うぉんばっとな毎日

大用、現前するとき、軌則を存せず

東京大賞典

2011-12-31 00:14:35 | 競馬日記
スマートファルコンが辛勝しました。

この数戦は春までの圧倒的な強さはなく、何となく物足りない感じでした。このレースでは後続を離すところが全く作れず、ワンダーアキュートについてこられました。そしてラストはギリギリのところまで追いつめられました。

力が落ちたのか、調子が落ちたのか。調子の谷は2010年の夏にもありましたし、まだ立て直せると思っている(期待している)のですが。ただ、既に32戦消化していますし、そろそろ消耗していても仕方がないのは確かです。

ヴィクトワールピサ、Behkabad種牡馬入り

2011-12-28 20:04:44 | 競馬日記
今年のドバイWC馬ヴィクトワールピサが引退し、社台で種牡馬入りします(記事)。

Haloクロスを持つ馬らしく、機動力に優れ、皐月賞、有馬記念と中山競馬場のGI2つを制しました。そして、ドバイWCではペースがゆるんだバックストレートで後方から一気に前に取り付くという大胆な戦法で押し切り、トランセンドとの歴史的ワンツーを達成しました。
ドバイ後、頓挫があり、そこから立て直しきれなかったのは残念ですが、無事種牡馬入りができたのでよしとしましょう。

完成された配合で、アサクサデンエンの半弟という良血で、Northern Dancerフリーですから、いい種牡馬になるでしょう。マイナスはサンデーサイレンス父系であることくらいでしょうか。


アガカーン殿下のパリ大賞典馬Behkabadが優駿SSで種牡馬入りします(記事)。ニエル賞ではヴィクトワールピサを4着に下しています。

マルセル・ブサック生産のAstanaを基礎繁殖牝馬とするアガカーン殿下伝統の牝系。祖母Beheraはサンタラリ賞の勝ち馬。父Danzig系でNever Bendクロスがある、アガカーン殿下お得意の配合。
父Cape CrossはJCで2年連続掲示板確保のOuija Boardの父であり、ネオユニヴァース産駒のダービー馬ロジユニヴァースの母父です。ロジユニヴァースもHaloクロスを持っていましたね。
豊富なDjebelをどう処理するのかと欧州ほどは栄えていないDanzig父系であるというのはありますが、Haloフリーで、種牡馬になればNorthern Dancerの位置が5代目に上がるのはプラスだと思います。

ヴィクトワールピサもBehkabadもKris、Bustino、Lorenzaccioという日本ではメジャーになりきれない血を持っているのは偶然でしょうか。そして、ヴィクトワールピサはCrepelloクロスを持ち、Behkabadは母内にCrepelloクロスを持ちます。違うように見えて、実際に血統構成自体は異なっていますが、共通点ってのはあるものですね。

ブエナビスタ引退

2011-12-27 00:39:45 | 競馬日記
女傑ブエナビスタが有馬記念後に引退式を行いました(記事)。
ラストレースは国内のレースで初めて掲示板を外すことになりました。展開も合いませんでしたし、枠も裏目に出ました。ウオッカに一つ及ばないGI6勝でしたが、獲得賞金額はウオッカを抜く牝馬最高になりました。

初年度交配馬はリーディングサイアーのキングカメハメハになるようです。サンデーサイレンスフリーの社台種牡馬と仮想配合をしてみます。

キングカメハメハ × ブエナビスタ:600万円、2011年1位
ハービンジャー × ブエナビスタ:400万円、2011年から供用
ワークフォース × ブエナビスタ:350万円、2012年新種牡馬
クロフネ × ブエナビスタ:300万円、2011年5位
ジャングルポケット × ブエナビスタ:250万円、2011年7位
シンボリクリスエス × ブエナビスタ:250万円、2011年3位
チチカステナンゴ × ブエナビスタ:200万円、2009年から供用
メイショウサムソン × ブエナビスタ:200万円、2009年から供用
スニッツェル × ブエナビスタ:150万円、2011年93位(2007年のみ供用、2011年から再び供用)
フレンチデピュティ × ブエナビスタ:150万円、2011年19位
タニノギムレット × ブエナビスタ:100万円、2011年17位
ファルブラヴ × ブエナビスタ:80万円、2011年26位
カジノドライヴ × ブエナビスタ:50万円、2012年新種牡馬
カンパニー × ブエナビスタ:50万円、2010年から供用
ヴィクトリー × ブエナビスタ:Private、2010年から供用
トウカイテイオー × ブエナビスタ:Private、2011年83位
ウォーエンブレム × ブエナビスタ:発表なし、2012年69位

非サンデーサイレンスだけでも凄いラインナップですね。
超一流繁殖牝馬に付けるのは緊急事態でもない限り(オルフェーヴルはディープインパクトが上手くつかなくて、急遽ステイゴールドに変えられました)種牡馬の序列がある程度優先されるでしょう。となるとまずはキングカメハメハ、新種牡馬ではワークフォース辺りが候補になるはずです。
キングカメハメハではいわゆるいい配合になると思います。個人的にはドイツ血統が生きるワークフォースは気になるのですが。このどちらかが配合的にいい気がします。後は案外メイショウサムソンが合っているんじゃないかと思いますが、序列的に回ってこないでしょう。

何はともあれオルフェーヴル

2011-12-26 00:30:46 | 競馬日記
オルフェーヴル快勝。スローペースを最後方から外をまくり気味に追い込みました。気持ちがいい勝利ですね。さすが3冠馬。
JC5着のウインバリアシオンに2戦連続で軽く0.4秒差付けていたことを考えれば、ここでも通用すると見て良かったです。予定通りですね。
ディープインパクトは菊花賞がピークだった上にハーツクライにレースをコントロールされて敗れましたが、オルフェーヴルは余力十分であるとともに今までもまれてきた経験もあって、取りこぼすことはありませんでした。戦前の馬だったセントライト以外の三冠馬は全てGI級を4勝以上しており、オルフェーヴルはこれで義務を果たしました。

オルフェーヴルは中山、東京、京都の中央3場でGI、阪神で重賞を勝っています。
最近の強い馬はコースを選ぶことが多く、ブエナビスタウオッカは中山未勝利でGI勝利は阪神外回りと東京の長い直線向き、ドリームジャーニーは京都、東京未勝利の小回り向き。
小回りの代名詞中山、長い直線の代名詞東京を含む中央3場でGIを勝った馬は先輩三冠馬ディープインパクト、その1年上の皐月賞馬ダイワメジャー、1年下の2冠馬メイショウサムソンまでさかのぼらなければならないのではないでしょうか。ダイワスカーレットは1回だけ走った東京でウオッカにハナ差で破れ、東京をのぞく3場でGIを勝っています。アパパネは中山をのぞく3場で勝っていますが、中山を走ったことはなく、またGIとなると中山で走れるのは有馬記念だけなので、普通は牝馬にとっては酷ですね。

内枠を引かなければ勝ち目がない中山マイルのような極端な条件は問題があると思うのですが、いろんなコースがあるおかげでいろんなタイプの馬が活躍でき、それ故いろんなコースをこなす万能の馬には特別な価値があるように思います。

カルロスペレグリーニ大賞典

2011-12-20 20:49:28 | 競馬日記
最近、世界の競馬を振り返る時間がないのですが、アルゼンチン最大のレース、カルロスペレグリーニ大賞典があったので、これだけは触れておきます。私の名前の元になるMuch Betterは1994年の勝ち馬です。

勝ったのはExpressive Halo。昨年、アルゼンチンのダービーに当たるナシオナル大賞典を勝った馬です。
アルゼンチンに土着化した牝系出身のアルゼンチン産馬ですが、父・米産Halo Sunshine×母父・米産Ride the Rails×祖母父・米産Equalize×曾祖母父・米産Ringaroと4代続けて米産の種牡馬が付けられています。折角だからコテコテの亜系血統を見たいところですが、こういうメジャーなレースはそれなりにメジャーな血統の馬が勝つことが多いように感じます。
父はHalo直仔、母父はMr. Prospector系、祖母父はNorthern Dancer系、曾祖母父はCaro直仔と言うことで、日本でよく見るサンデーサイレンス系の馬とあまりかわりません。アルゼンチン血統が出現するのは高祖母Emboscadaの部分。ここは父母祖父母全てアルゼンチン産です。
アルゼンチンで成功したHalo系種牡馬と言えばSouthern Halo。アルゼンチンリーディングサイアーを10度(多分)獲得しました。あれだけ成功した種牡馬がありながら、まだHalo系の馬が活躍する余地があるんですね。

サンデーサイレンスは祖母父Montparnasseがアルゼンチン産で、アルゼンチン産牝馬との間にディアデラノビアなどを出しています。アルゼンチンで種牡馬生活を送ったサンデーサイレンス系種牡馬にはハットトリックがおり、南米に範囲を広げればアグネスゴールドが現在、ブラジルにいるようです。Expressive Haloに付けられた4代の米産種牡馬でGIを勝っているのは祖母父Equalize(ユナイテッドネイションズH)のみ。競走成績が一流である必要はないので(Southern Haloも重賞未勝利)、行き場所のないサンデーサイレンス系の重賞勝ち馬、良血馬は南米に活躍の余地があるかもしれません。栄華を極めるサンデーサイレンス系にもいつか黄昏はやってくるわけで、外に出していい馬は出しておいた方がいいんじゃないかと思います。

Hyperionが足りない

2011-12-17 22:08:54 | 競馬日記
日本のダート一流馬とアメリカのダート一流馬を見ていると、アメリカの馬にはHyperionが足りませんね。
ワイルドラッシュを手放したのは間違いだった、ってような記事がBloodhorseに出ていました(記事)。

ワイルドラッシュはかなりHyperionが強いのですが、トランセンドは更にHyperionを強化しています。スマートファルコンはVaguely Noble 5 x 3のスタミナが軸で、トランセンドと同じくHyperionのスタミナで先行する馬です。エスポワールシチーはスマートファルコンと同じゴールドアリュール産駒で、母内にAlibhaiを重ねています。

ワイルドラッシュを手放したのは初期の産駒が走らなかったことが大きいようですが、確かにHyperionのスタミナが生きてくるのを待ちきれなかったように思います。
そんなわけで、ワイルドラッシュが惜しいのならトランセンドを買って行ってくれればいいのにと思います。サニースワップスの子孫が里帰り、ってなれば楽しいのにと思う次第です。もちろん記事でもサニースワップスについて触れていますね。

香港国際競走

2011-12-13 19:38:27 | 競馬日記
香港国際競走の結果です(記事)。

香港ヴァーズはDunadenが勝ちました。5歳馬で、今年、超長距離路線に転じて4月の3100mバルブヴィル賞(GIII)で重賞初勝利、昨年、カップウイナーAmericainが叩いた2400mジーロングC(GIII)を勝って本番メルボルンCに向かい、ここも勝ってビッグタイトルを手にしました。そこから返す刀で香港ヴァーズまで仕留め、一気に一流馬の仲間入りをしたと言っていいでしょう。配合のマニアックさがすごいですね。
トレイルブレイザーは6着。前走JCではすんなりと好位をとれたのですが、今回は流れに乗れませんでしたね。

香港スプリントを勝ったのはおなじみのLucky Nine。セントウルS2着、スプリンターズS5着からの勝利です。
スプリンターズSを勝ったカレンチャンはLucky Nineと順位が入れ替わり、5着。Rocket Manマークのポジションでしたが、Rocket Manが失速し行き場をなくして外に切り替えて追い込みました。香港スプリントで通用したと言っていい日本馬は初めてです。
パドトロワは先行しましたが殿負け。

香港マイルは懐かしい名前Able One。安田記念に参戦したのは4年前です。祖父Green Desertと母が相似でDanzig 3 x 3の大きなクロスを作る配合です。
アパパネは13着と大凡走。安定していた昨年と違い、かなり振れ幅が大きいですね。

日本馬の参戦がなかった香港カップはCalifornia Memoryが勝ちました。ヘクタープロテクターラムタラと同じ牝系です。

今年も勝てず。ステイゴールドエイシンプレストンアグネスデジタルで3つ勝ったのが懐かしいですね。ただし苦手のスプリントでカレンチャンの好走という収穫がありました。

さてさて、阪神2歳牝馬Sはジョワドヴィーヴルが強かったですね。このレースはダービー馬の仔が強く、新コースになってから4年連続でダービー馬の子が勝ち、昨年は一休みで、また今年はダービー馬ディープインパクトの仔。
ジョワドヴィーヴルはビワハイジの娘、ブエナビスタの妹です。このレースは母仔姉妹制覇です。

月食

2011-12-10 23:15:13 | 日記
月食。
撮れてびっくり。ペンタックスのOptio S5iという7年前発売のコンパクトデジタルカメラにて。相当に古いから無理じゃないかと思いましたが、一応月食っぽく撮れています。最近の機種ならケータイでも撮れるのかも。そもそもケータイを持っていないので分かりませんが。
iPhotoで自動補正、トリム。



ちなみに月食は英語でlunar eclipse。Eclipse系のEclipseは日食(solar eclipse)の日生まれとのこと。

シンコウラブリイ、シャーラスタニ死亡

2011-12-08 19:54:55 | 競馬日記
シンコウラブリイが亡くなりました(記事)。
後に数々の大レースを制する岡部-藤沢コンビによる最初の重賞勝ち馬、最初のGI馬です。
父は日本で最も成功した海外供用種牡馬Caerleon。フサイチコンコルドエルウェーウィンビワハイジゼンノエルシドと5頭のGI馬を出しました。Northern Dancer系不遇の時代において○外もしくは持込であるメリットが生きましたが、Caerleon産駒の早熟性と日本向きの豊かなスピードがあってのことです。

英愛ダービー馬シャーラスタニが亡くなりました(記事)。
アガカーン殿下の生産で、ダービーでは怒濤の末脚で追い込んできたダンシングブレーヴを半馬身差で振り切りました。
日本、アメリカ、アイルランド、英国で供用されましたが、いずれの地でも失敗しました。母父としては自身の生産者であるアガカーン殿下によってアラムシャーCaradakを出しています。

この2頭はどちらも父Nijinsky系×母父Forli系の組み合わせ。鑑賞に堪える美しい配合です。

JCダート

2011-12-04 23:43:04 | 競馬日記
中山競馬場への行き方を知ったので、ちょっくら行ってきました。それで、ターフビジョンで観戦したのですが、トランセンドが先手を取れるかどうかが90%くらい(それは言いすぎか)を占めると思って見ていました。

トランセンドは前走、スマートファルコンをすんなりと先行させた反省があったか、強引に先手を取りに行きましたね。1コーナーで内の馬が立ち上がりかけたときには思わず声が出ました。
荒っぽい形にはなりましたが、先手を取れてかなり勝つ可能性が高くなったな、と思いました。ラストは突き放して2馬身差。力が上でしたね。それならもうちょっと優しく先手を取れたんじゃないかと思ってしまいますが、結果を知っているから言えるわけで、前走の失敗を絶対に繰り返さないという気合いがあったということにしておきましょう。

強引に行ったトランセンドに対して、エスポワールシチーはあっさりと控えました。トランセンドの大外に対して内枠だからハナを主張しに行く、行けなくてももうちょっとプレッシャーをかけに行くと思った(期待した)のですが。ワンダーアキュートにまでゴール前で交わされてしまいました。本当に強かったときの走りはもう戻らないですかね。

強い馬が勝ったJCDということで。

さて、今年の最優秀ダートホースはトランセンドとスマートファルコンに絞られたと言っていいでしょう。スマートファルコンが順当に東京大賞典を勝てばどちらもGI3勝ずつ。他のレースを見るとトランセンドはドバイWCで2着、JBCクラシックはスマートファルコンとの直接対決に敗れ2着。スマートファルコンは交流のGIIを2勝し、5戦全勝(になると仮定)。
スマートファルコンが東京大賞典で敗れればトランセンドで決まりでしょう。勝った場合が難しいですが、今年はトランセンドを推したいです。ドバイWC2着は立派ですし、スマートファルコンには昨年このタイトルをあげたかったです。2009年エスポワールシチー、2010年スマートファルコン(実際はエスポワールシチー)、2011年トランセンドとなっていたら、結果的に3強すべてにタイトルが行き渡っていました。
ドバイWCを勝ったヴィクトワールピサは特別賞をもらえるでしょう。