うぉんばっとな毎日

大用、現前するとき、軌則を存せず

Manduro産駒

2013-10-28 22:39:27 | 競馬日記
Manduro産駒Charity LineがイタリアのGIリディアテシオ賞を勝ちました。Manduro産駒のGI馬はクリテリウムドサンクルーのMandaeanに次ぐ2頭目です。

ManduroはDschingis Khan 3 x 4クロスでNearco、Blandford、Solarioというメジャナーな血とドイツ血統をまとめた配合。ほぼドイツ血統ですが、母父のBe My Guestのところだけ、メジャーな血とアメリカンな血を多く持ちます。
Charity Lineの母はドイツ血統を持たないので、このBe My Guestが主役になり、Northern Dancer、Tudor Minstrel - Owen Tudor - Hyperion、Stymie、Eight Thirtyと完全に生かしています。ドイツ血統は持たないですが、一応、TamerlaneでManduroの傾向を生かしてはいます。

Mandaeanの場合も、Be My GuestとZawaahyの相似でBe My Guestを生かしているんですね。Be My Guestを生かすのはManduro産駒で一つの方向でしょうね。

種牡馬入り情報

2013-10-24 01:08:25 | 競馬日記
競馬シーズンも終わりに近づき、引退・種牡馬入りの情報が入っていています。どの馬がどこに行ったとか、かなり好きなので、好きなシーズンです。

ドバイDFの勝ち馬CityscapeはOverbury Studで種牡馬入りです(記事1記事2)。
Kris = Diesis全兄弟やSelkirkのような優良種牡馬を出してSharpen Up系と呼ばれるくらいになった父系ですが、Racing Postのリーディングサイアーリストの50位台、60位台にSelkirkとHallingがいる程度になってしまいました。
CityscapeはそのSelkirkの産駒で、Juddmonte出身。半兄にテンプルS(GII)のBated Breathがおり、高祖母MonroeはバリオーガンS(GIII)の勝ち馬であり、その産駒にカルティエ賞2歳牡馬チャンピオンのザールがおり、5代母Best in Showの子孫にEl Gran SenorRags to Richesなど多数の活躍馬が出ている、という牝系です。
Rockefella 4 x 8というかなり世代のズレたクロスが目に付く配合です。Montjeu産駒で都合のいい牝馬がいないかなと思いました。
Overbury Studには障害用種牡馬としてKayf TaraSchiaparelliがいますね(Kayf TaraSchiaparelli)。Kayf Taraはオペラハウス全弟の超長距離GI4勝の名ステイヤー、Schiaparelliは独ダービー馬Samum、独オークス馬Salve Regina全弟で独ダービーなどGI5勝馬。どちらも障害用にはもったいないくらいの背景があります.。

愛ダービー、セクレタリアトSを制したTreasure BeachはフロリダのPleasant Acres Stallionsで種牡馬入りです(記事)。
アメリカの馬産の中心はケンタッキーですから、フロリダというとちょっと外れた感じですが、Pleasant Acres Stallionsは来年開場する種牡馬場のようです。このご時世に新しく作るというのですから意欲的ですね。アルフレッド・G・ヴァンダービルトHのPoseidon's Warriorとともに最初の種牡馬になる予定です。
Treasure BeachはRaise a Native 5 x 6のスピードとDjebelのスタミナを併せ持った馬です。アメリカで種牡馬入りすればMiswaki内のMr. Prospector、Buckpasserが強調されるケースが多くなりそうです。他に前面でクロスされそうなのはNorthern Dancerくらいで、余計なクロスができず、Galileoを強調したような形態が多く見られるかもしれません。

Declaration Of WarはBCクラシックが最後のレースになる予定で、引退後はCoolmore IREで種牡馬になる予定です(記事)。QアンS、英インターナショナルSと2つのGIを勝っています。
クレイボーンファームに繋養されて成功しつつあるWar Frontの産駒。ベルモントSのUnion Ragsの甥です。Coolmore IREに繋養されているDanzig系はDanehillを通るものが多く、Danehillを通らないのはPowerだけでした。そのPowerはヨーロッパで成功しているGreen Desert→Oasis Dreamの系統ですから、War Frontの仔というのはそれなりに希少性があるかもしれません。

Bullet TrainはCrestwood Farmへ

2013-10-23 00:42:58 | 競馬日記
Frankel半兄Bullet TrainCrestwood Farmに移動します(記事1記事2)。Wintergreen Stallion Stationに繋養されていました。

3歳時にリングフィールドのダービートライアルS(GIII)を勝ち、ダービーに出ましたが殿負け(勝ち馬ワークフォース)。その後、勝てないレースが続いたのですが、最後の6戦はFrankelのペースメーカーとして重要な役割を果たしました。
北米ではあまりメジャーではないもののEl Pradoのような成功例を出しているSadler's Wells直仔であること、北米では珍しい母父Danehillであること、FrankelはMr. Prospectorを持つのに対し、本馬は持たないこと、といい点があります。Frankelの3/4同血馬として、のちのちに影響を与える可能性もあります。貴重な種牡馬で、是非、成功して欲しいです。

で、Crestwood Farmのロスターを見ていたのですが、Nobiz Like Shobizがいるじゃないですか。ちょっと気に入っていた馬で、Darby Danで種牡馬入りし、何年かそこにいたことまでは追えていたのですが、いつの間にかDarby Danのロスターから消えていました。Stallion Registerで調べてもしばらく情報が更新されていないままで、どこに行ったのかなと思っていました。改めてRacing Postで調べると、2009-2011はDarby Dan、2012からはCrestwood Farmだったようですね。無事で良かったです。

Intello引退

2013-10-22 01:01:32 | 競馬日記
仏ダービー馬Intelloも引退するんですね(記事)。Cheveley Park Studで2年間、その後、ヘッド家のHaras du Quesnayで2年間ってのが決まっているみたいですね。

ヴェルテメールの自家生産馬です。流行の父Galileo×母父Danehillで、GI勝利は仏ダービーのみ。血統的にはマイル~中距離が合いそうに思いますが、12Fの凱旋門賞で2着に踏ん張ったのはえらいと思います。5代母は名繁殖牝馬Fall Aspenで、祖母OccupandisteはGI2勝。いい牝系ですね。

Galileo産駒はまだ種牡馬として導入されていないようですね。父Galileo×母父Danehillの伊ダービー馬Cima De Triompheを吉田照哉氏が所有していましたから、てっきり種牡馬として日本に来るものだと思っていましたが、フランスのHaras du Thenneyに繋養されました(アルゼンチンにもシャトルしたはず)。
そのうち何かがやってくると思いますが、どんなのが入ってくるのでしょうね。Galileo産駒、父Galileo×母父Danehillは基本的にはそんなに日本に向かないと思います。ただ、軽い芝でスピード勝負や切れ味勝負ができるような馬が出てきたら、是非、日本に来て欲しいです。Cima De Triompheは日本に合うかもしれないと思っていたので、輸入されなかったのは意外でした。レベルが低下した伊ダービーしか勝っていないというのでは物足りないということだったのでしょうか。

IntelloとCima De Triompheは祖母の父がCaro産駒だという点も共通しますね。

Dawn ApproachとFarhhが引退

2013-10-20 22:52:22 | 競馬日記
GodolphinのDawn ApproachFarhhが引退し、Darleyで種牡馬入りします(記事1記事2記事3記事4記事5)。Dawn ApproachはKildangan Studへ、FarhhはDalham Hall Studへ。

Dawn Approachは6戦無敗で2歳時を終えたエクリプス賞2歳牡馬チャンピオン。3歳初戦の2000ギニーも制し、無敗の2000ギニー馬になりましたが、ダービーに挑戦して大敗しました。クロス馬的観点から中距離までと予想しましたし(ブログ)、ミオスタチン遺伝子の解析からもスプリントタイプと判定されていました(ブログ)。次戦のセントジェイムズパレスSを勝ち、そのままマイル路線に絞ってレースに出ましたが、以降は体調不良なんかもあって勝利を挙げることができませんでした。ただし、今年の前半を盛り上げたのはこの馬だったと思います。
母父がPhone TrickでNearcticがクロスするタイプです。Danehillの入った牝馬に付けて、Northern Dancerが父母両方から系列ぐるみを作るようなのは一つの狙いになるんじゃないでしょうか。His MajestyとBuckpasserが同時にクロスしてDanehill内はかなり生かされます。後は母方にDjebelがあって欲しいなあと思うくらいです。
Dawn Approachの母Hymn of the Dawnはかなりなアメリカンなので、父内のヨーロピアンを破綻ない程度に抑えた上でのアメリカン配合というのも見てみたいです。

Farhhは大きいところで勝てない馬だったのですが、引退前の2戦、ロッキンジSと英チャンピオンSを仕留めました。
母のGonbardaがかなりコテコテのドイツ血統です。この部分を異系にした配合ってのが一つのパターンでしょうが、ヨーロッパで種牡馬入りしますので、ドイツ血統を生かす配合も可能です。例えば母父Galileoとか。これだとNureyevとSadler's Wellsの相似も生かせます。
で、まあ、Farhh × Wasみたいな仮想配合をやってみるわけですが、懸念していた「いろんな血を生かしすぎて取り留めのない配合になる」という事態にはならないですね。ヨーロッパでも既に広まっているMr. Prospector - Raise a Nativeを持たないので、使いやすい種牡馬かもしれません。

British Champions Day

2013-10-20 02:19:15 | 競馬日記
ロンシャンウィークエンド、ロイヤルアスコット、香港国際競走、BCなど、一つの開催で複数のGIをやってしまうのが世界的流行なのですが、2011年からブリティッシュチャンピオンズデー、ってのが行われています。というのを一昨日確認しました。昨年もFrankelが出走した英チャンピオンSをチェックしていたはずなのですが。レース名にブリティッシュチャンピオンズが付くものがいくつかあるのですが、どうしましょうかね。長いのですが、BCと略すとブリーダーズカップと被りますし。

ブリティッシュチャンピオンズロングディスタンスC(GIII、旧名ジョッキークラブC)はRoyal Diamondが勝ちました。鞍上ジョニー・ムルタなんですが、調教するのもジョニーなんですよね。この話題は追えていないのですが、昨年、アガカーン殿下の主戦をクビになったときにムルタが自分で厩舎を運営していそうだどうだってのがあって(ブログ)、その後、結局、自分で公に調教を始めたんだろうと思っています。Royal Diamondは昨年の愛セントレジャーの勝ち馬ですが、そのときに管理していたことになっているのはトーマス・カーモディ。アガカーン殿下と決別することになったときのUrsa Majorの調教師ですね。
Royal Diamondの母はおなじみイリジスティブルジュエル。JCにやってきました。産駒では他にMad About YouPrincess Highwayが重賞を勝っています。
Royal DiamondはSadler's WellsとKingmamboの相性の良さを生かし、母内はSadler's WellsとDanehillの組み合わせです。と書くとCamelotと近い配合のような感じですね(Camelot × Royal Diamond)。Mr. Prospectorクロスはあってもそれほど影響は強くないです。そうすればKing's Best産駒らしく、距離が持つのも理解ができます。そうは言ってもCamelotの方が完成された美しい配合ではありますが。

ブリティッシュチャンピオンズスプリントS(GII、旧名ダイアデムS)はDutch Art産駒Slade Powerが勝ちました。馬主の名前がMrs S Powerで、この方の所有した馬にスプリントGI2勝のSole Powerがいます。自分の名前を日本で言うところの冠名として使われているようですね。
父は確かに短いところで良績を残したDutch Artですが、配合内容はスプリンターって感じには見えないですね。

ブリティッシュチャンピオンズフィリーズ&メアズS(旧名プライドS、プリンセスロイヤルS)はAuthorized産駒Seal Of Approvalが勝ちました。父はDjebelもPrince Roseもクロス無しだったのですが、母方はSeal Of Approvalではどちらもクロスします。Montjeuの良さを出すという面では好ましいと思います。母内にDarshaanがありますが、プリティーポリーSのAmbivalentと同じですね。
母はアガカーンスタッド出身。アガカーンスタッドのDalkalaは4着でした。

QエリザベスIISはOlympic Gloryが勝ちました。昨年ジャンリュックラガルデール賞以来のGI勝利です。そのときは距離が延びても大丈夫だと思ったですが、マイラーですね。
メンバーは揃っていて、他にKingsbarnsDawn ApproachElusive KateGordon Lord ByronMaxiosSoft Falling Rainと6頭のGI馬が出走していました。Olympic Gloryは2歳時に唯一の土を付けられたDawn Approachにリベンジが成功しました。私が2歳時からこだわっているMaxiosは6着でした。ロイヤルアスコットのプリンスオブウェールズも6着で、GI2勝はどちらもロンシャンです。遠征が駄目なのか、アスコットが駄目なのか、ロンシャンが得意なだけなのか。

英チャンピオンSはFarhhが勝ちました。GIでの2着が4回あり、その時の勝ち馬はFrankel(2回)、Moonlight CloudNathanielと強い馬にきっちり負けてきましたが、今年5月のロッキンジSで初GI勝利を挙げていました。そこから久しぶりのレースになりましたが、Cirrus Des Aiglesにクビ差勝ち。立派だと思います。ダービー馬Ruler Of The Worldは3着。
母はオイロパ賞、ドイツ賞のGonbarda。かなりコテコテのドイツ血統です。異系交配ですが、Hyperion、Princequillo、TeddyというところでまとめるのはKing's Bestなんかでも見られるドイツ血統の生かし方の見本だと思います。King's BestはBay Ronaldの流れで見事にまとめた凄い配合な訳ですが、Farhhの場合は世代が交代してBay Ronaldの影響が遠くなる代わりに、Nasrullah - Nearco - Pharos - Phalarisの流れが加わっています。

社台がNovellistを買う

2013-10-18 01:48:03 | 競馬日記
Novellistが社台に買われたそうですね(記事)。
大種牡馬Monsun産駒もそのうち日本で種牡馬になるのだろうと思っていましたが、やっぱり買ったのは社台でしたか。

Novellistで気になる点は、母方にもドイツ血統が含まれ、ドイツ血統がかなり濃い点と世代のバランスがあまりよくない点です。難しそうな種牡馬だなと思ってしまいます。その点、Maxiosならランダム交配でMonsunのところだけが異系の「1/4異系」が作れそうという点で、買うならこの馬と安直に薦めていたのですが。

Monsun内にはSurumuが含まれ、その祖母のSuncourtはテスコボーイの母ですから、Monsunのおかげでテスコボーイが再ブレイクなんてことがあればいいなあと思っていました。上手くいくかは知りませんが、取りあえずどんな感じなのか試して欲しいと思います。

Dayjur死亡

2013-10-18 01:03:20 | 競馬日記
Dayjurが亡くなっていたんですね(記事)。

ナンソープS、スプリントC、アベイドロンシャン賞とスプリントGIを3連勝した名スプリンターで、アメリカに遠征してBCスプリントに参戦しましたが、影に驚いて飛び上がって2着に終わりました。
この1990年はInternational Classificationsで133ポンドという評価を得ました。これは芝スプリント部門で歴代最高でした。この数値は2013年に見直されて132ポンドに下げられ、2012年のBlack Caviarと並ぶトップタイになっています(RecalibrationPaper)。

血統背景は素晴らしく、母はエクリプス賞チャンピオンスプリンターのGold Beauty、半姉はアラバマS、モンマスSを勝ったメイプルジンスキー。他にも近親に活躍馬いっぱいです(ブログ)。

種牡馬としても期待されたはずですが、失敗の部類に入ってしまいました。北半球でのGI馬はミドルパークSのHayilのみ。南半球ではブラジルでEyjurがGIを勝っているようです。
このGI馬2頭はどちらも好みの配合です。一つはごちゃごちゃっとしていない点であり、もう一つはDayjur内でNearcoが奥まっているHail to Beauty内で、HayilではTurn-to 6 x 5、EyjurではHail to Reason 5 x 4、Turn-to 6 x 5 . 7とバランスが整えられている点です。こういう配合を見ると、もうちょっと活躍馬を出せたんじゃないかと思いますが、そんなに簡単には行きませんね。

ヴィンターファヴォリテン賞

2013-10-16 01:37:13 | 競馬日記
Anilinと言えば、ソ連最強馬でSea Birdが勝った凱旋門賞に出走していたこと(5着)で知られていますが、当時の共産圏の話ですし、今のパートI国の重賞勝ち馬の血統表にAnilinの名前が出てくることはほとんどない(私の記憶にはない)ですから、あまりなじみがありませんでした。

ドイツの2歳GIIIヴィンターファヴォリテン賞をShirocco産駒Born To Runという馬が勝ったのですが、母内にAnilinの名前が出てきますね。母は父母ともに東ドイツ出身で、血統表を開けば、東ドイツ、ロシア以外に、ハンガリー、ポーランド、オーストリアと言ったマニアックなところ出身の馬が出てきます。まだまだ凄い血統の馬はいるものですね。
母は普通のドイツ血統も持つのですが、こういった状態ですので、Born To Runは異系交配気味の配合になっています。そして、若干、母の方が世代が古く、Nasrullah、Oleander、Arjamanによって、DDRダービー、DDRセントレジャー、DDR大賞典などを勝った東ドイツの名競走馬Tauchsportを強調する形になっています。なかなか個性的でいいですね。

種牡馬入りできるくらいまで活躍してくれれば楽しいですね。

Camelot引退

2013-10-14 21:59:11 | 競馬日記
昨年の英2冠馬Camelotが引退します(記事1記事2)。Coolmoreで種牡馬入りするとのこと。

昨年の2000ギニー前から3冠を期待されていた逸材で、2000ギニー、ダービーを勝ったもののセントレジャーで破れました。私の見立てではセントレジャーが危ないということだったので(ブログ)、そのときはまあこんなものかなと思いましたが、勝ったEnckeは恐らくドーピングを行っており(ブログ)、実質的には3冠馬でした。
その後、道悪の凱旋門賞で、落鉄や外傷があって7着。今年5月にGIIIで復活勝利を挙げたものの、GIでは勝てず。セントレジャーでケチがついた感じです。

Sadler's WellsとKingmamboの相性の良さ、Sadler's WellsとDanehillの組み合わせ、と流行っているところを使っていますが、配合内容は見事です。この奇麗な配置が崩れないような配合を見たいです。