アレフランス賞

アレフランス賞（GIII）はShemimaが勝ちました。アガカーン殿下のオーナーブリーディングホースで、父はカルティエ賞年度代表馬Dalakhani、母は仏オークス馬Shemaka。どちらも当然のようにアガカーン殿下のオーナーブリーディングホースです。ぱっと見の印象でダービー馬Sir Percyを思い出しました。

長距離戦サガロS（GIII）はIndian Ridge産駒Patkaiが勝ちました。母の全兄姉にバイエリシェスツフトレネンのGreek Dance、エクリプス賞最優秀芝牝馬のIslington（JCにも来てくれましたね）。Indian Ridgeは自身が短距離馬で産駒も短いところ向きが多いですが、Patkaiが長いところで活躍しているのはSadler's Wells×Darshaanの重厚な配合の母の影響でしょう。Indian Ridgeは母父Sadler's Wellsと相性が良さそうです。

ケンタッキーダービー枠順

ケンタッキーダービーの枠順と人気が出ています（記事）。
人気の一角だったQuality Roadは回避（記事）。

１番人気は結局、I Want Revengeのまま。２番人気は４億円ホースDunkirk（記事）とPioneerof the Nile。Friesan Fireが４番人気。ここまでそんなに差がありません。

大した根拠はありませんが、本命はFriesan Fireにしています。

JRAブリーズアップセール

JRAブリーズアップセールが行われました。全頭が売れたそうです（記事１、記事２、記事３、JRAサイト）。
昨年、 セイウンワンダー を出したこともあって、不況といわれる中、大盛況でした。

いわゆる良血馬が集まるセールではありませんから、血統的にピンとくる馬は少ないです。セレクトセールなんかと比べての全体的な価格の安さとJRAブランドの信頼感と昨年GI馬を出した成果がポイントだと思います。
その中で、血統的に一番気になったのは上場番号70番のシビルスイートの07です。父内リィフォーと母父シンボリルドルフが呼応してなかなか見どころがあります。と、思ったらマイネルハーティー全弟じゃないですか。既に成果が出ています。
他には日本不向きな感じいっぱいのエンドレスチャントの07、父マーベラスサンデー×母父フォーティナイナー×祖母父Cure the Blues×曾祖母Exclusive Dancer（General Assemblyの母）なら十分良血と呼んでいいんじゃないかと思うフジコウゴールドの07なんかですかね。エンドレスチャントの07の方は日本不向きっぽいとは書いたもののOwen TudorやFair Trialに魅力があります。フジコウゴールドの07の方はHail to Reason、Native Dancer、Tom Foolのクロスが全て系列ぐるみではなく、ちょっとはっきりしない配合ではあります。
調教の時計や馬体などに対する目はまったくありませんので、あまりあてになる評価ではありません。

欧州重賞

ようやく今週の分です。

ガネー賞は仏ダービー馬Vision d'Etatが勝ちました。凱旋門賞５着で、休み明けのアルクール賞を３着。きっちりここを勝ちました。父は社台によって輸入されたチチカステナンゴ。

ヴァントー賞（GIII）はSmart Strike産駒Denominationが勝ちました。牝系はNorthern Dancerと同じですね。米年度代表馬CurlinやJCダートのフリートストリートダンサーの印象が強いSmart Strikeですが、BCターフのEnglish Channel、カナダ年度代表馬Soaring Free、 ブレイクランアウト と芝でも活躍馬を多数出しています。距離も短距離から2400mまで。万能種牡馬ですね。さすがは２年連続北米リーディングサイアー。代表産駒のようにここに挙げた５頭の母父は全てNorthern Dancer系ですね。

バルブヴィル賞（GIII）はGiant's Causeway産駒Pointillisteが勝ちました。パントレセレブルの半弟です。Somethingroyalのクロスには魅力がありますが、パントレセレブルの方がいいですね。

ゴードンリチャーズS（GIII）はSpectrum産駒Tartan Bearerが勝ちました。どこかで見た配合だと思ったらGolanの全弟です。兄は2000ギニー、KGVI&QEDSを勝った名競走馬でJCにも来てくれました。Tartan Bearerは昨年ダンテSを勝っていたんですね。全然気がついていませんでした。配合については見ての通り、中距離を中心の良配合です。父Spectrumはラムタラ世代の愛2000ギニー馬。こちらもバランスのいい中距離タイプの良配合です。

ベット365マイル（サンダウンマイル）(GII）はDesert Style産駒Paco Boyが勝ちました。重賞は４勝目。前走はドバイDFで人気の一角を占めたものの８着でした。Fair Trialの影響の強いスピードタイプと見ていいと思います。

アンブロシアーノ賞（GIII）はSelkirk産駒Selmisが勝ちました。Sharpen Up系は好きです。

ゲルリンク賞（GII）は独ダービー馬Kamsinが勝ちました。Sadler's Wells近交を持つGI馬はまだ少ないと思います（Sadler's Wells = Fairly King 2 x 3を持つRed Rocksぐらいしかぱっと思いつきません）。

欧州重賞回顧続き

ものすごくさかのぼるのはこれで終了。一応、欧州の重賞、アメリカのGIを網羅し（アメリカだけで結構なレースがあるので重賞全部はしんどい）、オセアニアやその他の地区は気になったものだけをピップアップして行ければいいと思っています。

アオフガロップ大賞典（GIII）はLando産駒Ostlandが勝ちました。重賞初勝利ですが、独ダービーでは２着に入っています。半兄Omikronは独ダービー３着でドイツ統一賞の勝ち馬です。
配合はTamerlaneとBirkhahnがクロスするドイツ的配合です。ドイツの特殊な血が血統表の奥でクロスします。Tamerlaneはドイツの血を持ちませんが、Nearco、Gainsborough、Blandfordといった現代競馬の重要な血を近い位置に内包しています。BirkhahnとTamerlaneはPhalarisで結合。いい配合ですね。半兄のOmikronの方は父がGermanyで、名前はドイツを意味しても血統的にはドイツの血を持たず、配合パターンが全然違います。

３歳戦ノアイユ賞（GII）はPlatini産駒Grandcampが勝ちました。仏産ですがドイツ血統ですね。Grandcampの父プラティニとOstlandの父ランドは、ともに父系がSurumuで、JCに出走し好走しました。GrandcampとOstlandは配合のパターンも似ています。母父がドイツの血を持たず、Birkhahnがクロスします。GrandcampはTamerlaneの代わりにZankがクロスします。

アルクール賞（GII）はパントレセレブル産駒Trincotが勝ちました。母父も日本で種牡馬生活を送ったロイヤルアカデミー。祖母内のCadeaux Genereux× Bustino×Silly Seasonという累代配合がいいですね。

グラッドネスS（GIII）はIndian Ridge産駒Mad About Youが勝ちました。母Irresistible JewelはDanehil×Sadler's Wellsのニックスで重賞２勝。JCにも参戦しました。Indian Ridgeとの組み合わせで異系交配です。Djebelをクロスしていますが、Polynesian、Gold Bridge、Nasrullahの影響に短距離適性をみることができます。

欧州重賞まだまだ続き

３歳重賞フォンテーヌブロー賞（GIII）はVerglas産駒Silver Frostが勝ちました。２歳時にカブール賞（GIII）とトマブリョン賞（GIII）を勝っています。父のDjebelをきっちりと生かしているところに好感が持てます。

３歳牝馬重賞グロット賞（GIII）はDanehill Dancer産駒Tamazirteが勝ちました。Danzig - Northern Dancer - Natalma - Native Dancerと系列ぐるみを作る形態です。この形態も徐々に目にするようになってきましたね。Pas de Nomの中のFair Trial、Olympiaを押さえているところがいいです。他にもNative Dancerがまんべんなく８個あるところなど色々見所のある配合です。

３歳重賞ラフォルス賞（GIII）はOn Est Bienが勝ちました。英愛2000ギニーで２着のEnrique産駒です。母のVieux Manoirを生かすにはベストの父ではないのが残念です。

３歳牝馬重賞アンプルダンス賞（GIII）はElusive City産駒Elusive Waveが勝ちました。ちょっとすっきりしない配合ですね。欧州でもこんな感じの配合をよく見るようになった気がします。

欧州の重賞続き

クレイヴァンS（GIII）はDansili産駒Delegatorが勝ちました。Dansili産駒としては標準的な良配合に思います。前走デューハーストSは５着でした。

アールオブセフトンS（GIII）はSilver Hawk産駒Tazeezが勝ちました。セン馬です。NearcoとNashuaが４代目からクロスします。なかなか格好いい配合です。RobertoとMr. Prospectorの組み合わせでNashuaをクロスするのは成功例多数です。

ネルグウィンS（GIII）はSadler's Wells産駒Fantasiaが勝ちました。母父Darshaanでおなじみのニックスです。残り１／４にNorthern Dancerを持つ形態にはSeptimus、Milanがいます。あげた２頭はどちらもセントレジャー馬（英と愛は違いますが）ですね。祖母はチェヴァリーパークSの勝ち馬です。

ペネロープ賞（GIII）はDr Fong産駒Celimeneが勝ちました。整った配合に見えますが、父内にTourbillonがないのが残念です。

まだまだ振り返ります

ドバイ・テニス・チャンピオンシップS（ジョンポーターS）（GIII）はMarju産駒Enrollerが勝ちました。曾祖母の姉Walenseeはヴェルメイユ賞の勝ち馬であり、名ステイヤーWesternerの母です。Westernerは配合がファインモーションと同じパターンです。

ドハイ・デューティ・フリーS（フレッドダーリングS）（GIII）はRedback産駒Lahaleebが勝ちました。父は2000ギニーでロックオブジブラルタルの３着、レーシングポストトロフィーでHigh Chaparralの３着に入った馬です。母父Blushing Flameの母はSalsabilの全姉です。Enrollerの父MarjuもSalsabilの半弟ですね。

グリーナムS（GIII）はVindication産駒Vocalisedが勝ちました。祖母があのSerena's Songじゃないですか。スパークキャンドルは今何をやっているのでしょう。

ヨーロッパの重賞

海外でもクラシックが始まっています。

パリオリ賞こと伊2000ギニー（悲しいかなGIII）はLibanoが勝ちました。Indian Ridge産駒です。Nasrullahを中心としたシンプルな異系交配で好きなタイプです。

カルロチエサ賞（GIII）はDesert Prince産駒L'Indiscretaが勝ちました。Desert Prince x Dominion x マナード x HabitatでNearco系４段付けです。あまり面白くないですね。

アイルランドの３歳戦バリサックスS（GIII）はMontjeu産駒Fame and Gloryが勝ちました。エイダンが管理しています。昨年、クリテリウムドサンクルーでGIを勝っており、年明け初戦をあっさりと勝ちました。祖母が独1000ギニー馬でドイツ血統です。母方にドイツの血を持つMontjeu産駒といえばHurricane Runですね。

ドイツの３歳GIIIドクトルブッシュメモリアルはIrianが勝ちました。シュレンダーハン牧場の生産で、曾祖母は独オークス馬です。父Tertullianもシュレンダーハン牧場生産で、配合は父Miswaki×母父Trempolino×祖母Allegretta。Urban Seaの３/４同血です。Urban Seaとは違い、短距離で活躍しました。本馬はアメリカンなRaise a Native 4 x 5がリードしますが、ドイツの血もBay Ronaldによって結合します。

オーストラリアのGI３つ

４月１１日に行われたWATCダービーはMarkus Maximusが勝ちました。ペンタイア産駒です。Northern Dancer 3 x 4. 5、Mill Reef 3 x 4、Milan Mill 4 x 5. 5。父ペンタイア≒母父ラストタイクーン≒祖母父Western Symphonyという形態です。

４月１８日に行われたTJスミスは テイクオーバーターゲット が勝ちました。久々のGI勝利で、GI７勝目。素晴らしい馬ですね。

エミレーツドンカスターマイルはカーネギー産駒Vision and Power勝ちました。GI連勝です。母父のCentaineがいいですね。