うぉんばっとな毎日

大用、現前するとき、軌則を存せず

Camelot

2012-04-29 23:17:55 | 競馬日記
まだ2000ギニーも終わっていないのに、Camelotは3冠を期待されているようですね(記事)。

合田さんの解説では、Montjeuは「既に3頭の英ダービー馬を輩出しているのに加え、G1アスコットGC(芝20F)勝ち馬やチェルトナムのG1チャンピオンハードル(16F110ヤード)勝ち馬を出しているスタミナ型の種牡馬で、キャメロットも距離が延びるほど真価を発揮するタイプと見られている」とのこと。

Montjeu産駒の2000ギニー馬は0頭。愛2000ギニー馬は0頭。仏2000ギニー馬も0頭。
ダービー馬はMotivatorAuthorizedPour Moiの3頭。愛ダービー馬はHurricane RunFrozen FireFame and Gloryの3頭。凱旋門賞馬はHurricane Runの1頭。Kジョージ馬はHurricane Runの1頭。仏ダービー(2005年に2100mに距離変更)馬は0頭。
セントレジャー馬はScorpionMasked Marvelの2頭。愛セントレジャー馬は0頭。アスコットGC馬はFame and Gloryの1頭。カドラン賞の勝ち馬は0頭。ロワイヤルオーク賞の勝ち馬はMontareの1頭。チェルトナムチャンピオンハードルの勝ち馬はHurricane Flyの1頭。

確かに2000ギニーが一番苦手で、12Fのダービーが得意、長距離もこなす種牡馬ということになります(ちなみに英愛仏の1000ギニー、オークスはなぜか未勝利)。

配合のタイプを分けていくと、Pour Moi、Fame and Glory、Masked Marvel、Montareは母父がShirley Heights系で、Sadler's Wellsとの相性の良さを生かしながら、Djebelを強化し、Montjeuの母方に重なっていたPrince Roseをスムーズに生かしています。明らかにスタミナ強化型ですね。
Hurricane Run、Fame and Glory、Masked Marvelはドイツ血統を持つタイプ。Hurricane Runは母父が独ダービー馬Surumuで、祖母内Nooraniを生かした12F向きです。
Motivator、Frozen Fireは母父がMr. Prospector系。Motivatorは欧米の血をバランス良く取り込み、スッキリまとめて強調しているのはSadler's Wellsという中距離型。Frozen Fireは母Flamingo SeaがRaise a Native近交。欧州の血はあまり生きず、強調されているのは祖母Fabula Dancer。13戦2勝、そのうちの1勝が愛ダービーで、そもそもあまり強い馬ではありません。
Authorizedは母父が凱旋門賞馬Saumarez。その中のHyperionが5代目。祖母Vallee Dansante内のNorthern Dancer、Court Martial、Val de Loirがクロス。中距離から12Fが守備範囲でしょう。
Scorpion、Hurricane Flyは2歳時に短い距離で活躍し、3歳時には仏2000ギニー、イスパーン賞を勝ったゼダーンをクロスするタイプ。しかし、Scorpionは母父が愛ダービー馬でAlleged直仔のLaw Society、曾祖母父が凱旋門賞、アスコットGC、カドラン賞を勝った名ステイヤーのLevmoss。Kalamounのスピードが生きていなければ重厚すぎたかもしれません。Hurricane Flyは曾祖母父ヴィミーでそれが6 x 4のクロスになってかなりスタミナを強化しています。

Camelotは母父がMr. Prospector系で、ゼダーンの5 x 6を持ちます。母父は競走馬としてはマイラーだったKingmambo。名マイラーのMiesqueの仔です。種牡馬としては母父Sadler's Wellsとの組み合わせで名マイラーのHenrythenavigator、12Fで活躍したエルコンドルパサーなど、数多くの名馬を出しています。Camelotの母Tarfahは9FのダーリアS(GIII)を勝ったマイル~中距離向き。
父Sadler's Wells系×母父KIngmamboで、父Kingmambo×母父Sadler's Wellsのニックスの裏返しです。ただし、祖母父がDanehillで、Northern Dancer - Natalma - Native Dancerとクロスします。ゼダーンクロスを持ちますが、Scorpion、Hurricane Flyほど、ドカンと効かせたスタミナ要素はありません。

片親内にDanehillを持ち、Northern Dancerがクロスする場合、Natalmaも同時にクロス馬になります。このような形態の馬を同様に探します。

2000ギニー馬はRock of GibraltarFrankelの2頭、愛2000ギニー馬はDesert King、Rock of Gibraltar、MastercraftsmanRoderic O'Connorの4頭、仏2000ギニー馬はClodovilAussie Rulesの2頭。
ダービー馬は0頭、愛ダービー馬はDesert Kingの1頭、仏ダービー馬は0頭、凱旋門賞馬はRail LinkDanedreamの2頭、Kジョージ馬はDuke of MarmaladeHarbingerの2頭。
セントレジャー馬はArctic Cosmosの1頭、愛セントレジャー馬は0頭、アスコットGC馬は0頭、カドラン賞馬は0頭、ロワイヤルオーク賞馬は0頭、チェルトナムチャンピオンハードルの勝ち馬は0頭。

12F以上をこなす馬もいますが、得意なのは2000ギニーですね。理由はDanehillのNorthern Dancerのスタミナが効いているだけあって、、、というようなスタミナ要素ではないということ、そもそもDanehill自身がスピード馬であり、距離をこなそうとすれば他からのアシストが必要であることでしょう。North Lightとか、Westernerとか、美しい配合ですよね。

12Fくらいなら持つかもしれませんが、距離が延びるほど真価を発揮するとは思いません。Montjeu産駒はまだ2000ギニーを勝っていませんが、8Fは守備範囲に入りそうです。そんなわけで2000ギニーは案外期待できるんじゃないかと思いますし、ダービーはダービー向きの実力馬が出てきたら足下をすくわれるかもしれませんし、セントレジャーは相手次第でしょう。

顕彰馬投票、今年は選定馬なし

2012-04-24 19:35:22 | 競馬日記
平成24年度顕彰馬選定記者投票が行われましたが、今年は選定馬なしでした(記事)。

得票トップはエルコンドルパサー。日本国内でNHK杯とJCを勝ち、フランスに渡ってサンクルー大賞典を勝ちました。凱旋門賞では先日亡くなったMontjeuと歴史的な一騎打ちを演じ、そのときに得た134という国際レーティングは未だに日本調教馬最高値です。
エルコンドルパサーは185名中139票という選定基準にわずかに2票足りませんでした。一方、該当馬なしに67票も入っています。本当に該当馬がないと思ったのでしょうか。

来年はブエナビスタが対象になり、恐らく1回で選定されるでしょう。ということはエルコンドルパサーは選ばれないということです(ブエナビスタが選定基準まで票を集められなくても票が割れるのでエルコンドルパサーは選ばれない)。
再来年はJRA創立60周年。30周年で顕彰馬制度が制定され、50周年で調教師・騎手顕彰者が選出されました。区切りのいいときに選定されるべき馬を救済するようなことが必要なのではないでしょうか。

アメリカでもホールオブフェイマーを決める投票が行われ、競走馬ではGhostzapperが選ばれました(記事)。これで191頭目。対する日本は現在29頭。歴史の長さが違いますし(例えば今年でケンタッキーダービー創立から137年目に対し、東京優駿創立から80年目)、競馬のレベルも違いましたが、もうちょっと顕彰馬が多くてもいいように思います。例えばカナダではクイーンズプレート創立から今年で152年目でホールオブフェイマーは84頭。年当たり0.55頭という計算です(アメリカは1.39頭、日本は0.36頭)。カナダくらいの比率でいいと思えば44頭になり、15頭くらいならプラスで選んでいいことになります。15頭というと一気に増えすぎな感じがありますので、取りあえず5頭くらいなら許容できるのではないかというのが昨年からの提案になります(ブログ)。ちなみにカナダでは今年はJambalayaArravaleL'Alezaneの3頭が選定されましたが(記事)、日本は投票者数の3/4という規定があるために選ばれる頭数は年1頭以下になりますので、これから頭数の差が開いていくことでしょう。Veteran Horse Categoryというのもあって20年以上前に競走生活を終えた馬も対象になります。
現在の制度のままでは、記念の年なんかに20年間という選出対象期間より昔の馬も対象として選び直すような措置を執って、いつまでも選ばれない馬、既に対象期間を過ぎてしまった馬を拾って、不備を補うことが必要だと思います。

サガラ

2012-04-19 01:55:56 | 日記
キムラサガラと言えば大学でドイツ語を学ぶ人のコレクターズアイテムですね。

木村・相良

私は一般教養でしか独語をやっていませんが、その選択した授業が将来ドイツ哲学を専攻する人向けで、カントやショーペンハウエルやヤスパースなど(アインシュタインやハイデッガーなんかもやったような)をドイツ語で読もうというハードなもので、そのおかげでついうっかりこういうマニア向けの辞書まで入手してしまっていたのでした。

最近、Amazonでケルト神話の本(初心者向けの簡単な本でさらっと読めました)を買ったためにおすすめ商品に「ニーベルンゲンの歌」が出てきました。岩波は相良守峯訳なんですね。そう言えば相良訳の本は一冊も持っていないかと思って買ってしまいました。

相良訳ニーベルンゲンの歌


ちなみに岩波では「ファウスト」なんかも相良訳があるのですが、同じ岩波でも森林太郎訳の方を持っています。岩波の本って買えるときに買っておかないと次いつ刷られるのか分からない、というプレッシャーがあってつい買ってしまいます。それで読んでいない本がたまっていくのですが。

翻訳物って、その本の内容だけでなく、訳との相性が大切です。専門家なら正確な訳が重要視されるでしょうが(本物の専門家は読むのは原文で、訳本は単なる解説の対象でしょうが)、素人で取りあえずおおよそのことが分かればいいというレベルであれば、相性が悪い訳だと全然進みません。高校時代に暇つぶしに中公の「ツァラトゥストラ」を読もうとしたのですが、全然前に進まず、途中で投げ出してしまいました。後でそう言えば昔最後まで読まなかったっけと思って、岩波の「ツァラトゥストラはこう言った」を読んだところ、驚くほど簡単に読了しました。森林太郎のファウストなんかはゲーテを鴎外が訳すという一粒で二度おいしい的な点で絶大な人気があるわけですが、読みやすくはないでしょうね。何か読んでみて、読みにくかったら別の訳を探すのが翻訳物ではいいと思います。

そう言えば岩波って、ちょっと前に、入社したけりゃ著者もしくは社員の紹介状を持ってこい、ってのを言って不評を買いましたね。でも岩波から本を出したことのある人って大学の教官にいっぱいいるでしょうからコネとするにはハードルが低すぎます。これくらいの低いハードルで応募者を絞り込めるなら、採用する方にとっては絞り込みの手間が省けますし、面接を受ける方にとっては競争率が下がって多少門が広くなりますし、双方にメリットがあるでしょう。

2年連続父ステイゴールド×母父メジロマックイーン

2012-04-16 20:35:46 | 競馬日記
何回も話題に上がるためにどんどん書くことがなくなってきています。昨年の3冠馬オルフェーヴル、春秋グランプリ連覇のドリームジャーニーと同じ父ステイゴールド×母父メジロマックイーンゴールドシップが皐月賞を制しました。

昨年は震災の影響で東京競馬場で行われましたが、今年は小回り中山競馬場に戻ってきました。ゴールドシップは東京競馬場の共同通信杯を叩き合いで制したように直線が長い方が合いそうな感じはあるのですが、地力と鞍上の好騎乗で見事に克服しました。
最後方からレースを進め、荒れた内を避けて他の馬が外に行くのを尻目に内を回り、ワープしてきたかのように先頭に立ち、そのまま先頭でゴール板を駆け抜けました。鞍上内田の好騎乗として語り継がれることでしょう(坂井千明元騎手によると当たり前の競馬とのこと(ブログ))。

父ステイゴールド×母父メジロマックイーンのGI馬はこれで3頭目。重賞勝ち馬では他にフェイトフルウォーがいます。この組み合わせのAEIは大変なことになっているでしょう。春の牡馬のクラシックを勝てないことで有名だったメジロ牧場の血を引く馬が2頭も皐月賞を勝つことになるとは。

他の累代交配を見て行きます。

祖母父:プルラリズム。フランスのGIIIを2つ勝っていますが、大物ではなく、種牡馬としても大物を出さないスプリント~マイル、ローカル向きでした。母父としても東京ダービー馬セントリック、函館2歳S馬サダムブルースカイを出しただけ。しかし、半妹に独重賞勝ちのSingletta、同じく半妹Ghislaineの仔に欧州チャンピオンマイラーのマークオブディスティンクション、子孫にGI2勝馬Laverock、先日ドバイGC(GIII)を勝ったOpinion Pollなどがおり、近親にはドクターデヴィアスシンコウキングがいます。いわゆる良血馬でした。

曾祖母父:トライバルチーフ。Princely Gift産駒で2歳時に5FのノーフォークS、ニューSを勝った早熟短距離馬で、英供用時代に出した1000ギニー馬ミセスマカディーが代表産駒になります。日本では菊花賞3着のロングイーグルを出してはいますが、阪神3歳Sのリードエーティを初めとして数頭の3歳(今の2歳)重賞勝ち馬を出しており、やはり早熟短距離種牡馬とするのがいいでしょう。母父としては桜花賞のファイトガリバーを出しています。

高祖母父:ラークスパー。Never Say Die産駒のダービー馬。母内は曾祖母がAlycidon、Acropolis、Borealisの母Auroraで、それにBois Roussel、Precipitationと付けた重苦しい配合。重厚さが裏目に出たか、種牡馬としては失敗でしたが、母父としてイナリワンリードホーユーを出しました。

5代母の父:ライジングフレーム。マイルのクレイヴァンSを勝ちました。リーディングサイアー3回。天皇賞馬オーテモン、オークス馬チトセホープ、桜花賞馬トキノキロクなどを出しましたが、どちらかというと質より量で勝負するタイプの種牡馬でした。5代母風玲はスイートフラッグの母。

6代母の父:ダイオライト。2000ギニー馬。スピードタイプの種牡馬と見られていましたが、3冠馬セントライトを初め、10頭の八大競走勝ち馬を出して大成功しました。6代母ハマカゼ(繁殖名、梅城)は桜花賞馬。

7代母:クレオパトラトマス(繁殖名、月城)。持込の帝室御賞典馬。

8代母:星旗。下総御料牧場の基礎輸入牝馬。

下総御料牧場の基礎輸入牝馬である星旗を起点とする名牝系で、クレオパトラトマス→ハマカゼを経る由緒正しきラインです。そこから名種牡馬ライジングフレーム、ダービー馬ラークスパーと付けられ、以降はトライバルチーフ、プルラリズムと大物感に欠ける短距離向き種牡馬が付けられています。それに国産の名ステイヤーのメジロマックイーン(小岩井のアストニシメント系)が付けられてできたのがポイントフラッグ。チューリップ賞2着で桜花賞、オークス、女王杯に出走しました。それに更にステイゴールドが付けられてできたのがゴールドシップ。オルフェーヴル=ドリームジャーニーにしてもそうですが、残り1/4はちょっと軽めですね。
星旗系のGI級勝利はニホンピロムーテーの1971年菊花賞以来。下総御料牧場の牝系の中央GI級勝利は星谷系サニーブライアンの1997年ダービー以来。随分と期間が空きました(交流GIを含めると種正系ビッグロマンスの2010年全日本2歳優駿以来です)。「なかなか血の入れ替えができない小さい牧場としては、古い血統で勝てたのがうれしい。」との出口牧場出口社長の談(記事)。古い血統から活躍馬を作るヒントがゴールドシップの血統表にあるように思います。

下総御料牧場の牝系の皐月賞馬はボストニアントウカイテイオー、サニーブライアンの3頭。全て春の2冠馬ですね。共同通信杯を勝った皐月賞馬はカブラヤオーミスターシービーナリタブライアンの3頭。3冠馬2頭に春の2冠馬1頭。1984年のグレード制導入以降、2馬身半以上の着差で皐月賞を勝ち、ダービーに出走した馬はミホノブルボン、ナリタブライアン、ディープインパクト、オルフェーヴルの4頭。3冠馬3頭に春の2冠馬1頭です。
ダービーも射程に入りましたか。

シリウスシンボリ、メジロパーマー、Montjeu死亡

2012-04-11 20:53:55 | 競馬日記
ダービー馬シリウスシンボリ、春秋グランプリ連覇メジロパーマーが死亡しました(記事)。

名門であり、兄弟のような存在であるシンボリ牧場とメジロ牧場の名馬です。血統的にも共通性があり、シリウスシンボリの父モガミ、メジロパーマーの祖母プリンセスリファードは全姉弟であり、どちらも和田共弘氏がフランスで生産した馬です。有馬記念でハナ差までメジロパーマーを追い詰めたレガシーワールドもモガミ産駒ですね。

シリウスシンボリは母父も和田氏によって導入されたパーソロンです。中山大障害のシンボリクリエンスやNZTのユーワジェームスと同じですね。このニックスを裏返して継続する形で生産された父シンボリルドルフ×母父メジロラモーヌのメジロリベーラは未勝利でしたが(結果は出ませんでしたが、悪い配合ではない)、孫の代に川崎記念のフィールドルージュを出しました。
メジロパーマーは、父がメジロ牧場の自家生産馬メジロイーグル、祖父は北野氏所有のメジロサンマン。父系にメジロが2回続く点はメジロマックイーンと同じです。メジロマックイーンの父系はパーソロン系。メジロイーグルの母アマゾンウォリアーはモガミ産駒の牝馬3冠メジロラモーヌの祖母です。メジロ三羽がらすのもう一頭メジロライアンはシンボリ=メジロ連合のライバルである社台のアンバーシャダイ産駒ですが(社台とメジロは敵対していないですが)、母父がメジロパーマーの祖父メジロサンマン、祖母がメジロマックイーンの父メジロティターンの母シェリルで、共通点があります。
シンボリルドルフを含めて、1980年代に生まれたこういった馬たちはシンボリ=メジロ的馬産が最高点に達したときに生まれた馬たちで、最高点からは下るのみでメジロ牧場は昨年解散しました。

余談ですが、メジロラモーヌの子孫でメジロマックイーン産駒はメジロチェスターのみ。一旦しぼみかけたメジロ牧場がメジロライアンの仔メジロブライトメジロドーベルのおかげでしばらく持ちこたえたことを考えると、もっと自前の血統を信じた配合をして良かったんじゃないかと思います。例えばメジロリベーラ産駒で中央での勝ち星が最も多いのは3勝のメジロヘリテイジ。リンドシェーバー、ジェイドロバリー、ゴールデンフェザント、フレイズと外の種牡馬を使ってやっとメジロライアンに順番が回ってきました。その後、メジロマックイーン、メジロブライト、メジロマックイーンと付けるも産駒なし。メジロマックイーンももっと早く使って欲しかったです。自分たちが導入したパーソロンを信じるなら産駒を作るべきだったと思います。トウカイテイオーダンツシリウスなんかを見ると悪くなかったんじゃないかと思いますが。
更に余談ですが、メジロライアンの初年度産駒の生年以降に生まれた冠名メジロの重賞勝ち馬は1994年生まれのメジロブライト、メジロドーベル(ともにメジロライアン産駒)、1996年生まれメジロロンザン(メジロライアン産駒)、メジロライデン(メジロパーマー産駒)、メジロダーリング(Green Dessert産駒)、1997年生まれメジロマントル(ヘクタープロテクター産駒)、1998年生まれメジロベイリー(サンデーサイレンス産駒)、1999年生まれメジロマイヤー(サクラバクシンオー産駒)、2001年生まれメジロベイシンガー(メジロライアン産駒)。9頭の重賞勝ち馬がいて、そのうち4頭がメジロライアン産駒、1頭がメジロパーマー産駒です。結局のところメジロライアン頼みでした。他をどうすれば良かったかと言えば、もちろんメジロ牧場だってプロが考えて配合していて、いろんな事情もあったでしょうから、素人がずばっと言うのは難しいですが、それでも滅び行くNijinsky系のラムタラとフレイズ、繁殖に合いそうにないシンボリクリスエスは要らなかったんじゃないかと思ってしまいます。

Montjeuが亡くなりました(記事)。種牡馬として現役ばりばりでした。

競走馬時代はエルコンドルパサーを破った凱旋門賞が一番のハイライトでしょう。JCにも出走してくれ、スペシャルウィークの引き立て役に回ってくれました。
血統的には父Sadler's Wells×母父Derring-Do系のニックスで、母父がDerring-Do(母がHigh Top全妹)のオールドヴィック、母父がHigh TopのオペラハウスKayf Tara、母父がTop VilleのDarazariRiver Dancer、父In the Wings×母父Top VilleのWinged Loveらとセットで考えるべきです。

2年連続ディープインパクト産駒

2012-04-09 20:40:27 | 競馬日記
桜花賞は昨年のマルセリーナに続き2年連続でディープインパクト産駒でしたね。シンザン記念を勝ったものの、チューリップ賞を落としたジェンティルドンナが快勝しました。前哨戦では関東馬が好調だったのですが、2着もディープインパクト産駒の関西馬ヴィルシーナでした。

ジェンティルドンナは京都牝馬Sのドナウブルーの全妹。ディープインパクト産駒の配合と一パターンとして確立されつつあるLyphardがクロスする形態です。ディープインパクトでは母ウインドインハーヘア内のCourt Martial - Fair Trialは無視されていたのですが、Lyphardのクロスに内包される形でCourt Martialクロスがよみがえっています。
母はチェヴァリーパークS、チェリーヒントンSと6Fの2歳重賞を勝った早熟スピード馬。母父Bertoliniも6Fの2歳重賞ジュライSを勝ち、ミドルパークS、スプリントC、ナンソープSでも2着に入ったスプリンター。阪神3歳牝馬Sを勝った早熟マイラーのヤマニンパラダイスの同血馬でもあります。祖母父リファーズスペシャルは11FのセプテンバーSを勝っていますが、その半姉My Julietは米チャンピオンスプリンター。そして曾祖母父ジュニアスはミドルパークSを勝った早熟スピード馬。母はかなりスピード色が濃いですね。父は言わずと知れた3冠馬。
この父母の組み合わせで、Lyphard 4 x 4が発生し、Court Martialクロスがよみがえり、アラルポカルのウインドインハーヘアの血がよみがえっています。母方のLyphardも11Fをこなしたリファーズスペシャル内ですね。そのおかげで早熟スプリンターってなことにはならず、中距離くらいまでならこなせるはずです。が、オークスは展開の助けがないと苦しいかもしれません。能力が抜けていれば勝てるでしょうけど。

Lyphardは最長重賞勝ちはダリュー賞の2100mで、ビッグタイトルはマイルのジャックルマロワ賞と1400mのフォレ賞であり、英愛ダービーともに距離の壁に泣きました。母父のCourt MartialはクイーンアンSを勝ったマイラーのFair Trial直仔であり、2000ギニー、チャンピオンSを勝っていますが、ダービーは3着に敗れています。Lyphard、Court Martialともに12Fの大レースは勝てなかったのですが、Lyphard内のCourt Martialがクロスする形態の一流馬は距離克服能力があることが多いです(ブログ)。他にはAuthorizedなど。2008年時点で「Court Martialのクロスは日本ではそれほど流行って」いないと書きましたが、ディープインパクトのおかげもあって一気にメジャーになりました。

1番人気になったディープインパクト産駒ジョワドヴィーヴルは6着でした。走るのが嫌になっていなければいいですね。

ドバイワールドC回顧

2012-04-03 20:09:47 | 競馬日記
かなり遅いドバイワールドC回顧です。

ゴドルフィンマイル(GII)はPivotal産駒African Storyが勝ちました。Godolphin所属です。母父Gone Westを父Nureyev系Pivotalと祖母父Danehillで挟んだ常識的な良配合ですね。

大事件が起こったのはドバイGC(GIII)。天皇賞春に予備登録した(その後、回避決定)Fox Huntが故障し、ホームストレッチで動けなくなってしまったため、レースは一旦取りやめに。Fox Huntは残念ながら予後不良。ドバイWCの後に再レースが行われ、GodolphinのOpinion Pollが勝ちました。天皇賞春に予備登録がありましたが(ブログ)残念ながら回避。ちなみに再レースでも更に2頭が故障し、Bronze Cannonが予後不良になりました。
日本馬マカニビスティーは2レースともハナを切りましたが、3角でいっぱいになって殿負けでした。

UAEダービー(GII)はBallydoyleのDaddy Long Legsが勝ちました。ヨハネスブルグの仔のScat Daddy産駒。ゲンテンは殿負け。

芝直線1000mの電撃戦アルクオーツスプリントはオーストラリアの牝馬Ortensiaが勝ちました。日本にもやってきたTesta Rossaの産駒ですね。懐かしいです。Ortensiaを物差しにすればBlack Caviarってのはやっぱり強いんでしょうね。エーシンヴァーゴウは12着。

ドバイゴールデンシャヒーンはKyllachy産駒Krypton Factor。Polar Falcon 3 x 2という珍しいクロスがあります。2着3着にRocket ManLucky Nineというおなじみの名前が見えます。

ドバイデューティフリーはJuddomoteのCityscapeが勝ちました。Selkirk産駒。3~4角の間に早々と先頭に立ち、そのまま押し切りました。強い勝ち方だったと思います。ダークシャドウは9着。

ドバイシーマクラシックはCirrus des Aiglesが勝ちました。JCにやってきたときは特に何ともないただの馬でしたが、強くなりましたね。

メインイベント、ドバイWCはGodolphinのMonterossoが勝ちました。期待のスマートファルコンはゲートのタイミングが合わなかった上、出た直後に滑って、隣のSo You Thinkに前に入られて終了。最悪の結果になりました。殿から外を回って差を詰めようとしましたが、10着でした。半兄ワールドクリークもドバイWCに参戦しており、Dubai Millenniumの6着でした。今年の優勝馬Monterossoの父系祖父ですね。トランセンドは押して押して押して先頭に立ちましたが、内外から来られる厳しい展開(それでもカメラ目線)。早々と手応えをなくし殿負け。昨年とはコンディションが違ったかもしれません。エイシンフラッシュは内でためましたが、弾け切りませんでした。もうちょっと前のポジションを取りたかったようですが。
勝ったMonterossoはペースを支配した僚馬Capponiの直後のポジションから直線で抜け出して快勝。配合は父Dubawi×母父Barathea。マイラーを基本としながらいろんなタイプの仔を出すDubawi産駒で(ブログ)、本馬は12Fで実績がありました。母父BaratheaはSadler's Wells産駒のマイラー。DubawiとSadler's Wellsの組み合わせで距離が持つ可能性があることはFox Huntを題材にして指摘済みです(ブログ)。Fox Huntと違い、母父がマイラーのBaratheaですし、Barathea内Sir Gaylordがクロスすることですから中距離くらいが合いそうに感じます。Dubawi産駒の完成されたマイラーMakfiとも共通性があります。

新カメラ

2012-04-01 20:16:41 | 日記
えらくたちの悪い風邪を引いてこの1週間ぼろぼろだったのですが、昨日くらいからようやくそれなりに動けるようになってきました。

それで、思い立ってカメラを買いました。カメラ女子じゃないのでミラーレス一眼には興味がなく、オールインワンなコンパクトデジタルカメラにしました。

今まで使ってきたのはPENTAXのOptio S5i



購入したのはおそらく2005年春。当時としては普通の機種の一つだったはずですが、F2.6という明るいレンズ、ピントが合うのを待たずにいきなりシャッターを切れる特性が売りでした。このコンパクトボディーで7年間使って未だに現役というモンスターぶりには脱帽です。さすがに不満はいくつかありますが、それでも「名機」と呼びたくなる大満足の一台でした。軽量・コンパクトで、持ち運びに便利なのでこれからも使用することになると思いますが、光学3倍ズームではちょっと足りなくなってきていますし、暗所に弱い(レンズが明るいので当時としては暗所に強い方だった)のも不満なところです。

それでズームに強いような機種を買いました。買ったのは富士フィルムのFinePix F770EXR



FinePixのフラッグシップモデル。光学ズームが20倍というかなりズームに強い機種であるとともに、こういったコンパクトデジタルカメラにしては1/2型 EXR CMOSという少し大きめの撮像素子が使われています(現行機種では1/2.3型が多く、Optio S5iは1/2.5型CCD)。ブランドイメージからか、Sonyなんかと比べたら値段のお得感が大きかったです。今日、少し使ってみたところ、欠点らしいところが特に思い当たらず(実売価格的にはOptio S5iとあまり変わらず、メーカーも大変だなあと思います)、7年間の進歩を感じました。

上のOptio S5iの写真はFinePix F770EXRでフラッシュを焚かずに撮影。室内のこういった撮影でもそれなりに明るく、手ぶれもせずに撮れます。
下のFinePix F770EXRの写真はOptio S5iでフラッシュを焚いて撮影。この機種ではフラッシュを焚いた方がいいですし、カメラと被写体の距離とかに少し慣れが必要です。