第80回ダービーを武豊騎乗
キズナが勝ちました。
本馬の半姉
ファレノプシスは非常に思い出深い馬です。ダート1200mの新馬戦をレコードでぶっちぎって勝ち上がったのを見て、こりゃなんだと血統表を確認し、来年の牝馬3冠馬を見つけたと思いました。オークスは3着でしたが、桜花賞、秋華賞で期待に応えてくれました。
ナリタブライアンの3/4同血で、母父がStorm Catに代わった配合でした。
ドキドキしながら見たのはチューリップ賞。ここで下手なレースをしたら本番では乗り代わりになるだろうと多くの人が予想できたはずで、鞍上石山も緊張感があったのではないでしょうか。結果は残念ながら4着で、クラシックでは武豊が乗ることになりました。
キズナは能力なら通用すると思いましたが、安藤勝己氏の京都新聞杯が余計、手の内明かして人気を背負う、というのになるほどと納得し、今ひとつ信頼しきれませんでした。ただ、この馬に乗っているときの豊は騎乗フォームが昔の豊みたいで、すごく乗りやすいんだろうなと思っていました。
レースでは後方の内目で折り合い、直線で外に出しました。出すところで進路を探す場面がありましたし、
ダンシングブレーヴみたいにゴーサインが出たら一気にトップスピードに入るわけではないですから、抜け出せるのか心配しましたが、きっちりと届きました。
配合は父がディープインパクトに代わって、今年の桜花賞馬
アユサンと同じく母父Storm Catとの組み合わせになっています。Somethingroyalを生かすのはディープインパクトの配合の一つの方向性なんでしょうね。のこり1/4でAcropolis (= Alycidon)の父母のDonatello、Auroraという凶暴なスタミナがクロスし、迫力があるというか、こんな血を生かして大丈夫なのかと心配になるというか(大丈夫だったからいいんですが)。ウインドインハーヘアのFair Trialがクロスできていたらもうちょっと器用にスピードを発揮できたんじゃないかと思います。
母キャットクイルが5歳の時に産んだ初仔がファレノプシスで、キズナは20歳時に産んだ仔になります。15年空けてのGI馬というのは珍しいんじゃないでしょうか(
フサイチコンコルド→
アンライバルドは13年、
シンコウフォレスト→
New Approachは12年)。半兄にピーターパンSの
Sunday Breakもいます。追加:
Fappiano→
Torrentialも15年ですね。
皐月賞に続き2着は
エピファネイア。懸念されていたように折り合いに苦労しましたが、それでも2着。母シーザリオと言ってもHabitatが生きた配合で距離が長いんじゃないかと思っていましたが、なかなか強い馬ですね。菊花賞よりは天皇賞秋の方がチャンスがあるんじゃないかと思います。
東京2400mでは1、2着の力が抜けていたという結果になったように思います。ダービーではHabitatのスピードが生きたタイプよりはAcropolisのスタミナが生きたタイプに勝って欲しかったので、この着順になって良かったです。
ロゴタイプはやはり小回りのマイル~中距離がベストだと思います。
管理する佐々木晶三師はダービー初勝利。今後は凱旋門賞を目指すことになりそうです。父ディープインパクトのリベンジマッチのように言われますが、佐々木師はもちろん
タップダンスシチーの調教師であり、こちらのリベンジマッチでもあります。佐々木師と言えば佐藤哲三騎手とのコンビが有名で、タップダンスシチー、
アーネストリーと、このコンビでGIを制し、キズナも元々はてっちゃんのお手馬なのですが、残念ながらてっちゃんは落馬で相当に酷い怪我を負って入院中です。凱旋門賞までに一緒にフランスに保養に行けるくらいまでには回復して欲しいところです。
キズナはノースヒルズ生産ですが、名義は
ノーリーズンなどと同じくマエコウさんの弟の前田晋二氏(マエシンさん)になります。まあ、ようするにノースヒルズの馬と言うことですが、ノースヒルズは最近、海外遠征に積極的です。今年のドバイにも
トレイルブレイザーと
ファリダットが遠征しました。