。それを踏まえての万全のレース運びでした。右によれるコスモバルクの左に付けて早めに並びに行きました。
エアグルーヴでオークスを勝った時も、直線でよれたというより曲がったノースサンデーに多くの馬が巻き込まれてしまう中、外から早めに先頭に立ち、全く不利なくゴール板を駆け抜けたのを記憶しています。このときはなぜあのコースを通ったんでしょうね。

直線で前にいた馬が2頭もヨレヨレで、それにより多くの馬が影響を受けたというのはGIでは極めて珍しいことだったでしょう。しかし、制裁は4日間の騎乗停止と戒告であり、悪質なものではないという判断でした。馬側の問題とそれを制御する騎手の間で起きたことで、競馬の中では仕方がない面もあるんじゃないでしょうか。ヨレヨレなのが2頭もいたおかげで被害を受けた頭数が多かった、ってことでは不運なレースで、被害を受けた側にとっては不運では済まないのかもしれませんが、被害を受けた馬に乗っていた騎手が加害側に回ることもよくあります。
福永騎手は相当なご立腹だったようですが、彼こそコスモバルクの鞍上にふさわしいんじゃないでしょうか。悪癖を持つ馬が騎手次第でどう変わるのかを見てみたいです。

一番強いと思う往年の競走馬ランキング

2007-10-23 19:35:37 | 競馬日記
一番強いと思う往年の競走馬ランキング」なんてアンケートをgooがやったようで。
「強い」と「名馬」が同意語かどうかは分かりませんが、ファン投票による名馬ランキングとしては「20世紀の名馬Dream Horses2000」が有名ですね。
「名馬」というと総合的評価のような感じがしますが、「強い」というのは総合的に強いのを挙げるのか、1レースだけでもものすごいパフォーマンスを見せたのでもいいのか、迷うところでもあります。後者でいいならJCで歴史的圧勝をしたタップダンスシチーや同じくJCで2頭の三冠馬と海外の強豪を相手に逃げ切ったカツラギエースなんかも上位に来るように思います。

それで、ランキングを見ると「20世紀の名馬」で2位だったスペシャルウィークの名前がありませんね。また投票当時の最後の三冠馬が1位に指名されています。人の心は移ろいやすいものです。また「名馬」の方で31位だったダンスインザダークが15位ですから、調査に参加した人自体がかなり異なっていたのでしょう。
ヨーロッパの12FのGIを勝った唯一の日本調教馬エルコンドルパサーが19位というのはあまりの過小評価だと思います。「強い」という観点では相当なものだと思うのですが。

私がこのようなランキングで3頭名前を出せと言われれば、シンザン、トキノミノル、クリフジを挙げることにしています(「20世紀の名馬」でもこの3頭に票を入れました)。どれも現役時代を知らない馬ですが、どう考えてもこの馬たちは強かったと思います。時代を超えて強いと言われる馬の名前を挙げたいです。そしてこの中の1頭と言われれば、野平祐二師に敬意を表し、クリフジにしたいです。シンボリルドルフを管理していた人が強いと言うんだから恐ろしく強かったんでしょう。

この前のNHKの「あの人に会いたい」では野平祐二師が取り上げられていました(NHKアーカイブス)。野平師はジェントルマンですね。

菊花賞の感想も

2007-10-21 23:44:08 | 競馬日記
メジロマックイーン産駒ホクトスルタンが逃げましたが、さすがに横山ノリちゃん、上手いです。それほど中だるみすることなくレースが進みました。だらだらのペースにならなかったのは攻撃的なレースをしたいサンツェッペリン、全く折り合いの付かないヴィクトリーがいたおかげでもあります。皐月賞の1、2着馬につつかれた分、ホクトスルタンにとっては厳しかったかもしれませんが、つぶれたのはつついた馬の方で、前に行った馬の中では最先着です。

人気の一角ドリームジャーニーはいつも通り最後方。ちょっと早めに捲り気味に上がって行きました。最後方待機で直線にかけて届かなかった秋華賞の反省もあったでしょうか。しかしちょっと早めに動いた分、弾けるようには伸びませんでした。この馬にとっては展開が向かなかったというところです。1番人気ロックドゥカンブは前がつまって仕掛けるのが遅れました。勝ったアサクサキングスは仕掛けるタイミングが絶妙。ちょっとふらふらするところも見せましたがアルナスラインとの叩き合いを制しました。

ちなみに今日のもう一つのエントリ(Northern Dancerの復活とサンデーサイレンスの終焉)は当日に書いたにしてはちょっと長めですが、中島国治氏のブログとアサクサキングスの前走から、この馬が勝ってしまった場合はこれで行こうとあらかじめ構想を練っていたのでした(ホクトスルタンを応援していたのですけどね)。ダービー当日に書いたエントリ(サンデーサイレンスと牡馬クラシック)も、サンデーサイレンス系が負けると思ってあらかじめデータを用意していたものでした。

Northern Dancerの復活とサンデーサイレンスの終焉

2007-10-21 23:15:45 | 競馬日記
最近の牡馬クラシックのNorthern Dancer系勝ち馬

皐月賞
1988年ヤエノムテキ
1999年テイエムオペラオー(父オペラハウス)
2006年メイショウサムソン(父オペラハウス)

ダービー
1988年サクラチヨノオー
1996年フサイチコンコルド(持ち込み)
2006年メイショウサムソン(父オペラハウス)

菊花賞
1988年スーパークリーク
1991年レオダーバン


Northern Dancer系は1985年から1988年までダービーを4連勝したように一時代を築いたのですが、その1988年が最後にして最も輝いた年でした。この年はNothern Dancer系の馬が牡馬クラシックを完全制覇しました。これよりあとには1991年にレオダーバン(父マルゼンスキー)が菊花賞を勝ちましたが、これが本当の最後と言って良く、その後で牡馬クラシックを勝ったのは持ち込み馬フサイチコンコルドとオペラハウス産駒だけでした。

サンデーサイレンスの方は、初年度産駒が1995年に皐月賞、ダービーを制したのを皮切りに大レースを勝ちまくり、牡馬のクラシックを直仔や直孫が19勝しています。そして今までサンデーサイレンス系が2年連続で牡馬クラシックを逃したことはありませんでした(ブログ:サンデーサイレンスと牡馬クラシック)。

しかしながら、昨年はオペラハウス産駒メイショウサムソンが春二冠を達成、残る一冠を制したのはエルコンドルパサー産駒でした。今年は皐月賞はブライアンズタイム産駒が先行して押し切り、ダービーはダービー馬タニノギムレットの仔の牝馬が鮮やかな勝利を挙げました。
そして今日行われた最後の一冠菊花賞はホワイトマズル産駒アサクサキングスがダービー2着の実力から更に上積みを見せて快勝しました。レオダーバン以来、実に16年ぶりのNorthern Dancer系による菊花賞制覇となりました。長い雌伏のときを経てようやくNorthern Dancer系が復活しました。
逆にサンデーサイレンスは初めて2年連続で牡馬クラシックを逃したことになります。その前の年に牡馬クラシック路線で活躍したのは何を隠そう三冠馬ディープインパクトでした。

ディープインパクトが三冠を達成した2005年はNorthern Dancerにとっての1988年と重なるかもしれません。

マツ枯れ

2007-10-19 21:03:05 | 農・食・医・環境
マツ枯れの記事を最近いくつか目にしました。

まずは毎日新聞の憂楽帳(記事)。
「マツクイムシによる松枯れ」と書いているのは科学的には本当は誤りであり、「(マツノマダラカミキリが媒介する)マツノザイセンチュウによる松枯れ」が正解です。

中日新聞(記事)では文中で「マツノザイセンチュウがマダラカミキリを媒介として樹木の導管内に入り込んで木を枯らす」(マダラカミキリではなくマツノマダラカミキリですが)と書いているにも関わらず、タイトルでは「松くい虫危機」となっています。また文中で「「害虫」への抵抗性の高い品種の松」とありますが、正しくは「マツノザイセンチュウ抵抗性の高い品種の松」です。

各地でマツノザイセンチュウ抵抗性松の研究は行われていますが、たいてい「松くい虫に強い」という感じで書かれています()。中身まで読めば「マツノザイセンチュウ抵抗性品種」であることが分かりますが、初めから「マツノザイセンチュウに強い」と書いていないとマツ枯れをよく知らない人にとっては分かりにくいんじゃないでしょうか。

森林総合研究所のホームページ(記事1記事2)では、虫が松を枯らすことはなく松枯れはマツノザイセンチュウ病である、という事実を指摘しつつ、習慣として「マツ枯れのことを「松くい虫」」と呼んでいることを解説しています。

Wikipediaでは、「松くい虫」は「行政用語」であるとしています。

マツ枯れはマツノザイセンチュウによるマツノザイセンチュウ病であるものの、習慣的に松くい虫によるマツ枯れと表現している、と理解している人は少ないでしょう。読んで字の通り、虫(線虫ではなく)が松を枯らすと思う人の方が多いんじゃないでしょうか。
科学的でない習慣は分かりにくいだけなので、「マツ枯れはマツノザイセンチュウ病である」という科学的事実に置き換えた方がいいでしょう。内輪でしか正しい内容がわからない用語を使い続ける(しかもその内輪の用語をそのまま記事にしてしまう)根拠が「習慣」であるというのは寒いです。正しい内容が伝わりにくいものに関しては正しい内容が伝わりやすいような配慮が必要でしょう。

(文学の話でも、優美さの話でも、日本古来の伝統的表現の話でもないので注意。「太陽は西に沈み」と言う代りに「地球は何度何分廻転し」と表現するべき、と主張しているのはありません(侏儒の言葉)。)

秋華賞

2007-10-15 00:00:59 | 競馬日記
秋華賞はダイワスカーレットが完勝しました。緩急自在、完璧なレースでした。

ダイワスカーレットにとって完璧であっても、他の馬にとってこれで良かったのか疑問です。1~2Fのラップはヒシアスペンががつんと行く気を見せたために10.4と速く、そのおかげで入りの3Fは34.2と速いですが、その後、4回連続で12秒以上かかるラップを刻みました(最も遅いラップは驚いたことに13.6)。そしてダイワスカーレットはやはり33.9と33秒台の上りでした。
秋華賞は今年で12回目なのですが、ゴールタイムは5番目タイの速さでした。途中で思いっきりペースを落としていることと合わせて考えれば、断じて速いペースではありません。しかしながら福永祐一騎手は「速い流れ」と思ったそうです(記事)。完全にアンカツ=ダイワスカーレットの術中です。何回も同じような術中にはまっているにも関わらず、ここでも同じ結果でした。これがダイワスカーレットの強さと言えばその通りでそれまでですが、毎回同じように負けていたのでは他の陣営がちょっとだらしないように感じてしまいます。ヒシアスペンもどうせ大差の最下位に沈むのならペースを落とさずもっと逃げてみたら良かったのに。
しかしながらオークスの速い流れを演出した1頭のハロースピードが出遅れた段階でこの展開は覚悟しました。

負けた一番人気ウオッカは秋初戦で良化途上なのかなとは思いました。ベッラレイアも豊が覚悟を決めたようなどん尻強襲。自分で動いて行くにはちょっと足りないところを感じたのでしょうか。人気を分け合った2頭に大きな死角があったのも事実で、そうなると余程のことがない限りダイワスカーレットは負けないレースでした。

ウオッカは悪くないレースではあったので、次は女王杯よりJCに行って欲しいです。4週後に2回連続で負けた相手と戦うよりも6週後にダービーを勝った舞台で戦う方が相手は強くてもウオッカにとっては合うように思います。

前代未聞の秋華賞

2007-10-13 21:19:00 | 競馬日記
過去最高のメンバーが集まりました。今後もこのレベルのメンバーが集まることはないでしょう。

ダービー馬ウオッカ(桜花賞2着)、桜花賞馬ダイワスカーレット、オークス馬ローブデコルテ、オークス2着馬ベッラレイア、NHKマイルCのピンクカメオが激突します。
同世代の牝馬で阪神JFでウオッカの2着だったアストンマーチャンはスプリンターズSを勝ちました。

とにかくレースを楽しみたいと思います。

競馬ネタはいろいろあるのですが

2007-10-08 22:02:32 | 日記
凱旋門賞が終わったり、ネタとなるべき出来事はいろいろあるのですが、まとまっていません。
その理由は
1.忙しい。
2.メイショウサムソン、ウオッカの遠征がなくなり脱力中。
3.1と2の両方。
の3択で3ということで。

競馬と関係のないところでショックだったのはノリックの事故死です(記事)。
Uターンをしようとしているトラックに後ろからぶつかったみたいです。
ノリック側の過失の程度は分かりませんが(記事にあるようにUターン禁止のところで左側を走っていたトラックが急にUターンしようとしたとすればトラック側の責任は相当重いでしょう)、Uターンは本当にやめて欲しいです。うちの近辺でもUターンをする車が多く、みんな気軽にやっているのですが(私はやらないのですが)、変なところでケツや顔が出たまま止まっていたり、急に出て来たり、交差点の中でのろのろしていたり、非常に迷惑ですし恐いです。
Uターンしなくていいルートを選ぶのが簡単な解決策だと思います。