うぉんばっとな毎日

大用、現前するとき、軌則を存せず

バブルガムフェロー死亡

2010-04-27 20:16:25 | 競馬日記
バブルガムフェローが亡くなりました(記事)。
59年ぶりに天皇賞を勝った3歳馬で、真面目に走る馬という印象がありました。

種牡馬としてはパワータイプの産駒が多く、日本適性に欠ける面があり、日本では今ひとつでした。オーストラリアにシャトルされ、オセアニア地区ではGI馬Rockabubbleを含む重賞勝ち馬を出しています。
半兄はCandy Stripes。アルゼンチンの名種牡馬で、代表産駒はWTRR首位、エクリプス賞年度代表馬、ウルグアイ3冠馬のInvasorです。種牡馬生活を送るのが南米ならもっと活躍馬を出せたかもしれませんね。

1000ギニー馬

2010-04-27 20:07:01 | 競馬日記
ディヴァインライト産駒の欧州2歳牝馬チャンピオンにして一昨年の1000ギニー馬Natagoraの初仔が生まれたそうです(記事)。
Natagoraは3歳終了時点でハムダン殿下に売却され、ShadwellNayefが種付けされました。今年もNayefが付けられたそうです。
Natagoraは母父Linamixの部分の世代が新しい配合。フランス生まれという感じがします。Nayef × Natagoraでは全体的には母方の世代が新しいですね。最低限のバランスが取れている点とシンプルさが長所だと思います。

昨年の1000ギニー馬Ghanaatiもハムダン殿下の所有ですが、初年度交配相手はJuddmonteDansiliだったそうです。
Dansili × Ghanaatiはちょっとごちゃごちゃしてはいますが、前面のクロス馬は完全に結合していますし、底力もありそうですし、なかなかいい感じです。1000/2000ギニーという感じはしないですけどね。距離があった方がいいでしょう。

Ghanaatiの半妹Rumoushは今年の1000ギニーの有力馬の1頭です(記事)。
父がRahyに変わりますが、父の父Blushing Groomと母の母Height of Fashionの組み合わせがNashwanですし、Nasrullahの主導が明確ですし、いい配合だと思います。

BMSフジキセキ

2010-04-22 20:23:40 | 競馬日記
サンデーサイレンスの血の広がりに興味があり、母父がサンデーサイレンス系のGI勝ち馬をまとめているのですが(ホームページ)、母父がサンデーサイレンス産駒のGI馬が出ました。

オーストラリアのサイアーズプロデュースSを勝ったYoseiという牝馬で、母父がフジキセキです。日本では依然としてサンデーサイレンス系種牡馬が強く、母父サンデーサイレンス系の勢いが止まっています。皐月賞も勝ったのはネオユニヴァース産駒ヴィクトワールピサ、2着はマンハッタンカフェ産駒ヒルノダムールで、母父サンデーサイレンスのローズキングダムは4着、母父フジキセキのアリゼオは5着でした。

Yoseiはなかなか魅力的な配合です。曾祖母が(恐らく)アガカーンスタッド出身、Mumtaz Mahalにさかのぼるアガカーン殿下伝統の牝系で、近親にはアラムシャーなどがいます。父Danzig系Invincible Spirit×母父Halo系フジキセキ×祖母父Red God系Rainbow Quest×曾祖母父Grey Sovereign系Kalaglowという累代交配で、5代以内にクロス馬が出現しない完全異系交配です。位置と系列ぐるみからNasrullahが主導で、Almahmoud、Turn-toというHaloのスピードを取り込んでいます。スタミナ勢力としてはPrincequillo、Tantiemeなどで、デュプレ生産の名馬Relkoを構成するTantieme、Relance、La Diva内に欧米の特殊な血を集めています。
La Divaクロスで思い出すのはメジロマックイーン半兄のヘビーステイヤー、メジロデュレンです。メジロデュレンはヘビーすぎて今の日本の競馬には全く合わないでしょうが、Yoseiはスピード、スタミナの生かし方に妙味を感じます。
ところでTantiemeクロスの方はヨーロッパではHurricane RunNew Approachと言った大物の血統表で見ることができるのですが、日本ではほとんどお目にかかれませんね。GI馬が出たことありましたっけ。ネオユニヴァース内のTantiemeをクロスするようなタイプが出てきたらヨーロッパの競馬にも適応できそうで面白いのですが。母父Galileoなんかでどうかと思います。

Zenyatta16連勝

2010-04-10 23:27:15 | 競馬日記
ZenyattaRachel Alexandra不在のアップルブラッサムHを楽勝しました(記事)。
ライバル不在で、軽い相手の5頭立てでしたが、それにしても簡単に勝ちました。久しぶりのダートとか、遠征とか、心配したのが馬鹿馬鹿しいぐらいでした。
これで16連勝。CitationCigarの北米連勝記録(Peppers Prideは参考記録)、Ribotのデビュー以来の連勝記録に並びました。次走が気になりますが、考えている最中とのこと。9FのGIを考えていて、ゴールはBCクラシックなそうです。

アップルブラッサムHの前日、13戦無敗の名牝Personal Ensignが亡くなりました(記事)。デビュー以来無敗の牝馬と言うジャンルで、Zenyattaの先輩になります。Personal Ensignは繁殖牝馬としても優秀でした。

種牡馬情報

2010-04-08 20:14:38 | 競馬日記
・昨年のドイツでの種付け頭数がracingpostでリストになっています(記事)。
1位はSilvanoで、82頭に種付けしました。今の日本では200頭以上の牝馬に種付けする種牡馬が何頭もいるのですが、それに比べて圧倒的に少ないですね。日本でも100頭を超えたら「多い」と言われる時代もありました。
ドイツはサラブレッドの生産頭数自体が日本の6分の1程度しかありませんが、その中からManduroShiroccoのようなワールドクラスの馬が出てきます。ドイツ式馬産術のファンも多いですね。

・種牡馬Private TermsCrafty Prospectorが亡くなりました(記事1記事2)。
Private Termsの父系は貴重なTeddy系Damascus。代表産駒は日本でも供用されたソウルオブザマターAfternoon Deelites。ソウルオブザマターは第1回ドバイワールドカップでCigarの2着になりました。Afternoon Deelitesはティンバーカントリーサンダーガルチと同期で、3冠はこれらに譲りましたが、どちらにも勝ったことがあります。
Crafty Prospectorは競走馬としてはGI2着どまりでしたが、種牡馬として成功しました。代表産駒として真っ先にアグネスデジタルの名前が上がっています。

Dayjurが種牡馬を引退します(記事)。Danzig直仔の名スプリンター。BCスプリントで影に驚き二度飛び跳ね、勝ちを逃したことは今でも語りぐさです。種牡馬としては期待ほどではありませんでした。

・シャトルの情報がいろいろ出ています。
Shiroccoはブラジルへ、Mastercraftsmanはニュージーランドへ、Medaglia d'OroBig Brownはオーストラリアへシャトルされるそうです(記事1記事2記事3記事4)。そうそうたる面々、実にうらやましいです。ShiroccoはDarleyの種牡馬なのでそのうち日本に来てくれるといいですね。需要があるのか知りませんが。

Siphonはブラジルに里帰りするようですね(記事1記事2)。いまや滅多にお目にかかれないSicambreの系統。昔はファラモンドムーティエダイアトムなんかが日本でも大活躍しましたが、きれいさっぱり絶滅しました。近年輸入されたアマジックマンはいい繁殖牝馬を集められず早々と用途変更。SiphonはアメリカではSiphonicI'm the Tigerと2頭のGI馬を出しましたが、Siphonicは死亡、I'm the Tigerはセン馬で後継種牡馬を得ていません。母国に戻って父系を伸ばして欲しいです。日本で走った馬で一番記憶に残っているのはレジーナガールです。新馬を勝ってファンタジーSに出てきたときにこんな血統の馬が日本で走っているのかと思いました。馬主は栄進の平井豊光さん。ちょっと変わった血統の、いい馬をよく所有されています。

Makybe Divaの仔が売れる

2010-04-07 20:08:31 | 競馬日記
2年連続豪年度代表馬、メルボルンC3連覇の女傑Makybe Divaの2番仔がInglis Australian Easter yearling saleで売れました(記事1記事2)。価格は120万豪ドル(今のレートで約1.05億円)。初仔はGalileo産駒で、昨年の同セールで150万豪ドルでした。

Makybe Divaの仔の配合は下の通りです。
2007年生:Rockstar(Galileo産駒、牡馬)
2008年生:Fusaichi Pegasus × Makybe Diva(牝馬)
2009年生:Encosta de Lago × Makybe Diva(牝馬)
2010年生予定:More Than Ready × Makybe Diva

すべてNorthern Dancerの近親交配馬ですが、そのことが分かりやすくなかなか良さそうですね。特にGalileo産駒、Encosta de Lago産駒ではNorthern DancerクロスでSadler's Wells = Fairy Kingを強調した形態というのがはっきりしています。Fusaichi Pegasus産駒ではDanzig 3 x 4となるのですが、Mr. Prospector内NashuaとNative Dancerが4代目でクロス馬になります。これがもう一代ぐらい下がっていたらもっとシンプルになっていたと思います。More Than Ready産駒ではNorthern DancerとHail to Reasonが4代目からクロスしますが、これはサザンヘイロー内に同居しており、サザンヘイローを生かしたと思えば問題ないでしょう。