うぉんばっとな毎日

大用、現前するとき、軌則を存せず

カントリー牧場、オンワード牧場が撤退

2012-01-31 21:04:28 | 競馬日記
カントリー牧場とオンワード牧場が撤退することになりました(記事1記事2)。どちらも今更私が語る必要のない名門牧場でした。

カントリー牧場は近年も活躍馬を出していましたが、谷水雄三代表の健康上の問題から経営断念、オンワード牧場は徐々に生産規模を縮小してきており、後継者不足により最終的に閉鎖とのこと。どちらも要するに牧場を継ぐ人がいなかったと言うことでしょう。
オンワード牧場がどうなるかが書いてありませんが、カントリー牧場の方は岡田スタッドに売却されるそうです。ビッグレッドファーム=ラフィアンの岡田繁幸氏の弟でレックスの社長でもある岡田牧雄氏の牧場ですね。西山牧場もダーレーに売却されましたし、中小牧場が統合、集約されつつあります。
オールドファンには暮らしにくい世の中になりつつあります。しかし、非社台、非ダーレーの岡田スタッドが売却先だったのは救いと言っていいでしょう。

現在、アガカーンスタッドにいるウオッカはどうなるんでしょうね。いっそのことアガカーン殿下に売却して、アガカーンスタッドの基礎繁殖牝馬になってくれればいいんじゃないかと思います。

追記:繁殖牝馬15頭、1歳馬より下、繁殖部門は岡田スタッドに売却、育成部門は千代田牧場に売却、ウオッカとその産駒、明け2歳馬はそのまま所有とのこと(記事1記事2)。

大阪国際女子マラソン

2012-01-30 20:45:37 | 日記
大阪国際女子マラソンがあったようですね。マラソン挑戦2度目の24歳重友梨佐が2時間23分23秒で初優勝を飾りました。

「2時間23分23秒は日本人女子歴代9位の好記録」(記事)なんてことも書かれています。重友さんにとって好記録なのは間違いないですし、まだ24歳で、2回目のマラソンだったことを考えれば伸び代を期待するのも無理もないことです。
が、日本の女子マラソン界がどんな状態かというと、20分を切るタイムは2005年の野口みずき以来、出てません。大阪はスピードの出るコースで、日本歴代10傑に今回の重友を加えて4つの記録が入っているのですが、今回の記録もこの程度で終わったとも言えます。

世界の女子マラソンがどうなっているかと言えば、昨年世界陸上の総括で「世界的にも一旦低迷期に入っているのですが(高橋尚子が2001年に20分の壁を破ってから20分を切る選手が続出しましたが、世界歴代10傑に入っている近5年の記録は4位タイにランクされる2008年のイリーナ・ミキテンコと2011年のメアリー・ケイタニーの2:19:19の2つのみ)」(ブログ)と書いたのですが、世界陸上以降、一気に動き出しています。まず、昨年10月のシカゴマラソンでショブホワが2時間18分20秒の世界歴代2位のタイムを出しました。また、大阪国際女子の前々日に行われたドバイマラソンでは優勝のメルギアが2時間19分31秒、2位のワゴイは2時間19分34秒、3位のディババは2時間19分52秒であり、1位と2位は世界歴代の7位と8位に相当し、3位までが20分切りでした。その結果、世界歴代10傑から渋井陽子が陥落し、野口みずきのみが残ることになりました。

今回の大阪で重友という新星を得たことには得ましたが、世界のマラソンの動きからは遅れていますし、このままでは世界陸上同様、メダルなしも仕方がないと思います。
ロンドンの今後の選考レースでは、調整に失敗して名古屋に回ることになった野口みずきがどのくらい走れるか、また、重友のような新星が出てくるかどうかと言うのがポイントになるのでしょう。野口さんが復活してまだ世界のトップクラスであることを示してくれるなら、それはそれで素晴らしいことだとは思います。ただし野口も33歳ですから、継続性を考えれば、新星がどんどんと出てきてくれないと確実に世界から取り残されます。世界から取り残される理由が世界が進化したからではなく、日本のレベルが下がったからというのが主因になりそうなのが悲しいです。

こういった状況なのに、メディアというのは大きな大会のたびに女子マラソン代表を「最強メンバー」などと無理に盛り上げようとするのですが、日刊スポーツが珍しく「低迷する日本女子マラソン」と本当のことを書いています(記事)。ただし1回勝っただけの選手に「救世主」を期待するのは酷で、自分のベストの走りができるように惑わされないようにして欲しいです。

スマートファルコン完勝、エスポワールシチー完敗

2012-01-26 20:44:54 | 競馬日記
前走、東京大賞典はハナ差の辛勝で、力が落ちたのではないかと心配されていたスマートファルコンでしたが、今期初戦川崎記念を4馬身差で圧勝しました。そして従来のレコードを2秒更新するレコードタイム。スピードの出る馬場でしたが、一気に2秒というのはさすがです。

前走は終始ワンダーアキュートにマークされ、直線の叩き合いでハナ差まで詰め寄られました。今回はロケットスタートで簡単に先手を取った後、強豪フリオーソがマークに付きましたが、マークした方がバテるスマートファルコンらしい競馬になりました。最後はランフォルセの方が2着に押し上げましたが4馬身差。

一番強かったときと比べてどうだったかは分かりませんが(馬自身、自分から行こうという気がなくなってきてはいるようです)、少なくとも東京大賞典の時よりは良化していたように思います。調子が落ちていた効果の方が大きかったということでしょう。東京大賞典の状態ならドバイに行かない方が良かったと思いますが、これで楽しめる状態になったと思います。この結果を受けて、ドバイWCの前売りでWilliam Hill等の主要ブックメーカーが6倍というオッズを付けています。選出されないってことはないでしょうね。
タペタが合うかですが、初芝となった3歳春のジュニアCを勝って皐月賞に出たことのある馬です。サーフィスの違いに対する順応性はあるでしょうし、トランセンドもこなしたことですから大丈夫だと思います。


元チャンピオンのエスポワールシチーは強かったときの状態に戻らないですね。平安Sで今期初戦を迎えましたが、2着と完敗。トウショウフリークが行く構えを見せて、外枠だったエスポワールシチーは簡単に控えました。道中は3番手を進み、2番手を進んだヒラボクキングに押し切られました。
外枠だから控えたという話でしたが、トランセンドがJCDでどうしたか(内の馬に不利を与えるくらい強引に先手を取りに行きました)を考えれば、物足りないということになります。控えるにしても番手から4角先頭のヒラボクキングの競馬をしないと意味がないです。4角のときの差のままゴールまで行きました。哲三がそこまで強気になれないということはそれだけ力が落ちているということかもしれません。

勝ったヒラボクキングはGraustark 6 x 4を持ちます。日本のダート界のトップホースはGraustark=His Majestyを使っているタイプが多いですね。トランセンド、エスポワールシチー、フリオーソ、ワンダーアキュート、ヒラボクキング、バーディバーディスーニなんかがこれに当たります。アメリカだと昨年のダート部門のレーティング上位5番目までのDrosselmeyerTizwayCaleb's PosseGame on DudeAnimal KingdomはGraustark=His Majestyを持たないのですが。
スマートファルコンはGraustark=His Majestyを持っていませんが(ただしそれでもFlower Bowlと3/4同血のYour Hostessを持つ)、代わりにVaguely Noble 5 x 3を持ちます。メジロパーマーミホノブルボンのようなAureoleのスタミナを武器とする逃げの名馬の系列に入ります。更に根源をさかのぼればHyperionのスタミナということになり、Graustark=His Majestyを生かした馬の系列に合流します。

小島貞博調教師逝去

2012-01-24 20:34:00 | 競馬日記
昨夜、驚きのニュースが流れました。小島貞博調教師が亡くなられたとのことでした(記事)。速報では原因不明でしたが、自殺と見られることが明らかになりました(記事)。

厩舎経営について悩んでいたとのことです。調教師リーディングでは確かに上位に来ることはありませんでしたが、二桁勝てない年はなく、重賞も勝っています。小島貞博師が死ななければならないなら、これは本当に競馬界がどえらいことになっているということです。
zakzakには親族の借金を肩代わりしていたという話も書かれています(記事)。そうなると収支の問題になりますから、あり得ることです。それでも競馬界の見通しが明るければ、自分自身の将来に希望が持てる状態なら、死ななくても良かったかもしれません。

騎手時代は、ミホノブルボンタヤスツヨシによるダービー2勝、チョウカイキャロルによるオークス制覇と、騎手生活の後半に大きなタイトルを手にしました。しかし、騎手生活の前半は障害の名騎手であり、キングスポイントで中山大障害春秋連覇を成し遂げています。ダービーと中山大障害を2勝ずつしているのはトキノミノルの主戦・岩下密政と2人だけです。勝利数以上のインパクトのある騎手でした。

騎乗で思い出すのは、行ききれず、ライスシャワーに仕留められたミホノブルボンの菊花賞、どん尻強襲のヒシアマゾンにギリギリ捕まったチョウカイキャロルのエリザベス女王杯、と勝ったレースではなく敗れたレースです。狙ってそうなったわけではないでしょうが、ドラマの演出家でもありました。

Rachel Alexandra初仔

2012-01-23 20:53:58 | 競馬日記
Rachel Alexandraの初仔が生まれたようです(記事1記事2記事3)。Curlinの牡馬です。

Curlin × Rachel Alexandra

Mr. Prospector 3 x 5が最前面系列ぐるみで、Northern Dancer 5 x 5 . 5の中間断絶、Sir Ivor 5 x 5系列ぐるみまでが5代内クロス。この3つが強固に協力体制を取っている点は素晴らしいと思います。Sir Ivor系列ぐるみを見る機会はあまりないのですが、Makfiという成功例を出しています。Sir IvorクロスはRachel Alexandraで効いていたPrincequilloやMahmoudといった欧州系の血をアメリカ系の血と結びつけています。5代血統表で見た印象では3種類の5代内クロスというのはどうかなと思ってしまいますが、奥の方まで見るとなかなかいい配合じゃないかと思います。

今年はBernardiniとのこと。Zenyattaの昨年の相手ですね。

Bernardini × Rachel Alexandra
Bernardini × Zenyatta

Bernardini × Rachel Alexandraでは5代目にNorthern Dancer、Bold Ruler、Mr. Prospector、Dr. Fager、Somethingroyalと5種類ものクロスが並んでしまいます。どこかを強調すると決めるような配合が好みなので、Curlin × Rachel Alexandra、Bernardini × Zenyattaの方が私の趣味に合っています。

名牝たちの交配相手

2012-01-18 20:39:48 | 競馬日記
この時期になると名牝たちが今シーズンどの種牡馬を付けるかのニュースが流れてきます(記事1記事2記事3)。


2010年のエクリプス賞最優秀3歳牝馬Blind LuckはBernardiniを付ける見込み。
Bernardini × Blind Luck
Mr. ProspectorとNorthern Dancerがどちらも系列ぐるみで母父Pollard's Vision内に同居しているのはいい点だと思います。ただ、それならSecretariat 4 x 7がない方がはっきりした配合になったのではないかと思います。

Ouija BoardとDar Re MiはどちらもDubawiを付ける見込み。
Dubawi × Ouija Board
Dubawi × Dar Re Mi
Ouija Boardの方は祖母の世代があと一つ奥に入っていたら良かったと思いますが、整合性の取れた配合です。母父がCape Crossですが、母父Green DesertではMakfiが出ています。Sir Ivorの系列ぐるみがいいですね。

Dar Re Miの方は全然違う配合になっています。最前面はShirley Heights 4 x 5。Northern Dancer、Shirley Heights、Sunbittern、Hail to Reason、Herbagerと、母父Singspiel内で、交配における5代目の血がことごとくクロス馬になります。これがこの馬の個性を決めるように思います。案外悪くないように思います。

昨年のエクリプス賞最優秀芝牝馬StacelitaはSmart Strikeを付ける見込み。
Smart Strike × Stacelita
ドイツ血統を含むヨーロピアンな母に対し、アメリカンな父で、血の内容自体が異なっているのですが、さらに世代もずれています。父側の血はそれでも生きていると言っていいでしょうが、父母の優秀さが頼りになるように思います。これでも走るのかもしれませんが、あまり好きではありません。
これならSmart Strike産駒のCurlinなんかの方がいいんじゃないかと思ってしまいます。
Curlin × Stacelita
世代のズレは少なくなり、父の傾向はきっちりと生きてますし、あとは母のポテンシャルの後押しでという配合になっていると思います。

2011年エクリプス賞

2012-01-18 00:48:13 | 競馬日記
2011年のエクリプス賞が発表されています(記事1記事2記事3)。各紙が各賞を詳細にレポートしています。JRA賞は発表されて終わり、って感じで盛り上がりに欠けますので、うらやましく感じます。

年度代表馬は牝馬のHavre De Grace。最終戦BCクラシックは4着でしたが、昨年、7戦5勝で、ウッドワードSでは牡馬を破りました。BCクラシックで負けても年度代表馬になるんじゃないかと言われていたとおりになりました。これで2009年Rachel Alexandra、2010年Zenyattaに続く3年連続で牝馬の年度代表馬になりました。この2頭の方が強いですが(例えばレーティングでは、2009年はZenyatta128、Rachel Alexandra127、2010年はZenyatta125に対し、Havre De Graceの2011年は120)、昨年のアメリカは不作だったので、順当と言っていいでしょう。最優秀古牝馬も受賞。

最優秀2歳牡馬、最優秀2歳牝馬はBCの勝ち馬であるHansenMy Miss Aureliaが受賞。ちょっと早熟っぽいので、2012年も活躍できるのか心配はあります。

最優秀3歳牡馬はケンタッキーダービー馬Animal Kingdom。プリークネスSを2着、ベルモントSを6着の後、戦線離脱しましたが、ケンタッキーダービーは衝撃的でした。個人的には血統的な衝撃の方が大きかったです。

最優秀3歳牝馬はエンパイアメーカー産駒Royal Delta。BCレイディーズクラシックを勝っており、順当です。

最優秀古牡馬はAcclamation。昨年、芝のGIを2勝、AWのGIを1勝。普通はダート路線の馬がトップに来るものなのですが、昨年は不作でした。

最優秀牡スプリンターはAmazombie。BCの勝ち馬です。

最優秀牝スプリンターはMusical Romance。こちらもBCの勝ち馬。

最優秀芝牡馬は一昨年の愛ダービー馬Cape Blanco。芝のGIを3勝しました。この馬は一昨年の凱旋門賞と昨年のドバイWCで5頭の日本馬と対決し、ドバイで凡走したブエナビスタに先着しただけでした。

最優秀芝牝馬はStacelita。昨年、フランスからアメリカに移籍しました。BCは10着でしたが、芝のGIを2勝。

最優秀障害馬はBlack Jack Blues。ちょっとどんな馬なのか分かりません。ただ、父Blushing Groom系×母父Best Turn系×祖母父Ribot系×曾祖母父Princequillo系の累代交配で、Best Turn 4 x 3の見慣れないクロスがあり、配合内容もなかなか魅力的であるように見えます。

FRR

2012-01-16 20:03:52 | 競馬日記
日本がパートI国に昇格して以降(2008年以降)のGIとJpnIのファイナルレースレーティング(FRR)をまとめてみました()。
セックスアローワンスは4ポンド(2歳戦は2ポンド)として調整してあります。JRAウェブサイト内JPNサラブレッドランキングの頁から抽出し、セックスアローワンスを考慮して再計算しました(JPNサラブレッドランキング)。計算ミスがあるかもしれません。

Group/GradeIの条件は過去3年間のFRRが115以上(平均なのか詳しいことは分かりません)とのこと。が、4年分データがあるので、4年間の平均を出しています。
バックが赤なのが4年間のFRRの平均が120超のスーパーGI(と勝手に呼ぶ)。日本では宝塚記念、天皇賞(秋)、JC。レーティング上の古馬の3冠はこの3つということになります。
バックが青なのが平均115超のもの。天皇賞 (春)、ヴィクトリアマイル、東京優駿、安田記念、エリザベス女王杯、マイルチャンピオンシップ、有馬記念の7つ。十分に機能している優秀なGIと言っていいでしょう。
バックが黄色なのは平均112.5以上のもの。GIIのラインよりGIのラインの方に近いと言う意味で、この尺度にしました。フェブラリーS、高松宮記念、桜花賞、皐月賞、優駿牝馬、スプリンターズS、秋華賞、菊花賞、JBCクラシック、ジャパンカップダート、東京大賞典の11レース。現在GIに格付けされているレースのほとんどがこの基準をクリアします。JpnIでもJBCクラシックはこの基準をクリアしています。この調子で上手く育てれば国際格付けを得られるかもしれません。

バックに色が付いていないGIはやばいGIと言うことになります。それはNHKマイルC(2歳GI2つもクリアしていませんが2歳GIの扱いが分かりません)。4年間の平均FRRが110.5と、完全にGIIレベルです。
牡馬のクラシックの中で最もレベルが低いのは皐月賞です。NHKマイルカップと足の引っ張り合いをしているのが原因だったら不幸なことです。
NHKマイルカップは初期にはシーキングザパールエルコンドルパサーという、海外のGIも勝った馬を出し、またクロフネのようなワールドクラスのダート馬も出しました。しかし、近年、思うようにFRRが伸びていませんね。

クラシックに外国産馬が出走できなかった時代、出走条件が厳しかった時代は○外馬の憂さ晴らしの場として機能していたように思いますが、今や○外だけでなく外国調教馬もクラシックに出走できる時代です。
アジア圏からレーティングの高い馬を引っ張ってくるような工夫をするか、いっそのこと格下げしてしまうか。それとも、日本馬のレーティングが上がって、そのうち問題が解消すると思っているのか。

Sarafinaとディープインパクト

2012-01-13 23:18:20 | 競馬日記
アガカーン殿下のSarafinaを吉田照哉氏が購入したそうです(記事)。

そして、ディープインパクトが付けられるようです。仮想配合を早速見なければなりません。

ディープインパクト × Sarafina

父と母父まではそんなに悪くありません。しかし、祖母の部分の世代が合っていないのが残念です。あと1世代、前に出ていたら良かったのですが。ただ、欧州系のスタミナを生かしている点は迫力がありますね。ただし、ヴィクトワールピサ相手の方が私の好みです。

ヴィクトワールピサ × Sarafina

ディープインパクトは繁殖牝馬の質が前代未聞なくらい豪華です。現時点でCPI=5.22(データ)。AEIが2くらいなら十分にいい種牡馬と言えますから、繁殖牝馬の質を考えるとかなり低いハードルになります(まだ走っている世代数が少ないので、あまり高いAEIは出ていませんが)。

2011 World Thoroughbred Rankings (WTR)

2012-01-12 20:36:57 | 競馬日記
2011 World Thoroughbred Rankings (WTR)が発表されました(全ランキング記事1記事2)。
トップは無敗のマイラーFrankel。136ポンドは2009年のSea the Starsと並ぶ近年最高値です。2位はオーストラリアの無敗のスプリンターBlack Caviar。132ポンドで、セックスアローワンスを4ポンドとすればFrankelに並びます。歴史的マイラーと歴史的スプリンターが世界をリードした1年でした。
3位はCirrus Des Aiglesの128ポンドなのですが、過大評価じゃないかと思います。3位タイに凱旋門賞馬Danedream。牝馬ですので、実質単独3位です。

日本馬のトップは3冠馬オルフェーヴルで、123ポンド。17位タイです。もうちょっと高くてもいいと思うのですがね。ブエナビスタが120ポンド(59位タイ)で、セックスアローワンスをプラスすれば実質トップになってしまいます。オルフェーヴルを124にしてセックスアローワンスを加えれば同じになるくらいがバランスがいいように思うのですが。ちなみに先輩3冠馬ディープインパクトの3歳時は古馬との対決で敗れたにも関わらず124ポンドでした。
オルフェーヴルはExtended部門で122ポンドを得ており、3歳のExtended部門のトップです。ブエナビスタも4歳以上牝馬のLong部門のトップ(記事)。2頭の部門1位が出たことは素直に喜びましょう。
ドバイWC馬ヴィクトワールピサは122ポンド。ドバイで破ったCape Blancoと同じというのは納得いかないです。Cirrus Des AiglesがSo You Thinkを破って認められたのならヴィクトワールピサもCape Blancoより上にして欲しいところです。Cirrus Des Aiglesなんて一昨年のJCで9着だった馬ですよ。

日本のダート馬のトップはスマートファルコンで、118ポンド。オールウェザーではドバイWC1、2着馬のヴィクトワールピサ(122ポンド)、トランセンド(121ポンド)がいます。今年のダート、オールウェザー路線は評価が低く、最高値はRocket Manの125ポンドでした。

115ポンド以上を得たのは352頭。このうち日本調教馬は29頭。昨年は329頭が115ポンド以上で、30頭が日本調教馬でした。頭数もシェアも落ちています。ドバイWCでワンツーがあったのにこれというのはまだまだ政治力がないんだろうなあと思います。更に言えばブエナビスタはJCで凱旋門賞のワンツーに完勝しているのに凱旋門賞馬Danedreamに大きく差を開けられています(凱旋門賞2着のSharetaと同じ)。能力を発揮できる条件が馬によって異なりますし、そのときのコンディションによって走りも変わってきますから、能力通りに走ったのかどうかでレースでのレーティングが変わってくるのですが、日本国内のレースは低く抑えられているように感じてしまいます。