うぉんばっとな毎日

大用、現前するとき、軌則を存せず

Kジョージ結果

2010-07-26 01:11:23 | 競馬日記
Harbingerが歴史的圧勝でした(記事1記事2)。ムーアがWorkforceに乗るためにペリエにお鉢が回ってきましたが、見事な騎乗でした。勝ち時計の2:26.78はコースレコード、着差の11馬身はこのレース最大着差でした。その前の最大着差はDahliaだっけ、Ribotは更に前だったか、なんて考えていましたが、1991年のジェネラスの7馬身差でしたね。
HarbingerはDansili産駒、Northern Dancer - Natalma - Almahmoud - Mahmoudと系列ぐるみを作る近代的な配合です。その中で母父BeringのようなSea Bird系を効かせているのは欧州の懐の深さを感じます。Crepelloが5代目から系列ぐるみを作っているのも凄まじいですね。ヴィクトワールピサもCrepelloが5代目でクロスしますが、中間断絶です。日本だとスタミナの効かせ方はこれくらいで十分です。

愛ダービー馬Cape Blancoは2着に踏みとどまりました。それにしても12Fが不安視されていたなんてのは笑い話ですね。ダービー馬Workforceは5着。全然駄目でした。

クラシック戦線まとめ2

2010-07-20 20:40:49 | 競馬日記
日欧米主要国の春のクラシックは残すところ独オークスのみになりました。
勝ち馬の所属などは完全ではないものの一度まとめたので(ブログ)、勝ち馬の父系について。

日本
桜花賞:アパパネ(父キングカメハメハ,Mr. Prospector系Kingmambo分枝、母父Salt Lake,Northern Dancer系Vice Regent分枝)
皐月賞:ヴィクトワールピサ(父ネオユニヴァース,Hail to Reason系Halo分枝、母父Machiavellian,Mr. Prospector系Machiavellian分枝)
オークス:アパパネ(父キングカメハメハ,Mr. Prospector系Kingmambo分枝、母父Salt Lake,Northern Dancer系Vice Regent分枝)
     サンテミリオン(父ゼンノロブロイ,Hail to Reason系Halo分枝、母父ラストタイクーン,Northern Dancer系トライマイベスト分枝)
ダービー:エイシンフラッシュ(父King's Best,Mr. Prospector系Kingmambo分枝、母父Platini,Bay Ronald系Surumu分枝)

イギリス
1000ギニー:Special Duty(父ヘネシー, Northern Dancer系Storm Bird分枝、母父Distant View,Mr. Prospector系Distant View分枝)
2000ギニー:Makfi(父Dubawi, Mr. Prospector系Seeking the Gold分枝、母父Green Desert,Northern Dancer系Danzig分枝)
オークス:Snow Fairy(父Intikhab, Hail to Reason系Roberto分枝、母父Charnwood Forest,Man o'War系In Reality分枝)
ダービー:Workforce(父King's Best, Mr. Prospector系Kingmambo分枝、母父Sadler's Wells,Northern Dancer系Sadler's Wells分枝)

フランス
プール・デッセ・デ・プーリッシュ:Special Duty(父ヘネシー, Northern Dancer系Storm Bird分枝、母父Distant View,Mr. Prospector系Distant View分枝)
プール・デッセ・デ・プーラン:Lope de Vega(父Shamardal, Northern Dancer系Storm Bird分枝、母父Vettori,Mr. Prospector系Machiavellian分枝)
ディアヌ賞:Sarafina (父Refuse to Bend, Northern Dancer系Sadler's Wells分枝、母父Darshaan,Never Bend系Mill Reef分枝)
ジョッケクルブ賞:Lope de Vega(父Shamardal, Northern Dancer系Storm Bird分枝、母父Vettori,Mr. Prospector系Machiavellian分枝)

アイルランド
愛1000ギニー:Bethrah(父Marju, Northern Dancer系トライマイベスト分枝、母父Highest Honor,Grey Sovereign系ゼダーン分枝)
愛2000ギニー:Canford Cliffs(父Tagula, Hail to Reason系Stop the Music分枝、母父Marju,Northern Dancer系トライマイベスト分枝)
愛オークス:Snow Fairy(父Intikhab, Hail to Reason系Roberto分枝、母父Charnwood Forest,Man o'War系In Reality分枝)
愛ダービー:Cape Blanco(父Galileo, Northern Dancer系Sadler's Wells分枝、母父Presidium,Bold Ruler系Secretariat分枝)

ドイツ
独1000ギニー:Kali(父Areion, Bold Ruler系Boldnesian分枝、母父Dashing Blade,Never Bend系Mill Reef分枝)
メールミュルヘンスレネン:Frozen Power(父Oasis Dream, Northern Dancer系Danzig分枝、母父ロイヤルアカデミー,Northern Dancer系Nijinsky分枝)
独ダービー:Buzzword (父Pivotal, Northern Dancer系Nureyev分枝、母父デインヒル,Northern Dancer系Danzig分枝)
独オークス:

イタリア
レジーナエレナ賞:Evading Tempete(父Dubai Destination, Mr. Prospector系Kingmambo分枝、母父Gone West,Mr. Prospector系Gone West分枝)
パリオリ賞:Worthadd(父Dubawi, Mr. Prospector系Seeking the Gold分枝、母父Rahy,Red God系Blushing Groom分枝)
伊オークス:Contredanse(父Danehill Dancer, Northern Dancer系Danzig分枝、母父Rahy,Red God系Blushing Groom分枝)
伊ダービー:Worthadd(父Dubawi, Mr. Prospector系Seeking the Gold分枝、母父Rahy,Red God系Blushing Groom分枝)

アメリカ
ケンタッキーダービー:Super Saver(父Maria's Mon, Raise a Native系Majestic Prince分枝、母父A.P. Indy,Bold Ruler系Boldnesian分枝)
プリークネスS:Lookin at Lucky(父Smart Strike, Mr. Prospector系Smart Strike分枝、母父Belong to Me,Northern Dancer系Danzig分枝)
ベルモントS:Drosselmeyer(父Distorted Humor, Mr. Prospector系フォーティナイナー分枝、母父Moscow Ballet,Northern Dancer系Nijinsky分枝)

こうやって父系を分けると、Mr. Prospector系(10勝)、Northern Dancer系(10勝)、Hail to Reason系(5勝)に絞られていることが分かります(他はMr. Prospectorを通らないRaise a Native系1勝、Bold Ruler系1勝)。分枝の段階で見ると、日本で3勝の荒稼ぎをしたKingmambo分枝が5勝。他の2勝には英ダービーが含まれていますから立派と言っていいでしょう。Sadler's Wells分枝、Danzig分枝はともに2勝。Coolmoreの種牡馬の大半はこの2系統なのですが、今年のクラシックはほぼ不発でした。

母父の方が当然ながらヴァライエティに富んでいます。それでもやっぱりNorthern Dancer系は強く10勝、次がMr. Prospector系の6勝。母父Hail to Reason系は勝利なしですね。ということはむしろこの系統はまだまだ利用価値があると考えてもいいかもしれません。特にサンデーサイレンス系種牡馬は日本以外で成功の余地が十分にあると思います。
母父Danzig分枝に対しては父Mr. Prospector系が2勝、父Northern Dancer系Nureyev分枝が1勝。母父Sadler's Wellsでは父Mr. Prospector系の1勝のみ。中島理論的に異系による活性化の概念を用いてもいいですが、そうでなくてもDanzig、Sadler's Wellsという限られたカードだけでは近親交配が多発して味のない配合になってしまうのは自明です。例えば父デインヒル×母父Sadler's WellsのようなCoolmoreの大種牡馬を2代続けて配した牝馬に対して、Coolmoreの今のロスターから種牡馬を探すのは難しいように思います。無意味な近親交配を避けることができるだけのカードの枚数が必要でしょう。

愛オークス、独ダービー

2010-07-19 21:45:57 | 競馬日記
愛オークスと独ダービーが行われていますね。

愛オークスはオークス馬Snow Fairyが勝ち、オークスダブルを達成しました。Snow Fairyは5代以内にNorthern Dancer、Nearctic、In Reality、BuckpasserとRoberto以外のクロス馬が出現し、あか抜けない印象がありますが、なかなか強い馬ですね。
2着はマームード・アル・ザルーニが管理するGodolphinのMiss Jean Brodie。ケンタッキーダービー馬Super Saverと同じ、父Maria's Mon×母父A.P. Indyです。欧州芝でもできるんですね。

独ダービーはPivotal産駒Buzzwordが勝ちました。最後の勝利は昨年9月で、2000ギニー、仏2000ギニー、ダービー、KエドワードVIISなどを負け続けでした。Godolphin所属、マームード・アル・ザルーニ師が管理。独2000ギニー馬Frozen Powerと同じチームです。
配合ですが、短距離馬の多いPivotal産駒ですが、英愛オークスのSariskaのように配合次第では距離もこなします。本馬ではCrepelloが効いていますね。

パリ大賞典

2010-07-15 19:53:39 | 競馬日記
パリ大賞典はCape Cross産駒Behkabadが勝ちました。
父Danzig系でNever Bendクロスがあり、アガカーン殿下お得意の配合です。Cape Crossの最高傑作Sea the Starsはアガカーンスタッドにいますね。

BallydoyleのJan Vermeerは3着でした。ダービーで1番人気を背負った馬であることを考えると物足りないように思いますが、こんなもんなのかもしれません。
Coolmore = BallydoyleはGalileo産駒Cape Blancoが愛ダービーを勝ちましたが、ここもDarleyの種牡馬に取られてしまいました。英愛リーディングではGalileoが盤石のリードを築きつつありますが、Danzig、Sadler's Wellsに偏ったCoolmore IREのロスターには不満があります(Danzig系、Sadler's Wells系じゃないのは20頭中Excellent ArtFootstepsinthesandPeintre Celebreの3頭のみで、すべてNorthern Dancer系)。

StarspangledbannerはCoolmore AUSのロスターに既に加わっていますね。2011年に供用開始されるようです。

George Washingtonの仔

2010-07-14 00:36:35 | 競馬日記
George Washingtonの唯一の仔がデビュー戦を勝利で飾りました(記事)。George Washingtonはグランデラの半弟の2000ギニー馬で、3歳終了時に引退したものの受精能力に問題があり競走馬に復帰し、BCクラシックで故障、予後不良となりました。

唯一の仔は牝馬で名前をDate with Destinyと言います。George Washingtonは祖母Blue Tipの部分の傾向が異なり、なかなか難しそうに見えるのですが、Date with DestinyはBlue Tipの部分を最低限押さえるとともに母父Rainbow Questを強調する形で問題を回避しています。悪い配合ではありません。
活躍して血を残して欲しいです。

大地を揺るがせてやってきた

2010-07-13 02:00:00 | 競馬日記
14年前の今日、シンザンが亡くなりました。
深夜(当日だったかの記憶はありません)に放送された関西テレビの特別番組『さらばシンザン 夢をありがとう』で、当時関西テレビアナウンサーだった杉本清氏がシンザンの遺影をバックにシンザンの思い出を語りました。
その中で、シンザンが3冠を達成した菊花賞の際にゲストの舟橋聖一氏が直線でシンザンが追い込んでくる姿を見て「大地を揺るがせてやってきた」と表現したと言っていました。30分しかない1回だけの特別番組の中でも伝えておきたいぐらい杉本氏の記憶に残る言葉だったのでしょう。
シンザンの3冠から19年後の菊花賞の直線で、杉本氏は「大地が、大地が弾んでミスターシービーだ」と実況しました。舟橋氏の言葉は杉本氏の名実況の元ネタと言っていいんじゃないでしょうか。舟橋氏の言葉を踏まえた上でその場面に適切な自分の言葉にして発することのできる杉本氏の実況技術の高さは特筆すべきものですね。

放送当時にあれっと思い、それ以来、どんな話だったのか引っかかっていたのですが、録画していたVHSビデオを引っ張り出して内容を確認しました。これだけインターネットが発達して、インターネットがあれば何でも調べられるかのような世の中なのに、『花の生涯』の作者の舟橋聖一氏(中山大障害のモモタロウの馬主、中央競馬会名誉顧問を務められたことがあるそう)がシンザン3冠達成時のゲストだったことも、上記のような言葉を残したことも調べられないのが不思議に思い、ブログに書いておこうと思った次第です。
また、名実況というのはその場限りの出任せのように発せられるのではなく、歴史の上に成り立っている文化的なものであることも理解しておきたいです。

Starspangledbanner

2010-07-12 20:05:17 | 競馬日記
Starspangledbannerという馬がなかなか強いようですね。オーストラリア産で当地でコーフィールドギニー、オークレイプレートとGI2勝。Coolmoreに推定1000万豪ドル(約8億円)でトレードされ、5月からエイダン調教馬としてレースに出走し、初戦は破れたもののゴールデンジュビリーS、ジュライCと連勝しました。

本馬についてエイダンが「世界のスプリント界の、血統的構図を変えてしまうのではと思えるほどの馬」と語ったそうですね(記事)。
Starspangledbannerの配合ですが、Choisir×Made of Gold×Vain×Zamazaanという累代交配。Choisirは6Fと7FのGIを勝っているDanehill Dancerの仔のスプリンター。Coolmoreでシャトルサイアーとして供用されています。Made of Goldはロベールパパン賞を落としてフランス2歳GIグランドスラムを逃したGreen Forestの仔でロイヤルロッジSの勝ち馬。Vainは2000ギニー馬Court Martialの仔で8Fまでのビッグレースを勝ちまくった豪年度代表馬。Zamazaanは凱旋門賞馬Exburyの仔で2400~3100mで活躍したステイヤー。累代交配の面ではスタミナ血統は曾祖母父Zamazaanぐらいですからスピードの勝ったタイプと見ることができるでしょう。
クロス馬の観点からはCourt Martial 7 x 5、Grey Sovereign 7 x 6の系列ぐるみの影響が強く、やはり短距離向きであることが分かります。単なるスピード馬ではない点はCourt MartialのHurry Onを生かしていること、豊富なHyperion - Gainsborough、Zamazaan内Tehranの系列ぐるみでしょう。
よくない点です。曾祖父DanehillはNatalma 3 x 3、祖父Danehill DancerはNative Dancer 5 . 5 x 4 . 5。Native Dancerの血が能力形成に関わっています。ChoisirではNative Dancerのクロスはありませんが、代わりにTom Fool 6 x 4により、Sickle=Pharamond 8 . 8 . 9 . 9 . 9 . 9 x 6がNative Dancerのスピードを引き継いでいます。しかしながらStarspangledbannerはNative DancerもTom Foolも生かさず、Sickle=Pharamondのクロスすらありません。父の生かし方としては不十分と言っていいと思います。
さて、エイダンの言葉が種牡馬としてのStarspangledbannerを意味しているのか分かりませんが、種牡馬としてのStarspangledbannerを考えると、世代が後退している部分、オーストラリアローカル化している部分が複数個所あること、Starspangledbannerの血統内で6代以内にクロス馬になりそうな部分が少なく、母方の影響が強くなりそうなこと、が気になります。オーストラリアで種牡馬生活を送るならまだしも、他の国ではランダム交配で確率良く優秀な馬を出すのは難しいように思います。
とは言っても、Coolmore、エイダンが認めたスプリント界のスーパースター。今後の動向が注目されます。

オグリキャップ死亡

2010-07-04 01:13:11 | 競馬日記
オグリキャップが亡くなりました。
無茶なローテーションを耐え抜いたオグリキャップが骨折で死ぬことになるとは思いもよりませんでした。

欧米の血が見事にまとまった美しい配合ですが、米系の血を生かすにはBull Dog - Teddyが足りなかったり、欧州系ではHyperionがなかったり、難しいところがあり、種牡馬としては成功できませんでした。ラストクロップのミンナノアイドル、イギリスに渡ってナショナルハントフラットレースを走っているRocks Ruleあたりに最後の期待をしたいところです。
Pharos - Phalarisがまんべんなく配されたシンプルさがあり、母父としてならいいんじゃないかと思っているのですが、まだ目立った活躍馬を出せていません。非Raise a Native系、非Sharpen Up系のNative Danver系という希少さもありますから使い道はあったと思うのですが。母父としてハクタイセイレオダーバンを出したダンサーズイメージのようなポテンシャルはあったと思います。