うぉんばっとな毎日

大用、現前するとき、軌則を存せず

天皇賞秋

2011-10-31 19:48:19 | 競馬日記
天皇賞秋はトーセンジョーダンが勝ち、GI初勝利を挙げました。
勝ち時計1:56.1はウオッカのレースレコードを1.1秒、ツジノワンダーの芝2000m日本レコードを0.3秒更新するレコードでした。2着はダークシャドウ、3着はペルーサでGI未勝利馬が3着までを占め、ブエナビスタは4着、エイシンフラッシュは6着、ローズキングダムは10着、アーネストリーは14着、ビッグウィークは17着でした。

大レコードが出たのですが、7着ナリタクリスタルまでがウオッカのレコードを上回っており、要するに馬場が速かっただけでした(ウオッカの時も0.8秒の更新で9着キングストレイルまでが従来のレコードを上回っていました)。あまりにも速すぎる馬場というのはレコードの価値を落としてしまうだけでなく、馬の評価にも影響を与えてしまうように思います。レコード出したと言っても馬場が馬鹿っ速かっただけで特に強くもない、と言われるのは不憫です。

菊花賞のときもレコードまで0.1秒で、見事な勝ちっぷりにナリタブライアン級だという人がいる反面、タイムに関しては馬場が速すぎただけであって、弱い世代の弱い3冠馬だという人もいて、これまたかわいそうだなと思ってしまいます。ナリタブライアンは猛烈なパフォーマンスを見せつける怪物であって、あれと比較するのはかわいそうなんですが、全く底をみせないオルフェーヴルの今後に期待です。

で、天皇賞秋に戻って、ブエナビスタは今回はさすがに厳しすぎるだろうと思ったのですが、それでも4着。強いですね。かなり期間が空いたのに、いきなりスピード勝負に対応してくるとはさすがです。
京都大賞典を勝ち、復活したかのように見えたローズキングダムは馬群に沈み10着。鞍上はこの週から短期免許で乗っている仏の名手メンディザバル。京都大賞典は後藤で、本番天皇賞秋はメンディザバルという予定通りの起用でした。主戦を固定するシステムから鞍上を流動化していい騎手を乗せていくシステムに変えるのは一つのやり方として問題ないのですが、もっと流動化するなら前走でこの馬の持ち味を出した後藤の続投というのもあったでしょう。メンディザバルは確かに実績のある騎手なのですが、メンディザバルで負けるなら仕方がないと思えるほど日本での実績はありませんし、そもそも日本にそんなに来ていません(WSJSで数回来日し、阪神では乗ったことがあります)。勝ったピンナは春に続く2回目の短期免許で、今回の短期免許最終週でした。メンディザバルは後2戦、ローズキングダムに乗る予定ですが、起用した甲斐があったと言える結果を残せるでしょうか。ボタンを掛け違えたようなスタートになってしまい、ちょっと心配です。ちなみに昨年のブエナビスタは本国でラフな競馬をすることでしばしば問題になり、日本でも来るたびに騎乗停止を食らっていたスミヨンを鞍上に迎えて失敗しました。

外国馬出走情報

2011-10-28 19:45:02 | 競馬日記
JC、エリザベス女王杯、マイルCSに外国馬が登録し、出走予定の馬が固まってきました(記事1記事2)。

まず、JCに出走予定なのは以下の4頭。
Shareta:ミネルヴ賞(GIII)1着、凱旋門賞2着、ヴェルメイユ賞3着
Sarah Lynx:カナディアンインターナショナル1着、ポモーヌ賞(GII)1着
Danedream:凱旋門賞1着、バーデン大賞典1着、ベルリン大賞典(ドイツ賞)1着
Mission Approved:マンハッタンH1着

この4頭は招待受諾済み。凱旋門賞1、2着が出走予定ですよ。とんでもないことになりました。特にDanedreamは大注目です。今年の凱旋門賞は時計の出る馬場でそれをレースレコードで圧勝しました。あんな競馬をされたら打つ手はないのではないかと思いますが、トップスピードの持続距離が欧州競馬より短い日本の競馬に適応できるかがポイントでしょう。Sharetaの方は先行しての粘りでしょう。Sarah LynxはSingspielも勝っている加国際の勝ち馬。Mission Approvedは7歳馬にしてGI馬の仲間入りをしました。

エリザベス女王杯出走予定は以下の2頭。
Dancing Rain:英独オークス1着、ブリティッシュ・チャンピオンズ・フィリーズ&メアズS(GII)1着
Snow Fairy:凱旋門賞3着

こちらもすごい。ディフェンディングチャンピオンに英独オークス馬。どえらいことになりました。Snow Fairyの強さは昨年実感済みですが、今年はいい勝負をしながら勝ちきれません。そこに期待するしかありません。Dancing Rainは日本的スピードに適応できるのだろうかと思いましたが、前走、いいタイムで勝っていますね。
どちらもJCに出走する可能性があります。JCに凱旋門賞の1、2、3着が集まる可能性があるということです。ゾクゾクしますね。

マイルCS出走予定は以下の3頭。
Immortal Verse:ジャック・ル・マロワ賞1着、コロネーションS1着、サンドリガム賞(GII)1着
Sahpresa:サンチャリオットS1着
Sidney's Candy:フォースターデイヴH(GII)1着

こちらもすばらしい。Immortal Verseはジャック・ル・マロワ賞でGoldikovaを破りました。Goldikovaが負けたということは馬場がカチコチではなかったということで、そこが不安点かなと思います。Sahpresaはサンチャリオットを3連覇。強くなりましたね。今年来日すれば3年連続マイルCS挑戦の親日派ということで、そろそろ勝ってもいいよと言ってあげたくなります。Sidney's Candyは3歳時にサンタアニタダービーでLookin at Luckyを破った実力馬。GI勝利からは遠ざかっています。

久しぶりに凱旋門賞馬がやってきます。他のレースもなかなかな豪華メンバーが出走予定で楽しみです。

オルフェーヴル3冠

2011-10-23 23:59:18 | 競馬日記
オルフェーヴルが3冠達成しましたね(記事)。力的には抜けている中で、重箱の隅をつつくような私の懸念を見事に跳ね返しました。

道中、かかっているのかというくらい鞍上池添ががっちりと手綱を引き、押さえきれない手応えで4角で先頭に並びかけ、ラストは流して着差2馬身半でも大楽勝でした。流したのに勝ち時計はレースレコードまで0.1秒差。
池江泰寿師は父池江泰郎師に続いて3冠馬の調教師になりました。こんなことがあるんですね。その3冠馬の父ステイゴールド、母父メジロマックイーンはともに大池江の調教馬です。
父内国産の3冠馬はミスターシービー以来、父、母父ともに内国産の3冠馬は初めてです。メジロマックイーンは天皇賞3代制覇で、牝系祖先は小岩井のアストニシメントという伝統の血統です。更にオルフェーヴルは血統表内にサンデーサイレンス、ノーザンテースト、パーソロン、ヒンドスタン、セフト、ダイオライト、シアンモアというリーディングサイアーを持ちます。サンデーサイレンス、パーソロン、ヒンドスタン、ダイオライトは3冠馬の父。

日本の競馬の歴史が凝縮されたような血統です。

Dream Ahead引退

2011-10-19 23:44:38 | 競馬日記
Dream Aheadが引退するそうですね(記事1記事2)。
昨年8月にモルニー賞を勝ったときから追いかけていたのですが(ブログ)、最終的にGI5勝でフォレ賞でGoldikovaを破るおまけ付きでした。心残りはデューハーストS、セントジェイムズパレスSとFrankel相手に2戦してどちらも完敗だったことです(どちらも惨敗でFrankelに負けたと言うよりこの馬が走らなすぎたのですが)。

もしかしたらマイル、中距離までいけるかなと思っていたのですが、累代交配通りのスプリンターで、勝利は7Fまででした。
アイルランドBallylinch studとオーストラリアEmirates Parkのシャトルで種牡馬入りというなかなかな待遇です。産駒はどこまでこなせるんでしょう。この父系の呪縛とばかりにスプリンター種牡馬になるんでしょうか。
例えばDream Ahead × Walkingonthemoonみたいなのでも7Fくらいまでしかこなせないんでしょうか。

ちなみにDiktat産駒ではShort SkirtがムシドラSを勝つなど中長距離で活躍し、オークスでは3着に入りました。アサクサデンエンヴィクトワールピサの叔母にあたります。Short Skirtは母父がステイヤーのBustinoで、チャンピオンSでNijinskyにとどめを刺したLorenzaccioの5 x 3を持つ個性派です。母がNearcoフリーという最近では珍しい馬でした。

秋華賞

2011-10-18 19:38:16 | 競馬日記
秋華賞はアヴェンチュラでしたね。スプリンターズSで先行した馬よりもテンのスピードがあるメモリアルイヤーが逃げ、締まったレースになりました。

オークス馬トールポピー、重賞3勝フサイチホウオーの全妹です。兄、姉はあまり器用ではなかったように思いますが、アヴェンチュラは機動力があり、先行から早め先頭で完勝でした。
アドマイヤサンデーの血統が素晴らしく、父ジャングルポケットではアドマイヤサンデーのアメリカ系の血が生きないという問題はあるもののHyperionの流れを生かした良配合になります。これだけジャングルポケットが合うならこの組み合わせでいいと言っていいですが、他にもアドマイヤサンデーの良さを生かせる種牡馬がいそうです。今までに試された中ではジャングルポケットが明らかに合っているんですが。

さて、今週は菊花賞。オルフェーヴルが3冠を目指します。不安点はただ一つ。前走時に仕上げすぎていないかということ(ブログ)。前走で仕上げすぎていて、調子が下降線であれば淀の3000mは難しくなります。前走は前哨戦としての仕上げだったが能力が違った、もしくは重賞を勝つのに手こずった春とは違い、常にそれなりに仕上がるくらい調子が安定している、と言うのであれば問題ないと思います。
これまでのレースを見る限り力的に抜けていそうですし、それなりに力を出せる状態であれば3冠達成の可能性は高いと思っています。

Cape BlancoはCoolmore Americaで種牡馬入り

2011-10-13 00:21:36 | 競馬日記
GI5勝の愛ダービー馬Cape BlancoはCoolmore AmericaのAshford Studで種牡馬入りすることになりました(記事)。

アメリカで種牡馬入りですか。Djebel、Donatello、Tantiemeといった欧州系の血が利いた配合ですのでヨーロッパの方がいいと思ったのですが。更にアメリカだとNorthern Dancer、Mr. Prospector、Secretariat、Round Tableなんかが同時にクロスされる可能性も十分あり、はっきりしない配合になってしまう場合が出てきそうです。欧州であれば一度にこれら全部をクロスしてしまうような可能性は低いと思います。
逆に言えばこういった血の何個かをドカンと押し出してしまう配合がアメリカだと作れるわけで、どんな配合が出てくるか興味がありますし、ヨーロピアンなスタミナを持つGalileo直仔の愛ダービー馬がアメリカに適応できるのかという意味でも興味があります。

トランセンド強い

2011-10-11 19:34:03 | 競馬日記
トランセンドが着差以上に強かったですね。東京で行われた南部杯でGI3勝目を挙げました。

久々の影響は大きかったでしょう。二の脚がつかず押して押して2番手。直線ではエスポワールシチーに粘られ、外から襲いかかるダノンカモンにも一旦前に出られました。しかし、ここからがばてないトランセンドの真骨頂で、エスポワールシチーを交わし、ダノンカモンを差し返しました。さすがドバイWC2着馬です。
Khaled 4 x 5、Nearctic 4 x 6を軸とした分厚いHyperionが主体で、Bay Ronaldの血の流れの良さに魅力があります。粘り強さにも十分納得ができます。

次はJBCクラシックの予定。スマートファルコンが出走予定ですね。こちらもVaguely Nobleのスタミナが武器でHyperionの影響が強いです。
スマートファルコンが逃げて粘るところをトランセンドがどこまで追い詰めるのか、または交わせるのか。非常に楽しみな1戦になります。

エスポワールシチーは少しずつ良くなっているように感じます。今回は最近の不振に自ら活を入れるように積極的に逃げました。この実力馬が復活すればダート路線のレベルは相当高くなります。

サッカーボーイ死亡

2011-10-07 19:55:55 | 競馬日記
サッカーボーイが蹄葉炎で亡くなりました(記事)。シンボリルドルフが死んだばかりなのですが。

父ディクタスもマイラーでしたが実際はステイヤー血統。勝ち気な気性を短距離で爆発させるタイプで、それはサッカーボーイも同じでした。ただし、本質的には距離はある程度持つということを函館記念で見せつけてくれましたが。
ディクタスは海外ではオークトゥリー招待S(現在のクレメント・L・ハーシュターフチャンピオンシップS)のZalataiaを出しており、これは血統のイメージ通りの中長距離馬でした。ZalataiaはBCターフなどのフレイズを出しています。サッカーボーイとフレイズはよく似た配合だと思います。
サッカーボーイは父としては血統通りのステイヤー種牡馬になり、ナリタトップロードヒシミラクルの2頭の菊花賞馬を出しました。他のGI馬は秋華賞馬ティコティコタック。既に母父としても安田記念のツルマルボーイ、天皇賞春のマイネルキッツと2頭のGI馬を出しています。

ナリタトップロードは後継種牡馬を残せないまま早世、ヒシミラクルはファッショナブルじゃない血統のステイヤーというマーケット的には大きなハンデがあり、不人気のまま種牡馬引退。
Sanctusの仔はサンシー、ゲイサン、ディクタスと主な馬が輸入され、そのうちサンシーとディクタスはGI級の勝ち馬を出しました(ゲイサンの代表産駒は菊花賞2着パッシングサイアー)。サンシーの代表産駒は華麗なる一族のハギノトップレディダイイチルビーを出しましたが、牡馬の方にはGI級勝ち馬がおらず、サンシー産駒種牡馬は地方の重賞勝ち馬を出しただけでした。ディクタスはサッカーボーイという優良後継種牡馬を得たのですが、その直系はほぼ途絶えかけています。
先日亡くなったシンボリルドルフのMilesian系と同じく日本で独自の繁栄を見せたのですが、父系としての寿命をもうすぐ迎えることになります。

スティーブ・ジョブズ死去

2011-10-06 19:55:21 | 日記
すい臓癌闘病中で先日アップルCEOを退任したスティーブ・ジョブズ氏が亡くなりました(アップル記事)。

私が最初に触ったPCはPC-98互換機Epson PC-386NAR(だったはず)。アプリケーションがFD数枚の時代で、あれで動くんだから今から考えるとむしろすごいように思います。
大学で研究室に所属するようになり、当時の研究室の教官が全員Macユーザーだったこともあり、Macを所有しようということになって、買ったのがPower Macintosh 6300/120。これでMathematicaを動かしたり、卒論、修論を書いたりしました。
2代目のMacからはスティーブ復帰後の変革によって生まれたMac OS Xマシンを使っており、現在は4代目のMac。漢字Talk時代は恒例だったフリーズもほとんどなくなりました。
スティーブ不在時にMacを使い始めたこともあってか、スティーブに対する信仰心はないのですが、Microsoftが独禁法で捕まらないようにするために存在していると言われることもあったAppleを大胆に復活させてくれたことの恩恵は一ユーザーとして大きく受けています。また彼の思想のもとに作られた製品、サービスの影響は社会全体に行き渡り、私も当然その影響下にありました。
それらは永遠に影響を及ぼし続けるでしょう。

Cape Blanco引退

2011-10-04 23:32:23 | 競馬日記
ジョーハーシュターフクラシック招待Sを勝ったCape Blancoが怪我で引退することになりました(記事1記事2記事3記事4)。

愛ダービーなどGI5勝。今年は夏からアメリカに渡ってGI3連勝。BCターフを目指していました。
2歳時から注目していた馬で、BC目前での引退はちょっと残念です。チャンスだったと思うのですが。それでも愛ダービーを勝ってくれたので十分走ってくれたと思います。

種牡馬になる予定ですが、詳細は未定。