最近、海外競馬の情報収集をさぼり勝ちですが、その間にペンタイアの仔がニュージーランドでGIを勝っていました。
2月7日のワイカトドラフトスプリントを勝った
Mufhasaです。
ペンタイアは日本では駄目でしたが、オセアニアではなかなかいいですね。ニュージーランド年度代表馬
Xcellentを始め、何頭かGI馬を出しています。
最前面クロスはTudor Minstrelの4 x 5です。この形態はそれほど成功例の記憶がないのですが、
テイクオーバーターゲットがこのクロスを持っていました。テイクオーバーターゲットもMufhasaもオセアニア産のスプリンターですね。もちろんTudor Minstrelはマイル以下では無敵の名マイラーでした。
テイクオーバーターゲットのように系列ぐるみを形成しているわけではありませんが、Pharos = FairwayやHyperion - Gainsboroughが十分にありますから効能がありそうです。
Mufhasaもテイクオーバータゲットも好きな配合です。
Tudor Minstrelはダービー馬
Owen Tudor産駒です。Owen Tudorは
Right Royalのような中長距離タイプの大物も出しましたが、牝系Lady Josephineとの組み合わせで名マイラーTudor Minstrel、名スプリンター
Abernantを出しています。
Abernantの血は日本では
スティールハートによって広まりました。スティールハートは父もHabitatという生粋の短距離血統で、
ニホンピロウイナーが代表産駒になります。ニホンピロウイナーも種牡馬として成功し、単なる短距離馬ではない短距離馬
ヤマニンゼファー(Owen Tudorのクロスを持つ)を出しましたが、ここで父系は途切れてしまいました。スティールハート、ニホンピロウイナー、ヤマニンゼファーは母父としても注目していたのですが、GIを勝つような活躍馬は出せていません。桜花賞、オークス2着の
エフティマイアが一番惜しいケースになります。
Abernant、スティールハートというキーワードから思い出す活躍馬としては2000ギニーの
キングオブキングスがいます。母がスティールハートの3/4同血です。欧州中長距離タイプの大物を出すのが真骨頂のSadler's Wellsの仔としてはこの母の持つスピードが魅力でした。
Abernantの血は
Derring-Doの母父としても見ることがあります。Derring-Doはマイラーですが、産駒の本邦輸入種牡馬
ハンターコムは母も短距離血統であり、スプリンターでした。皐月賞馬
ダイナコスモスを出し、ダイナコスモスはマイル戦無敗の名マイラー
トロットサンダーを出しました。この父系もここまでスピードの血を繋ぎましたが、トロットサンダーで途切れることとなりました。
Derring-Doのもう一つの系統は
High Topを通る系統です。High Topは2000ギニー馬ですが、母父ヴィミーの影響か、短距離馬という印象はなく、代表産駒の
Top Villeは仏ダービー馬です。またこの系統はSadler's Wellsとの相性がよく、母父Derring-Doには
オールドヴィック(母がHigh Topと同血)、母父High Topには
オペラハウス、母父Top Villeには
Montjeuがいます。これらは全て中長距離タイプです。
Derring-Doの系統ではマイラーの
Dominionはチャンピオンスプリンターの
Primo Dominieを出しました。Primo Dominieもスピード系種牡馬でミドルパークSの
First Trump、
Primo Valentinoを出して父系を伸ばしています。
Abernantを持つ馬で、日本で忘れてはならないと思っているものにオークス馬
ケイキロクがいます(祖母父がAbernant)。産駒の
ナリタビッグワンは父がオールドヴィックであるためにAbernant5 x 4の珍しいクロスが発生しています。このクロスの効果に日本適性を期待したのですが、上手く育ちきれませんでした。
皐月賞馬
ナリタタイシンは母タイシンリリィがケイキロクの3/4同血です。スタミナ豊富な配合の中でAbernantはスピード源として貴重な役割を果たしています。
Tudor Minstrelから始まりAbernantについて書き散らかしてしまいました。