うぉんばっとな毎日

大用、現前するとき、軌則を存せず

ZenyattaはTapitと交配

2012-03-23 23:03:36 | 競馬日記
今年のZenyattaの交配相手がアナウンスされましたね(記事1記事2)。Gainesway FarmのTapitでしたか。

Tapit × Zenyatta

初年度はA.P. Indy直仔Bernardini(Bernardini × Zenyatta)。次はA.P. Indyの孫ですか。

Bernardiniは好きなんですが、Tapitはあまり好みではありません。しかし、Zenyattaとの組み合わせでは、初年度のBernardiniと共通性のある配合になって、案外いいんですね。ブレインがついているようですから(ブログ)、変な配合はないかもしれません。

ついでなんですが、Rags To RichesJazilカジノドライヴMan of Ironの母Better Than HonourはBernardiniなんですね(記事)。

Bernardini × Better Than Honour

同じA.P. Indy直仔種牡馬を使うならMineshaftより合わないかと思っていましたが、よく見ると悪くないですね。それでもカジノドライヴの方が好きです。

レース回顧

2012-03-19 21:11:48 | 競馬日記
先週末は日本で重要なレースが目白押しでしたね。

まず若葉S。ワールドエースが大外を回って快勝しました。後ろ目から脚を使いながらコーナーを回ってそのまま突き抜けるのですからかなり強いです。ワールドエースは差し追い込みの競馬をしていますが、切れる末脚ではなくバテない力強い末脚が持ち味です。スタミナを削り合うような勝負に向く欧州型の末脚と言っても良く、順調に大きいところを勝っていけば海外遠征も視野に入るでしょう。

スプリングSは桜花賞馬マルセリーナ半弟グランデッツァが快勝。期待された馬がどんどん故障していくことで有名なアグネスタキオン産駒ですが、皐月賞トライアルをクリアしました。2着が1番人気ディープブリランテ。2歳チャンピオン・アルフレードは4角前から手を動かして前にいた1、2着馬を追いかけましたが全く差が詰まらず、直線ではずるずると後退しました。
グランデッツァはNasrullah、Tudor Minstrel、My Babuと姉よりスピードに恵まれています。といってもDjebel、Donatello、Tenerani、Bahramのクロスがあって中距離までは楽々持ちそうですし、一番の敵は故障でしょうね。

フラワーCもアグネスタキオン産駒のオメガハートランド。今年の3歳牝馬戦線は関東馬が絶好調で、チューリップ賞、アネモネS、フィリーズレビューの3トライアルは関東馬が全勝、他の3歳牝馬重賞ではクイーンCのみが関西馬の勝利で、残るフェアリーS、フラワーCも関東馬が制することになりました。

さて、メインイベントは阪神大賞典。ものすごいものが見られました。3コーナーでオルフェーヴルが逸走・失速し、故障でも発生したのかと心配しましたが、そこから再びレースに参加して半馬身差2着。少なめに見ても10馬身はロスしたはずですが、まさに化け物ですね。調教再審査を受けなければならなくなり、天皇賞春に向けてのスケジュールに狂いが出てしまいましたが、すごいものを見せてもらえて満足しました。

天皇賞春予備登録外国馬

2012-03-16 19:54:55 | 競馬日記
天皇賞春に外国馬が予備登録してくれましたね(記事)。単なる予備登録であって出走してくれるとは限らないのですが、いい馬が登録してくれるとうれしいものです。一頭ずつ見て行きます。

Campanologistはメンバー中、最格上になります。血統が血統だけに期待されたのですが、なかなか大きいところを勝てず。しかし、ドイツやイタリアを回りながらGI勝利数は気がつけば4。父Kingmambo×母父Sadler's Wellsのニックスで、祖母がGlorious Songという超豪華な配合になります。GI勝利は全て12Fで、超長距離レースに出たのは2010年メルボルンC(16着)のみですが、日本のレースであれば血統上のスタミナ的にはこなせるはずです。トルコ、オーストラリアといったところへの遠征経験があるのは魅力です。
全く同じ配合のレジュールダムールという馬が松国師のところにおり、松国師なら何とか仕上げられるのではないかとデビュー前から期待していましたが、昨秋にようやく2勝目を挙げています。順調に使えていないのですが、ハードトレの松国師ではなく、辛抱強い松国師の面が出て、少しずつ前進しているように思います。

Cavalrymanは2009年のパリ大賞典馬。同年、凱旋門賞でSea the Starsの3着に入ったのは威張れるところだと思います。2009年まではフランスのファーブル師のところにいたのですが、翌年からサイード・ビン・スルール師のところに転厩しました。しかし、そこから負けに負け続け未勝利。前走、メイダンのドバイシティーオブゴールドS(GII)で2着に入ったのが不振からの脱出の兆しであればいいのですが。きれいな異系交配で、相当に期待していました(ブログ)。

Opinion PollはCavalrymanと同じHalling産駒。配合は異なり、Nearctic 6 x 4がリードする形態です。ロンズデイルC(GII)を2回とグッドウッドCを勝っており、アスコットGCでも2着。超長距離実績が豊富です。最前面のNearcticもIcecapade内ですし、ヘビーステイヤーの血統構成であるとは思いませんが、Sicambreクロスがあったり、超長距離を走れてもおかしくはないかなと思います。祖母Ghislaineの仔に名マイラーのマークオブディスティンクション、曾孫にニュージーランド生まれのオーストラリアの名馬Octagonal産駒でヨーロッパのGI2勝馬のLaverockがいます。

Fox Huntは今注目のDubawi産駒。独セントレジャーとナドアルシバトロフィーの2つの超長距離GIIIを勝っています。マイルを中心に様々な産駒を出すDubawiですが、本馬の場合は母父Sadler's Wellsの影響が強く、その中のLalun、Djebelをきっちりと生かしているところにスタミナを見ることができます。母父Sadler's Wellsと父内のShirley Heights、Sunbitternの組み合わせがIn the Wingsですね。更にHerbagerのクロスも加えていますね。祖母はモイグレアスタッドSの勝ち馬、曾祖母も重賞勝ち馬。

予備登録した4頭はサイード・ビン・スルール師とマームード・アル・ザルーニ師のところの馬。登録されている馬主は細かく言えば違いますが、ざっくり言えば要するに全てGodolphinチームの馬です。そろそろ本気を出して日本に馬を送り込んで欲しいところです。

アメリカでもハットトリック産駒

2012-03-13 00:02:54 | 競馬日記
ハットトリック産駒ではフランスに持ち出されたDabirsimがカルティエ賞2歳牡馬チャンピオンに選ばれ、仏2000ギニーでも有力視されていますが、アメリカでもクラシックの有力馬が出現しました。

11日に行われた芝のパームビーチS(GIII)で、Howe Greatが良血Dullahanを下して初重賞勝利を挙げました(記事1記事2)。調教師はAnimal Kingdomと同じグラハム・モーション。馬主も同じで、鞍上もAnimal Kingdomでケンタッキーダービーを勝ったジョン・ベラスケス。

芝での重賞勝ちになりましたが、芝馬っぽかったAnimal Kingdomにケンタッキーダービーを勝たせたチームです。ダート路線に転ずるのかどうかというのが注目されています。次走はポリトラックのブルーグラスSに向かう見込み。

さて、Dabirsimの母はロイヤルアカデミー×Rainbow Quest×Young Generationで明らかに芝向きです。Howe Greatの母はNorthern Dancer 4 x 4、Raise a Native 4 x 4でダートをこなせてもおかしくありません。配合はRoyal Charger = Naval Prince 6 . 8 x 5 . 7、Almahmoud 5 x 7 . 7がリードし、Bold Ruler 8 x 6のスピード、Alibhai 6 x 8のスタミナなんかを加えています。ダートをこなせるかもしれませんね。母は南アメリカ出身です。

ハットトリックは母内にRibotとAlibhaiを持ちますね。Graustark = His Majestyと組み合わせたら日本ではダートで成功中の血統構成が作れるかもしれません。

Zenyatta初仔

2012-03-12 20:51:53 | 競馬日記
Zenyattaの初仔が生まれたようです(記事1記事2記事3記事4)。Bernardiniの牡馬です。

Bernardini × Zenyatta

先々月にはRachel Alexandraの初仔も生まれています(ブログ)。こちらも牡馬。そのRachel Alexandraは今年はBernardiniを付けるようですが、Zenyattaは何を付けるのでしょうね。
父がDarleyのStreet Cryで、初年度はDarleyのBernardini。難しそうなZenyattaにしてはこの配合で十分できていると思っていますので、再びBernardiniでもいいように思います。が、種牡馬を代えるなら、同じくDarleyの種牡馬で選ぶならMedaglia d'Oro(Rachel Alexandraの父)ってのも悪くないように思います。

Medaglia d'Oro × Zenyatta

Lane's Endにいるので、こっちの種牡馬も十分候補なんでしょうね。

ZarkavaにDubawi

2012-03-09 23:45:15 | 競馬日記
凱旋門賞馬Zarkavaの今年の交配相手はDubawiとのこと(記事)。
初年度はDalakhani、次はSea the Stars、その次はGalileoだったそうですね。

初仔:Dalakhani × Zarkava(牝)
二番仔:Sea the Stars × Zarkava(牡)
三番仔:Galileo × Zarkava(牡)
四番仔:Dubawi × Zarkava(今年交配予定)

牝馬を1頭確保できていて良かったです。全てMr. Prospectorをクロスするんですね。Dalakhani、Sea the Starsあたりは「らしい」ところですが、次のGalileoってのはセールに出すつもりなんでしょうか。
今年の予定のDubawiってのも凄いですね。Mr. Prospectorが系列ぐるみになります。

私が考えるならコンデュイットなんかどうかと思いますね。

コンデュイット × Zarkava

基本はDalakhaniとの交配と同じですが、Mill Reefが系列ぐるみになって影響が強いことがはっきりしますし、世代もこっちの方が合っているように感じます。こういった仮想配合は、何の制約もなく、世界中の種牡馬から気に入ったのを選べますから気楽なもんですね。

何はともあれ、今年デビュー予定のDalakhaniの仔に注目です。

Dabirsim、仏年度代表馬に

2012-03-08 20:24:56 | 競馬日記
ハットトリック産駒Dabirsimが仏年度代表馬に選ばれたそうです(記事1記事2)。
カルティエ賞の影響が大きすぎて、ヨーロッパの各国の年度代表馬まで気が回らないですね。カルティエ賞の方では2歳牡馬チャンピオンに選ばれています。2歳での年度代表馬はSaint Cyrienアラジに次ぐ3頭目とのこと。

Dabirsimの父ハットトリックは強烈な末脚でマイルCS、香港マイルの2つのGIを制し、最優秀短距離馬に選ばれた名マイラー。母父ロイヤルアカデミーは先日亡くなりました。ジュライCとBCマイルを制したスピード馬です。マイルまでは大丈夫でしょう。
2000ギニーの方に出てもかなり有力だったと思いますが、フランス国内に専念し、仏2000ギニーに向かう見込み(記事)。当然勝つと思っているのですがどうなるでしょう。

気が早いですが、どこで種牡馬になるんでしょうね。かなり人気になりそうな気がしますが。

父が日本産種牡馬でフランス生まれのGI馬にはカルティエ賞2歳牝馬チャンピオンで1000ギニー馬のNatagora、イスパーン賞のNever on Sundayなんかがいます。
どれもこれも難度の高い配合ですね。異系交配と世代ズレがフランス産馬のポイントと言っていいくらいですが(昔はブサックという近親交配のマジシャンがいましたが)、DabirsimやNever on Sundayのような持込馬までそうですから徹底しています。

Court VisionとGoldikova

2012-03-08 19:50:26 | 競馬日記
昨年のBCマイルでGoldikovaを撃破したCourt Visionはカナダで種牡馬入りしていたそうですね(記事1サイト)。血統がいいのでもうちょっとメジャーなところに行っていると思っていました。

ゲイメセンA.P. Indyらが属する名牝系で、母はSummer Squall全妹。全兄Kiplingは重賞実績皆無ながら種牡馬入りし、BCマイルのKip Devilleを出すという大仕事をしました(残念ながらKip Devilleは早世し、子孫を残せず)。

Goldikovaの初年度交配馬が分からないので、Court Vision相手(Court Vision × Goldikova)で案外悪くないんじゃないかとかやっていたのですが、Court Visionには回ってこないですね。と思いながらいろいろ調べると、フランス語版WikipediaにGalileoと交配予定ってなことが書かれていますね。ソースが書いてないのですが、どこでアナウンスがあったのでしょう。

Galileo × Goldikova

半妹GalikovaがGalileo産駒。Galikovaよりは世代の関係が気持ち悪くなくて好みです。後はそのGalileo産駒のNew Approachでどうかとか考えていました。

New Approach × Goldikova

ゴルトブリッツ

2012-03-05 23:59:15 | 競馬日記
ウインドインハーヘアはオークス2着でアラルポカルを勝った名牝で、アラルポカルを勝ったときはアラジの仔を受胎した状態だったことで話題になりました。
日本に輸入されてからブラックタイド、そして3冠馬ディープインパクトの母となり、産駒の牝馬がこぞって輸入されましたが、初めに日本で走った産駒は○外レディブロンドでした。

レディブロンドは藤沢和師が勝ちまくっていたときの管理馬で、5歳まで待って、デビュー戦を1000万下のTVh杯にして、勝ち上がらせたときは、さすが藤沢と驚嘆したものです。そこから破竹の5連勝でスプリンターズSに出走し、そこでも4着に入りました。先着したのはデュランダルビリーヴアドマイヤマックス。全てスプリントGI馬です。間違いなく重賞級の能力を持ったスプリンターでした。

ウインドインハーヘアの子孫は日本で数多く走りましたが、孫以降の世代で重賞を勝っているのは今のところゴルトブリッツのみです(ブラックタイプ:海外では現在Irish National Studに繋養されているJeremyがいます。母はアラルポカルにときにお腹の中にいた仔ですね)。リルダヴァルダノンパッションのような能力がありそうな馬もいましたが、故障に泣きました。

ゴルトブリッツはこの牝系の上級馬には珍しく、そしてスペシャルウィーク産駒には珍しくダート馬になりました。父スペシャルウィーク×母レディブロンドで、Buckpasser 5 x 4、Northern Dancer 5 x 5のクロスがあります。父方はNorthern DancerとBuckpasserがマルゼンスキー内、母方はBuckpasserがSeeking the Gold内。ダートに向きそうな感じがあります。更に父方スペシャルウィークのスタミナ源の一つBull Leaと母方のスピード源RomanがBuckpasserにBull Dogを供給しています。上手いなあと思います。祖母のFair Trialが生かせていないのは残念ですが、あまりきめ細かく押さえすぎなかったおかげで(これなしでも既にシンプルとは言いがたい)個性がはっきりしたと思えばプラスのようにも思えます。Princequillo、Donatelloのスタミナを押さえているのは素晴らしいと思います。
ディープインパクト、リルダヴァル、ダノンパッションと比べるとちょっとあか抜けない感じはありますが、実直な良配合と言えるように感じます。
ちなみにサンデーサイレンスとの組み合わせでは芝の中長距離向きを出すウインドインハーヘアですが、Seeking the Gold産駒のレディブロンドはスプリンターでした。Seeking the Gold産駒のスプリンターと言えばシーキングザパール(モーリス・ド・ゲスト賞とNHK杯を勝ったスプリンターマイラー)とマイネルラヴを思い浮かべる方が多いでしょう。両者ともNasrullahの影響が強いです。レディブロンドの場合、母はヨーロッパ血統の比率が高く、祖母に至っては完全なるヨーロピアンです。その点で純然たるアメリカンのSeeking the Goldとはあまり血が合っていないような感じなのですが、AlzaoがRomanを持つためにこの血の影響が強いスプリンターになっています。また、Man o'WarやAlcibiadesを持っていて最低限、父の血は生きています。祖母の血は傾向が違うと言っても、FairwayやSir Gallahad - Teddy、Blenheim - Blandfordがほどよく配置されて破綻はしていません。ウインドインハーヘアってのは良い繁殖牝馬ですね。

現在のところダートGIII2勝。サンデーサイレンス系種牡馬はダボついていますし、これだけではまだまだ日本での種牡馬入りは難しいでしょう。
父はダービー、春秋天皇賞、JCを勝った名馬で、年度代表馬ブエナビスタ、アメリカンオークス招待圧勝のシーザリオの父。母はGI4着で、母父はSeeking the Gold、祖母はウインドインハーヘアで3冠馬の母。その3冠馬ディープインパクトは祖父と祖母の組み合わせであり、血統表内に再現されています。この素晴らしい血統を評価してくれる人は海外にいないのでしょうか。例えば南米なんかから欲しいと言われたら、タダであっても出してあげて欲しいです(ハットトリックの売却に成功したキャロットファームですから、アメリカ、南米になんかコネがないものでしょうか)。

現在、ドイツ土着血統が世界的に広まりつつありますが、日本のフロリースカップ系も捨てたもんじゃありません。この10年間でこの牝系からウオッカメイショウサムソンの2頭のダービー馬が出現し、フロリースカップの血を引くウオッカ、ブエナビスタは年度代表馬になっています(この2頭は牝馬の総獲得賞金額のJRAワンツー)。ちなみに同じく小岩井のアストニシメントの血を引くオルフェーヴルは昨年、3冠を達成し、年度代表馬に選ばれました。
世界に通用するポテンシャルを持っていると思うのですが。