うぉんばっとな毎日

大用、現前するとき、軌則を存せず

Sovereign Awards

2010-01-31 18:46:38 | 競馬日記
JRA賞、カルティエ賞、エクリプス賞に触れているので、ついでにソヴリン賞もすこしだけ。

年度代表馬は昨年亡くなったボビー・フランケル師のChamps Elyseesが受賞しました(記事)。Hasiliの仔で5番目のGI馬ですね。Champs Elyseesはジャドモンテファームヨーロッパ(Banstead Manor Stud)で種牡馬生活を送るそうです。全兄Dansili、Dansili産駒の凱旋門賞馬Rail Linkも繋養されています。

カナダのレースは三冠戦が国際グレード外なこともあり、レースの情報を見落としてしまいます。3歳牡馬チャンピオンは三冠初戦クイーンズプレートを勝ったEye of the Leopardでした。母はソヴリン賞3歳牝馬チャンピオンのEye of the Sphynxで父がA.P. Indyという良血馬で、A.P. Indy内SecretariatのNasrullah、Princequilloを強調する形態です。

ちなみに第2戦プリンスオブウェールズSを勝ったのはAptitude産駒Gallant。A.P. Indyの直孫ですが、Northern DancerとBuckpasserのクロスが分厚いです。Northern Dancerはカナダ産だけあってカナダの地が似合いますね。

最終戦ブリーダーズSを勝ったのはPerfect Soul産駒Perfect Shower。父はソヴリン賞最優秀芝牡馬で、Sadler's Wells系。ブリーダーズSは芝12Fで行われます(ちなみにクイーンズプレートはポリトラック、プリンスオブウェールズSはダート)。Perfect ShowerはBold Ruler 4 x 5、Raise a Native 5 x 4で血統表の印象からはダートでも走れそうな気がするのですが、芝中心で走っているようです。

年度代表馬で次点だったのは3歳牝馬チャンピオンに選ばれたMilwaukee Appeal。ウッドバインオークスなどを勝ち、クイーンズプレートで3着、プリンスオブウェールズSでハナ差2着、サラトガのアラバマSでも2着に入った馬です。それにしてもWild Againの部分だけを強調した個性的な配合ですね。

Meydan Opening

2010-01-29 19:50:38 | 競馬日記
ドバイのメイダン競馬場でDubai International Racing Carnivalが開幕し、ドバイWCの前哨戦の一つマクトゥームチャレンジR1(GIII)などが行われました。
マクトゥームチャレンジR1を勝ったのは昨年のドバイWC2着馬Gloria De Campeao。昨年のワールドカップはダートでの開催で、メイダン競馬場になってサーフィスがタペタ(オールウェザー)に変わりましたが、芝、ダートともに実績のある馬ですので大丈夫なようです。タペタは概ね好評のようですね(記事)。ワールドカップを目指すウオッカは3月4日のマクトゥームチャレンジR3(GII)をステップにする予定です(記事)。
カーニバルには重賞以外にもそこそこの馬が出ています。AW10Fのハンデ戦Mustanfarには2007年のJCに参戦したハリカナサスが出走し2着でした。
メイダン競馬場はオーロラヴィジョンが馬鹿でかいみたいですね(記事)。

日本ではGodolphin=Darleyグループの馬がデビューを迎えます(記事)。一番手はノトーリアスという馬みたいです。血統の印象通り、ダートでのデビューですね。

ヴァーミリアンGI9勝

2010-01-27 23:14:22 | 競馬日記
ヴァーミリアンがGI9勝を達成しましたね。8歳になって特にスピード面での衰えは見えますが、それでもまだまだ強いです。ダート戦とは言え、GI7勝の壁を破って9勝までたどり着いたことは賞賛されることです。次は中央1600mのフェブラリーSでは不利ですから、これをスキップして帝王賞に向かう見込みです。以前のような鉄板の信頼はできませんが、十分に勝機があるでしょう。

ヴァーミリアンは2007年から一貫してGIにのみ出走しています。このようなことは日本の芝ではあり得ません。このようなことがなぜ起こるかと言えば、日本は芝がメインであるにも関わらず、芝GIの20戦に対し、ダートGIが11戦もあり、その距離も1600mから2100mまでに集中している(JBCスプリント以外の11戦中10戦。2歳限定戦、3歳限定戦は一つずつ)からでしょう。このため、ダートGIだけを選んだローテーションが可能です。
地方競馬に気を使っている面もあるでしょうが、GIと銘打つからには質が確保できるようにもうちょっと絞り込む必要があるんじゃないでしょうか。

注:面倒なのでJpnとGは区別していません。
注2:ヴァーミリアンは「GI9勝」であって「9冠」ではありません。3冠を達成していないのに9冠になるわけがありません。テイエムオペラオーも同じくGI7勝です。

都道府県対抗男子駅伝

2010-01-26 19:47:26 | 日記
日曜にテレビを付けると都道府県対抗男子駅伝がやっていました。そしてちょうど「山の神」、「山の化け物」こと柏原君が首位から脱落するところでした。競り合いに勝って首位でたすきを渡したのは東海大のスーパールーキー村澤君でした。この村澤君を相手にしながら、前半突っ込んだ入り方をした分、ラストでばててしまう非常に苦しいレース展開で1秒差に粘ってしまう柏原君は平地でも相当速いです。

兵庫の竹澤と福島の佐藤敦之のアンカー勝負も見応えがありました。この距離でのスピード勝負では佐藤は分が悪いのですが、竹澤を背負って先行する埼玉を追い続ける佐藤の走りはすばらしかったです。マラソンでまだまだやってくれそうです。

Lentenor勝ち上がる

2010-01-22 00:15:06 | 競馬日記
Barbaro全弟のLentenorが勝ち上がりました(記事1記事2)。
ガルフストリームパークの芝1マイル0.5ハロン戦で、2番手で追走し、まくって来た馬に反応して直線で突き放しました。なかなかいい競馬だったと思います。
全兄Barbaroはご存知の通り、ダートのケンタッキーダービー馬ですが、2戦目までは芝を走っていました。もう一頭の全兄Nicanorも芝で勝ち上がりました(昨年ヴァージニアダービーをスクラッチしましたが、その後、どうしているでしょうね)。

配合は父Dynaformer×母父Carson Cityで、父Roberto系×母父Mr. Prospectorのニックスです。日本では母父Mr. ProspectorのGI馬は3頭だけであり、全て父はブライアンズタイムです(チョウカイキャロルノーリーズンフリオーソ)。ブライアンズタイムはDynaformerと血統構成がかなり近いです。この組み合わせからはさらに天皇賞2着馬ビッグゴールドも出ていますね。父ブライアンズタイム×母父Mr. Prospectorの重賞勝ち馬はこの4頭で(父Roberto系×母父Mr. Prospectorの重賞勝ち馬だとヒラボクロイヤルが加わります)、これらのうちダート馬はフリオーソだけです。ブライアンズタイムはダート指向の高い種牡馬であり、Mr. Prospectorもダート向きなんですが。

Lentenor(=Nicanor=Barbaro)の配合も芝に合いそうなので、期待しています。

サンタアニタがプロライドをやめる

2010-01-20 19:44:35 | 競馬日記
去年、一昨年と2年連続でBCが開催されたサンタアニタパーク競馬場がメイントラックのプロライドをやめて別のものを導入するそうです(記事1記事2)。

サンタアニタパークはCalifornia Horse Racing Boardの指示に従い、2007年にダートからクッショントラックに変えました。しかし、水はけが悪く、大雨が降るとレースをキャンセルせざるを得なくなることがあり、2008年にクッショントラックからプロライドに変えました。しかしそれでも水はけの問題は依然として残り、今週月曜日のカードが大雨でキャンセルされ(記事)、今回の決断となりました。
次に導入されるのは伝統的なダートが有力だと思われます。また、サンタアニタパークと同じくMECが運営するゴールデンゲートフィールドがタペタ(メイダンが採用したやつです)を導入していることから、こちらも候補の一つと思われてはいるようですが。
Los Angeles Timesの記事を読むと、Zenyattaの調教師として知られるジョン・シレフス(John Shirreffs)師はダートが導入されることを歓迎しているんですね。現役を続行するZenyattaにとっては走れるレースコースが一つ減るわけですが。そもそもオールウェザートラックに批判的だったとは知りませんでした。

オールウェザーは管理費用の問題や馬の故障の問題を解決するために普及していきましたが、完璧ではないのが現状です。ただ、完璧でないのは伝統的な芝、ダートも同じです。芝がメインのヨーロッパ、ダートがメインのアメリカ、その他ドバイ、シンガポール、トルコなどで様々なタイプのオールウェザートラックが試されている中、日本は未だにオールウェザートラックを持ちません。大井競馬場がポリトラックを導入する計画があるそうですので、これに期待したいです。日本の馬がどの程度、オールウェザーに対応し、どのようなタイプの馬がオールウェザーに適応するのかに興味があります。

Horse of the YearはRachel Alexandra

2010-01-19 19:31:20 | 競馬日記
Eclipse賞が発表されました(記事)。年度代表馬はZenyattaではなくRachel Alexandraでした。

2頭の世紀の名牝による年度代表馬の決戦は世界中の注目を集めました。レーティングではZenyattaの方が上、AP通信による2009年最優秀女性アスリートの投票で上だったのもZenyatta(ブログ)。また、ZenyattaのBCクラシックの勝利はファン投票によるNTRA Moment of the Yearにも選ばれました(記事)。対するRachel Alexandraの方はNew York Racing Assosiationでのファン投票のNYRA's 2009 “Story of the Year”に選ばれました(記事)。年度代表馬に関してはracingpost上でどちらがふさわしいかの投票が行われていましたが、その結果はZenyatta:Rachel Alexandra=80:20で圧倒的にZenyattaの方が人気でした(私もZenyattaに投票しました)。
で、本番の投票ではRachel Alexandra130票(56%)に対し、Zenyatta99票(42.7%)という大接戦と言っていい数字でRachel AlexandraがHOYに輝きました(記事)。白黒付けるのがもったいなかった2頭だと思います。

Zenyattaは現役続行を表明しています(記事)。Zenyattaの庭とも言えるサンタアニタのサンタマルガリータHが復帰戦になるようです(記事)。そして、その後はドバイWCに出るかもしれません(記事)。

他の受賞馬では、近年レベルの低下が囁かれる北米芝路線でGIを4連勝と奮闘し、果敢に挑戦したBCクラシックでZenyattaの2着と健闘したGio Pontiを褒めたいです。Gio Pontiは現役を続行し、ドバイWCを目標にするそうです(記事)。

今年からメイダン競馬場のオールウェザーコースで行われるドバイWCには日本から2年連続年度代表馬のウオッカ、最優秀ダートホースのエスポワールシチー、最優秀3歳牝馬のブエナビスタなどが登録しています。BCクラシックの1、2着と激突することになれば非常に盛り上がりますね。

2009 World Thoroughbred Rankings

2010-01-13 19:48:51 | 競馬日記
IFHAより2009 World Thoroughbred Rankingsが発表されました(全ランキング)。

首位は当然Sea the Stars。136ポンドはパントレセレブルが1997年に記録した137以来の高い値です(記事)。パントレセレブルは凱旋門賞をレコードでぶっちぎって勝ったのに対し、Sea the Starsは生涯の最大着差が2馬身半という勝負強い馬でした。

2位は130ポンドでGoldikova。ヘッド師がMiesqueより強いと豪語するだけあって、Miesque同様、BCマイル連覇を果たしました。

ランキングの上での3位、4位はRip Van Winkle(129)とFame and Glory(128)。Sea the Starsの後塵を拝し続けたバリードイルの2頭です。

ランキング上のもう1頭の4位はZenyatta(128)で、6位はRachel Alexandra(127)。セックスアローワンスの4ポンド(もしくは3ポンド)を加えれば3位と4位になります(記事)。レーティングでZenyattaの方が上であることはエクリプス賞の投票にも少しは影響するでしょうか(記事1記事2)。
ベイヤー指数で有名なアンドリュー・ベイヤー氏は強くRachel Alexandraの方を推しています(記事)。ちなみにベイヤー氏はBCの戦前の記事でも、Zenyattaよりもヨーロッパからの参戦馬の方がいい、という記事を書いていました(記事)。Zenyattaの評価が低いんでしょうね。一方、AP通信による2009年最優秀女性アスリートの投票ではZenyattaは2位、Rachel Alexandraは7位で、Zenyattaの方が上でした(記事)。どんな結果が出るのか、私には見当が付きません。

日本関連ではJCに出走したConduitが125ポンドで7位。日本調教馬ではカンパニードリームジャーニーがランキング上では122ポンドで19位、オウケンブルースリが121ポンドで33位。年度代表馬ウオッカディープスカイと並んで120ポンドの43位ですが、セックスアローワンスを考慮すれば実質、日本調教馬のトップです。マツリダゴッホスクリーンヒーローが119ポンドで65位で、日本のダートのトップは最優秀ダートホースのエスポワールシチーの87位(118ポンド)です。詳しくは関連記事をご覧ください(記事1記事2)。
他の日本関連ではJCダートに参戦予定だったSummer Birdが123ポンドで15位、スプリンターズSに参戦し、三浦騎乗のキンシャサノキセキにぶつけられて終わったScenic Blastが122ポンドで19位、Sunday Break産駒Never on Sundayが120ポンドで43位、秋華賞に参戦したShalanayaが119ポンドで65位に入っています。Takeover Targetもまだ名前が見えますね(119ポンドで65位)。じっくり見れば他にも日本で見たことのある名前が載っています。

Azeri産駒

2010-01-09 19:57:51 | 競馬日記
Azeriの産駒はいまのところ以下です。

Take Control(A.P. Indy × Azeri、牡、2007年生):$1.9 million, in 2009 Keeneland April sale of 2-year-olds in training
Giant's Causeway × Azeri(牝、2008年生):$800,000, in 2009 Keeneland September sale
Ghostzapper × Azeri(牝、2009年生)
Distorted Humor × Azeri(2010年生予定)

2009年生まれの牝はKeeneland January Saleに上場予定でしたが、スクラッチしましたね(記事)。

それにしても、中島理論使いにとってはにやりとする配合ぞろいです。5代内近親交配にはすべてゼロ交配を用いています。

年度代表馬

2010-01-07 19:51:23 | 競馬日記
JRA賞が発表されています(記事)。

年度代表馬は2年連続でウオッカでした。JCを含むGI3勝ですので当然です。牝馬の2年連続年度代表馬は初めてです。初年度交配相手として予定されているSea the Starsの権利は無事、確保できたそうです(記事)。Sea the Stars × ウオッカは破綻のないきれいな配合だと思います。今から楽しみですが、まずはドバイ遠征を無事に済ませてほしいです。当然ながら最優秀4歳以上牝馬も同時受賞です。
このウオッカを天皇賞秋で下したカンパニーは特別賞でした。役者が違うとばかりに完勝したマイルCSも見事でした。

最優秀2歳牡馬はローズキングダムでした。無敗で朝日杯を含む重賞2勝で、ラジオNIKKEI杯を勝ったヴィクトワールピサを初戦で下していますから疑問の余地のない受賞だと思います。

最優秀2歳牝馬はアパパネでした。牡馬におけるローズキングダムほどの馬が牝馬にはいませんでしたが、阪神2歳牝馬Sを勝っているのでこの馬でしょう。

最優秀3歳牡馬はロジユニヴァースでした。3冠を制した馬が全部異なり、ダービー馬が受賞することになりました。

最優秀3歳牝馬はブエナビスタでした。後半戦は勝ちを逃し続けて歯がゆかったですが、牝馬2冠ですから仕方ないでしょう。秋華賞を勝ち、JCでも3着と大健闘したレッドディザイアは不運でした。有馬記念でブエナビスタがずぶずぶに負けたらレッドディザイアの方を押したい気持ちがありましたが、最後までぼろを出さなかったブエナビスタで順当だと思います。

最優秀4歳以上牡馬はドリームジャーニーでした。春秋グランプリ制覇ですから当然でしょう。カンパニーはドリームジャーニーのおかげでこのタイトルからもはじき出されるという不運がありました。

最優秀短距離馬はローレルゲレイロでした。年度代表馬からはじき出されたカンパニー、春の二つのマイル戦で圧巻のパフォーマンスを見せたウオッカにも票は入っています。どちらもパフォーマンスは高かったですから入れる気持ちは分からないでもありませんが、春秋スプリントGI制覇ですのでローレルゲレイロの方がふさわしいでしょう。

最優秀ダートホースはエスポワールシチーでした。強くなりましたね。初めて一線級と対決したフェブラリーSこそ敗れたものの、それ以降は圧巻でした。

最優秀障害馬は2年連続でキングジョイでした。日本に二つしかないJ・GIの中山大障害1着、中山グランドジャンプ2着ですから順当でしょう。

そもそもこのような賞に番狂わせがあってはならないのですが、順当な受賞だったと思います。

エクリプス賞のファイナリストが発表されています(記事)。
年度代表馬はRachel AlexandraとZenyattaの一騎打ちです。方や今年無敗でプリークネスS、ハスケル招待、ウッドワードSと三度牡馬を破ったダートの女王、方やデビュー以来無敗で牝馬で初めてBCクラシックを制したオールウェザーの女王。本当に白黒付ける気なのでしょうか。直接対決がなかったので本当に難しい判断になりそうです。このようなレベルの牝馬が同年に2頭も存在し、またこのような完璧な成績で一年を終えるのはあり得なかったことですし、同時受賞でいいと思いますが、どうしても1頭に絞らなければならないとすれば、私が入れるならZenyattaですね。Rachel Alexandraは強いですが、Zenyattaは強いだけでなくドラマティックな馬だと思います。