うぉんばっとな毎日

大用、現前するとき、軌則を存せず

宝塚記念

2018-06-26 01:17:36 | 競馬日記
宝塚記念は欧州遠征後、3着→7着→6着の馬が1番人気、香港遠征後、前走9着だった馬が2番人気でした。そして勝ったのは天皇賞春で本レース出走メンバー中最先着(4着)だったけど7番人気の馬。と書くと不思議な単勝の売れ方だったように感じます。何か惑わせる情報があったのでしょうか。

ある特定の血統だけが好走することをブラッドバイアスと呼んだりしますが、かなり極端にブラッドバイアスが現れたレースになりました。
3着まではサンデーサイレンスフリー、5着まではNureyev持ち、1着はNureyevクロス持ち。Nureyev持ちには6頭が出走し、出走16頭中、1、2、3、4、5、8着でした。
Nureyevが日本でどのようなキャラとして現れるかといえば、やっぱりパワーなんでしょう(ゴールドアリュールとか)。稍重発表で力のいる馬場だったことが影響したのだろうと思います。
サンデーサイレンス持ち且つNureyevフリーで最先着だったのは1番人気で6着のサトノダイヤモンド。本調子とは言い難く、条件も合わなかったことを考えれば、それなりに走ったと言えるのではないでしょうか。

勝ったミッキーロケットはキングカメハメハ産駒。重賞2勝目、GI初勝利です。サトノダイヤモンドと同じ世代で、初めてのGI出走だった皐月賞は14番人気13着でした。ゆっくりと強くなったタイプなんですね。
母父はPivotal。Nureyevの系統もかなり淘汰されたのですが、Pivotal産駒ではアガカーンスタッドフランスにSiyouni、Darley GBにFarhhがおり、まだ活力を保っています。
ミッキーロケットはTriptychジェネラスらと同じファミリーで、祖母の半妹に仏2000ギニーのLandseerがいます(高祖母FloodはTriptychと同血)。
Mr. Prospector 3 X 5、Nureyev 4 X 4、Nijinsky 6 X 4、Northern Dancer 5. 5. 7 X 5. 5。すっきりとした綺麗な配合、とは言い難いですね。

2着は香港からの遠征馬Werther。出走メンバー中最多のGI3勝は伊達ではなかったですね。この馬、配合はいいですよね。スタミナ型に見えますから、果たして日本の競馬ではどうなんだというのはあったとは思いますが、10番人気はちょっと舐めすぎだったでしょうか。内を突いたミッキーロケットに対し、大外に出して際どいところまでもっていきました。

仏ダービー

2018-06-12 22:03:31 | 競馬日記
英ダービーの翌日に行われた仏ダービーはディープインパクト産駒Study of Manが期待に応えました。ディープインパクト産駒は日仏でダービー制覇という偉業です。

成功例多数の父ディープインパクト×母父Storm Catの配合パターンで、海外からも注目されるようになってきました(記事)。
そして祖母は泣く子も黙るMiesque。Study of ManもMiesqueと同じニアルコスファミリーのオーナーブリーディングホースです。
私は五十嵐理論的な見方をするため、クロス馬の整合性みたいなのを重視しがちなのですが、Study of Manの方がSaxon Warriorよりも良い配合だと思います。

Miesqueの子孫でディープインパクト産駒と言えば、リアルスティールですね。祖母父がMr. Prospectorで、祖母はKingmamboの全妹です。リアルスティールは母父Storm Catも共通し、Study of Manと7/8同血です。

7/8同血で思い出すのは、Virginia WatersDivine Proportionsです。父Kingmambo×母父Sadler's Wellsの黄金配合で、同じ年に英1000ギニーと仏1000ギニーを勝ち、配合の力凄過ぎと思ったものです。
先ほど書いたようにKingmamboはMiesque産駒ですし、Virginia Watersはニアルコスファミリーの馬でした。

ところで、愛1000ギニーを勝ったのもニアルコスファミリーのAlpha Centauriでした。祖母は仏牝馬2冠のEast of the Moon、曾祖母はもちろんMiesqueです。

ヨーロッパの今年のクラシックは、Urban Sea凄い、Miesque凄い、みたいな状態ですね。

2018ダービー/オークス

2018-06-11 23:53:21 | 競馬日記
ディープインパクト産駒Saxon Warriorが1番人気になったダービーでしたが、勝ったのはNew Approach産駒Masarでした。Saxon Warriorは4着。

前日のオークスでは馬場状態が悪くて、直線では全馬が外ラチ沿いに持ち出すほどで、勝ち時計は2分40秒39でした。
それよりはかなり回復したとは言っても、ディープインパクト産駒にとってはベストな馬場ではなかったかもしれません。
対するMasarは、父はダービー馬New Approach、祖父もダービー馬Galileoで、父系からエプソム12F向きの血を受け継いでいますし、曾祖母Melikahはオークス3着、愛オークス2着とこちらもエプソム、12F実績があります。もちろんMelikahの母はUrban Seaで、MasarはUrban Sea 3 X 4を持つことになります。エプソム12F、重めの馬場に対する適性はSaxon Warriorより上だったでしょう。

MasarはUrban Seaクロスを持つ最初の一流馬になります。更に母父はCape Crossで、Sea the Starsとも近い配合になります。種牡馬としてある程度の成功をすれば、将来的にこういうところと絡んだ配合が出てくるでしょう。

Urban Seaはその母Allegrettaがドイツ血統で、ちょっと特殊な血を持つのですが、祖母父Selkirkの母父Nebbioloがドイツの血を持っているので、Allegrettaの部分にきちんとクロス馬を作れています。ドイツの血も、単なる異系ではなくてきちんと生かされるようになってきています。

異系という意味では、父の母Park Express、母父の母Park AppealはどちらもAhonoora産駒で、異系として働くことの多い血だと思いますが、MasarではAhonoora 3 X 4になっています。しかし、Park Appealのおかげでかなり特殊なThe Phoenixがクロスしています。

曾祖母父はラムタラ。1年だけがイギリスで、残り10年は日本で供用されました。ラムタラの血を引くGI馬は日本ではヒルノダムールのみ、海外ではRosanaraBrametotに続く3頭目(だと思う)。結果を見れば日本に輸入されない方が良かったんだろうなと思います。

さすがダービー馬、Saxon Warriorよりも配合的に断然素晴らしい、というほどではないのですが、適性ではSaxon WarriorよりMasarの方が上だったかなと思います。

ちなみに、Saxon Warriorに不利だったデータを出せば、結局のところGalileoとDanehillの両方を持つ馬は英ダービー未勝利というところでしょうか。MontjeuとDanehillであればCamelotがいました。ただし、Danehillを持つ英ダービー馬はこれとNorth Lightのみ。Danehillはヨーロッパでは距離不問で活躍馬を出している印象なのですが、英ダービーに関してはあまり実績はありません。ディープインパクトで緩めたら英ダービーでも行けると思ったのですが、結局はだめでした(馬場状態によってはこなせたんじゃないかと思いますが)。

昨年のWing of Eaglesに続き、2年連続でSadler's Wellsの直曾孫がダービーを制しました。トータルではまだまだGalileoの天下が続くのでしょうが、やっぱり世代交代の時期に差し掛かっているのは事実なのではと思います。


その前日に行われたオークスはGalileo産駒Forever Togetherが勝ちました。
母父はTheatricalで、Northern Dancer、Special、Hail to ReasonがSadler's Wellsと共通します。このSadler's Wells、Theatricalの相似一発勝負みたいな配合ですね。前姉にフィリーズマイルのTogether Forever、半兄にジャンプラ賞のLord Shanakill。母Green Roomはかなりの名繁殖牝馬です。