うぉんばっとな毎日

大用、現前するとき、軌則を存せず

ブレイブスマッシュ引退、種牡馬入り

2019-04-07 02:16:36 | 競馬日記
オーストラリアでGIを2勝したブレイブスマッシュが引退し、Aquis Farmで種牡馬入りすることになりました(記事1記事2)。そもそも昨年11月7日にAquis Farmからブレイブスマッシュを獲得したというアナウンスがあったのですね(記事)。これに気づいていませんでした。

2歳時にサウジアラビアRC(第1回であり、当時は格付けなしの重賞。第2回からGIII。前身レースはオープン特別のいちょうS。父のトーセンファントムがこのレースを勝っている)を勝っていますが、距離を2000mに延長して挑戦したホープフルS(当時はGII)で7着、年が明けて再び2000mの京成杯(GIII)では12着といずれも惨敗でした。しかし、次走の1400mファルコンS(GIII)では2着と好走し、NHKマイルCに出走しましたが、使い詰できたことや距離を伸ばしたり短縮したりで路線が安定しなかったことが影響したか、8着に終わりました。そしてダービーでは18着。休養を挟んで、1600mのキャピタルSで3着、4歳になり、1600mのニューイヤーSで4着、続く1200mのオーシャンS(GIII)で4着。その後、オーストラリアに移籍しました。日本では格付けありの重賞を勝てなかったのですが、1600m以下ではNHKマイルC以外掲示板を外しておらず、スプリンターマイラーとしてはなかなか安定していました。オーストラリアでの成績はこちら。移籍後、出世してGIレースにどんどんと出るようになりましたから、常に好走とはいきませんでしたが、最終的にフューチュリティS、マニカトSとGI2勝は立派です。前述のように日本でも実は安定したスプリンターマイラーだったのですが、日本にはスプリントGIが少ないですから、ずっと日本にいた場合、このような活躍ができたかどうか。いい移籍だったと思います。記事では「Multiple Group 1 winner」、「dual G1 winner」となっており、単なるラッキーパンチの1勝だけでないというのは本当に価値があります。

種付け料は20,000豪ドル(現在のレートで約159万円)。同じスタッドに繋養されている種牡馬では、サイアーズプロデュースSのInvader(Snitzel産駒)の27,500豪ドル、コーフィールドギニーのDivine Prophet(Choisir産駒)の22,000豪ドルよりは下ですが、フォレ賞のAclaim(Acclamation産駒)の13,750豪ドルよりは上。十分な評価でしょう。日本で種牡馬入りしていたら、このような評価にはならなかったのでは。オーストラリアに行って良かったと思います。

種牡馬としては、Northern Dancerクロスを伴うノーザンテーストクロスであったり、Hail to Reasonクロスであったり、アメリカンな血(特殊なカナディアンの血も)を持つところが前面に出ていますが、トウカイテイオー、トニービン、ポインテッドパスのようなヨーロピアンの比重が大きいところも持つところがポイントになるでしょうか。具体的にこうするのが良い、という案があるわけではないですが、オセアニアではCentaineのような種牡馬が活躍したことがあるわけで、例えばこのCentaineを持つような繁殖が相手であれば、Nasrullah、Hyperionだけでなく、My Babu、Court Martial - Fair Trial、Massineといったヨーロピアンも押さえることができます。日本で種牡馬入りした場合とは違う楽しみ方がありそうです。

サンデーサイレンス、ノーザンテースト、トニービン、リアルシャダイ、パーソロンと日本における名種牡馬たちが血統表にいるわけですが、日本競馬ということで言えば、一番はトウカイテイオーの牝系でしょう。先日、本邦史上3頭目の牝馬のダービー馬ウオッカが亡くなりましたが(ブログ)、初めての牝馬のダービー馬ヒサトモが牝系祖先にあたります(下総御料牧場の星友系)。先日、「日本の競馬界は既に世界のトップレベルに近いところにある」のだから、「日本ローカル血統を大量に持つアウトサイダーの名繁殖牝馬」を作れないものかと書いたのですが(ブログ)、すでに競馬先進国と言っていいポジションにいるわけですから、日本独特の血を世界に返すこともやって欲しいことの一つです。ブレイブスマッシュがそれを果たしてくれることを期待したいですし、ブレイブスマッシュに続く馬もどんどんと出て欲しいです。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿