うぉんばっとな毎日

大用、現前するとき、軌則を存せず

2011 Keeneland September sales終わり

2011-09-27 00:55:17 | セリ
2011 Keeneland September saleのSession 6-13の日本人(と思われる人の)落札馬です。見落としはあると思います。

Hip No.1351 Afleet Alex×Diablo's Bobett:株式会社レックス、25,000ドル
Hip No.1584 Lawyer Ron×Salty Beach:有限会社ビッグレッドファーム、120,000ドル
Hip No.2113 Successful Appeal×Yanquee Reign:株式会社レックス、47,000ドル
Hip No.2317 Langfuhr×Latte:有限会社ムラヤマ・ブラッドストック、26,000ドル
Hip No.2391 Tiz Wonderful×Proof Positive:株式会社レックス、15,000ドル
Hip No.2417 Tiz Wonderful×Run Withthe Spirit:有限会社ムラヤマ・ブラッドストック、30,000ドル
Hip No.2421 English Channel×Sankara:有限会社ビッグレッドファーム、30,000ドル
Hip No.3582 Macho Uno×Legs O'Neal:大谷正嗣、14,000ドル

ちょっと落札者の顔ぶれが変わりましたね。レックス、BRF、ムラヤマ・ブラッドストック(村山卓也氏)が買われています。
ずいぶん癖のある配合も見られます。

Hip No.1351はアフリートの系統をアメリカで伸ばしてくれているAfleet Alex産駒。少しすっきりしないところがありますがまずまずだと思います。
Hip No.1584はなかなか目にしないGrey Dawnのクロスを持ちます。さすがBRF。
Hip No.2113はアメリカでMan o'War系を伸ばしているSuccessful Appealの仔。母内にLucky Debonairというこれまた滅多に見ないクロスを持ちます。そこそこいいと思います。
Hip No.2317はNearcticの主導が明確。値段も手頃でいいと思います。
Hip No.2391は父の母と母父が呼応しています。ダート向きでしょうね。
Hip No.2417の母はブライアンズタイムの妹。母内のRibotの位置がかなりずれています。
Hip No.2421の牝系はアガカーンスタッド出身。それに父English Channelで芝向きの可能性が高いです。Sheshoonの6 x 4というのはどうなんでしょうね。
Hip No.3582はMr.Prospectorの系列ぐるみの主導が明確。母内のBoldnesianクロスというのもちょっと珍しいです。

この中で気になるのは価格まで込みでHip No.2317です。
全体ではAdorationの仔Hip No.27、English Channel全妹Hip No.39、Wonder Againの仔Hip No.137、Mr.Prospector主導が明確なHip No.496です。中でも1回目に取り上げたHip No.27、Hip No.39、Hip No.137の3頭は血統的価値が高いですね。そして安い(日本に持ってくるに当たっての諸経費なんかがどれくらいかかるのか知りませんが)。例えばEnglish Channel全妹が社台からセレクトセールに上場されていたら3000万円で買えるとは考えにくいです。

河野通文調教師、免許取り消し

2011-09-26 19:35:04 | 競馬日記
ちょっと驚きました。美浦の河野通文調教師の調教師免許が取り消されることになりました(記事)。暴力団関係者との交際、金銭の貸し付けが理由とのこと。
芸能界でも暴力団関係者追放騒動がありましたし、一連の流れと言っていいのでしょう。

その原因となった暴力団関係者への金銭の貸し付けに関するニュースは今年の3月に流れています(記事)。「41歳の組幹部と調教師は馬主を通じて5年前に知り合った」とのこと。
つまりこの馬主も暴力団関係者との交際があったことになります。この馬主は馬主資格の取り消しにならないのでしょうか。

河野師は訴訟の準備をしているという話が出ています(記事)。どうなるんでしょうね。

追記:「3月の報道では同調教師が馬主を通じてI氏と知り合ったとされたが「十分に調査したが、公判の中では事実は認められず本人の事情聴取の中でも出てこなかった」」とのこと(記事)。訴訟になる可能性があり、その過程でもう一度、どうやって知り合ったのかについて明らかにされるのでしょう。

菊花賞トライアル

2011-09-25 22:25:19 | 競馬日記
東西の菊花賞トライアルが終わりました。

神戸新聞杯は2冠馬オルフェーヴル、セントライト記念はフェイトフルウォーが勝ちました。

この両馬は今更何を語ればというくらい有名になった父ステイゴールド×母父メジロマックイーンのニックスです。凄いですね。
この組み合わせでは母父メジロマックイーンの影響は小さいのですが、ステイゴールドの中の血を丁寧に押さえ、メジロマックイーンの方の血もきれいに生きています。母父メジロマックイーンの重賞勝ち馬はドリームジャーニー、オルフェーヴル兄弟とフェイトフルウォーの3頭で、母父メジロマックイーンにとってステイゴールドは現在のところ最良の父と言って問題ありません。

東のトライアル、セントライト記念から菊花賞を勝った馬は西高東低の影響もあり2001年のマンハッタンカフェまでさかのぼらなければなりません。セントライト記念の勝ち馬ではなんと1984年のシンボリルドルフまでさかのぼることになります。
西の方のトライアル、神戸新聞杯からの方が成績がよく(その昔は京都新聞杯がその役目を果たしていましたが)、この10年で7頭の勝ち馬を出しています。しかし、このうち神戸新聞杯を勝ったのは2005年のディープインパクトのみ。
負けるより勝った方がいいと思うのですが、勝ったからといって安心できない菊花賞トライアルです(神戸新聞杯を勝った春の2冠馬はディープインパクトのみで、これは安心材料になります)。

オルフェーヴルは史上7頭目の3冠馬を目指します。
3冠馬のうち、菊花賞の前走を勝ったのはシンボリルドルフとディープインパクト。どちらも無敗の3冠馬です。菊花賞の前走までに黒星のついていた4頭は全て菊花賞の前走を負けています。ちなみに生涯無敗の変則3冠馬クリフジももちろん菊花賞の前走を勝っています。オルフェーヴルは今まで4敗。新馬を勝ち上がってからスプリングSを勝つまで4連敗でした。こういった仕上がりに問題があった馬が菊花賞トライアルを簡単に勝って本番は大丈夫なのかというのが懸念材料になります。馬が春とは違う、他の馬と現時点での実力に差が付いたという可能性もありますが、ジンクスとしては気になるところです。

懸念材料を挙げましたが、是非こういった過去のデータを覆して欲しいところです。メジロマックイーンの血を持つ馬に菊花賞を勝って欲しいです。

ちなみにracingpostはオルフェーヴルを高く評価しており、RPRによる3歳芝部門の現時点ランキングではFrankelの137、Excelebration、Nathaniel、Sea Moonの126に次ぐ125ポンドです(ランキング)。GI4勝のスプリンターDream Ahead、ダービー馬Pour Moi、仏ダービー馬Reliable Man、セントレジャー馬Masked Marvel、パリ大賞典馬Meandre、愛ダービー馬Treasure Beachらより上です。一競馬紙の評価とは云え、英仏愛のダービー馬より日本のダービー馬が上というのは気持ちがいいですね(Pour Moiは引退したので英ダービー馬より日本のダービー馬が上であることは確定)。3冠達成プラスJC and/or 有馬記念となればかなり良いレートをracingpostからはもらえそうです。

2011 Keeneland September sale続き

2011-09-20 02:03:07 | セリ
2011 Keeneland September saleのSession 3-5の日本人(と思われる人の)落札馬です。派手なのはSession 2までですが、まだ日本人による落札が見られます。

Hip No.261 Scat Daddy×Russian Broad:株式会社栄進堂、220,000ドル
Hip No.297 Distorted Humor×Shining Through:株式会社栄進堂、250,000ドル
Hip No.335 Tale of the Cat×Spread:加藤久枝、30,000ドル
Hip No.376 Curlin×Sweet Belle:株式会社栄進堂、170,000ドル
Hip No.496 Curlin×Wild Gams:株式会社栄進堂、170,000ドル
Hip No.677 Speightstown×Colonial Glitter:森秀行、115,000ドル
Hip No.794 English Channel×Flashy Four:小崎憲、105,000ドル
Hip No.831 Medaglia d'Oro×Go Classic:前田幸治、170,000ドル
Hip No.879 Medaglia d'Oro×Home From Oz:株式会社栄進堂、500,000ドル
Hip No.906 Giant's Causeway×Jewel in the Crown:株式会社栄進堂、300,000ドル

栄進堂さんはここでも積極的ですね。小崎憲調教師が落札されています。

Hip No.261はMr. ProspectorのRaise a NativeとNashuaを強調。
Hip No.297はナンソープSのBahamian Pirateの半弟。祖母は重賞勝ち馬、祖母の兄弟にトライマイベストEl Gran Senor。HaloのHail to Reasonをクロスする形態で日本にも適応できそうです。
Hip No.335はMr. Prospectorの系列ぐるみが目に付きますが、かなりのアメリカンで日本では少し不安があります。
Hip No.376はCurlinの初年度産駒。かなりの近親交配馬で不安です。
Hip No.496はこちらもCurlin産駒。Mr. Prospector系列ぐるみがシンプルに主導し、日本でどうなのかは分かりませんが、興味のある配合です。
Hip No.677は若干、近親交配がきつめですが、強調した血の連携はいいですし、方向性はあっています。
Hip No.794はEnglish ChannelでBold RulerとNative Dancerでリードする形態。芝も走れるかもしれません。
Hip No.831はGone Westを生かしている点は面白いと思います。
Hip No.879はEl Prado強調型というのは面白いですね。
Hip No.906の曾祖母はRainbow Questウォーニングコマンダーインチーフの祖母Where You Lead。世代のバランスが良くないのが残念です。

この中ではHip No.496とHip No.879に興味があります。

サラブレッド生産頭数減少

2011-09-15 22:33:01 | 競馬日記
合田さんによるとサラブレッドの生産頭数が減少しているそうです(記事)。
日本でももちろん減っているのですが、イギリスとアイルランドの話です。

2008年と2010年の比較でイギリスは6043頭から4665頭へ22.8%減、アイルランドは4割近い減少とのこと。不況の影響とのことで、この不況というのはリーマンショック、サブプライム住宅ローン危機に端を発した不況期に突入したことでしょう。
この期間の日本はというと7369頭から7122頭へ3.4%の減少でした(資料1資料2)。日本のサラブレッド生産頭数が最多だったのは1992年の10407頭で、これから考えると31.6%の減少です*(資料)。バブルが弾けて長い不況に突入し、趣味の多様化により競馬の人気も低迷していく中で生産頭数が減少していきましたが、わずか数年で日本が20年近くかけて減少させたのに匹敵する比率の減少があったことになります。

日本は馬券売り上げの低迷により一部を除く地方競馬がことごとくダメになっていってます。先日は荒尾競馬場の廃止が決定されたというニュースが流れました(記事)。
英愛はブックメイカーが強いので馬券売り上げに依存した日本のシステムとは異なると思いますが、それでも生産頭数の減少は競馬場の運営に影響を与えるようです。「馬の数が少なくなれば、開催日数やレース数を減らさざるを得ず」と合田さんは書いています。馬の数が減ったのなら日本の馬を買ってくれればいいのに。ちょっと高コストでしょうか。

* 日本ではアラブも生産されていましたが、こちらは1992年と2010年の比較で2467頭から10頭へ99.6%の減少。サラブレッドとの合計では12874頭から7132頭へ44.6%の減少。アラブ競馬を切り捨てることによってサラブレッドの生産への影響を多少吸収したことになります。2011年の生産頭数の確定値はまだですが、6980頭になるという予想(記事)。

追加:北米ではどうなのかを調べてみました。同じ時期で数字を調べると、2008年から2010年までで34561頭から27233頭へ21.2%の減少(資料1資料2)。2011年は更に減って23558頭とのこと(資料)。こちらも酷いことになっています。
英愛米ではこの2、3年で激減ですが、日本ではこんなに一気に減らした年はありません。

2011 Keeneland September sale

2011-09-14 00:40:36 | セリ
2011 Keeneland September saleのSession 2までの日本人(と思われる人の)落札馬です。セールの結果の表から日本人だと気づいたものを書き出しているので、見落としがあるはずです。

Hip No.16 Unbridled's Song×Sweet Mariage:前田幸治、225,000ドル
Hip No.27 Galileo×Adoration:株式会社栄進堂、200,000ドル
Hip No.39 Smart Strike×Belva:多田信尊、400,000ドル
Hip No.41 Giant's Causeway×Bless:株式会社栄進堂、300,000ドル
Hip No.49 Unbridled's Song×Cat Chat:多田信尊、250,000ドル
Hip No.51 Midnight Lute×Clay's Rocket:幅田昌伸、250,000ドル
Hip No.58 Tale of the Cat×Ecology:株式会社栄進堂、400,000ドル
Hip No.96 Unbridled's Song×Ocean Drive:森秀行、225,000ドル
Hip No.97 Unbridled's Song×Oonagh Maccool:多田信尊、585,000ドル
Hip No.105 Exchange Rate×Queen's Play:栄進牧場、350,000ドル
Hip No.137 Smart Strike×Wonder Again:多田信尊、300,000ドル
Hip No.146 Street Sense×Autumnal:多田信尊、375,000ドル
Hip No.170 Unbridled's Song×Folklore:前田幸治、385,000ドル
Hip No.190 Street Cry×Love and Happiness:大谷正嗣、180,000ドル


栄進、多田氏、マエコウさん、オリオンファーム大谷さん、森師、とおなじみの名前が並んでいます。幅田さんというのはあまり知らないのですが、ヴンダーの馬主さんですね。ここまでの14頭中5頭がUnbridled's Song産駒というのが意外です。Unbridled's Songは1993年生まれのベテラン種牡馬で3頭のBC勝ち馬を出すなど成功していますが、日本では重賞勝ち馬はラヴェリータのみ。からきし駄目というわけではないですが、すごくあっているわけでもありません。じゃあどの種牡馬がいいのかと言われてもCaerleonのように日本で何頭もGI馬をだすような種牡馬はそうそういないですし、内国産種牡馬の活躍が目立つ状況ですから困ってしまうのですが。

Hip No.16はAshadoの近親。Unbridledの系統によく見られるDr.Fagerクロス型。ダート向きでしょう。
Hip No.27の母AdorationはBCディスタフの勝ち馬。近親からは他には活躍馬は出ていませんが、良血馬と言っていいでしょう。父Galileo×母父Danzig系のニックスでBuckpasserまでクロスしています。欧州で流行の形態で、向こうで走らせる方が確率は高いでしょうが、なんせ良血馬ですから20万ドルで買えるというなら買ってしまうのも分かります。
Hip No.39はEnglish Channel全妹。これが40万ドルというのはお買い得価格かもしれません。Smart Strike産駒ですが、母父がTheatricalで芝に向いた配合です。
Hip No.41の母はFusaichi Pegasus全妹。半兄はフサイチギガダイヤ。フサイチギガダイヤの方がいいですね。
Hip No.49の祖母はBCジュヴェナイルフィリーズの勝ち馬。5代内アウトクロスなのは好感が持てますが、ダートの方がいい気がします。
Hip No.51はチャンピオンスプリンターMidnight Lute産駒。Dr.FagerやBuckpasserのクロスでReal Quietの血を生かしています。ダートの短距離でしょうか。
Hip No.58はブルーグラスSなどのGeneral Quarters半弟。コテコテと近親交配がありますが、近交しているクロス馬の種類はGeneral Quartersと共通します。こういう形態で日本で走れるんでしょうか。
Hip No.96は母が重賞勝ち馬。Raise a Nativeに絞っているのは好感が持てるところです。
Hip No.97の母は重賞勝ち馬。父母ともにアメリカンであるに関わらず、Wild Riskを伴うLe Fabuleuxという傾向の異なる血が最前面でクロスしているのはどうなんでしょう。
Hip No.105はMarsh Sideの姪。Mr. Prospector系列ぐるみ。
Hip No.137の母Wonder AgainはダイアナHなどを勝ったGI馬で、グラスワンダーの全妹です。Raise a NativeとNashuaによりMr. Prospectorを強調しています。母、伯父は芝馬でしたが、ダートも走れそうな感じです。
Hip No.146は垢抜けない配合。
Hip No.170の母はBCジュヴェナイルフィリーズの勝ち馬。父と祖母が相似形でStorm CatとMr. Prospectorの近親交配になっています。ブレイクタイムを思い出しました。
Hip No.190はバレリーナSのHappy Ticketの姪。父の母と祖母の呼応でヨーロピアンな要素が生きています。

興味のあるのはHip No.27、Hip No.39、Hip No.137です。

フォワ賞、ニエル賞、ヴェルメイユ賞

2011-09-12 20:36:49 | 競馬日記
凱旋門賞を目指す上で重要な3レースがロンシャンで行われました。

4歳以上のGIIフォワ賞を勝ったのはアガカーン殿下のSarafina。現在凱旋門賞の前売り1番人気です。日本馬ヒルノダムールナカヤマフェスタは2着と4着でした。
フランスのレースらしくゆったりとした出だしでスタートが早かったナカヤマフェスタが逃げる形。4頭一列の状態から直線に入り、団子になっての追い比べになりました。Sarafinaはかなり狭いところを抜けてきて強いなあと思いましたが、日本の馬もまだ本番じゃないという感じもありました。
ヒルノダムールは直線で外に出て進路を確保し、後は勝つだけというところでしたが、狭いところを抜け出してきたSarafinaにやられました。鞍上藤田も向こうの競馬スタイルが分かったことでしょうし、本番は一発を期待します。藤田は今年、ドバイワールドCでも2着。日本の馬の力は十分に海外で通用しますし、藤田騎手の力も十分に通用します。
ナカヤマフェスタは今回は逃げましたが本番では逃げないでしょう。JC以来の出走で逃げという本来の形ではないレースでSt Nicholas Abbeyと差がない競馬ですから、上々と言っていいでしょう。こちらも上昇を期待します。鞍上蝦名は凱旋門賞2戦2着2回。後は馬場が悪化すれば。

3歳GIIニエル賞を勝ったのはReliable Man。Sarafinaよりも気になる馬です。楽勝でしたね。ナカヤマナイトは最下位6着。ちょっと足りないかなと思いました。

牝馬GIヴェルメイユ賞はSarafinaがフォワ賞の方に回ったために1番人気はGoldikova半妹Galikova。危なげなく勝ちました。

勝ちタイムは以下の通り。
フォワ賞:2:32.28(Good To Soft)
ニエル賞:2:32.43(Good To Soft)
ヴェルメイユ賞:2:34.38(Very Soft)

同日に行われるということでタイムの比較をしてみることが多いのですが、今年はヴェルメイユ賞だけ馬場状態が大きく違い、時計がかかっています。勝ち馬が進路を確保するのに手間取ったフォワ賞と、勝ち馬に流す余裕があったニエル賞はほぼ同じくらいのタイムでした。Zarkavaは出遅れて一番のタイムでヴェルメイユ賞を勝ち、これが一番強い馬だと誰でも分かりましたが、ここまでの馬はいませんでした。

SarafinaもReliable Manも管理するのはロワイエ=デュプレ。どちらをエースとして考えているのでしょうか。ちなみにディープインパクトが出走した凱旋門賞ではファーブル師がフォワ賞2着で連覇を狙うHurricane Run、前年のBCターフの勝ち馬でフォワ賞を勝ったShirocco、ニエル賞を勝ったRail Linkの3頭出しで、最も評価の低かったRail Linkが勝ちました(2着はReliable Manと同じ馬主でロワイエ=デュプレが管理していたPride)。ということもあり、Sarafina、Sarafinaと言われていてもReliable Manの方が気になってしまいます。
他に気になるのはBallydoyleのSo You Thinkの動向ですね。

Born To Seaデビュー戦勝利

2011-09-10 23:14:30 | 競馬日記
Urban Seaの最後の仔Born to Seaがデビュー戦を勝ったようですね(記事)。
デビュー戦のListed、ブレニムSを1馬身半差で勝ちました。

Born to Seaの兄姉についてはSea the StarsのStallion Brochureをご覧ください(pdf)。Born to SeaはSea the Starsの3/4同血で、父がCape CrossからInvincible Spiritに代わっています。配合としてはSea the Starsは父の母の血がマニアックであまりフィットしていないように感じるのに対し、Born to Seaはこの部分にPrincequillo、Nasrullahというキーホースを含み、Tantieme、Donatelloまで押さえています。こっちの方がフィットしているように思います。

ギニー、ダービーの前売りで人気が上がっていますね。夢を買いたい人も多いでしょう。Sea the StarsもGalileoも偉大すぎますからここまでは期待しないのが普通ですが、"if we win something nice that's great"とのオックス師の談。

世界陸上その2

2011-09-05 20:30:43 | 日記
世界陸上について第2回目。

初めて最終種目になった男子4x100mリレーではジャマイカが圧倒的な力を見せて世界新記録。完全に男子短距離のチャンピオン国はアメリカからジャマイカに移りました。そのアメリカとイギリスは最終走者にバトンを渡すところで失格。イギリスの4走の動きがおかしく、一つ外のレーンのアメリカの3走が入ってくるタイミングで動き出してアメリカ3走を転倒させ(アメリカ3走はあのタイミングで動き出されると思わず、ぎりぎりを走ってしまったのでしょうか)、自身もオーバーランでバトンを受け取れず。転がったアメリカはトリニダード・トバコの選手を邪魔することになってしまいました。
こういった何があるか分からないレースですから何とかして決勝に潜り込むことが大切です。日本はシーズンベストだったものの予選落ち。欠場した塚原が短距離陣を引っ張らなければなりませんし、朝原の弟子、江里口ももっと伸びて欲しいです。
勝ったジャマイカチームは3走を走ることが多いボルトが4走でした。アキレス腱が痛くてカーブを走るのが不安だったのこと。ボルトの体調がもどってアサファ・パウエルが復活したらいったいどんな記録が出てしまうのでしょうか。
日本女子短距離陣は伸びが著しいですが予選落ち。まだ層が薄いように思います。福島頼みでは先が見えています。
勝ったのはアメリカ。ジャマイカのベロニカ・キャンベル=ブラウンの追い込みを封じました(ブラウンって誰やねんと思ったらベロニカ・キャンベルだった。2007年に結婚して姓が変わったそうですが、今回の世界陸上でようやく気づきました)。

男子50km競歩は森岡が6位入賞で今村コーチの日本最高順位に並びました。他に谷井、荒井も10位以内。20km競歩では鈴木が8位入賞を果たしています。もっと強化に力を入れていい種目だと思います。メダルを狙えます。ただ、高校レベルだと明らかなマイナー種目で、さあ陸上競技をしようとなったときに選びにくい種目です。こういうのが変わって選手層が厚くなれば一気に世界の頂点を狙えると思います。

男子マラソンは堀端が7位入賞。中本が10位、川内が18位で、団体では銀メダルでした。男子マラソンのスピード化は著しく世界歴代9位まで5分を切っています。日本歴代では10位までに1980年代の記録が3つも入っており、低迷期を脱し切れていません。自分たちのレベルを把握した堅実な走りと粘りで団体銀メダルを取りましたが、個人のメダルを取りに行くためには粘るだけでは難しいです。今回は3位の選手のタイムが2:10:32。日本選手の持ちタイムではこの夏のマラソンでベストに近い走りをしなければメダルを取れません。まず一人でも多くの選手に7分を切って欲しいですし、それプラス粘りでメダル圏内に入り込むチャンスが出てくると思います。
女子の方は最近は世界的にも一旦低迷期に入っているのですが(高橋尚子が2001年に20分の壁を破ってから20分を切る選手が続出しましたが、世界歴代10傑に入っている近5年の記録は4位タイにランクされる2008年のイリーナ・ミキテンコと2011年のメアリー・ケイタニーの2:19:19の2つのみ)、日本がそれ以上に低迷しています(日本歴代10傑に入っている近5年の記録は10位タイにランクされる尾崎好美の2:23:30で、2005年の野口みずき以来、20分切りは出ず)。高橋尚子、野口みずきが天下を取りましたが、それは既に過去のことです。個人のメダルだけでなく、今回、初めて団体のメダルも逃しました。男子の方は低迷期を自覚し、知恵を尽くして最良の結果を出すように励んでいますが、女子の方も切り替えていかなければなりません。それとも5000mで決勝まで進んだ新谷あたりが黄金期を取り戻してくれるのでしょうか。

期待された男子やり投げ村上は予選落ち。難しいですね。1投目は悪くないと思ったのですが、2投目で流れを失い、3投目も記録を伸ばせませんでした。女子の海老原は決勝に進出する快挙。惜しくも入賞は逃しましたが素晴らしい世界陸上になったのではないでしょうか。
日本の投擲陣には室伏という巨人がいます。その室伏ももう37歳。あと数年はやってくれるでしょうが、あと10年期待するのは無茶というものです。彼がいる間に選手層を底上げしていって欲しいです。
室伏は国際陸連IAAFの選手委員に再選され(記事)、国際フェアプレー賞を授与され(記事1記事2)、IOCの選手委員に再立候補することになっています(記事)。一選手としての枠を超えた偉大なアスリートです。

日本のメダルは室伏の金メダル1個、入賞は女子マラソン5位の赤羽、男子50km競歩6位の森岡、男子マラソン7位の堀端、男子20km競歩8位の鈴木でした。次のロンドンオリンピックでのメダル候補は室伏のみとのこと(記事)。今回はうまく行かなかった男子やり投げ村上、男子4×400mリレー、結果を残しつつある男子競歩にも期待したいです。女子はメダルを目指せる種目がマラソンしかないですね。

Danedream、Dream Ahead、So You Think

2011-09-05 20:28:18 | 競馬日記
Danedreamがバーデン大賞典を勝ちました。またもや6馬身差の圧勝。勝つときは強いですねえ。GI2勝目。
Danedreamは昨年のバーデン=バーデンの競り(競りとは直接的に書いていないですが、競りだとおもうのでそのセール結果を探索中→これのLot119)でたった9,000ユーロ(≒100万円)だったとのこと(記事)。この名牝が、ということだけでなく、血統、血統構成の良さから考えても信じられないですね。バーデン=バーデンの競りにはこんなすごい掘り出し物が出てくるものなのでしょうか。タタソールズとかアルカナ・ドーヴィルとかヨーロッパには有名な競りはありますが、範囲を広げると思わぬ幸運に巡り会えるかもしれません。
Danedreamは凱旋門賞、BCも視野にはっているようです(記事)。こういったレースを目指すようなら日本には来ないことになるので残念なのですが、“she is also entered in two very valuable races in Japan”とシールゲン師は言ってくれており、日本に来る可能性も残っています。

ディクタット産駒Dream AheadはスプリントCを辛勝。渋く勝った、勝負強さを見せたと言った方がいいかもしれません。これでGI4勝目でスプリントCは父仔制覇。欧州で強いMan o'War系の馬は久しぶりな気がします。
勝ったレースは全て6F。持っている血を見るともうちょっと長くてもやれるように思ったのですが、Diktat×Cadeaux Genereux×Green Desertとスプリンターの累代交配でやっぱりスプリンターでした。

愛チャンピオンSはSo You Thinkが勝ちました。プリンスオブウェールズSではRewildingにやられましたが、再びGI連勝。凱旋門賞の前売りはSarafinaが1番人気のところが多く、So You Thinkはまだ今後の予定が流動的なためか2~4番人気ですね。ファーブル師のところのPour Moiが凱旋門賞でのCoolmoreの大将の予定だったのですが、故障で引退。ドバイWCのヴィクトワールピサも回避しており、混戦模様です。