うぉんばっとな毎日

大用、現前するとき、軌則を存せず

東京大賞典

2010-12-30 22:59:33 | 競馬日記
今年の競馬納め、東京大賞典はスマートファルコンが大レコードを樹立して完勝しましたね。国際GIにふさわしいレースが行われたんじゃないでしょうか。
ヴァーミリアンの記事で、JCダートほどはペースが厳しくならないなんてとんちんかんなことを書いてしまいましたが、スマートファルコンがこんなペースを作ることが想定できて、騎手も被ってしまうということなら、あそこで潔く引くのが確かに正解でした。

日本のダートは基本的にスピードが出ないですし、がんがん飛ばして行くこともないですから、そんなに速い時計は出ませんでした。しかし、この2分0秒4という時計を出せるならアメリカのダートでも勝てるレースがありそうです。
それにしても地方の大したことのない重賞ばっかりを走って賞金を稼いでいた馬が5歳の秋になって一気に壁を破った感じです。

父はゴールドアリュール、半兄はワールドクリーク。父子、兄弟での東京大賞典制覇になりました。
母父ミシシッピアンというのが凄いですね。名牝Gazalaの仔の仏2歳チャンピオン。種牡馬としては成功しませんでしたが、ケイシュウハーブのおかげで2頭のGI馬の母父になりました。
ゴールドアリュール産駒はエスポワールシチーオーロマイスターと、ダートで大爆発ですね。

今年の最優秀ダート馬はどうなるんでしょう。昨年の最優秀ダート馬エスポワールシチーが前半の感じからは最有力だったはずですが、アメリカ遠征前の南部杯を取りこぼしGI2勝。トランセンドはGIはJCDのみの1勝、ほかにGIIIを1勝。スマートファルコンはGI2勝、GII1勝、GIII2勝ですが、中央でのGI勝ちがありません。ゴールドアリュールも中央のGI勝ちなしで最優秀ダート馬になっていますし、実績と今回のレースの内容でスマートファルコンでいいと思うのですが、なんせ当てにならない記者投票なのでどうなることやら。
参考にダートのレーティング上位馬を書き出せば、エスポワールシチー(118、フェブラリーS)、ヴァーミリアン(115、川崎記念)、フリオーソ(115、帝王賞、日本テレビ盃)、スマートファルコン(115、JBCクラシック)、トランセンド(115、JCD)、カネヒキリ(115、マーキュリーC)、レッドディザイア(115、マクトゥームチャレンジR3)です。エスポワールシチーはかしわ記念(D1600m)でフリオーソを1馬身半離して117を得ており、2着のフリオーソは114でした。このとき同様、フリオーソが東京大賞典(D2000m)で十分に能力を発揮していて114だとすると、スマートファルコンは1馬身3/4離したので単純に1馬身1kgの法則に従えば117になると思います。3着バーディバーディは3馬身半差なので107、4着アドマイヤスバルは更に2馬身差なので103となります。バーディバーディはJCD4着で111、ユニコーンS1着で108、アドマイヤスバルはJCD3着で111、帝王賞4着で109なので、あと1、2ポンド上げても違和感がないように思います。そうするとスマトーファルコンはエスポワールシチーに並ぶか、単独首位になる可能性があります。
ちなみにレッドディザイアはGII(しかもオールウェザー)勝ちしかありませんが、セックスアローワンス3ポンドもしくは4ポンドを加えればレーティングでのダート最強クラスになります。

追伸:
東京大賞典のレーティングが出ましたね(記事)。スマートファルコン117、フリオーソ114、バーディバーディ107、アドマイヤスバル106で、アドマイヤスバル以外は私の概算通りでした(エイジアローワンスなんかを全く考慮しなかったのですが、偶然にもかなり合っています)。R.R.は111.00となり、JCDのR.R.が112.75であることを考えればまあこんなところかなという気がします。

有馬記念など

2010-12-27 20:31:12 | 競馬日記
有馬記念は大接戦でしたね。外から猛然と襲いかかるブエナビスタ、内で粘るヴィクトワールピサ。勢いは完全に外でしたが、内の馬がギリギリ残していました。

天皇賞秋を見てブエナビスタはずば抜けて強い、秋の3つを持って行かれると思ったのですが、JCでは致命的な不利を受けたローズキングダムとフランス帰りでローテーションに難があったヴィクトワールピサに1馬身3/4しか着差を付けられず、強いのは間違いないが抜けているわけじゃないんだと思い直しました(この3歳馬2頭に1馬身3/4しか着差を付けられなかったのに、ずば抜けて強いことを証明した、って風潮だったのが意外でした)。加えてブエナビスタは小回りが苦手という明確な弱点があり(昨年の札幌記念、秋華賞、有馬記念、今年の宝塚記念を負けている)、今年の有馬記念も死角十分と思いながらレースを観戦しました。
勝ったヴィクトワールピサは小回り中山向きの器用さがあり、スローペースを見越して早めに前に押し上げ、そのまま粘り込みました。馬の特性、枠の利、レースの展開を利用した見事な競馬でした。鞍上は父にも乗ったミルコ。朝日杯に続き2週連続GI制覇です。朝日杯では過怠金10万円を払わされるラフな競馬にはなってしまいましたが、どちらも勝負師と呼んでいい騎乗だったと思います。一方のブエナビスタは前の方に行った馬が残る展開の中、1頭だけすごい脚で追い込んできたがわずかに届かず。こうやって負けるんだろうなというパターンの一つでした。相当に強いところを見せましたが、これが競馬。結果を見れば、やっぱり小回りを克服できなかったか、ということになります。ツキがあれば2cmぐらいの差はひっくり返せたかもしれませんが、この馬にはツキはないですね。

ラジオNIKKEI杯はディープインパクト産駒ダノンバラードが勝ちました。先日、ディープインパクトについて書いたときにこの馬のことをすっかり忘れていました。ディープインパクト産駒の重賞初勝利であり、2歳戦のうちに一つ重賞を勝てたのは父にとって非常に大きいでしょう。ダノンシャンティとは祖父が同じ、祖母が全姉妹であり、近い血統構成になります。このレース、スミヨンはブエナビスタと全く同じノーザンファーム生産、サンデーレーシング所有、松田博厩舎所属のユニバーサルバンクの騎乗し、直線で右往左往したあげく前の馬に突っ込むという大失態を演じました。騎手がこれではブエナビスタにツキは回ってこないですね。

障害レースはよく分からないのですが、中山大障害を勝った馬の血統を見てびっくり。シルクジャスティス産駒とは。現在中央にいる恐らく唯一のシルクジャスティス産駒バシケーン。賞金額が世界最高のジャンプレースを仕留める金星を挙げました(記事)。

M-1

2010-12-27 19:39:27 | 日記
今年でM-1は終了なんですね。マンネリ感があったので仕方がないでしょう。

私の見た印象では笑い飯とパンクブーブーが抜けていました。笑い飯はさすがレギュラー。1本目はほぼ完璧。パンクブーブーは、昨年チャンピオンになったときは消去法で仕方がないと思いましたが、今年見て、力があったんだなと思いました。この2組のどっちが勝者でもいいです。2本目は最終決戦に残った3組ともだれてしまって、1本目だけで良かったように思いました。

スリムクラブの評価がすごく高かったですが、なぜあの場であんなにうけているのか、テレビからは全く伝わりませんでした。私の評価は相当に低いです。あと、カナリアと銀シャリも力不足でしたね。ジャルジャルの順位が低いのがよく分かりません。この期に及んで漫才としてはなんて言い出すのは論外ですし、ドカーンと来る感じは今回のメンバー中、最高クラスでした(こらえきれない笑いを作ってくれたのは笑い飯とパンクブーブーとジャルジャルだけで、私の中の最終決戦進出はこの3組)。ハライチは好きか嫌いなら好きな芸人です。彼らはどこまでノリ続けられるのでしょうね。ナイツは今年も弾けきらなかったですが実力者。ピースは可もなく不可もなく印象もないです。

朝日杯結果

2010-12-20 20:29:48 | 競馬日記
今年は京王杯2歳S組グランプリボス、リアルインパクトのワンツーでしたね。やっぱり重賞からの馬が強い。また今年は短距離色の強いレースになったと言えるでしょう。500万条件から参戦したリベルタスは3着。やはり連には入れませんでした。2歳戦と言えども、と言うより2歳戦だからこそ、経験が大切なのかもしれません。
このレースも1着馬が審議の対象になり、鞍上はまたもや外国人騎手でした。JCと大きく違うのは、普通に走れば何もなかったはずの直線での競り合いではなく、ごちゃつく4コーナーでのコース取りだったこと。ブエナビスタ降着で言えばJCより秋華賞の方がまだ比較の対象になるかもしれません。私にはどちらとも言い難く、裁定委員の方は暇で暇で仕方がないぐらいなのが理想なのに、難しい裁きをしなければならず大変ですね。どう裁いても誰かが文句を言いそうです。

勝ったグランプリボスはサクラバクシンオー産駒。ショウナンカンプ以来2頭目の平地GI馬です。不利を与えた後にちょっとひるむような感じもありましたが、すぐに立て直して一気に突き抜けました。素晴らしい切れ味を持っていますし、本領発揮はやはり短距離でしょうか。ちょっと距離が伸びたからと言って止まりそうもないところがあるので皐月賞トライアルに出てみたらどんな感じなになるのか見てみたい気もしますが、合わないレースに出て調子が狂うとそれこそ最悪です。
2着、3着はともにディープインパクト産駒。リアルインパクトはアイルラヴァゲインの弟。リベルタスはカーリングの仔。距離延長に耐えるのはリベルタスの方で、前の方で競馬ができる器用さもありますから、祐一が言うようにもうちょっとゴール前で切れ味が出せそうなフォームになれば来年のクラシックが楽しみです。このままだと離して逃げるぐらいのことをしないとゴール前で凌ぎきれないでしょう。それにしても真剣に走っているのか分からないようなフォームで走っていますよね。
圧倒的1番人気サダムパテックは不器用さを見せて4着。成長力のあるタイプに見えないのでこれからはつらくなってくると思っています。

さて、サンデーサイレンス産駒の種牡馬の成績について。
リーディング10位以内に入ったことがあるのは8頭。それの順位変動を書き出してみます(アスタリスクはサンデーサイレンス産駒種牡馬の中での最高順位)。

フジキセキ(初年度:1998年):193*→31*→6*→5*→5*→7→4→3*→2*→5→2→7→2*
ダンスインザダーク(初年度:2000年):136→13→9→3*→2*→4→4→3→3→3→11
バブルガムフェロー(初年度:2001年):161→26→13→9→11→19→23→30→31→41
スペシャルウィーク(初年度:2003年):139→29→7→8→8→15→6→7
アドマイヤベガ(初年度:2004年):74→21→12→10→14→18→25
アグネスタキオン(初年度:2005年):53→11→2*→1*→2→6
マンハッタンカフェ(初年度:2006年):88→25→9→1*→5
ネオユニヴァース(初年度:2008年):54→13→10

リーディングサイアーを取ったのはアグネスタキオンとマンハッタンカフェ。アグネスタキオンは陥落したサンデーサイレンスに代わってリーディングサイアーになったため、このまま安定政権を築くのかと思ったのですが、翌年、マンハッタンカフェに取って代わられました。そしてそのマンハッタンカフェも長続きせず。常に上位に踏ん張っているのは種牡馬入りするのが一番早かったフジキセキです。日本でのGI馬7頭に加え、海外ではSun Classiqueが相当に強いところを見せ、また母父としてもYoseiがGIを勝って母父サンデーサイレンス産駒のGI馬一番乗りを果たしました。更に種牡馬入りから現在まで全ての世代で重賞勝ち馬を出しています。名種牡馬と言っていいでしょう。その次に安定感があるのは今年大きく順位を落としているもののフジキセキの次に種牡馬入りしたと言っていいダンスインザダークになります。サンデーサイレンス存命時にクラシック勝ち馬を出しましたし、サンデーサイレンス、トニービン、ブライアンズタイムの3強による支配を崩す快挙がありました(2000年に死亡したトニービンに代わって2003年に3位、翌年はブライアンズタイムよりも上の2位)。アドマイヤベガはわずか4世代の産駒で亡くなり、サンプル数が十分とは言えませんが、スペシャルウィークは長打力はあってもコンスタントに良い馬を出すタイプではなく、バブルガムフェローはGI馬を出せませんでした。この3頭はNorthern Dancerを血統表内に持つ後発組です。アベレージはフジキセキとダンスインザダークの先発組が高く、頂点を取ったことがあるのはNorthern Dancerフリーのアグネスタキオンとマンハッタンカフェということになります。
ディープインパクトもNorthern Dancerを持つ後発組に当たり、血統的にはバブルガムフェローと近いところがあります。肌馬が史上最高レベルなのである程度の成功はあっても、これまでの傾向を見るとリーディングサイアーを連続するような大成功は難しいと考えざるを得ませんね。狙うところはスペシャルウィークの成績を上にスライドさせた感じでしょうか。そこそこ上位に踏みとどまりながら一発当たったところでリーディングサイアーを取れれば十分成功したと言っていいと思います。初年度産駒はここで好走した馬の他に大物感たっぷりのサトノオー(藤沢和厩舎がこのタイプを仕上げられるかは心配。ペルーサのようなタイプの方がこの厩舎では信頼できます)、年内デビューが無理そうで秘密兵器化しつつあるトーセンレーヴなどもいます。どこかでGIを取って、市場価値を維持するために無理してでも勝ちに行かなければならないような状態に追い込まれないようにしたいところです。ただし2歳馬を大量に勝ち上がらせたことは来春の種付けに非常に好材料となったことでしょう。

Urban Seaの最後の仔

2010-12-16 00:08:10 | 競馬日記
凱旋門賞馬Urban Seaの最後の仔がダービーに登録されました(記事)。Born to Seaという名前のようです。Sea the StarsGalileoなど4頭のGI馬を兄姉に持つことになります。

父はInvincible Spiritで、Sea the Starsとは3/4同血になります。基本的な構造は同じですが、Sea the Starsは父の母Park Appealの部分がマニアックで完全にはフィットしていないところがあったのに対し、Born to SeaはTantiemeをクロスしたり、残り1/4がAllegrettaと呼応してSea the Starsよりフィットした配合になっているように思います。非常に楽しみです。

厩舎はSea the Starsと同じアイルランドのジョン・オックス厩舎。ミック・キネーンは引退しましたし、誰が乗ることになるんでしょうね。随分先のことですけど。オックスはアガカーン殿下の有力馬を多数抱えますので、殿下と契約したジョニー・ムルタが実質的に厩舎のファーストジョッキーになるのでしょうが、馬主が違うのでそのまま乗るのかどうか。Sea the Starsはアガカーンスタッドにいますから、アガカーン殿下とツイ氏の関係は悪くないようですが。またフラン・ベリーはどうするのでしょうね。セカンド待遇でいいからオックスのところに残るのか、どこかに移るのか。そう言えばフラン・ベリーは日本に来ているんですね。朝日杯でリアルインパクト、有馬記念でダノンシャンティに騎乗予定です。本国でほとんどビッグレースを勝っていない騎手にしては乗り馬に恵まれすぎですね。

朝日杯の前走

2010-12-15 18:41:09 | 競馬日記
朝日杯の前走が500万条件ではあまり良くないらしいですね(コラム)。所詮トリッキーなコースで行われる2歳戦だから、実績よりも能力と適性と運で適当に決まるのだろうと思っていて、明らかな傾向らしいものがあるとは思っていませんでした。思い込みというのは良くないですね。
一応、朝日杯が2歳牡馬のGIになってからの1、2着馬を書き出してみます。

2009年1着ローズキングダム(東京スポ杯2歳S(GIII)1着)、2着エイシンアポロン(京王杯2歳S(GII)2着)
2008年1着セイウンワンダー(新潟2歳S(GIII)1着)、2着フィフスペトル(京王杯2歳S(GII)2着)
2007年1着ゴスホークケン(東京スポ杯2歳S(GIII)4着)、2着レッツゴーキリシマ(京王杯2歳S(GII)3着)
2006年1着ドリームジャーニー(東京スポ杯2歳S(GIII)3着)、2着ローレルゲレイロ(デイリー杯2歳S(GII)2着)
2005年1着フサイチリシャール(東京スポ杯2歳S(GIII)1着)、2着スーパーホーネット(くるみ賞(500万下)1着)
2004年1着マイネルレコルト(京王杯2歳S(GII)5着)、2着ストーミーカフェ(札幌2歳S(GIII)1着)
2003年1着コスモサンビーム(京王杯2歳S(GII)1着)、2着メイショウボーラー(デイリー杯2歳S(GII)1着)
2002年1着エイシンチャンプ(京都2歳S(OP)1着)、2着サクラプレジデント(札幌2歳S(GIII)1着)
2001年1着アドマイヤドン(京都2歳S(OP)1着)、2着ヤマノブリザード(グラスワンダー特別(地方OP)2着)
2000年1着メジロベイリー(3歳未勝利1着)、2着タガノテイオー(東京スポーツ杯3歳S(GIII)1着)
1999年1着エイシンプレストン(3歳新馬(2戦目)1着)、2着レジェンドハンター(デイリー杯3歳S(GII)1着)
1998年1着アドマイヤコジーン(東京スポ杯3歳S(GIII)1着)、2着エイシンキャメロン(デイリー杯3歳S(GII)1着)
1997年1着グラスワンダー(京成杯3歳S(GII)1着)、2着マイネルラヴ(東京スポーツ3歳S(GIII)2着)
1996年1着マイネルマックス(京成杯3歳S(GII)1着)、2着オープニングテーマ(もちの木賞(500万下)1着)
1995年1着バブルガムフェロー(府中3歳S(OP)1着)、2着エイシンガイモン(白菊賞(500万下)1着)
1994年1着フジキセキ(もみじS(OP)1着)、2着スキーキャプテン(京都3歳S(OP)1着)
1993年1着ナリタブライアン(京都3歳S(OP)1着)、2着フィールドボンバー(かえで賞(500万下)1着)
1992年1着エルウェーウィン(京都3歳S(OP)1着)、2着ビワハヤヒデ(デイリー杯3歳S(GII)1着)
1991年1着ミホノブルボン(3歳500万下1着)、2着ヤマニンミラクル(京成杯3歳S(GII)1着)

朝日杯が2歳牡馬のGIになってから今年で20回目。昨年までの19回の勝ち馬の前走が重賞だったのは10頭、オープン特別は6頭、500万条件はミホノブルボンただ1頭、未勝利・新馬は2頭です。たかだか2歳戦で前走がオープンか500万かで全然違うというのは思ってもいなかったですが、その上、未勝利・新馬を勝ち上がり立てホヤホヤの馬よりも前走500万条件の方がなぜか勝っていないというのはちょっとよく分からないです。
2着以内に入るには前走が重賞だった馬はそこで負けていてもいいですが、そうじゃない馬は勝っていることが必要ですね(2001年2着ヤマノブリザードは例外ですが既に重賞勝ちがあった)。

こういうのは今までがそうだったというだけで簡単にひっくり返ってしまうことも多いですが、知ってしまったからには前走500万条件組には注目してしまいます。良血リベルタスなんかが抽選の結果次第で駒を進めて来る予定です。

こうやって1、2着馬を書き出すと思い出深いレースがありますね。一つは地方馬レジェンドハンターが負けたレース。エイシンプレストンに豪快にねじ伏せられました。マルゼンスキーの系統を伸ばす可能性があった馬だと思いますが、エイシンプレストンが強すぎました。当時は何してくれんねん、空気読めや!という気持ちもありましたが。
もう一つはタガノテイオーが故障したレース。無事ゴールまでたどり着いていたら勝てていたはずなのですが不運でした。メジロベイリーもよく走りましたけどね。メジロベイリーの方を応援していたのですが、タガノテイオーの走りには胸を打たれるものがありました。

レーヴディソール

2010-12-13 20:45:46 | 競馬日記
この数年間、同じ形式でブログを書き続けてきた阪神2歳牝馬Sですが、久しぶりにダービー馬じゃない馬の仔が勝ちました。

勝ったレーヴディソールはアグネスタキオン産駒。父はダービー馬アグネスフライトの全弟です。父がダービーを勝っていないからここ数年の阪神2歳牝馬Sの勝ち馬より劣っているかと言えば全くそんなことなく、見ての通り間違いなく強いです。
しかしながら、何しろアグネスタキオン産駒ですから脚元が持つのかはやはり心配です。2歳戦で質の高い末脚をびっしり使っていますし、壊れなければいいのですが。もう一つは東京2400はこなせるでしょうがベストではないと思われる点。同世代、牝馬同士の戦いなら特に問題ないかもしれませんが、実際はマイルから中距離ぐらいが一番能力を出せるでしょうね。

このレース、3着までを芦毛馬が占めました。2着ホエールキャプチャはタレンティドガールの曾孫。名門千代田牧場の生産です。Nashwanの仔エミネントガールにサンデーサイレンス、クロフネと社台の種牡馬を付けた配合です。千代田牧場生産馬は昨年はベストクルーズ(ホエールキャプチャと近い配合)が3着、2007年はエイムアットビップが3着でした。2002年にはピースオブワールドが勝っていますね。相性のいいレースと言えるかもしれません。3着ライステラスは社台供用時代のソングオブウインド産駒。スピードファームの生産で、母父は市川不動産(スピードファームと同じと考えていいと思います)名義のスピードワールド。祖母スピードアイリスは社台生産、アイリッシュダンス半妹で、市川不動産名義で走りました。ミスターシービーは3頭の重賞勝ち馬を出していますが全て初年度産駒で、スピードアイリスは芝ダート問わず走り、オープン特別東海Sを勝ったものの重賞では惜しいところ止まりでした。スピードファーム生産馬は今年の2歳馬コットンフィールド(これも父ソングオブウインド×母父スピードワールド)が函館2歳Sに出走したのが重賞初出走で、それにライステラスが続きました。
種牡馬はやはり社台系が強いですね。牧場は、勝ったのは社台ですが、2着に名門、3着に新鋭(といっていいでしょう)ということで今後も期待したいです。

ヴァーミリアン引退

2010-12-08 21:05:38 | 競馬日記
ヴァーミリアンがとうとう引退します。
2歳時にラジオたんぱ杯を勝ち、クラシックの重要候補だったのですが、真価を発揮したのは3歳の秋にダートを走り出してからでした。芝にはディープインパクト、ダートにはカネヒキリがいる厳しい世代でしたが、カネヒキリが故障で休養に入ったのを埋めるように頭角を現し、5歳時の川崎記念でGI初勝利を挙げてから8歳になった今年の川崎記念まで計9個のGIタイトルを獲得しました。最後のレースになった今年のJCダートは向こう正面で既にペースについて行けなくなり14着に大敗し、引退間近だなと思いましたが、JCダートほどはペースが厳しくならない暮れの東京大賞典をラストレースにするんじゃないかと思っていました。GI最多勝利、7連連続重賞勝ち等、数々の記録を残して種牡馬生活に入ることになります。

母父サンデーサイレンスのGI馬の中では日本ではソングオブウインドアドマイヤムーンスクリーンヒーローに続き4頭目の種牡馬入りです。父エルコンドルパサーという点ではソングオブウインドと同じ、父Mr. Prospector系という点ではアドマイヤムーンと同じです。キングカメハメハの仔ローズキングダムがGI2勝を挙げていますし、エルコンドルパサーの早世は残念でしたね。
サンデーサイレンスもノーザンテーストもMr. Prospectorも血統表内に持ち、Northern Dancerが4 . 5 x 4、Hail to Reasonが6 . 7 x 4ですから使いやすい種牡馬ではありませんが、Roberto系と合わせるような形でしっくりとした配合が作れそうな気がします。例えば母父ブライアンズタイムなら世代の関係が少し気持ち悪いですが、タニノギムレットなら残り1/4次第でだいぶ良さそうな感じです。エルコンドルパサーの血を後世に残してくれることを期待します。

ところで私の手元に「アメリカ競馬戦略9つの頂点」(自由国民社、2005年)という本があります。ベイヤー指数でおなじみのアンドリュー・ベイヤー氏らによる分担執筆で、「血統」の項目はローレン・スティッチという方が担当されています。その気になる部分を引用します(引用部分は『』内)。

『血統における牡の遺伝因子(種牡馬と母の父)は、距離と馬場(ダートと芝)について産駒の適性を決定する。血統における牝の遺伝因子(母と、ファミリーと呼ばれているその牝系)は、産駒の格(クラス)を決定する。
(中略)
母が芝のステークス勝ち馬だから、あるいは母が芝の勝ち馬を出しているからこの馬は芝を使うべきだ、などということを聞いたり読んだりするたびに、私は強烈な失望感を覚える。
真実は違うのだ。もし母が芝で好成績を収めていたなら、それはその母の父親に芝適性があったことの表れなのである。もし芝の勝ち馬を何頭も出す母親がいたなら、それはおそらくその母に配合された種牡馬に芝適性があったからだといえる。』(p308)

まず、エルコンドルパサーからこれに従って血統を読み解きます。
牝系は優秀な競走馬を輩出するThongの系統、近親に活躍馬多数で、格は十分でしょう。母父は典型的な芝中長距離向きSadler's Wells、父は本書にも『芝種牡馬としてあまりにも有名な』(p318)と書かれているKingmambo。Kingmambo自身はマイラーでしたが種牡馬としてはマイル中心でも中長距離を得意とするものも出します。芝の大物としての資格は十分と解説することができるでしょう。

母のスカーレットレディ。
牝系はスカーレットインクの系統。これまた格は十分。母父ノーザンテーストは芝のフォレ賞の勝ち馬で、本書に『ノーザンダンサー系の馬であればすべて芝に高い適性を持っていることが明らかになった』(p317)と書かれているNorthern Dancerがその父。種牡馬としては万能で、日本では芝がメインであることもあり、大物は全て芝馬です。父は米2冠馬サンデーサイレンス。競走馬としてはダート馬でしたが種牡馬成績は芝に集中し、本書のいう『隠れた芝適性』(p318)を持っていたと言っていいでしょうし、Lemon Drop Kid同様、『ダートであまりにも好成績を収めたから』(p318)芝を走らなかったと言っていいでしょう。ということでスカーレットレディは芝の大物である可能性を秘めた配合と言って良かったはずで、実際に全く同配合のダイワメジャー、ダイワルージュは芝で大活躍しました。ただしスカーレットレディはダートでの勝ち上がりです。

この2頭の組み合わせで生まれたヴァーミリアンはラジオたんぱ杯を勝っているように芝でも強かったと言っていいと思いますが、真価を発揮したのはダートででした。その理由はエルコンドルパサーがダートでも強かったこと、アロンダイトを出しているようにエルコンドルパサーが時としてダート向きの大物を出すことがあることに求めることができるかもしれません。
しかしながらスカーレットレディの面白いところはアフリートを付けても(ダート重賞5勝のサカラート)、エリシオを付けても(ダートのみを走って5勝のスカーレットベル)、ウォーエンブレムを付けても(すみれSを勝っているように芝でもそこそこでしたが本領発揮はダート路線に転じてからだったキングスエンブレム)、フレンチデピュティを付けても(ダートのみを走って1勝のフィロンルージュ)、キングカメハメハを付けても(ダートでデビューから2連勝、芝のスプリングSで大敗し、ダート路線に戻ったソリタリーキング)、徹底的にダート馬を出すところです。自身もダート馬で種牡馬として勝利数が芝よりダートの方で多いアフリートとフレンチデピュティはダート向きと言っていいでしょうが、エリシオとウォーエンブレムはどちらも出しますし(エリシオ自身は芝馬で、産駒のうち上級馬は芝向き)、キングカメハメハはゴールデンチケットを出したと言っても傾向的には明らかに芝向きです。
スカーレットレディの配合も前述の通りで、ダート向きの牡の遺伝因子を探してこれらの母父になるサンデーサイレンス、祖母父になるノーザンテーストとさかのぼっても徹底的なダート適性を引っ張り出すのは難しいですね。

配合に関しては私は基本的に五十嵐氏理論、中島理論の2本立てなのですが、サクラバクシンオーはどんな配合でも短距離馬ばかりだなとか、本書で書かれているような種牡馬から直接伝わる個性のようなものも意識します。そして、スカーレットレディの場合は何を付けてもダート馬だな、ってなってしまいますね。本当の理由はわかり得ないことですから、結局のところ統計的ならざるを得ないですし(五十嵐氏理論であれば評価の高い馬ほど出世の確率が高い、直接遺伝であればサクラバクシンオー産駒はたいてい短距離向き、スカーレットレディの仔はたいていダート向き)、都合のいい解釈をせざるを得ないように思います。所詮は解釈ですね。

サンタアニタのダート

2010-12-07 19:43:14 | 競馬日記
オールウェザーをやめてダートへの回帰を発表していたサンタアニタパークの新しいダートコースで調教が開始されました(記事1記事2)。概ね好評のようです。ダートの成分は砂90%、粘土10%とのこと(記事)。

安全かつ低コストのサーフィスが望ましいわけで、オールウェザーが普及していく流れと逆行することになっても仕方がないでしょう。競馬場の気象条件にあったサーフィスを選ぶことができるのが理想だと思います。

一般に、日本のダートは砂で、アメリカダートは土、という言い方をしますが、サンタアニタは“mixture of 90% sand and 10% clay”と書かれていますね。これがアメリカの他のダートと同じものなのか、知識がないのですが、競馬が始まってタイムが出るようになれば特徴が分かってくるでしょう。写真からはクッションが効いていそうに見えますが(水でもまけば大きく変わるでしょうが)。