うぉんばっとな毎日

大用、現前するとき、軌則を存せず

ドイツ競馬

2006-09-01 23:19:41 | 競馬日記
エッティンゲンレンネン(GII)はKing's Best産駒のNotabilityが勝ちました。アイルランド産ですが、父の母系はドイツ出身です。母Noble RoseはパークヒルS(当時GIII)を勝っています。祖母の子には父ラムタラでサンダウンクラシックトライアル(GIII)を勝ったSimeonがいます。

フルシュテンベルクレンネン(GIII)は牝馬のWaleria が勝ちました。父はArtanです。母内には伝統的ドイツ血脈が濃縮されていますが、父は完全なアウトサイダーです。

さて、ドイツに関連するビッグニュースとしては社台がダンスインザムードの初年度交配相手にMonsunを選んだことでしょう(記事キャッシュ)。ダンスパートナーも同じく交配予定のようです。Monsunは当ブログでもたびたびその優秀さを賞賛しています(ブログ1ブログ2)。配合的には、両者の傾向がかなり異なっているのですが、BlandfordとGainsboroughが最低限生きてはいます。といってもMonsunの血の導入はかなり大胆な品種改良と言えるでしょう*。名牝の子としてMonsunの血を導入するのも一つのやり方ですが、もっと思いきるなら種牡馬の購入もあっていいのではないでしょうか。SamumSchiaparelli全兄弟のどちらかとか、Gentlewaveとか。得意の札束攻勢でShiroccoを狙ってもいいかも(ドイツの馬産家がShiroccoクラスを手放すかは分かりませんが)。

ドイツ産、ドイツ血脈を持つ種牡馬は今まで何頭かいます。有名どころではスタイヴァザントでしょうか。独ダービーを勝った名競走馬です。これも社台が持ってきました。昔から社台はドイツにも興味があったのですね。しかし、種牡馬としては新潟記念のブラウンビートル、淀短距離Sのメイショウマキーナを出した程度でした。スタイヴァザントの血統はドイツでは必要とされていなかったようで、父Priamosの系統も既に廃れています。その意味では、よく頑張ったほうかもしれません。
ドイツ血脈を持つ持ち込み馬ではホッカイダイヤがいます。競走馬としてはステイヤーズSで2着があります。この馬を持ち込んだ理由として、ドイツ産馬のタフさが欲しかった、ってようなことを北海牧場の方がおっしゃっていたように記憶しています(うろ覚え)。種牡馬としては当然ながらマイナーで、主に北海牧場の牝馬に配合されました。少ない産駒の中からダイヤモンドS、ステイヤーズSを勝ったホッカイペガサスを出し、BMSとしては名馬ホッカイルソー(好きな馬なのであえて名馬と呼ばせていただきます)を出しました。ホッカイルソーは2、3歳時はフジキセキをはじめとしたサンデーサイレンス初年度産駒のライバルであり、その後屈腱炎による長期休養を乗り越えてオールカマーを勝ちました。ホッカイダイヤのタフさは見事に伝わったと思います。
ドイツ血統種牡馬は影が薄いのですが、そこそこ活躍している言っていいかも。

ホッカイダイヤもスタイヴァザントも1970年代生まれの馬ですので、そろそろ新しいドイツ産種牡馬を入れてみてもいいかもしれません。スタイヴァザントのようにドイツであぶれた種牡馬ではなくて(あぶれた種牡馬に新天地を与えるのも種牡馬の異動の重要な役目なのですが)、バリバリの人気血統の馬も見てみたいです。

*注:このような極端な異系交配が成功するかどうかはよく分かりません。一般論で言えば傾向を合わせた方がいいと思います。が、例えばFiepes Shuffleと言う馬は、I理論的クロス馬分析をすれば、9代内クロス馬種数は21(Monsun×ダンスインザムードは29)で、6代内クロスはなく、6代内に出現するクロス馬はDark Donaldのみ(Monsun×ダンスインザムードではNearcoが6代内でクロス、Hyperionも6代内に出現)、弱点欠陥も発生しています(St. Simon、Bay Ronaldの土台が残っているので軽微、と読むのかもしれませんが)。探せば他にも極端な配合の馬がいるでしょう。
Fiepes Shuffleはベルリン大賞典(GIII)を勝ち、その他短距離重賞で何回も入着しました。ちなみにFiepes Shuffleの母は東ドイツオークス馬です。「東ドイツの名牝×米産の名種牡馬」と「ドイツの名馬名種牡馬×日本の名牝」、父と母が逆の立場ですが背景が似ているように思います。
中島理論的な観点からはまた違ったものが見えてくるでしょう。Big ShuffleもMonsunもきわめて優秀な種牡馬です。


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