うぉんばっとな毎日

大用、現前するとき、軌則を存せず

西恵利香「Talk & Acoustic Live 〜Livin'you〜room.4」

2019-03-11 22:29:25 | 音楽
晴れ豆玄関

3月9日に開催された西恵利香「Livin'you room.4」に行ってきました。

すごく暖かく、「晴れたら空に豆まいて」の前のものすごく代官山っぽい店の前の桜のようなもの(桜に見えるのだけど、種名・品種名のラベルがなかったので)が咲いていました。

桜?

いつものワンプレートランチ。メインは「牛肉と筍のしぐれ煮」。スペシャルドリンク(アルコール入りの方)は「Aperol Moni」ってやつでした。詳しくは晴れ豆玄関前の掲示をどうぞ(1枚目写真)。ガラスに人が写り込んでいそうなので大きな写真は掲載していないのですが。

料理とカクテル

なぜか初めに元マネージャーHSD氏がビデオ出演。旧事務所とも仲良くしているとかいうレベルではない緩さが凄いです。
そして恵利香さんが登場し、恵利香さんのソロ活動5年間をキュッと30分程度にまとめた映像を見ながらのトーク。そして今年の予定など。6月、9月、12月に大きめの何かがある予定らしいです。今回も主催イベントなのでそれなりに大きいとするときれいに四半期に一度何かがあるという。一番大きいのが12月。おそらくワンマン。でも12月ですよ。私が個人的に血を吐くような修羅場にいる可能性が高い12月。大丈夫かな。

後半はアコースティックライブ。演奏陣はピアノ:井上惇志(showmore)、ギター:一戸祐介、ベース:ドラ内山(ビーチ・バージョン、ふたりの文学)、パーカション:AMI(TENDERLAMP)。この「Livin’you」でおなじみのメンバーにドラ内山さんが加わりましたが、ドラさんのアコースティックベースは1/11の「Make my day! ~birthday~」で披露済みです。ドラさんも含めて他メンバーは他の形式のライブにもサポートに入られていますが、AMIさんは昨年7月7日の「Livin'you room.3」以来になります。彼女の所属していたバンドChelsyは昨年5月に解散し、翌月からソロプロジェクトTENDERLAMPとしての活動を始めました。そして、ソロ活動1周年にあたる今年の6月1日に渋谷WWWにて初ワンマンライブの開催(さらに5月25日の名古屋での公演が追加され、初ワンマンツアーへとグレードアップ)が決まり、それに向けて仕上がりつつあるようで、ずいぶん凛々しく見えました(しゃべるといつも通りでしたが)。あまり他の女性をほめると恵利香さんに叱られるんですが。そう言いながらまだAMIさん関連の話ですが、AMIさんがサポートに入るのはこの企画だけなので、女声のハモリが聞ける貴重な機会になります。

「soirée」以降、5曲出ていますから、このようなミニライブだと最近の曲がメインになり、昨年の2月の「room.2」からはセットリストが結構変わったのではないでしょうか。セットリストをメモる癖がないので曖昧なのですが。そして「BITTER」のアコースティックは初披露だったのではと思います。
そういえば、前半のトークコーナーで、この「Livin'you」を2月のバレンタインデーあたりに開催する案もあったが、昔、ファンに配るチョコレートを手作りさせられたトラウマから3月開催になったという話がありました。それは大変だっただろうと思いますが、「バレンタインデーのプレゼント(新曲BITTER)を用意したから受け取って(ダウンロードして)ね」で全く問題ないのがアーティストだと思いますから、あまり力まずにイベント時期にぶつけてしまっていいと思いますけどね。あと、次のアルバムは、みたいな話も出てきました。今年中に出す、とは言ってなかったですが。昨年の3月27日のインタビューで「今年もう1枚アルバム出して、またワンマンライブがしたい」と言っていたのを私は見逃していないわけですが(記事)、そこからずれ込んではいますが、具体的に次のアルバムの話が動いていると考えて良さそうですね。

いつも通りリラックスしたいい企画でしたが、ハードな1年になりそうな告知がありましたから、とにかく心身ともに健やかに乗り切って欲しいです。

西恵利香「Make my day! ~birthday~」 at 代官山LOOP

2019-01-19 22:32:42 | 音楽
代官山LOOP

1月11日に行われた西恵利香「Make my day! ~birthday~」 に行ってまいりました。場所は代官山LOOP。

本題に入る前に、この話題に触れないわけにはいけませんね。AeLL.時代から所属した事務所シャイニングウィルを昨年末をもって篠崎愛さんとともに契約満了になり、レーベルとして所属していたpara de casaに移籍するという発表が年末にありました。まあ、その、ミエミエでしたね。篠崎さんが退所しそうという方がわかりやすく、復刻ラミネートポスターとか、「10 years Memory」って写真集とか、事務所への置き土産的企画っぽくて、そろそろ旅立ちかなという感じがありました。で、恵利香さんもそんな頻度で篠崎さんと会ってたかなというのもあって、他にもいろいろなんとなく動きがありそうな感じがすることがあったのですが、はっきりと移籍だろうと思ったのは12月に入ってからpara de casaがウェブサイトを立ち上げたとき(正確には以前とは別URLで再始動)でしょうかね。受け入れ準備だろうと思いましたし、それに対して恵利香さんが"my home"と言っていましたから、なるほどそっちがもうホームになるんだなと思いました。その後、AeLL.全員集合とか、そういうことなんですよねという出来事もありました。
で、十中八九、移籍なんだろうと思っていましたが、残り一二のうちの半分を単なる考えすぎで残留とすれば、残りの半分はどういうケースかわからないですが、何か悪い方の展開という感じで、はっきりと発表されるまでは多少の心配がありました。基本的には今までと変わらず続けてくれるということで、良かったです。

節目の30歳ということで、同い年のビッグなアーティストでは西野カナさんの活動休止のニュースがありました。昨年がデビュー10周年で、この10年間売れまくって、その一方では特に今年は声が出づらそうな感じもあり、ここらで一旦休憩というのはよく分かります。続ける選択をしたと公言する同い年のアーティストとしてはPerfumeがいますね。「求められる限り続けていく」ということをライブのMCで言っています。求めてくれる客がいないと成り立たない商売で、客の期待に応え続けるという決意ですね。
恵利香さんもMCで言っていましたが、女性は30超えたらどうこうみたいな、まさしく余計なお世話としか言いようのない雑音にさらされることが多いわけですが(本当に良くないことです)、惑わされたり横槍を入れられたりした結果ではなく、自分の意志で決断をできるのは大切だろうなと思うわけです。

西恵利香フライヤー

さてさて、ライブです。忘れずにオリジナルカクテルを頼みました。「30」というど直球なネーミング。ちょっと苦味を利かせたという話でしたが、確かに苦味はあったものの私基準ではゴクゴク飲める範囲内で、あっという間に飲み干してしまいました。

オリジナルカクテル

メンバーです。9月のLAST SUMMER DRESSのときと同じです。

ボーカル&シンセサイザー:西恵利香
ピアノ、キーボード:井上惇志(showmore)
ギター(アコースティック、エレクトリック):一戸祐介
ベース(アコースティック、エレクトリック):ドラ内山(ビーチ・バージョン、ふたりの文学)
パーカッション、ドラム:ヤジマタクヤ(ビーチ・バージョン)

前半はアコースティック、後半はエレクトリックの2部構成。今回思ったのは、恵利香さんのサポートで入っている回数が一番多いであろう一戸さんのギターの音の安心感ですね。西恵利香サウンドっぽさの大きなウェイトを占めているように思います。

アコースティックの部もエレクトリックの部も圧巻のボーカルでした。DAYはいろんな解釈ができそうで難しい曲だと思いますが、いろんな正解がありそうな曲なので、もっと聴きたいですね。翌日、配信開始となったROMANCEはポップなポップ。このようなポップを自分自身のカラーで歌えるところが西恵利香の強みだと思いますし、今後もその時の興味でいろんな方向にポップからはみ出していくことだろうと思いますが、このようにポップを忘れずにいてくれればどこまででも付いていけるだろうと思いました。ソロデビューしたときはシティポップの歌姫的売り出し方だったと思いますが、プロデュースする側の思いつきだったのか、彼女の意向だったのか、いずれにせよいいところだったと思います。
特に変わらないんですけど、みたいなことを言っていましたが、特典会廃止(チェキは廃止で、グッズ販売の際にサインはするそうです)という変化がありました。いわゆるアイドル商法からの脱却で、そもそもどういった売り方をしたいかは本人および運営が決めればいいことですし、それなりに負担でもあったでしょうからそれでいいんじゃないでしょうか。一方、ファンとして期待するのは、余計な負担を減らした分、もっとパフォーマンスを高めたいみたいなところなんですよね、またいちいちチェキなど撮ってられないくらいに客を集めたいみたいな野望はあるんですよね、そういう決意表明なんですよね、ってところですよ。期待してますよ。
そうした場合に物理的問題があって、それは持ち曲が少ないということです。歌入り曲はsoirée収録9曲+DAY収録3曲+新曲ROMANCE+未発表曲bitter=14曲で、例えばソロでツアーをやろうとしたらまさにカツカツ状態です。つまりはアルバムを出す必要があるということで、曲を貯めているという話もありましたので、今年は新アルバムが出るはずです(昨年中に出したいと言っていたのですが)。今年の動きにも期待しますし、もちろん今後も期待します。

年を重ねれば身体的変化は起こり得ることとはいえ、歌うことを生業としている人にとっては声(音域)が出ないみたいなことが起こればそれはもう辛いんだろうなと思います。しかし、声が出るに越したことがないですがびっくり人間ショーではないですし、歌が上手いに越したことはないですが何かのコンテストではないですので、そのときのコンディションでベストな表現を探して末永く活躍してほしいと思います。

ROMANCEはもちろんダウンロードしました。
ん? ピンクのバックといい、頭の角度といい、「Waltz For Debby」と奇妙に一致しているような。まさか「Waltz For Debby」風でみたいな発想があったわけではないでしょうが(あったのならそれはそれで高く評価したい)。私のコレクションに馴染んで、いい感じです。


最近、取り込んだCD

2018-12-31 19:58:37 | 音楽


ちょこちょこと取り込んでおり、現在こんな感じです。夜中に聴くことが多いせいもあってジャズが多いですね。コメントを。

「Waltz For Debby」:スコット・ラファロのベースを猛烈に聴きたくなることってありません?
「Beethoven Symphonie No.5」:クラシックのCDに部屋を占拠された友人に、フルヴェンで何か、と聞いて、まずはこの辺をと「バイロイトの第九」とともに推薦してもらったやつ。どちらも超絶有名盤。エグモントがえぐい。
「Ballads」:ご存知Balladsです。確か身辺整理をしていた知り合いからもらったはず。
「Yellow Submarine Songtrack」:発売当時に音質が良いかなんかの口車に乗せられて買ったやつ。
「A Boy Full Of Thoughts」:試聴コーナーにありました。
「Thelonious Himself」:昔は、分かりにくいなあ、と思っていたこの盤も時が経つと聴けるようになるんですね。
「Art Pepper meets The Rhythm Section」:当時の彼女(今の妻ですが)との初デートの際の待ち時間に買ったやつ。
「Chet」:若かりし頃はもっとはっきりした演奏が好きで、ひたすら甘ったるいこの盤は苦手だったのですが、今になって聴くと案外大丈夫。
「Undercurrent」:買った当時もそれなりに聞いていたはずなのですが、最近聴いてみて#1 My Funny Valentine [Alternate]の尖ったアレンジの格好良さにしびれました。
「Intermodulation」:こっちは本当によく聴いていたらしく、久しぶりに聴いて懐かしさに死にそうになりました。
「Beethoven: Great Piano Sonatas」:ブーニンはショパンのワルツ集とかは持っていたのですが、急にベートーベンを聴いてみようと思って確か昨年買ったんですよね。
「Miles Smiles」:何か忘れましたが、このアルバムをマイルス・デイヴィスの最高傑作と評しているのを読んだことがあってそれならと買いました。

Dick Lee「The Mad Chinaman」「Orientalism」

2018-12-06 21:05:13 | 音楽
北浦和のDISK UNIONに行った際に、探していたCDの一つはDick Leeの「The Mad Chinaman」、買ったCDは「Orientalism」だったのでした(ブログ)。その後、「The Mad Chinaman」の方は仕方なくアマゾンで中古を買いました。どちらも非常に良いコンディション、帯・ライナーノーツ付きで満足です。



「The Mad Chinaman」は発売年とされる1989年(西恵利香さん誕生年じゃないですか、やばいな、って何が)もしくは1990年(こちらはCDの帯に書かれている日付)だったと思いますが新聞にレビューが載り、このジャケット、このアルバムタイトルでハズレなわけはないだろう、おもしろそうだなと思ったのですが、計算によると当時、私は中学生であり、手にする機会には恵まれませんでした。最近たまたま思い出して(ほぼ30年前のことをよくしつこく覚えていたなと思いますが)調べると廃盤になっており、iTunes Store、Spotifyにもなく、中古以外の入手法がなさそうということでした。それでちょっと探していたわけです。
私が付け焼刃の知識でDick Leeについて云々するのはどうかと思うのですが、すごく簡単に説明すると中華系(プラナカンの)シンガポール人です。シンガポールは1963年にイギリスから独立しマレーシアの一部となり、更に1965年にマレーシアから独立してできた国で、その独立から四半世紀後に出たCDが「The Mad Chinaman」ということになります。シンガポールの公用語は英語、標準中国語、マレー語、タミル語。中華系なのに標準中国語が話せない(広東語は話せるらしい)、東洋人なのに西洋風の生活をしているDick Lee自身を自分で「バナナ」(外は黄色く中は白い)、「Mad Chinaman」としているわけで、この自身のアイデンティティが一連の作品のテーマとなっています。ゆえに「The Mad Chinaman」では中国、マレーシア、インドネシア、中東の民謡・童謡や007挿入歌風、シングリッシュラップなど何でもありです。その何でもありなのは当時のワールドミュージックブームに乗ったものではなくて(この作品が売れたのはワールドミュージックブームのおかげもあるでしょうが)シンガポール人たる彼自身の個人的な音楽性から出てきたものなわけです。歴史的作品となるべき作品であり、そりゃ評価されなければおかしいですよ。wikiのディック・リーのページを見るとこの作品を最後に引退しようとしていたと書かれていますが、本作は輸入盤としてではなく韓国、タイ、インド、マレーシア、インドネシアのレコード会社から日本と同時期にリリースされた作品であり(日本発売盤が出るのは自身初、アジアの歌手の作品がこれだけの国のレコード会社から発売されるのも初だったそう)、それだけ営業的に力が入っていたはずで、ここまでやって売れなければ後はなかったという意味もあるのではと思いました。#11 "The Mad Chinaman"はシンプルで洒落ていて美しいバラードの理想のような曲です。



「Orientalism」の方はその3作後の作品。こっちもインパクトのあるジャケットです。「オリエンタリズム」という言葉は素朴な意味では「東方趣味」であり、西洋人がオリエントの文化、芸術、風俗の中に面白さを見出したということなのですが、サイードの定義によってそんな素朴さは吹き飛びました。サイードは奇妙で劣った存在としてのオリエント像が西洋によって作り上げられていることを発見し、それをオリエンタリズムと呼び、西洋による東洋の文化的支配の様式であると喝破したわけです(私はサイード著『オリエンタリズム』を読んでいないですし、社会学・比較文学など完全な門外漢であって、ここの説明は私の薄っぺらい理解によるものです)。「日本趣味」(ジャポネズリー、ジャポニズム)にももちろん同様の側面があり(例えばオペレッタ「The Mikado」を見れば明らか。Irish National Studでこれをやったようで、なんだかなと思いました)、西洋が作り上げた幻想のアジア像、日本像に合わせるようなのは注意しなければならないでしょうし、オリエンタリズム、ジャポニズムのような言葉も注意して使わなければならないのだろうと思っています(とあるテレビ番組で世界的に売れている日本の某グループの話の中でピーター・バラカン氏が「世も末」というようなことを言って騒動になったことがありますが、その席で某「社会学者」がオリエンタリズムみたいな感じでいいんじゃないかというような発言をしていて、この人は大丈夫なのだろうかと思ったことがあります)。だからこそ、東洋と西洋の間で混乱したアイデンティティを持つDick Leeがこの「オリエンタリズム」という言葉を用いることに説得力があるように思いましたし、また#1 "Orientalism"で「その時がきたようだ そう 僕ら東洋人が決してマンガのようでもなければ 決まり切ったタイプの人間ばかりでもないことを知らしめる時が 皆が同じ黄色い顔をしているわけじゃないのさ」(ライナーノーツ中の訳詞による)とまさしく「オリエンタリズム批判」と言えるような詞を歌っているんですよね。さすがです。「The Mad Chinaman」同様に様々な国の音楽を取り込んでいるとはいっても、カバー曲は2曲だけであり、ボーカルもDick自身によるものが多く、かなりまとまりがあって完成度の高いポップアルバムになっています。アマゾンのレビューで星野源を引き合いに出している人がいますが、なかなかいい例えだと思います。久保田麻琴という方がプロデュースで参加されています(「裸のラリーズ」のメンバーだったそう)。

この時期のDick Leeの作品は全アジア人がもっとじっくりと聴かなければならない内容を含んでいるんじゃないかと思ったのですが、レコード会社のWEAはマスターを紛失したらしく、そのせいだと思うのですが、CDは復刻されず、iTunes Store、Spotifyにもないという状況です。とんでもない文化的損失です。

ライナーノーツは両作とも尾崎新という方が担当されています。アジアの状況、世界の音楽に詳しく、Dick Leeとも面識のある方のようなのですが、検索してもそれらしき人が出てきません。誰かのペンネームとかなのでしょうか。このブログを書く際にライナーノーツはかなり参考にしました。


iTunesにほとんどCDを取り込んでなかったのですが、「JAZZ ENTRATA」以降、ちょっとずつ取り込み始めています。JAZZ ENTRATAの影響で取り込み始めたのでJazzがちょっと多め。「re:LISTEN UP」が輝いています。


西恵利香「Palettes」at 埼玉大学むつめ祭

2018-11-28 22:52:52 | 音楽
ポスター

11月24日に西恵利香さんが地元埼玉の埼玉大学むつめ祭のライブ企画「Palettes」に出演するというので見て来ました。

埼玉大学に行く前に北浦和のDISK UNIONに寄り道。先日、店内でのフリーライブがあったところです。うちの周りにはちゃんとした中古CD屋がないので、いくつか廃盤になっているやつをメモって行ったのですが、廃盤になっているだけあってこれらは流通量が少ないんでしょうね。結局、欲しかったやつはなかったのですが、実物を見て興味が出たやつを1枚だけ買いました。

DISK UNION北浦和店

学祭開催中の埼玉大学構内。私は大学在学中は自分のサークルの模擬店にほぼかかりっきりで、グランドでやっていたライブをちょっと見たり、ビールだけ買いに行ったりしたぐらいで、自校の学祭を見て回ることなく卒業してしまいました。その前と言えば、子供のときに近所の大学の学祭で落語を聞いたりってのがありましたが、要するに大学の学祭を見るのはものすごく久しぶりというか、ほぼ初めてに近いというか、という感じでした。模擬店があったり、アマバンがライブしていたり、アカペラグループが歌っていたり。多分だいたいこんな感じなんでしょう。

埼玉大学構内

ちょっと気になるチラシをもらいました。私は昔の大学システムの恩恵を受けたのですが、最近は教育・研究環境の悪化が著しく、大変なようです。一つには金の問題で、交付金減で大学の維持管理費を捻出するのすら難しいとか、額が大きいのは競争的資金でお金を使いにくいとか、予算を取れるテーマが限定されるとか、プロジェクト期間終了後のケアができないとか。もう一つには、教育・研究に対する政府の介入であり、それは競争的資金として募集する研究の内容を限定するという形でも現れますし(デュアルユースの軍事研究なんかもこれの一部。池内了著の『科学者と戦争』などを参照)、G型だL型だと言い出して大学システムをいじろうとしたり、文系学問は不要と言わんばかりの通知を出したりという形でも現れます。この両者は連続技で使われ、予算を絞っておいて、予算が欲しければ政府の言うことを聞け、とやってきます。で、この「教育学研究科修士課程を廃止し、教職大学院に一本化」というのは「実学」でないものは要らないという政府方針とおそらく対応したものでしょう(もしくは埼玉大学に教育学関係だけで2つの院を保持するだけの金がないのかもしれない)。政府方針的には教員養成だけをやればいいんだってことなんですが、じゃあ教育学の理論的面はどうなるのって話で、単純に空洞化するでしょうね。長期的に見ると国民が損をするでしょうが、そもそも学問・研究における損得とはということで、損得を乗り越えて学問・研究を行うんだという余裕もしくは覚悟は日本にはないでしょうね。

ノーベル物理学賞受賞のR.P.ファインマン著『ご冗談でしょう、ファインマンさん』は大学1回生(1年生)が大学生らしい本を読みたいけど何を読めばいいかわからないときにとりあえず読んでおけばいい本として有名で、実際に読んだことがある人も多いと思います。若干へそ曲がりな私は、大学入学後、読んでいる友達がいたのでここはいったんスルーだなと判断し、岩波現代文庫が創刊され文庫化された際に買って読みました。これの最後の項目「カーゴ・カルト・サイエンス」はカリフォルニア工科大学卒業式での祝辞であり、科学と良心について語ったものです。この中でファインマンは、宇宙論と天文学を研究している友人がこれらがどのように応用できるかについて頭を悩ませていたので「応用できることなんか何もないんじゃないか」とアドバイスしたエピソードを紹介し、研究費のために無理な説明をすることを不正直であると論を進めます。そして、祝辞の結論は「私が今日卒業生諸君へのはなむけとしたいことはただ一つ、いま述べたような科学的良心を維持することができるようにということです。つまり研究所や大学内で研究費だの地位だのを保ってゆくために、心ならずもこの良心を捨てざるをえないような圧力を感じることなく、自由に生きていけるような幸運を、との一念に尽きます。願わくば諸君がそのような意味で、自由であれかしと心から祈るものです。」となります。そのような幸運は今の日本にあるのでしょうかね。『困ります、ファインマンさん』の最後の項目「科学の価値とは何か」も必読。
ファインマンとノーベル物理学賞を同時受賞した朝永振一郎(日本人初のノーベル賞受賞者湯川秀樹の同窓生で、『ご冗談でしょう、ファインマンさん』にはファインマンが入浴中の湯川と遭遇した話が出てきます)著の『科学者の自由な楽園』にも面白いことが書いてあります(何故か『量子力学と私』の方にあったはずと思って該当箇所を探してページをめくりまくってしまった)。ブラッケット(原文ママ)という物理学者(この方かなと思います)が宴会でのテーブル・スピーチで「科学とは、国の金を使って科学者が好奇心を満たすことである」と語り、それを聞いた朝永がこれは半分は冗談としても8割くらい科学の本質を言っていると思い、あるところでこの話をしたところ、「けしからん、科学者は独善的だ。国の金を使って自分の好奇心を満足させ、そして科学とはこういうものだなんてのはけしからん」という手紙をもらったという話です。半ば冗談の話に対してそういう手紙が来るってのは、なかなか笑わせてくれるエピソードなのですが、この「科学とは、国の〜」というのはファインマンのスピーチの結論部分とドンピシャで被りますよね。ファインマン、ブラケット、朝永と住む国の違う3人のノーベル物理学賞受賞者の一致するところがこれなんですよね。ここで言っている科学は自然科学のことなんでしょうが、文系だ理系だ言わずに全般に拡張してしまえばいいと思います。ちなみに私は物理学は専門ではありません。量子力学など全くわかりません。
ということで、私は埼玉大学関係者ではありませんが、「教育学研究科修士課程を廃止し、教職大学院に一本化」はやめた方がいいという意見です。

ところでふざけるなと言いたくなるようなのが11月21日に内閣府から出ていますね。「参考資料2」をご覧ください。
教育の無償化に関する国と地方の協議」の資料で、「支援措置の対象となる大学等の要件」が「実務経験のある教員による授業科目が標準単位数(4年制大学の場合、124単位)の1割以上、配置されていること」、「法人の「理事」に産業界等の外部人材を複数任命していること」です。天下りを受け入れ、産業界のいうことを聞くなら支援してやろう、ということです。
これ、びっくりして大騒ぎなわけですが、もっと前(6月1日)に文科省からも同様の資料が出ていました。
こちらも「4.支援措置の対象となる大学等の要件について」で、「①実務経験のある教員による科目の配置が一定割合を超えていること」、「②外部人材の理事への任命が一定割合を超えていること」です。
よくこれだけ馬鹿にしたことができますね。高度な専門性を持つ教員の育成と言って教職員大学院が推進するくせに大学に天下りと銭ゲバを押し付けようというわけですよ。教育ってなんなんでしょうね。とにかく研究というものを軽視する姿勢は非常にはっきりとしていると思います。 (このセクションの加筆は2018/11/30)

チラシ

政府による大学・研究者いじめのせいでとんでもなく話が逸れてしまいましたが、ようやくPalettesの話です。
ライブは大学会館3階で行われました。

大学会館

西恵利香 -band set-、MINT mate box、LUCKY TAPESと3組が出演したのですが、いいラインアップだったと思いますよ。来れた人は幸運だったと思います。うちの学祭はどうだったかなあと記憶を掘り起こすと、アイドル研が売れる前のアイドル(ネットの発達していない時代ですから、その筋の人じゃなきゃ知らない)を連れて来たり、メインアクトも私の知らない人ばかりだったような。さすが埼玉大学だなと。

西恵利香 -band set-のメンバーは以下のとおり。
ボーカル&シンセサイザー:西恵利香
キーボード:井上惇志(showmore)
ギター:一戸祐介
ベース:ドラ内山(ビーチ・バージョン、ふたりの文学)
ドラム:櫃田良輔(CICADA)

MAKE MY DAY TOUR 2018と同じで、私はFINALの代官山LOOP公演に行ったのですが、あのときは本当に素晴らしい体験だったんですよね。初めてライブハウスで見たライブがこれだったのは幸運でした。その辺のところで、思えば初めからすでに私はおかしかったのかもしれません。

ベースのドラさんは人の良さそうな外見で油断させておいていきなり自分の見せ場を放りこんできます。騙されてはいけません。櫃田さんは見た目通りのドラマーらしいドラマーで、ドラさんとのリズム隊の掛け合いが楽しそうで聴いている方・見てる方も楽しいです。井上さんはボコーダーを使ってのコーラスがいつもより多めでしたよね? というか、あのコーラスはどんな歌詞なんでしょうね。考えたことがなかったな。一戸さんはいつも通りクールな演奏と甘いコーラス。いつも思うのですが、西恵利香さんを聴きに行ったら何故か一戸さんの美声に酔いしれていたみたいなの、すごく楽しいです。
で、恵利香さんなのですが、すごく良かったですし、本当に感無量でした。ということなのですが、すごく良かった、物凄く良かった、ただただ良かった、みたいな感じでディテールが飛んでいます。MMDTOUR2018を思い出しておそらく初めから私のテンションはおかしく、それに順調に西恵利香大好き人間化が進んだ結果も加わり、さらには埼玉出身の恵利香さんが地元埼玉の埼玉大学の学祭出演という「エモい」状況も狂わせる要因になったように思います。すごくふわふわした気持ちになってしまいました。
私のような学外の人間もいましたが、学祭だけあって学生っぽい方も当然ながら多かったです。客層がいろんな方向に広がるといいなあ。

12月以降の恵利香さんの予定(確定分)は以下のようになります。

12.4 六本木Varit w/星野みちる
12.7 心斎橋FAN J w/Lucky Kilimanjaro / MADE IN HEPBURN
12.23 福岡六本松 蔦屋書店 ※トーク&ライブゲスト
12.24 福岡 天神コア w/やのあんな / MANON
12/24 福岡 THE DARK ROOM ※ゲストライブ
1/11 代官山LOOP Make my day! ~birthday~

みなさん、西恵利香さんのライブに行きましょうね。

Sting『44/876』など

2018-11-21 21:16:50 | 音楽

今年の4月に発売されたStingの最新アルバム『44/876』。レゲエシンガーのShaggyとの共作になります。The Police時代の2ndアルバム『Reggatta de Blanc』はかなりのレゲエ調で、そもそもタイトルが『White reggae』という意味らしく。44と876はイギリスとジャマイカの国番号で、1曲目『44/876』はプッシュホンの音入りです。
私はレゲエは自分からは聴くことがなく(『Reggatta de Blanc』以外)、Shaggyは名前を知っている気がする、声も聴いたことがある気がする、というレベルなのですが、Stingと演ると聴けてしまうんですよね。過去には"Whenever I Say Your Name"でMary J. Bligeとデュエットしたり、Stevie Wonderが"Brand New Day"でハーモニカを吹いたりということがありました。そういった私が普段聴かない個々のアーティストでもStingとの共作なら聴けてしまわけで、Stingは私が聴ける範囲に落とし込んでくれる優秀な翻訳家なのだろうと思います。ノリノリでキャッチーなアルバムです。



で、前作『57th & 9th』が私にとって問題だったわけですが。「13年ぶりのロックアルバム」、「原点回帰」みたいな謳い文句でして、Stingにしてはかなりストレートなロックのアルバムでした。しかしStingがストレートなロックを演ったことってありましたっけ、というところに凄く引っかかってしまいました。たとえば、The Policeとしてのデビューアルバム『Outlandos d'Amour』は「パンクまがい」(←「まがい」と書くとけなしていそうですがシニカルな感じをほめています)でしたし、次の『Reggatta de Blanc』はかなりのレゲエ調でしたし、3rd以降はその辺が消化された結果、ニューウェイヴに分類するのが妥当という内容でした。Stingはもともとジャズのベーシストでしたから、ソロ作は基本的にジャズの影響下にあったように思います。こういうのも結局はすべて広い意味のロックであり、その意味では『57th & 9th』の前の作品の『Last Ship』だってロックと言ってよかったはずです。
『44/876』を聴いた後、『57th & 9th』に戻って聴いた結果、思ったのはこれはSting流のストレートなロックであり、ストレートなロックに回帰したわけではないということです。回帰したのはスタイルとしてのロック(ロックバンド)なんですよね。この辺のところが自分で整理できずに居心地が悪かったんだと理解でき、急に素直に聴けるようになりました。


最近、突然『LAST SESSION』が大好きになりました。ビッグバンドジャズのGil Evansとの共同名義で、Gil Evansが死ぬ前年に録音された伝説的ライブアルバムです。このCDはたぶん、私が洋楽のCDというものを買い始めたごく初期に買ったもので、当時は良さがわからず、その後、ほとんど聴かずにしまっていたものでした。で、Bill Evans (p)云々と言っていて、Evansつながりで、そういえばGil Evansも1枚だけ持ってたなと引っ張り出してきて聴いてみると、すごいんですよね。Jimi Hendrix作の"Little Wing"なんてめちゃめちゃ心に沁みます(途中、Stingは"From Me To You"を歌いだしてしまいます。なんでもありです)。Branford Marsalisのサックスが炸裂する"Englishman in New York”で有名な『...Nothing Like the Sun』にも裏のエースとして"Little Wing"が入っているのですが、これまであまり気に留めてませんでした。が、『LAST SESSION』を聴いた後にきくと、なるほどこれは裏のエースやわと。『LAST SESSION』はAmazonで見ると新品が切れていて入手が難しいかもしれません。『...Nothing Like the Sun』版でもいいので"Little Wing"を聴きましょう(こちらもGil Evansが参加しています)。
それにしても買ってから良いと思うまで20年以上かかるとは。タイミング、時期というものが重要なんだなあと思います。20年以上前に買っていなければ聴くことはなかったでしょうから、当時の自分を褒めたいです。

西恵利香「JAZZ ENTRATA」at 川崎ラ チッタデッラ

2018-11-12 01:36:48 | 音楽
JAZZ ENTRATA

11月11日に川崎ラ チッタデッラで開催された「JAZZ ENTRATA」に我らが西恵利香が出演するというので行ってきました。

もらったチラシ類。川崎市をJAZZの街として盛り上げようとしてるっぽく、いろいろなイベントがあるようです。

チラシ類

メインステージは西恵利香フリーライブ「LAST SUMMER DRESS」が行われた噴水のところでした。
えりすの出番までどこかで時間を潰してから行こうかとも思ったのですが、早い昼食を済ませてパッと時計を見たらメインステージのトップバッターにぴったり間に合いそうな時間だったので会場へと向かいました。DÉ DÉ MOUSEのところまで、えりすも含めて4組見たのですが、みなさん良かったですよ。

トップバッターはペンギンラッシュ。4組の中で最もジャズっぽいバンドでした。ベースの青年が頑張る(表現あってる?)のが特徴の一つなんでしょうか。いわゆるリズム隊のベースとドラムがソロをとるとテンションが上がるわけですが、中でも最もよく音が聞こえない楽器であるベースが出てくると、よし、行け行け!みたいなテンションになりますよね。
全く知らないバンドでしたが、ちゃんとしてました。こういう出会いがあるのがフェスの良さですね。

次はAFRO PARKER。5人の演奏陣(しかもサックス入り)の出す音は迫力がありました。えりすとレーベルメイトで、えりすが出演するMV「Buddy」で知っていたのですが、なかなかふざけた曲も多く面白かったです(「ふざけすぎちゃいけないし、ふざけるのであれば曲がかっこよくなければいけない」、「「オシャレ」と「かっこいい」も必要」:記事)。「バス来ない、バス来ない」とかすごく面白くてね、彼ら、Wikipedia情報では慶応出身の会社員らしいんですよね。昔、「カステラ」という早稲田出身でメンバーに会社員を含むアホな歌ばかりのバンドがいて(Pistolsがどうこうと言っていた高校時代の友人がよく聞いていた)、「ねない」とか最高にアホで面白い曲だったんですが*、こういうのを思い出しながら、関東のいい大学にそういうカルチャーがあるのか知りませんが、ちゃんとアホなことをするというのはこれからも大切にしてほしいなと思いました。

えりすが出演するこのMVもなかなか面白いですよ。
AFRO PARKER - Buddy (Official Music Video)


さて、その次が西恵利香-band set-。メンバーは以下の通りです。
ボーカル&シンセサイザー:西恵利香
キーボード:井上惇志(showmore)
ギター:一戸祐介
ベース:KNOB(AFRO PARKER)
ドラム:TK-808(AFRO PARKER)

AFRO PARKERのお二人によるサポートを見るのは初めてでしたが、安心して聴ける堅実なサポートぶりでした。ジャズみたいなことはやっていないんですけど、という話でしたが、showmore井上氏は北大ジャズ研出身ですから(記事**)、やっぱりジャズ感のあるキーボードでして、次のDÉ DÉさんに比べたら十分すぎるほどジャズでした。
1曲目はラップ入りの曲「AFFOGATO」。AFRO PARKERからの流れを意識したのかどうか知りませんが、いずれにせよ「AFFOGATO」はライブで聴きたい曲なので。「ペイルブルー」を入れてきたのは、JAZZフェスというシチュエーションを考えた(この曲はJAZZフェスに合うんじゃない?みたいな)からなのかどうかわかりませんが(AFRO PARKERのwakathugの作曲でもある)、しっとりとしていて良かったです。
そのときによって、ちょっとずつアレンジに工夫があるわけですが(そのときのサポートメンバーの色も出るのでしょう)、あれっと何かに気づいてもその場では何がどうなのかわからないことも多く、結果、よりによって覚えているところがそんなところなのという場合も多いという問題がありまして、どうなっていたのかちゃんと復習したいので、私のために映像化、それが無理ならライブ盤を出してもらえませんかね。
えりすのボーカルはもちろん良かったです。特に良かったと言っていいかもしれません。

ヴェノム

次のDÉ DÉさんは大御所登場という人だかり。「ヴェノム」像の後ろの人だかりがそうです。見ての通りDÉ DÉさんは観客総立ちスタイルなのですが、えりすもそうでして(アコースティックライブ以外では普段から)、きっちり空気を作ってDÉ DÉさんにバトンを渡せたと思います。AFRO PARKERまではみんなのんびりと聴いてましたから、あそこで、みんな立って!と言い出すのってえりすは勇気あるよな、でも内心、バクバクなんじゃないだろうかと思いました。ワンマン、対バンじゃなくてフェスですからね。しかもショッピングモールで開催されたフリーの。でも、みなさん協力的でした。ネガティブだどうだと本人が言うわけで、強くないのかもしれないけど、強いですよ。でも、こういう瞬間、心の中でめっちゃ応援しています。
話を戻して、私はクラブのような場所に行ったことがなくてどういう感じでプレイするのかわからなかったのですが、人それぞれスタイルがあるんでしょうけど、DÉ DÉさんは本人が飛び跳ねまくり、踊りまくって、アゲまくるんですね。芥川龍之介の「ナポレオンは「荘厳と滑稽との差は僅かに一歩である」と云った。この言葉は帝王の言葉と云うよりも名優の言葉にふさわしそうである。」(「侏儒の言葉」)という言葉を思い出しながら、役者だなあと感心しました。
ただ、酒も飲まずにDÉ DÉさんも客もすごいテンションで(飲んでる客もいましたが)、私があっちに行くにはまだハードルがあるなと思いました。

残り2組がジャズとしては本番だったようなのですが、帰るのが遅くなると明日に響くので、残念ながらここまで退散。いいイベントでした。


* カステラは歌詞検索サービスにほとんど入っていないんですね(歌ネット)。CMに使われた「太陽テカテカ」くらいは入っていてもよさそうなんですが。歌詞投稿サイトだとけっこうありましたが、「ねない」がない(プチリリ)。「ねない」は「ねない ねない ねない ねない ねない 単なる実験それだけ やりたいことはねないこと たっぷり眠って鍛えたこの体 眠ることなんて必要ない」って感じの歌詞です。時の経過とともに消えていくのが世の常と雖も、ネットが普及する以前と以後の出来事では平等にはそれが起こらないですよね。トモフスキーは今も楽しそうに活動していて何よりです(サイト)。でも、ローリー、オーケン、トモフスキーって濃すぎません?

** 井上氏はBill Evans (p)(←(p)とつけないとなんか落ち着かない派。(sax)の方は聴いたことすらないのだけど)はあまり聴かないものの、一番は「Comrade Conrad」なんですね。私のBill Evans (p)コレクションは11枚(「New Jazz Conceptions」、「Portrait in Jazz」、「Waltz for Debby」(1961)、「Undercurrent」、「Moon Beams」、「How My Heart Sings!」、「Interplay」、「Intermodulation」、「Bill Evans Alone」、「You Must Believe in Spring」、「Affinity」)ですが、Evans以外も含めてすべてのジャズアルバムの中で一番よく聞いたのが「Affinity」でした。「Affinity」をかけながら深夜にひとりでドライブに行ったり、同期のみんなにカクテルをふるまったり、私の学生生活を代表するアルバムの一つです。名前しか知らない「Comrade Conrad」は「We Will Meet Again」に収録されているそうなので、機会があれば手にしてみようかな。
そして、突然深夜に「You Must Believe in Spring」が聴きたくなってCD箱を引っ掻き回すという。こういう話になると昔を懐かしんで突如古いCDを引っ張り出してくる羽目になるわけで。 2018/11/13 01:18

ネヴァーマインドと言えば

2018-11-09 01:47:44 | 音楽
ネヴァーマインドと言えば先日のブログで導入部に書いたNirvanaのやつですが、もう一つ、ネヴァーマンドで始まる超有名なアルバムがありますよね。

Never Mind the Bollocks, Here's the Sex Pistols

「Never Mind the Bollocks, Here's the Sex Pistols」ですね。「勝手にしやがれ!!」という邦題がついています。買ったのは大学生の時だと思いますが、そう言えば高校の同級生がPistolsだどうだと言っていたなあと懐かしがりながら聴いていた記憶があります。「Nevermind」はグランジ、「Never Mind the……」はパンクロックに分類されます。

東京03に「バンドの方向性」という秀逸なコントがあります。その中で、「ジミー・ペイジ、クラプトン、ジェフ・ベックだって……」というセリフがあり、こういうことを云々する時代があったよなあと苦笑いしてしまいます。ブリティッシュロックの3大ギタリスト(Wikipediaでは項目としては「3大ギタリスト」、クラプトンの項目内では「世界3大ロック・ギタリスト」となっていますが、やっぱりブリティッシュロックと限定したいところで、当時我々はそう言っていたのですが、この「ブリティッシュロックの3大ギタリスト」のフレーズで検索してもほとんどヒットしませんね)とか、3大キングとかねえ。
昔は深夜に洋楽番組があって、渋谷陽一とか伊藤政則とかがいろいろ語ったり、ウッドストックの映像が流れたり(ここ20年くらいテレビでウッドストックの映像など見たことがないような)していました。今もこういう番組はあるのでしょうか。

Led Zeppelin IV

Jimmy Pageが所属したLed Zeppelinの「Led Zeppelin IV」。

なんでこんな昔話(こういう時代があったよね、という証言でもある)とともに古いCDを引っ張り出しているかと言えば、DISK UNIONでこんなカタログをもらったからです。



「新品レコードで聴くROCK定番200選」というやつで、我が家にはレコード再生機がないので、CDで話をしているわけですが。CDを持っているのはこの中で14枚。たくさん持っているわけではないですが、おそらく所有数の中央値は数枚以下でしょうから、中央値から見ればそこそこと言ったところでしょうか。すごく詳しい人はコンプリートする勢いでCDなりレコードなりを持っているんでしょうね。

これをめくっていて、そんなのがあるの、と思ったのがここ。



「The Velvet Underground and Nico」のところに「ニューヨークパンクは……」と書かれていて、何それと思って調べたら、そういうジャンルがあるんですね。Lou ReedはDavid Bowieとの関係からのグラムロック方面での理解しかありませんでした(そういえば学生時代にLou Reed大好きマンがいたなと思い出しました)。やっぱり趣味がUKに偏っているなあと。

The Velvet Underground and Nico

「The Velvet Underground and Nico」

Ziggy Stardust

「The Rise and Fall of Ziggy Stardust and the Spiders from Mars」

私自身の趣味であるとともに私のいたコミュニティがそういう感じだったんでしょうね。例えばダンスをやるようなコミュニティなら当然ながらR&Bとかダンスミュージックとかそっち方面のものがメインになるでしょうし。

定番200選ということでしたが、The Policeの「Synchronicity」は入らないの?とか、Stonesが少なすぎない?(私はStonesには詳しくないのでよくわからないですが)とか、Paul Weller関係で何か入らないのかな(Style Councilの「Our Favorite Shop」など)とか、思うところはあるものの(新品レコードで、という制限があるせいかもしれませんが)、こういう名盤選みたいな情報は必要ですね。いいと言われているやつから手をつけるのは一つの方向です。
ちなみに私がこの中で大好きなのはもちろん「Ziggy Stardust」です。

西恵利香DISK UNIONライブに足を運んでから、いろいろ引っ張り出してなんかノスタルジーに浸ってしまいました。

西恵利香「DIVE INTO MUSIC. 2018 AUTUMN」at DISK UNION OMIYA and KITAURAWA

2018-10-08 01:01:15 | 音楽
NEVERMIND

上は私が所有するNirvana「Nevermind」です。下の「DIVE INTO MUSIC. 2018 AUTUMN」のポスターがパロディーだったので。"DIVE INTO"ということで、飛び込んでるジャケットをパロったんでしょうね。
「Nevermind」はその昔、後学のために買いました。私はロックはUKに偏り気味であまりUSのロックは趣味ではないのですが(といってもNirvana (UK)はちゃんと聴いたことがない)、"Smells Like Teen Spirit"などすごい曲はあります。

DIVE INTO MUSIC. 2018 AUTUMN

西恵利香フライヤー。

西恵利香フライヤー

DISK UNIONの大宮店と北浦和店での店内ライブだったのですが、一応、匿名ブログなので、どちらに行ったとか詳細に書きすぎないことにしますね。

私は西恵利香ライブはband set、acoustic setとサポートメンバーを引き連れてのライブしか参加したことがなく、solo setは初めてでした。一人だけですから、えりす100%です。店内ライブで場所が極狭ですから、相当に近くて過去最高にじっくりと見てしまいました。MacBookとシンセを操りながら機器をいじくりながらで弾き語り的かつDJ的だし、音の方で言えば、メインボーカル抜きの音源を使っているんだろうと思うのですが(CD音源からメインボーカルを単純に引いただけなのかは私にはわからない)、メインボーカルを抜いてあるためにそういう感じになっていたのかと気づくところもあり。
そう言えば、私、「西恵利香歌うまい」みたいな当たり前なことを全然書いていないんだなと気づきました。うまいですし、そりゃうまいに越したことないんですけど、音楽に対するアプローチとか、どういうライブを作るかとか、そんな「センス」のような部分を信用しているんですよね。それに西恵利香は非常に魅力的な人です。

今日もえりすは素晴らしかったですよ。