うぉんばっとな毎日

大用、現前するとき、軌則を存せず

Dortmund

2015-02-13 00:34:36 | 競馬日記
Big Brown産駒のDortmundという馬が4戦4勝なんですね。2歳時にGIロスアラミトスフューチュリティ(ハリウッドフューチュリティとして行われていたレースで、ハリウッドパーク競馬場の廃止に伴い、ロスアラミトス競馬場に移り、この名前になりました)、3歳になってからGIIIロバート・B・ルイスSを勝っています。

父は2冠馬Big Brown。Northern Dancer 3 x 3、Damascus 3 x 4、Round Table 4 x 5、母はThong = Lt.Stevens 3 x 4という特殊な近親交配馬。Northern Dancer、Damascus、Round Tableと3本の大きなクロスを持っていて、父母相似型とも言えます。
普通じゃない近親交配に見えるのですが、Northern Dancerは中間断絶、Damascus、Round Tableは単一クロスで影響力は弱められています。Damascus、Round Table内のキーホースを押さえながらNorthern Dancerに直結するのがいい点です。

Dortmundは母がGIIIで2着、曾祖母Lakeville MissはGI4勝。Lakeville Missの仔にシャンペンSの勝ち馬で輸入種牡馬のモガンボがいます。
クロス馬を見ると、Danzig - Northern Dancer、Round Table (= Monarchy) - Princequilloと、父で中間断絶、単一だったところを系列でクロスしています。さすがにDamascusは無視。でもまあ、Northern DancerとRound Tableだけでも、正気か、という感想です。ただ、父の流れを引き継いでいるとは言えますね。
他では、Danzig、Nureyev、Storm Bird、NijinskyとFighting Fox = Gallant Foxを持つ(Nureyev、Storm Bird、NijinskyはFlares = Omahaを持つ)Northern Dancer産駒が配されていること、RobertoとMr. Prospectorの相性の良さ(それにNantallahまで絡む)を生かしていること、父方Ponte Vecchioと母方Secretariatが呼応してPrincequillo、Bold Rulerがクロスしていることなどがいい点だと思います。

これで大丈夫なのかと思う近親交配馬ですが、そこに目をつぶるといいところもある配合です。これでケンタッキーダービーは大丈夫なのでしょうか。

先週のニュース

2015-02-10 21:41:36 | 競馬日記
ステイゴールドの死亡でいろいろ頭から吹っ飛んでしまったのですが、先週は騎手・厩舎関係のニュースが多かったです。

一つは大江原圭騎手の交通事故。どうなるのか分からないので、多くは語らず、結果を待ちたいと思います。

ミルコ・デムーロとクリストフ・ルメールが通年の騎手免許を取得したというのもありました。これは本当にハッピーなニュースだと思います。特にミルコの場合、母国イタリアの競馬がボロボロで、苦境に陥っていました。上手く受け入れることができたのではないでしょうか。
日本の騎手が厳しい立場に追いやられるという懸念もありますが、シーズンオフにちょっと来てその場限りの騎乗をされるよりは責任を持って馬の面倒を見てもらえる方がメリットが大きいように思いますし、ちゃんと乗ってくれる一流騎手と常にしのぎを削る状況の方が日本の騎手のレベルアップにつながるような気がします。また、この2人はあっさり取ったようにように見えますが、そう簡単ではないでしょうし、それなりの覚悟もいると思うので、変な騎手がどんどん入ってくることはないのではと思います。
他の騎手免許合格者は加藤祥太、鮫島克駿、野中悠太郎、三津谷隼人(記事)。鮫島君は鮫島良太騎手の弟ですね。まずは兄を超える活躍を期待しましょう。
ちなみに調教師免許の合格者は昨年の12月に発表されています(記事)。池上昌弘調教師の息子・池上昌和さん、松永幹夫厩舎調教助手・齋藤崇史さん、奥村武厩舎調教助手・竹内正洋さん、中舘英二騎手、池添兼雄厩舎調教助手で橋口調教師の息子・橋口慎介さん、沖芳夫厩舎調教助手で元騎手の渡邊薫彦さんが合格しています。

調教師、騎手の引退が発表されています(記事)。調教師では栗東の梅内忍師、 梅田康雄師、 小野幸治師、境直行師、 白井寿昭師、美浦の大久保洋吉師、 鈴木康弘師、 畠山重則師が引退します。いずれも定年です。最近は定年を待たずに勇退するケースも多かったので、全員が定年まで勤めての引退というのはめでたいとおもいます。
引退騎手は梶晃啓騎手、中舘英二騎手。中舘騎手は調教師免許試験に合格しています。梶騎手は競馬界からは離れるそうです(記事)。

ステイゴールド死亡

2015-02-05 23:55:01 | 競馬日記
ステイゴールドが亡くなったそうですね。他のネタを書こうと思っていたはずですが、この話でなんだったのかさっぱり忘れてしまいました。

母ゴールデンサッシュはサッカーボーイ全妹。素晴らしい血統背景を持ちました。語りたいことはいろいろあるような、既にいろいろと語ったような気がします。2つのレースの映像を。






Shirocco3頭目のGI馬

2015-02-04 00:05:21 | 競馬日記
BCターフ、コロネーションC、伊ジョッキークラブ大賞典と12FのGIを3勝したShiroccoが3頭目のGI馬を出しました。ShiroccoはDarleyで種牡馬入りしたのですが、すぐにはGI馬を出せず、ようやく昨年、ブラジルのマルガリダポラクララ大賞典をCalendula、アイルランドの愛セントレジャーをBrown Pantherが勝ちました(ブログ)。

3頭目のGI馬はJanuary Jones。ブラジル産でブラジルの3歳牝馬GIエンリケポッソーロ大賞典を勝ちました。
父はNearcoとHyperionが主体。The Minstrel≒Nijinskyを生かして、Northern Dancerクロスにこれらを内包しています。Tornado系列ぐるみがなんか魅力的に見えます。Ribot、PrincequilloのクロスでPapyrusを生かしているのもいいと思います。

Shiroccoが異系交配で、自分自身の型を強く出すタイプじゃないので、どのようなのが成功しやすいのだろうかと思っています。今のところ、GI馬3頭ともNorthern Dancerクロスがあり、とりあえずこのクロスはあっていいのだろうと思います。もう一つ、Shirocco内Prince TenderfootはPrincequillo×Nasrullahなのですが、Brown PantherとJanuary Jonesは母内にMill Reefを持ちますね。両者は結構フィットします(Prince Tenderfoot × Mill Reef)。CalendulaはMill Reefは持ちませんが、Sir Gaylord、Sir Ivorが同じような働きをしています(Prince Tenderfoot × Sir GaylordPrince Tenderfoot × Sir Ivor)。

ドイツの大種牡馬Monsunの仔では、まだ大成功と言える結果を残せている種牡馬はおらず、どこかで系統を存続させることができないかなあと思っています。

Gone West

2015-02-01 00:56:16 | 競馬日記
BloodhorseにGone Westについての記事がありました(記事)。ざっくりまとめればスピードがある、子孫も種牡馬として成功している、って話ですが、別の観点から。

欧州12Fの3大レースとしていい凱旋門賞、KジョージVI&QエリザベスS、英ダービー(レースのレーティングのランキングで、凱旋門賞、Kジョージは3歳以上12Fの1位、2位、英ダービーは3歳12Fのトップ)の勝ち馬で、Mr. Prospectorを血統表内に持つ馬を書き出します。

凱旋門賞
2014年 Treve(Gone West)
2013年 Treve(Gone West)
2010年 ワークフォース(Kingmambo)
2009年 Sea the Stars(Miswaki)
2008年 Zarkava(Gone West)
2004年 バゴ(Coup de Genie→Machiavellianと同血)
2003年 Dalakhani(Miswaki)
1993年 Urban Sea(Miswaki)

KジョージVI&QエリザベスS
2014年 Taghrooda(Miswaki)
2011年 Nathaniel(Miswaki)
2009年 コンデュイット(Miswaki)
2008年 Duke of Marmalade(Kingmambo)
2001年 Galileo(Miswaki)
1999年 Daylami(Miswaki)

英ダービー
2014年 Australia(Miswaki)
2013年 Ruler of the World(Miswaki、Kingmambo)
2012年 Camelot(Kingmambo)
2011年 Pour Moi(Conquistador Cielo)
2010年 ワークフォース(Kingmambo)
2009年 Sea the Stars(Miswaki)
2008年 New Approach(Miswaki)
2005年 Motivator(Gone West)
2001年 Galileo(Miswaki)

Mr. Prospector系種牡馬or繁殖牝馬の登場回数はMiswaki(13回)、Kingmambo(5回)、Gone West(4回)、Coup de Genie(牝馬、Machiavellianと同血、1回)、Conquistador Cielo(1回)です。GalileoとSea the Starsを出したUrban Sea、DalakhaniとDaylamiを出したDaltawaのおかげでMiswakiが登場回数13回と圧倒的です。Duke of MarmaladeとRuler of the Worldの母Love Me True、2カ所に登場するワークフォースのおかげでKingmamboが2番目。Motivatorとその産駒TreveのおかげでGone Westが3番目。ここまでが複数馬を登場させた種牡馬になります。

Gone WestとMiswakiはかなり似ています。父はもちろん同じですが、母同士がPrincequillo、Nasrullah、Tom Fool、Bull Leaを共通して持ちます(Secrettame × Hopespringseternal)。Kingmamboの母Miesqueとはそれほど共通点はないですが、それでもPrincequillo、Nasrullah、Hyperionは共通します(Secrettame × Miesque)。SecrettameとHopespringeternalで何が違うかというと、Mixed MarriageかBusandaかでしょうか。MiesqueではProve Outとか。Gone West持ちは英国の2レースより凱旋門賞の方で活躍していますが、BusandaやProve Outのようなごつさのある血の方が英国には合っているかもしれません。逆に切れ味の要求度が高いフランスの方がGone Westは活躍できるかもしれません。

他の国、カテゴリに目をやれば、直仔のJoharが北米芝路線で活躍し、12FのBCターフを勝ちました。直仔で欧州の12FのGIを勝った馬はいませんが、北米芝では他にはLassignyMarsh Sideが12FのGIを勝っています。母父Gone Westでは、Leading Light(Motivatorと同じ父Montjeu×母父Gone West)が英セントレジャー、アスコットGCと2つの超長距離GIを勝っています。

Zarkava、Treveというフランス競馬における歴史的名牝の血統表に現れるように、芝長距離の大物も出せるMr. Prospector系種牡馬でした。