栄進堂の経営者の平井豊光・宏承両氏は栄進牧場の経営もされているオーナーブリーダーですが、個性的な外国産馬(および持込馬)も多数所有されてきました。生産された馬ではエイシンサニー、エイシンデピュティがGIを勝っていますが、今回は私の記憶に残る外国産馬(および持込馬)を取り上げたいと思います。
・エイシンプレストン
アンカツ騎乗レジェンドハンターの野望を打ち砕いた2歳チャンピオン。シャティンの芝が合いました。一番のレースは2001年香港マイルでの衝撃の圧勝劇でしょう。“Preston Shock”という見出しも躍りました。弾けるようにすっ飛んで来たステイゴールド、王者の矜持を見せつけたアグネスデジタルとともに香港GI3連勝を飾りました。Northern Dancer系の同系交配ですが、父も母父もゼロ交配です。Green Dancer24歳時種付けですが、父母ともに世代がちょっと古めで上手くフィットしているのも素晴らしいです。
・エイシンワシントン
今年のオークスでエイシンワシントン対フラワーパークの死闘を思い出された方も多いんじゃないでしょうか。貴重なTeddy系Damascus分枝オジジアンの仔(オジジアンの仔ではサンダーガルチ半弟バトルラインも忘れることはできませんね)。IK的には中長距離配合であっても、爆発的なスピードと勝ち気な気性を持っていて、短距離で活躍しました。
・エイシンバーリン
こちらもスピード馬。1200mで1分7秒を破るレコードをたたき出しました。海外では中距離以上で活躍する仔も出すCozzeneの産駒ですが、日本でのCozzene=短距離馬というイメージの形成に大きな影響を与えました。シーキングザパール、マイネルラヴを出したSeeking the Goldを母父に持つローブデコルテにオークスでだまされた人も多いかもしれません。
・エイシンビンセンス
Nearcoの血を持たない馬を探すのが難しくなりつつあった時代で父のRelaunchはNearcoフリーの希少な種牡馬でした。母父はアメリカ産(ゴーマーチング半弟)、祖母はほぼ純然たるアルゼンチン血統で、その結果、Nearco - Pharos - Phalaris - Polymelusの系列やMan o'Warのクロスなし、BlenheimがクロスしてもBlandford - Swynfordのクロスなし、Gainsboroughクロスなしという非常に個性的な異系交配になっています(Relaunchの仔ではトーヨーリファールの方が一般的な配合をしています)。
・レマーズガール
エイシンの活躍馬には芝馬が多いですが、本馬はダート交流重賞を勝ちまくった女丈夫でした。Damascusのクロスを持つ重賞勝ち馬は本馬以外に思い出せないのですが、他にいるのでしょうか。
その他、ミシエロ産駒で唯一の中央重賞勝ち馬にして2歳チャンピオンエイシンチャンプ、Distant View産駒で唯一の重賞勝ち馬キーンランドスワン、父Giant's Causeway×母父Sadler's Wellsという日本で走らせる配合とは思えないエイシンアポロンなどもいます。
こういった個性的な馬たちを所有されていたわけですが、エイシンフラッシュによってとうとうダービーオーナーになられました。
エイシンフラッシュは父King's Best×母父Platiniというこれまた日本で走っているのが想像しにくい配合です。King's Bestは吉田照哉氏がセリで競り負けたとのこと(記事)。もし競り勝っていたら本馬は存在しなかったでしょうし、何がいい方に転ぶか分かりませんね。母父PlatiniはJCで14番人気の低評価を覆して4着に好走しました。エイシンフラッシュの配合はBirkhahnのクロスという日本ではなかなかお目にかかれないクロスがあります。GI勝利はLiterat = Libertyの全兄妹クロスを持つLando以来でしょう。Landoは凱旋門賞からBCターフというJC必敗ローテで来日し、JCを快勝しました。日本の固い馬場が合うとのマイケル・ロバーツの進言があったとのこと。しかもBCの惨敗は馬場が合わないから途中でレースをあきらめて力をセーブしたためという話もありました。2着もKingmamboの孫ローズキングダムで、血統的には東京2400mが合うんでしょうね。
先日、Tantiemeクロスを持つGI馬を見たいと書いたのですが(ブログ)、早速現れました。しかも凱旋門賞登録のあるダービー馬です。是非挑戦して欲しいですね。できればレッドディザイアなんかと複数頭で望みたいです。
更に気が早いですが、種牡馬としてのエイシンフラッシュについて。これだけ特殊な血を豊富に持つ上にかなり新しい世代の血を持つので、相当に難しい種牡馬になります。(例えば母父サンデーサイレンスと組み合わせればAlmahmoudは8 . 9 x 5、Sickle=Pharamondは9 . 9 . 11 . 11 . 11 . 12 x 6、ただし例えば母父マンハッタンカフェならAlmahmoudは8 . 9 x 6、Sickle=Pharamondは9 . 9 . 11 . 11 . 11 . 12 x 7 . 10 . 11であり、世代のバランス自体は合ってきますね。ドイツの血も補えます。)しかしながらGalileo、Black Sam Bellamy、Sea the Stars、Anabaa Blue、Tertullian等の種牡馬を輩出するAllegrettaの仔King's Bestの直仔で、そのAllegretta内のドイツの特殊な血のクロスを持つ種牡馬というのは、日本の血統の将来を考えればプラスかもしれません。社台の持込馬なので社台で種牡馬入りなんてことになればインパクトは大きいでしょうね。
・エイシンプレストン
アンカツ騎乗レジェンドハンターの野望を打ち砕いた2歳チャンピオン。シャティンの芝が合いました。一番のレースは2001年香港マイルでの衝撃の圧勝劇でしょう。“Preston Shock”という見出しも躍りました。弾けるようにすっ飛んで来たステイゴールド、王者の矜持を見せつけたアグネスデジタルとともに香港GI3連勝を飾りました。Northern Dancer系の同系交配ですが、父も母父もゼロ交配です。Green Dancer24歳時種付けですが、父母ともに世代がちょっと古めで上手くフィットしているのも素晴らしいです。
・エイシンワシントン
今年のオークスでエイシンワシントン対フラワーパークの死闘を思い出された方も多いんじゃないでしょうか。貴重なTeddy系Damascus分枝オジジアンの仔(オジジアンの仔ではサンダーガルチ半弟バトルラインも忘れることはできませんね)。IK的には中長距離配合であっても、爆発的なスピードと勝ち気な気性を持っていて、短距離で活躍しました。
・エイシンバーリン
こちらもスピード馬。1200mで1分7秒を破るレコードをたたき出しました。海外では中距離以上で活躍する仔も出すCozzeneの産駒ですが、日本でのCozzene=短距離馬というイメージの形成に大きな影響を与えました。シーキングザパール、マイネルラヴを出したSeeking the Goldを母父に持つローブデコルテにオークスでだまされた人も多いかもしれません。
・エイシンビンセンス
Nearcoの血を持たない馬を探すのが難しくなりつつあった時代で父のRelaunchはNearcoフリーの希少な種牡馬でした。母父はアメリカ産(ゴーマーチング半弟)、祖母はほぼ純然たるアルゼンチン血統で、その結果、Nearco - Pharos - Phalaris - Polymelusの系列やMan o'Warのクロスなし、BlenheimがクロスしてもBlandford - Swynfordのクロスなし、Gainsboroughクロスなしという非常に個性的な異系交配になっています(Relaunchの仔ではトーヨーリファールの方が一般的な配合をしています)。
・レマーズガール
エイシンの活躍馬には芝馬が多いですが、本馬はダート交流重賞を勝ちまくった女丈夫でした。Damascusのクロスを持つ重賞勝ち馬は本馬以外に思い出せないのですが、他にいるのでしょうか。
その他、ミシエロ産駒で唯一の中央重賞勝ち馬にして2歳チャンピオンエイシンチャンプ、Distant View産駒で唯一の重賞勝ち馬キーンランドスワン、父Giant's Causeway×母父Sadler's Wellsという日本で走らせる配合とは思えないエイシンアポロンなどもいます。
こういった個性的な馬たちを所有されていたわけですが、エイシンフラッシュによってとうとうダービーオーナーになられました。
エイシンフラッシュは父King's Best×母父Platiniというこれまた日本で走っているのが想像しにくい配合です。King's Bestは吉田照哉氏がセリで競り負けたとのこと(記事)。もし競り勝っていたら本馬は存在しなかったでしょうし、何がいい方に転ぶか分かりませんね。母父PlatiniはJCで14番人気の低評価を覆して4着に好走しました。エイシンフラッシュの配合はBirkhahnのクロスという日本ではなかなかお目にかかれないクロスがあります。GI勝利はLiterat = Libertyの全兄妹クロスを持つLando以来でしょう。Landoは凱旋門賞からBCターフというJC必敗ローテで来日し、JCを快勝しました。日本の固い馬場が合うとのマイケル・ロバーツの進言があったとのこと。しかもBCの惨敗は馬場が合わないから途中でレースをあきらめて力をセーブしたためという話もありました。2着もKingmamboの孫ローズキングダムで、血統的には東京2400mが合うんでしょうね。
先日、Tantiemeクロスを持つGI馬を見たいと書いたのですが(ブログ)、早速現れました。しかも凱旋門賞登録のあるダービー馬です。是非挑戦して欲しいですね。できればレッドディザイアなんかと複数頭で望みたいです。
更に気が早いですが、種牡馬としてのエイシンフラッシュについて。これだけ特殊な血を豊富に持つ上にかなり新しい世代の血を持つので、相当に難しい種牡馬になります。(例えば母父サンデーサイレンスと組み合わせればAlmahmoudは8 . 9 x 5、Sickle=Pharamondは9 . 9 . 11 . 11 . 11 . 12 x 6、ただし例えば母父マンハッタンカフェならAlmahmoudは8 . 9 x 6、Sickle=Pharamondは9 . 9 . 11 . 11 . 11 . 12 x 7 . 10 . 11であり、世代のバランス自体は合ってきますね。ドイツの血も補えます。)しかしながらGalileo、Black Sam Bellamy、Sea the Stars、Anabaa Blue、Tertullian等の種牡馬を輩出するAllegrettaの仔King's Bestの直仔で、そのAllegretta内のドイツの特殊な血のクロスを持つ種牡馬というのは、日本の血統の将来を考えればプラスかもしれません。社台の持込馬なので社台で種牡馬入りなんてことになればインパクトは大きいでしょうね。