うぉんばっとな毎日

大用、現前するとき、軌則を存せず

ジャパンカップ

2011-11-28 19:50:20 | 競馬日記
JCはブエナビスタが勝ちましたね。
直線でもまれながら進路を確保して抜け出してきました。身体能力のピークは過ぎていておかしくないと思いますが、円熟味が出てきたような感じです。苦しいレースを繰り返したのがここに来て生きましたか。ピーク時にこういうレースができていたらもっと勝てたかもしれません。

Danedreamは6着。ゲートを遅れ気味に出て、すぐに挟まれ気味になって、ポジションは後方。スポーツとしてはこれがなくて楽にポジションを取れていたらどうだったのかが気になりますが、勝負としては日本の馬も欧州のレースに出たら不利を受けまくりですから仕方がありません。ペースは前半はスローでウインバリアシオンが動いたところでペースが上がったようです。そう言えばドバイWCではヴィクトワールピサの捲りにほとんどの馬が反応できず、日本馬のワンツーになりましたね。後方から外を回ってそれなりに順位は上げてきましたが6着が精一杯。また馬場も内の方が伸びやすかったのでしょうか。

3歳馬ウインバリアシオンが0.5秒差5着。オルフェーヴルはこの2戦、常にウインバリアシオンの0.4秒前を悠々と駆けています(菊花賞のゴール前はかなり流していました)。ウインバリアシオンがいつも通りに走ったとすれば、オルフェーヴルは上位2頭まで半馬身差の位置にはいたことになります。追い込み一辺倒だったウインバリアシオンがバックストレートで一気に動くいつも通りじゃない競馬だったので、こんな単純に考えていいか分かりませんか。
ただ、ブエナビスタ、トーセンジョーダン、オルフェーヴルが今の日本のトップ集団であると見て問題ないように思います。後は実際に競り合ったときにどの馬のハナが出ているか。
久々の出走で、今回は回ってきただけだったヴィクトワールピサの巻き返しがあれば、当然、この中に割って入るでしょう。京都大賞典でトンネルを抜けたかのように見えたローズキングダムは、ものすごく残念なことになっていますね。馬の調子というのもあるんだろうと思いますが、ダービーで2着に持ってきて、京都大賞典で復活させた後藤から騎手を変えてこれというのは、ちょっと納得できません。本来の力的にはこの馬もトップ集団に入っていいのですが。

何はともあれこのレースはブエナビスタ。えらい馬です。

エイシンアポロン

2011-11-20 21:39:23 | 競馬日記
2年連続栄進のStorm Cat系の馬でしたね。
昨年はForest Wildcat産駒エーシンフォワードでしたが、今年はGiant's Causeway産駒エイシンアポロンでした。3年連続参戦のSahpresaは3着、Immortal Verseは7着でした。日本の競馬への対応力の差が出ましたか。Immortal Verse陣営はレース前には「雨はウェルカム」(記事)と言っていましたが、レース後には「馬場が合わない」(記事)とのコメント。要するにダメダメだったということです。持っているレーティングが高いですから、Rocket Manのように4着くらいに入ってFRRに貢献してくれたらいいと思ったのですが、そう上手くはいきません。

エイシンアポロンは2、3歳時はローズキングダムヴィクトワールピサといった同期に敵わず、善戦マンのポジションでしたが、今年の秋に復帰して一気に頂点に立ちました。
父Giant's Causeway×母父Sadler's Wellsという日本向きと思えない配合です(稍重馬場でこの馬に向いてはいましたが)。この組み合わせからはPalaviciniが出ていますが、GI馬は初めてだと思います。日本から出たというのが意外です。

日本では最近、Northern Dancer系はVice Regent分枝とStorm Bird分枝が強いですね()。そのStorm Bird分枝のGI馬のうち最近の3頭は全てマル外です。内国産のGI馬はヘネシー産駒サンライズバッカスのみ。現在、日本で頑張っているのはJBBA供用でワンダーアキュートを出したカリズマティックくらいでしょうか。まだ成功種牡馬を出せる余地があるように思いますが、2010年より既にアメリカで実績のあるヨハネスブルグがJBBAで供用され始めました。ヨハネスブルグは現役時代はアラジ以来の大物2歳馬でした。大物2歳馬といえばマイスワローなんかも輸入されましたね。
個人的には既にオーストラリアでGI馬を出しているスタチューオブリバティが好きなんですが、日本ではそんなにいい繁殖をもらえていないでしょうね。

カルティエ賞

2011-11-18 22:29:57 | 競馬日記
JCも香港も終わっていないのにこの時期に決めてしまうのはどうなんだと毎年思うのですが、改める気がないようなので仕方がありません。

年度代表馬はFrankelでした。デビュー以来無敗、圧勝に継ぐ圧勝で予定通りの受賞でした。来年も現役続行で、コーラルエクリプスで10Fを試す予定(記事)。もちろん3歳牡馬チャンピオンも同時受賞。

古馬チャンピオンはCirrus des Aigles。昨年のJCで16番人気9着だった馬です。どうせ勝ち目がないと思っていたので特に印象がありません。今年は10戦して5勝、2着4回、3着1回と、非常にタフ且つ安定していました。英チャンピオンSではSo You ThinkSnow Fairyを破って初GI制覇。こんな強い馬だったかなと思います。

2歳牡馬チャンピオンはハットトリック産駒Dabirsim。日本産種牡馬の仔がカルティエ賞を取るのはNatagora以来2度目でしょうか。

2歳牝馬チャンピオンはMaybeDancing Rainの姪で父Galileo×母父Danehillという勢いのある配合です。

3歳牝馬チャンピオンは凱旋門賞馬Danedream。凱旋門賞では歴史的な圧勝でした。

チャンピオンスプリンターはDream Ahead。2歳時から期待した馬でFrankelを倒して欲しかったですが、タイトルを取れたからまあいいでしょう。

チャンピオンステイヤーはFame And Glory。愛ダービー馬で、昨年はコロネーションCやタタソールズGCを勝つなど中長距離路線で活躍してきましたが、今年は超長距離路線に転じ、アスコットGCを制しました。この路線で複数のGIを勝つ馬がいなかったので、この馬で仕方ないでしょう。

いろいろ

2011-11-14 19:55:59 | 競馬日記
一度に種類の違うことを書こうとするとタイトルをどうするか迷いますね。

Workforceを社台が輸入することになりました(記事)。
Urban Seaの弟で2000ギニー馬のKing's Best産駒。GI勝利はダービーと凱旋門賞。ダービーはレコードで圧勝し、凱旋門賞は不良馬場でのナカヤマフェスタとの叩き合いを制しました。
Haloフリーですからサンデーサイレンス系との交配が考えられていることでしょう。また、社台が更にドイツ血脈を持つ馬を入手することになりました。社台にいるドイツ血脈の馬といえば種牡馬ではマンハッタンカフェ、繁殖牝馬ではビワハイジムーンレディが有名ですが、最近、DanedreamStacelita記事)という大物牝馬を入手していました。

・エリザベス女王杯はSnow Fairyが強かったですね。強いのは知っているものの、今年は勝ち切れていないからこの調子のまま引き立て役に回ってくれないかと思いましたが、ずばっと切り捨てられました。お手上げです。さすがにJCには出走せず、香港に回る予定。
Dancing Rainはゆったりとスタートする欧州では逃げ馬であっても、スタートをポンと出て大逃げを打ったシンメイフジのペースに全くついて行けず、全く競馬になりませんでした。また一頓挫あったのも影響したでしょうか。後ろから付いていってそのままですからダメージはこちらの方がないでしょう。立て直してJCに向かってこの経験を生かすのか、どうなんでしょう。

・今年産駒がデビューしたアドマイヤムーンがかなりいいですね。既に重賞2勝です。
社台じゃないこと、サンデーサイレンスを含むことは不利な点と言っていいと思います。しかし、ファインチョイスレオアクティブと全く異なるタイプの配合で重賞勝ち馬を出し、こういった不利を跳ね返す適応力の広さを見せています。ダーレーの種牡馬紹介のページに以前は「最先端の血統」と書かれていて、最先端とは何か、最先端なら何がいいのかと思っていたのですが、こうやって産駒が活躍すると最先端ってのはすばらしいと思えてきます。
社台のキングカメハメハとともに日本のMr. Prospector系をリードしていく種牡馬ということになるでしょう。ただし、キングカメハメハとの比較ではアドマイヤムーンの方が早熟性、軽さが優先されていると言えると思います。Workforceは母方がかなり重厚で、アドマイヤムーンとはキングカメハメハを挟んで反対側のタイプになるように思います。

BC

2011-11-06 23:07:10 | 競馬日記
BCが終了しました。レース映像はこちらで見られます(リンク)。
意味不明なくらいレースが増えてしまったので、駆け足で。

ジュヴェナイルスプリントはSecret Circleが勝ちました。母父Dixieland Bandで、パワフルなタイプに見えます。

ジュヴェナイルフィリーズターフはStephanie's Kittenが勝ちました。Sadler's Wells系の中でアメリカで定着したEl Pradoの系統で、エクリプス賞芝チャンピオンのKitten's Joyの産駒です。Northern Dancer系列ぐるみだけでなく、Roberto系列ぐるみを持っていて随分新しい配合だなと思います。

フィリー&メアスプリントはMusical Romanceが勝ちました。Bold Ruler系のBold Reasoningの分枝はSeattle Slewの系統の他にSuper Concordeの系統が残っており、Big Shuffleがドイツで成功しています。この系統がアメリカで生き残っていることを知りませんでしたが、父も祖父もGI未勝利のマイナーな馬です。母父内にSeattle Slewがおり、Bold Reasoning 4 x 5が発生しています。

ジュヴェナイルフィリーズはMy Miss Aureliaが勝ちました。Smart Strike産駒でMr.Prospector 2 x 4が系列ぐるみを作る近親交配馬です。

フィリー&メアターフはPerfect Shirlが勝ちました。カナダの芝チャンピオンでSadler's Wells直仔のPerfect Soulの産駒です。母がフラワーボウル招待のLady Shirl、半兄はGI2勝のShakespeareという良血馬です。

レイディーズクラシックはRoyal Deltaが勝ちました。JBBAで繋養されているエンパイアメーカー産駒です。El Gran Senor、Lyphardという芝で実績のある馬を強調しているのですが、中身はやっぱりアメリカンでBold RulerやBuckpasserが利いています。上のSadler's Wells系2頭とは違いますね。

ダートマラソンはAfleet Alex産駒Afleet Againが勝ちました。

ジュヴェナイルターフはBallydoyleのWroteが勝ちました。High Chaparral産駒で、Northern Dancer 3 x 4 . 5、Kris 4 x 3、Special 4 x 4と異なるクロスを多用するタイプです。結局は父の傾向を生かしたタイプと言えるでしょう。

スプリントはAmazombieが勝ちました。Northern Afleet産駒です。アフリートの系統もアメリカで活躍しています。

ターフスプリントはMore Than Ready産駒Regally Readyが勝ちました。母父がSadler's Wells産駒キングオブキングスですね。ここまでSadler's Wellsの血をよく見る気がするのですが。

ダートマイルはPosse(ポッセとは違う)産駒Caleb's Posseが勝ちました。ダートに戻ると急にアメリカンになりますね。

ターフはBallydoyleのSt Nicholas Abbeyが勝ちました。Montjeu産駒です。この馬で勝てるなら日本の馬でもどうにかなりそうな気がします。鞍上はエイダンの息子ジョセフで、18歳でBCを勝つという快挙になりました。

ジュヴェナイルはHansenが勝ちました。父Tapit内にMr.Prospector 4 x 3を持ちます。

GoldikovaのラストレースになったマイルはCourt Visionが勝ちました。Goldikovaは3着。Gulch産駒、祖母はWeekend Surprise、母はSummer Squallの妹で、種牡馬としても相当期待されそうです。Goldikovaは上手く抜け出したかのように見えましたが、外から強襲した2頭に突き抜けられてしまいました。ですが、素晴らしい競走生活だったと思います。

クラシックはDrosselmeyerが勝ちました。GI勝利は昨年のベルモントS以来です。

血統的にはかなり面白い結果になりました。
芝で行われた6レースのうち、4レースはSadler's Wells系、1レースは母父がSadler's Wells系が制し、Sadler's Wellsフリーが勝ったのはマイルだけでした(Court VisionはSadler's Wellsとの組み合わせのチャンスがあり、種牡馬として有利。配合例:Court Vision × Ebadiyla)。
ダートで行われた9レースでは6レースをMr. Prospector系の馬が制しました。残る3レースはSeattle Slewを持つ馬。Sadler's Wellsを持つ馬はいませんでした。→まとめ表
持っている血による適性の違いがはっきりと出ていますし、血の広がって行く様子も現れているように思います。

JBCクラシック

2011-11-04 23:34:40 | 競馬日記
ついにダート界の両雄、スマートファルコントランセンドがJBCクラシックで激突しました。

スタートからのダッシュ力の差でスマートファルコンが予定通りハナを切りました。それをトランセンドが追いかけ、更にシビルウォーが続きました。シビルウォーはよく2頭について行きましたね。勝負どころの3角から4角にかけてで、スマートファルコンがリードを奪い、トランセンドがゴール前で追いつめましたが1馬身届かず。
1着から3着までが道中のポジション通りだったにも関わらず、力の入ったいいレースでした。

トランセンドはバテませんが、速い脚を使えないのが難点ですね。スマートファルコンは先手を取れたことと勝負どころで動けたことが勝因でした。
次はどこでぶつかるのか、ぶつかったときにトランセンドは無理矢理にでも競りかけて行くのか、次の対決が楽しみです。

Dalakhani、Daylami半妹

2011-11-02 23:01:41 | 競馬日記
DalakhaniDaylamiの半妹DalmiyaがFasig Tipton November Saleに出されるそうですね(記事)。父はBCターフのKalanisiです。

Daylami、Dalakhani、Kalanisiはかなり共通性があり、Dalmiyaもその延長線上にある配合になっています。日本では不可欠と言えるHyperion - Gainsboroughが奥まった位置にあるのは難点ですが、Halo - Hail to Reason - Turn-toを含まないのは利点です。日本人が買い付けませんかね。

メルボルンC

2011-11-01 23:22:24 | 競馬日記
メルボルンCは仏のデルザングル管理、ルメール騎乗(アガカーン殿下の預託先の一つで、殿下の仏での主戦ですが、殿下の馬ではありません)のDunadenが勝ちました。

配合が凄いですね。Nicobar(GII2勝、Tourbillon系)×Kaldounevees(GIII2勝、Grey Sovereign系)×Romildo(ガネー賞、GIII2勝、Blandford系)×Comrade in Arms(GIII2勝、Fair Trial系)×Northern Treat(重賞未勝利、Northern Dancer直仔)×Roybet(重賞未勝利、Wild Risk系)で、Group/Grade制制定以降に配された6頭の種牡馬のうち、祖母父だけがGI馬で、重賞未勝利馬も2回付けられています。父系もNearco系に偏っていません。こんな配合の馬でGIを勝つとは仏馬産界の底力を見た気がします。

Djebelの系統もAhonooraを経る分枝に絞られつつありますが、更にそこからNicobarというマイナー種牡馬の産駒のGI馬が誕生しました。