うぉんばっとな毎日

大用、現前するとき、軌則を存せず

欧州3カ国春のクラシック終了

2018-07-25 00:16:57 | 競馬資料
春のクラシックが全てGIである欧州3カ国における春のクラシックの勝ち馬の父を2000年から表にしました(Thoroughbred Databaseからのコピペで作ったので、全大文字で名前の後ろに番号の付いているものがあります)。



いくつか気づいたことを。
・アメリカではEl Pradoのラインが頑張っており、日本ではオペラハウスが当たるとでかいところを見せましたが、ヨーロッパでは要するにGalileoMontjeuなんですね。あれだけたくさんの活躍馬を出したにもかかわらず。この2つを経ない系統では直仔ではEntrepreneurRefuse to Bend、第2世代(直仔を第1世代として)ではIn the Wings産駒Singspielが一度ずつこの表に登場するだけです。

・Sadler's Wells直仔の産駒が今年のこの12レースを制したのはGalileo産駒の1回だけ。これはGalileo産駒で言えば2010年以来、Sadler's Wells直仔産駒で言えば2009年以来。Montjeuは既に亡くなり、Galileoも今年でもう20歳ですから、馬の寿命的にそろそろ厳しくなってきていると思っていいのではないでしょうか。日本では今年、春のクラシック4レースで3着以内に入ったディープインパクト産駒はワグネリアンだけでした。ディープインパクトは今年16歳。もう少し大丈夫でしょうが、こっちも曲がり角が近づきつつあるように思います。

・フランスではSadler's Wells系はあまり勝っていないんですね。Sadler's WellsもGalileoもMontjeuもCoolmoreアイルランド繋養で、活躍する馬にBallydoyle所属が多いので、アイルランドとイギリスが主戦場という点はあるでしょうが、もうちょっと勝っていると思っていました。

・この表にディープインパクトは3回登場。欧州の名種牡馬に全く引けを取りません。

凱旋門賞の前走について22年分

2014-09-23 01:08:15 | 競馬資料
2012年に過去20年の凱旋門賞1、2着とその前走及びそれらが凱旋門賞の何日前だったのかをまとめましたが(ブログ1ブログ2)、そこから2年経ちましたので2年分を追加して表とグラフを作りました。


(クリックで大きい表)



この2年は1着ヴェルメイユ賞組、2着フォワ賞組(というかオルフェーヴル)でした。よって、グラフの方では21日前のところが1着、2着ともに2つずつ上乗せされただけです。
近年の傾向としては、一つはZarkava以降、ヴェルメイユ賞組が絶好調であることです。6年で3勝、2着1回です。この間、フォワ賞組も1着こそありませんが、3連対と健闘しています。が、これらは全て日本の馬。二ノ宮師、池江師あたりはフォワ賞を叩くパターンを手のうちに入れているかもしれません。逆に、近年不振なのは以前は強くて強くてたまらなかったニエル賞組です。2006年にRail Linkが勝って以降、連対すらありません。同じ3週前の重賞なのに、明暗が分かれています。
日本からは今年、ジャスタウェイゴールドシップハープスターが参戦します。ジャスタウェイは安田記念からの直行でこれは119日前のレース、ゴールドシップ、ハープスターはともに札幌記念からの参戦でこれは42日前のレースです。ジャスタウェイは型破りですね。さてさて、どんな結果が出るでしょうか。
3週前に行われるロンシャンの凱旋門賞前哨戦3つが突出して実績があるが、勝ちに行く馬がここをプレップに選ぶことが多いことも影響している、3週前のロンシャンの3重賞以外では特に傾向が見られない、というのが私の一応のまとめになっています。長距離輸送がありますから、日本の馬が札幌記念から向かうのは一つのやり方だろうと思っており、ゴールドシップ、ハープスターでこのパターンが試されるのが楽しみではありますが、ジャスタウェイの119日前の安田記念からの参戦というのは、臨戦過程においてもいきなりの距離延長という点においても(前走の距離もまとめてみるべきですね)型破りそのものです。

三里塚御料牧場記念館番外編

2008-02-10 21:32:25 | 競馬資料
前のブログの続き。
おまけとして航空科学博物館に行ってきました。

博物館内に空港の縮尺模型がありました。そこに三里塚記念公園もありました。空港との位置関係はこんな感じです。
模型


展望台から見た三里塚記念公園方面。
模型


三里塚御料牧場記念館の資料。
パンフレット


小学生用の資料です。
パンフレット


年表。裏面まで続きます。詳しく見たい方は行ってもらってきてください。
パンフレット


こっちは航空科学博物館の資料と入場券。入場料大人500円。JAF割引が使えますので、会員の方は会員証を忘れずに。
パンフレット


感想:
小さい公園で小さい記念館ですが、安田伊左衛門書のダイオライトの碑があったり、競馬人としてときめくものがありました。
ここに下総牧場時代の地図がありますが、記念館内で昔はもっと広かったことを説明していただきました。

追記:
下総種馬場は閉鎖されたのですね(記事)。

三里塚御料牧場記念館

2008-02-10 21:14:00 | 競馬資料
下総御料牧場の跡にある三里塚御料牧場記念館に行ってきました(地図)。県道62号線(芝山はにわ道)沿い、三里塚交差点(106号との交差点)の北に三里塚記念公園の入り口があり、横に駐車場があります。駐車できる台数は少ないですが(10台程度)、すいていました。というか、他の客を見ませんでした。


三里塚記念公園の入り口です。奥の建物が三里塚御料牧場記念館です。
三里塚記念公園の門


門の横の説明板。
三里塚記念公園の説明


記念館です。入館無料。館内は写真撮影禁止です。おじさんが少し説明してくれました。競馬関係の展示物としてはヒサトモの像、トウルヌソル、ダイオライトの写真などがありました。
三里塚御料牧場記念館


公園内には記念碑がありました。右からトウルヌソル、ダイオライト、獣医学の碑です。
石碑


トウルヌソルの碑です。裏には血統、産駒成績などが書いてありました。
石碑


ダイオライトの碑です。安田伊左衛門書とあります。
石碑


御料牧場は獣医学発祥の地のようです。
石碑


第五代場長新山荘輔博士の像です。
像


記念碑の裏から撮ると記念碑、像、建物の位置はこのようになります。
石碑の裏から


公園内には貴賓館があります。工事中のようでした。
貴賓館


貴賓館の敷地内の高村光太郎の碑。
高村光太郎

長くなるので番外編へ。

星若のファミリーナンバーについて

2008-01-21 21:22:13 | 競馬資料
下総御料牧場の基礎繁殖牝馬として名高い星若のファミリーナンバーについて混乱がありました。
それはPed Net(Pedigree - 星若)やnetkeiba.com(血統|テンポイント|馬|Um@SQL)ではF-No.3となっているのにThoroughbred Database(Ima Baby offspring)ではF-No.11-aとなっているというものです。
ちょっと困って、ネットで分かる範囲でいろいろ調べてみました。

・Japan Bloodstock(ワカオライデン (栗毛 牡 1981年生 FNO: 3))ではF-No.3です。

・英1000ギニー馬Caraやアルゼンチンの名馬Yatastoが同じ牝系に属するので探してみれば、どちらもF-No.3としているものを見つけました(One Thousand Guineas WinnerGran Premio Carlos Pellegrini Winner)。

・Wikipediaを調べると、テンポイントの項目ではもともと3号族となっていたのに2007年12月3日に11-aに変更されています(テンポイント 版間での差分)。
(2008年1月30日に3号族に変更されました->テンポイント 版間での差分

・セリのときの資料でも見つかるかと思い、googleでpdfを探してみました(ワカクモ filetype:pdf - Google 検索)。HBAやラフィアンが3号族としているのでこっちの方が正しそうです。

どこで混乱が生じたんだろうと思いました。行き着いたのはFanchonです。例えば英1000ギニー馬Caraの母はFanchonですが、Thoroughbred DatabaseではCaraの母をFanchon(1834)としています(Cara)。Caraは1836年生なのでこれはおかしいです。1歳のときに受胎したことになってしまいます。
Fanchonという名の牝馬には1827年生のものがおり(Fanchon)、Ped Netではこちらの方をCaraの母として採用しています(Cara)。星若はCaraの子孫です(牝系図)。

こんな感じで3号族と考えるのが正しいように思います。

芦毛の起源その2

2007-04-12 21:40:00 | 競馬資料
以前、芦毛の起源について書きました(ブログ)。
そこでは「現在の芦毛馬の多くがThe Tetrach - Roi Herode父子を起源としている」ことから、Roi Herodeからさかのぼって芦毛の祖先を探しました。

しかし、現在アメリカで、芦毛の遺伝子をRoi Herodeから受け取っていないと思われる芦毛馬が活躍中です。
それはPop Goes the Tigerで、ホーリーブルS(GIII)でNobiz Like Shobizの5着に入った芦毛馬です。
この芦毛の遺伝子をどのような経路で受け取ったのか、Thoroughbred Databaseでさかのぼっていきます。

Pop Goes the Tiger(2004) - Gem Pop(1991)f - Poly Pop(1982)f - Love That Blue(1975)f - Lisa(1960)f - Leyenda(1943)f - Lemuria(1938)f - Lemonetta(1927)f - Barrulet(1918)f - Barrier(1910)f - Grey Leg(1891) - Pepper and Salt(1882) - Oxford Mixture(1870)f - Irish Belle(1859)f - Colleen Dhas(1842)f - Rust(1830) - Master Robert(1811)

Roi Herodeの場合でも、Master Robert(1811)を経由して芦毛の遺伝子を受け取っています。また、Master Robert(1811)以降では父母のどちらもが芦毛の場合がないことから、以前計算した確率自体は変わりません。

他にもCryptotuneという馬も見つけました。

Cryptotune(1997) - Rachel Elizabeth(1991)f - Proper Pickings(1975)f - Nice Girl(1964)f - Greenogan(1956)f - Emerald Green(1944)f - Pampas Grass(1932) - Silver Grass(1920)f - Silver Spray(1912)f - Grey Leg(1891)

Pop Goes the Tigerと同じくGrey Leg(1891)に行き着きます。Grey Legも「近い世代の芦毛の祖先」と呼んでいいでしょう。
Grey LegはオールエイジドS(現在のゴールデンジュビリーS)を勝った快速馬で、種牡馬としては成功したとは言いがたいものの、牝系に入ってPrince RoseAirborneのような名馬を出しました(Airborneの芦毛はGrey Legに由来します)。ちなみにGrey LegもRoi Herodeと同じHerod系です。Grey Legについてはこちらをご覧ください。

(ちなみにRoi Herode、Grey Leg共通の芦毛の祖先Master RobertもHerod系。さかのぼっていった際に両親ともに芦毛となる最初の分岐点BabもHerod系。芦毛の継承にはHerod系が何故か深く関わっています。)

Cryptotuneの曾祖母Nice Girlから芦毛の牝馬が他にも出ているようですし、Pop Goes the Tigerの母Gem Popも芦毛の牝馬を出しています。探せばGrey Leg(およびその先祖)に由来する芦毛馬が他にも見つかるでしょうし、今後も少なくともしばらくは絶えずに残っていくでしょう。

と思って、ちょっと探してみましたが、例えばAirborneを通して芦毛遺伝子を受け取った種牡馬にはHuido(アルゼンチンダービー馬)がいます。また、アルゼンチン4冠馬Pippermint(母父がGrey Legの父Pepper and Salt)の血を引く馬、例えばウルグアイ4冠馬Amodeoや、PopularManchegoHardly Legalなどの種牡馬の芦毛の仔が現在でもいることでしょう。南米にたくさん残っていそうですね。南米は恐るべきところで、ウルグアイで供用されている(今もかは知らない)Andanteの場合、Roi Herodeの父Le Samaritainより芦毛の遺伝子を受け取っています。常識的には、「現代の芦毛馬の祖先はRoi HerodeとGrey Legである」で良さそうなものの、南米ではそんな常識は通用しません。現在はほかの地域ではほとんど目にすることがなくなったHurry On系が父系として残っていたり(私のハンドルmuch_betterはMuch Betterから取りました)、血統の保存に大きく貢献しています。

デビュー前に評判になった馬のその後

2007-02-21 22:33:00 | 競馬資料
Fasliyev産駒のコンゴウダイオーはデビュー前から評判で新聞でもよく取り上げられました(記事)。
しかし、評判通りに勝ちあがることはなく、ダートの短距離に活路を見出し、現在12戦2勝です(netkeiba-コンゴウダイオー)。
配合には特に強調すべき点が見つからず、現時点の中央収得賞金3,183.6万円はがんばっている方だと思います。調教で抜群の動きを見せていただけあって、堅実に走っています。ただ、デビュー前に評判になっている時に、この配合でそんなにすごいのかと驚きました。

トレーニングセールにて1600万ドルでCoolmoreに落札されたForestryの牡馬The Green Monkeyブログ)は未だにデビューしていません。
そのときのブログに早熟スピード馬だと書いたのですが、デビューの遅れは致命的な気がします。BCジュヴェナイルが現実的に一番狙えるビッグタイトルだったと思います。競走馬としてビッグタイトルを取る可能性は低くなったように思いますし、また血統的に見るべき点がないため、種牡馬としては更に厳しいでしょう。
この馬が1600万ドルで落札されたときのからくりについての一つの推測を見つけました。Godolphinをやり込めるために八百長まがいを仕込んだ、って話です(世界レコードの裏側)。しかし、このままだと形だけとは言え1600万ドルの値を付けてしまったCoolmoreの方が恥をかいてしまいます(歴代高額落札馬のチャートを見るたびにCoolmoreがえらい金額で落としたものの全然駄目だったなあと思うことでしょう)。裏での売却価格とされている500万ドルでも高いですね。
同じForestry産駒のDiscreet Cat(Coolmoreの敵であるGodolphin所属)みたいに3歳後半から活躍するのでしょうか。個人的にはDiscreet Catの配合の方が整合性がとれていて好きです(関連ブログ)。

2004年のセレクトセールで4.9億円の値が付いたザサンデーフサイチは新馬戦で3着に破れたあと故障し、休養しています。その新馬戦で勝ったのは共同通信杯2着のダイレクトキャッチで、自身も上がり3F33.9でそこそこの競馬は見せていました。配合からは姉たちを超える要素が見当たらないので、過度な期待はできませんが、菊花賞に間に合えばいいかもしれません。

同じく関口氏が高額で落札し話題になったフサイチギガダイヤMr. Sekiguchi(両方2003年生)(ブログ)では、やはりフサイチギガダイヤの方が頑張っています。そしてフサイチギガダイヤはやはりダート戦に活路を見出し(父Storm Cat×母Fusaichi Pegasus全妹では一見してダート向き)、2007年2月現在、8戦3勝、ダート戦に限れば5戦3勝で掲示板を外していません。JCダートが最大の目標になるのでしょう。Mr. Sekiguchiの方は3戦1勝。今後も期待が持てないです。Mr. Sekiguchiの配合はStevie Wonderboyと見た目のイメージがかぶりますね。Stevie Wonderboyのように2歳時の一発勝負が一番可能性があったでしょう。

同じく関口氏の高額落札馬Fusaichi Samurai(2002年生)はこちらも3戦1勝。Mr. Proscpetor2×3、Northern Dancer4×4の明らかにヤバそうなクロスがあります。

どんな根拠があってこんな配合の馬に高い金を出すのでしょうか。高い金を払って勝った馬をアメリカで走らせるということはケンタッキーダービーかBCクラシックを目標にするのでしょう。1980年以降のケンタッキーダービー馬でもっとも近い近親交配を持つのはReal Quietで、Raise a Nativeの4×3です。その次は3×5(5×3)で、Fusaichi Pegasus(Native Dancer3×5)、カリズマティック(Sir Gaylord5×3)、Gato Del Sol(Madara=Royal Charger3×5)です。BCクラシック馬では、Volponi(Mr. Prospector3×4、Hoist the Flag3×4)とWild Again(Nearco3×4、Hyperion4×3)が最も大きな近交を持ち、次がアルカング(Klairon3×4)、A. P. Indy(Bold Ruler4×3)です。2×3や3×3のクロスを持つ馬(Fusaichi SamuraiとMr. Sekiguchiのこと)は、このクロスを見た時点で、ケンタッキーダービーやBCクラシックを勝つことはない馬だな、と判断できなければなりません。
1979年までさかのぼれば、To Market3×3を持つSpectacular Bidがケンタッキーダービーを勝っています。Mr. Sekiguchiを見て、この歴史的名馬に匹敵するものを感じたのでしょうか。

芦毛の起源

2006-12-18 20:48:29 | 競馬資料
馬の毛色について調べていたところ、Wikipediaのオルコックアラビアン系の項目に芦毛の起源について書いてありました。
オルコックアラビアンが起源だと勝手に思っていたのですが、そうでない可能性もあるのですね。
オルコックアラビアンが起源である可能性は75%、ブラウンロータークとフェアファックスモロッコバルブがそれぞれ12.5%の確率なそうです。
どういう意味なのか調べてみましょう。


まず、近い世代の芦毛の祖先を探してみることにします。

オグリキャップの場合:
父ダンシングキャップも母ホワイトナルビーも芦毛です。オグリキャップの芦毛が父母どちらから遺伝したものであるかは五分五分です。
父の方の芦毛はNative Dancer(1950) - Geisha(1943)f - Miyako(1935)f - La Chica(1930)f - La Grisette(1915)f - Roi Herode(1904)までさかのぼれます。
母の方はシルバーシャーク(1963) - Palsaka(1954)f - Palestine(1947) - Una(1930)f - Tetratema(1917) - The Tetrarch(1911) - Roi Herode(1904)って感じです。
どちらをたどってもRoi Herodeに行き着きます。

タマモクロスビワハヤヒデの場合:
ともに父系がフォルティノでここから芦毛遺伝子を受け取っています。
フォルティノ(1959)をさかのぼると、
Grey Sovereign(1948) - Kong(1933)f - Baytown(1925) - Princess Herodias(1920)f - Queen Herodias(1920)f - The Tetrarch(1911) - Roi Herode(1904)って感じです。
ここでもRoi Herodeに行き着きます。

メジロマックイーンの場合:
メジロティターン(1978) - メジロアサマ(1966) - スヰート(1951)f - First Fiddle(1939) - Royal Minstrel(1925) - Tetratema(1917) - The Tetrarch(1911)。

スピードワールドの場合:
母Gray Tabが芦毛でその父母両方も芦毛です。
母の父の方をたどれば
Zulu Tom(1969) - Zulu Dancer(1961)f - Native Dancer(1950)となり、これ以前はオグリキャップと同じです。
母の母の方をたどれば
Pro Tab(1973)f - Al Hattab(1966)。Al Hattabは父母両方が芦毛。父方をたどるとThe Axe(1958) - Mahmoud(1933) - Mah Mahal(1928)f - Mumtaz Mahal(1921) - The Tetrarch(1911)、母方をたどるとAbyssinia(1953)f - Abernant(1946) - Rustom Mahal(1934) - Mumtaz Mahal(1921)f - The Tetrarch(1911)。

実際に数頭見てみましたが、これら全てThe Tetrach - Roi Herode父子から芦毛遺伝子を受け取っています。
現在の芦毛馬の多くがThe Tetrach - Roi Herode父子を起源としているとされています(ザテトラーク - Wikipedia)。


それでRoi Herode起源説を信じることにし、ここからさかのぼっていきます。データはThoroughbred Databaseのを使います。

Roi Herode(1904) - Le Samaritain(1895) - Le Sancy(1884) - Gem of Gems(1873)f - Strathconan(1863) - Souvenir(1856)f - Chanticleer(1843) - Whim(1832)f - Drone(1823) - Master Robert(1811) - Spinster(1805)f - Sir Peter Mare(1797)f - Bab(1787)f・・・(A)

Babは父母両方が芦毛です。どちらの芦毛が伝わったのかは分からず、50%ずつの確率と考えていいでしょう。

父方をたどると、
(A)・・・Bourdeaux(1774) - Cygnet Mare(1761)f - Cygnet(1751) - Godolphin Blossom(?)f・・・(B)

ここで再び父母の両方が芦毛です。ここも50%ずつの確率と考えていいでしょう。

父方をたどると、
(B)・・・Crab(1722) - Alcock Arabian(1700)・・・(C)

母方をたどると
(B)・・・Sister Three to Steady(?)f - Miss Belvoir(?)f・・・(D)

ここでまた父母の両方が芦毛です。ここも50%ずつの確率と考えていいでしょう。

父方をたどると、
(D)・・・Grey Grantham(1714) - Brownlow Turk(1704)・・・(E)

母方をたどると、
(D)・・・Paget Turk Mare(?)f - Betty Percinal(?)f - Spanker Mare(?)f - Old Morocco Mare(?)f - Fairfax Morocco Barb(?)・・・(F)

次にBabの母方です。
(A)・・・Speranza(1778)f - Virago(1764)f - Regulus Mare(?)f - Crab Mare(1750)f - Crab(1722) - Alcock Arabian(1700)・・・(G)

それでは確率です。
(A)~(B)~(C)のAlcock Arabianに行き着く確率は、50%の50%なので、25%。
(A)~(B)~(D)~(E)のBrownlow Turkに行き着く確率は、50%の50%の50%なので、12.5%。
(A)~(B)~(D)~(F)のFairfax Morocco Barbに行き着く確率は、50%の50%の50%なので、12.5%。
(A)~(G)のAlcock Arabianに行き着く確率は、50%。

合計すると、Alcock Arabianが芦毛の起源である確率は75%、Brownlow TurkとFairfax Morocco Barbはそれぞれ12.5%。

Wikipediaのオルコックアラビアン系の項目に記されている確率と一致します。現在の芦毛馬はRoi HerodeもしくはBab以降のRoi Herodeの祖先から芦毛の遺伝子を受け取ったと考えられているようです。


注:このブログはWikipediaのオルコックアラビアン系の項目2006年9月16日 (土) 19:36の版を見て書いたのですが、2007年1月6日 (土) 14:44の版以降ではここで書いた芦毛の起源についてのまとめが追加されています。私が書いたわけではありません。


・・・芦毛の起源その2へ続く・・・

フォーティナイナー

2006-10-26 22:36:11 | 競馬資料
フォーティナイナーは種牡馬の父として非常に優秀です。
孫の代のGI馬を探してみました。

エンドスウィープ(ジャージーショアBCS(米GIII))の産駒に
Clean Sweep(ニュージーランド2000ギニー(新))
Dark Ending(シリーンS(加))
スウェプトオーヴァーボード(アンシェントタイトルBCH(米)、メトロポリタンH(米))
Trippi(ヴォスバーグS(米))
ラインクラフト(NHKマイルC(日)、桜花賞(日))
スイープトウショウ(秋華賞(日)、エリザベス女王杯(日)、宝塚記念(日))

Luhuk(ファウンデイションS(英L)、アーリントン国際競馬場S(英L))の産駒に
Guernika(1000ギニー大賞典(亜)、亜1000ギニー(亜)、カレラエストレージャスディスタフ(亜)、パレルモ大賞典(亜))
Avanzado(アンシェントタイトルBCH(米))
Rosa Miss(サトゥルニノJウンスエ大賞典(亜))
Zanzibar(サンティアゴルーロ大賞典(亜))

Rich Man's Gold(レベルS( 米GIII2着))の産駒に
Lido Palace(ウッドワードS(米)2回、ホイットニーH(米)、タンエオデポトリヨス(智)、ドスミルギニー(智)、セントレジャー(智)、グランクリテリウム(智))

Distorted Humor(コモンウエルスBCS(米GII)、チャーチルダウンズH(米GII))の産駒に
Awesome Humor(スピナウェーS(米))
Funny Cide(ケンタッキーダービー(米)、プリークネスS(米)、ジョッキークラブGC(米))
Commentator(ホイットニーH(米))
Flower Alley(トラヴァーズS(米))
Fourty Niners Son(クレメントLハーシュメモリアルターフチャンピオンシップH(米))
Rinky Dink(オーストラレイシアンオークス(豪))

Roar(ジムビームS(米GII)、スウェイルS(米GIII))の産駒に
Forty Doriana(フェリックスデアルザガウンスエ大賞典(亜)、シウダデブエノスアイレス大賞典(亜)、スイパチャ大賞典(亜))
Forty Fabuloso(ホアキンVゴンザレス大賞典(亜)、ホアキンSデアンチョレナ大賞典(亜))
Forty Greeta(ホルヘデアトゥーチャ大賞典(亜)、エストレージャスジュヴェナイルフィリーズ大賞典(亜))
Forty Marchanta(ポトランカス大賞典(亜)、亜1000ギニー(亜)、亜オークス(亜))
Forty Mirage(ラウルイラウルEチェヴァリエル大賞典(亜)、エストレージャスジュヴェナイル大賞典(亜))
Little Jim(モンテヴィデオ大賞典(亜))
Sadler's Roar(サンチャゴルーロ大賞典(亜))

Gold Fever(NYRAマイル(米))の産駒に
A Bit o'Gold(プリンスオブウェールズS(加)、ブリーダーズS(加)、コロネーションフューチュリティ(加))
Arco's Gold(コロネーションフューチュリティ(加))

Jules(ナシュアS(米GIII))の産駒に
Peace Rules(ブルーグラスS(米)、ハスケル招待H(米)、サバーバンH(米))
Must Be Flying(エンリケポッソーロ大賞典(伯))
New Famous(リオデジャネイロ州大賞典(伯))
Notificado(共和国大統領大賞典(伯))
Novellista(フランシスコエドゥアルドデポーラマチャド大賞典(伯))

コロナドズクエスト(ハスケル招待H(米)、トラヴァーズS(米))の産駒に
Society Selection(フリゼットS(米)、アラバマS(米)、テストS(米))

ざっと探しただけでけっこうな量になってしまいました(レースの日本語名には自信がありません)。
北米、南米、オセアニア、日本でGIを勝っています。これだけすごい種牡馬が日本でくすぶっている(日本のリーディングサイアー10位以内に2回も入った馬に失礼か)のが不思議です。アメリカに再輸出して、有望そうな種牡馬を輸入すれば効率的なのではないでしょうか(牝系に入れて将来的にいい馬を出そうという戦略的配合をしているならいいのですが)。また、どの地域で種牡馬としての芽が出るかはわかりませんので、日本での産駒でも積極的に世界に還元して欲しいです。その意味ではユートピアSunday Breakの今後に期待したいです。ダート戦で堅実に活躍したビワシンセイキは韓国に輸出されました。母はStorm Birdの全妹です。韓国の馬産は本格化し出したところです。日本でも名馬のコピー(例えばTrigoの全弟プリメロ)や名馬の近親(例えばSolarioの甥セフト)の準一流馬が種牡馬としては競走馬の質の向上に貢献しました。ビワシンセイキを狙ったのはなかなかいい線行っているんではないでしょうか。当地でいい仔を出してほしいです。
活躍する種牡馬の競争成績自体はあまりよくないのが特徴です。代表産駒と言えるEditor's Note(ベルモントS、スーパーダービー)はGI馬を出していません。

さて、天皇賞秋出走馬ではサンデーサイレンス産駒が6頭、スペシャルウィーク産駒1頭、ダンスインザダーク産駒1頭で、サンデーサイレンス系は計8頭です。その他の系統ではグラスワンダー産駒2頭、Singspiel産駒2頭、ミラクルアドマイヤ産駒1頭、Swain産駒1頭、ザグレブ産駒1頭、エンドスウィープ産駒2頭。サンデーサンレンス系は17頭中8頭。サンデーサイレンス系の大将2頭(ディープインパクト、ハーツクライ)がいないこのレース。勝つのはサンデーサイレンス系か、それ以外か、どちらでしょうか。私はエンドスウィープ産駒2頭に期待しています。

ところで、GIIの鬼バランスオブゲームのアクシデントは非常に残念です(記事)。

(なんでこんなリストを作ったかというと、「フォーティナイナーが種牡馬の父として優秀である」という文脈でブログを書くことがあるので(ブログ1ブログ2)、一度作っておけば便利かと思ったのです。)