うぉんばっとな毎日

大用、現前するとき、軌則を存せず

サンチャリオットS

2012-09-30 00:50:45 | 競馬日記
サンチャリオットSはSiyoumaが勝ちました。
アガカーンスタッド出身で、ジャン・リュック・ラガルデール賞のSiyouniの半妹です。

母がラガルデール出身で、Danehill産駒だけに、アガカーンスタッド風味がかなり減少していますが、父がMr. Prospector系では芝向きで距離克服能力があるMediceanであり、またBayrirのようなGI勝利の前例があるので、それほど変な印象はありません。

SiyoumaはMr. Prospectorの3 x 4とNorthern Dancer 4 x 4の系列ぐるみが目に付きます。Northern Dancer 4 x 4の方はNorthern Dancer - Nearctic - Nearco - Pharos - Phalaris - Polymelus、Northern Dancer - Natalma - Almahmoud - Mahmoud - Blenheim - Blandfordと父母両方で系列ぐるみになります(Native Dancerもクロス)。Northern Dancerの生かし方という点では100%に近いと思います。あとはノーザンテーストを持ってきてLady Angelaをクロスすればほぼ終了です。つまり、繁殖牝馬になったときにオルフェーヴルかドリームジャーニーかでいかがですかってことです(残念ながらゴールドシップだとHail to Reasonクロスが邪魔に感じます)。


Tiger Hill死亡

2012-09-28 20:23:45 | 競馬日記
Tiger Hillが亡くなったようですね(記事1記事2)。骨折が原因とのこと。17歳でした。

ドイツのシールゲン師(Danedreamを管理し、独ダービーも3回制しているドイツの名調教師です)のところで管理され、バーデン大賞典(2回)とバイエリシェスツフトレネンを制しました。1999年のJCにも参戦し、スペシャルウィークの10着に敗れました。
引退後、2001年からシュレンダーハン牧場に繋養され、2006年からDarleyのDalham Hall Stud、2008年に1年だけ同じくDarleyのKildangan Studに移りましたが、翌年から2010年まで再びDalham Hall Studに戻りました。そして2011年からドイツのフェールホフ牧場。名門牧場を渡り歩いたことから分かるようにかなり期待された種牡馬でした。

出したGI馬は3頭。シールゲン師が管理した独オークス馬Iota、同じくシールゲン師が管理した伊グランクリテリウム馬KonigstigerとGodolphin所有でDararaの仔Rewildingブログ)です。Rewildingは母が素晴らしいですから種牡馬としても期待されたでしょうが、残念ながらKジョージで命を落としました。Konigstigerもペンタイアの甥という良血馬で、フェールホフ牧場で5年間供用された後、現在はツォッペンブロイヒ牧場(Konigsstuhlを出したこちらも名門)に移っています。

Tiger Hillはアイルランド生まれですが、生産者はドイツのヴィッテキンズホフ牧場で、牝系はドイツ血統を持ちます。母父は伊ダービー馬Appiani。母父Herbager系の種牡馬ってのはかなり希少になっていたでしょう。母がNearcoを持たず、AppianiのHyperionの影響が強い中長距離型でした。特殊な血統で、牝系に入っての活躍も期待したいです。Hyperionたっぷり血統ですから、もうちょっと産駒が日本に輸入されても良かったんじゃないかと思います。

Toby's Corner輸入

2012-09-27 21:24:40 | 競馬日記
日高スタリオンステーションがToby's Cornerを導入するようです(記事)。

3歳春にケンタッキーダービーのプレップの一つウッドメモリアルSを勝ちましたが、その後、脚部不安でケンタッキーダービーを回避、復帰後は大きいところを勝つことができませんでした。
父Bellamy RoadもウッドメモリアルSの勝ち馬で、ケンタッキーダービー惨敗後、こちらも脚部不安があって休養し、トラヴァーズSで復帰しましたが(2着)このレースで引退しました。
祖父Concertoは重賞4勝、GI未勝利。Chief's Crown直仔のダート馬です。
Chief's Crownは芝向きの馬も出すのですが、Toby's Cornerの父系はダート馬でつないできました。

母父Mister Friskyは3歳春までプエルトリコで走り連戦連勝、アメリカに渡っても連勝を伸ばし、サンタアニタダービーを制しました。その父MarsayasはDamascus直仔ですが、目立った競走成績はありません。

祖母父RestivoはRestless Native産駒の未勝利馬。

曾祖母父はPoker。Buckpasserに勝ってしまった馬で、3冠馬Seattle Slew、2冠馬シルバーチャームの母父です。

Toby's Cornerはダート馬だったのですが、Round Table = Monarchy 7 x 5 . 5の影響が強く、また、Chief's Crownの父系ですので、産駒は芝も走れるかもしれませんね。Hyperionをしっかりと持っているのもいいと思います。
ただし、世代が全体的に新しく、母方の血にかなり左右されそうです。また、Almahmoud - Mahmoudが7代目 - 8代目に一連だけしかないので、サンデーサイレンスの血を持つ牝馬との組み合わせではサンデーサイレンスの血の流れを生かし切れないかもしれません。

ゴールドシップ

2012-09-24 20:30:40 | 競馬日記
神戸新聞杯は皐月賞馬ゴールドシップが勝ちましたね。調教で全然動かず、本当にこれでレースになるのかと思ったら完勝でした。
昨年はオルフェーヴルがこのレースをステップにし、本番の菊花賞も制して3冠を達成しました。このレースの着差は今年と同じ2馬身半。ゴールドシップも菊花賞が手の届くところに来たことでしょう。

ゴールドシップもオルフェーヴルも、泣く子も黙る父ステイゴールド×母父メジロマックイーン。重賞勝ち馬はドリームジャーニー、オルフェーヴル、フェイトフルウォー、ゴールドシップの4頭で、ステイゴールド産駒では最多となる組み合わせ。これら全て菊花賞トライアルを勝っています。
父ステイゴールド×母父メジロマックイーンの組み合わせの良さはメジロマックイーンが自身の重さをあまり出さずにスタミナを供給するところじゃないかと思います。この組み合わせでは、Donatello - Blenheim - Blandford - Swynford、St.Germans - Swynford、Hyperion - Gainsborough、Solario - Gainsborough、Asterus - Teddy、Plucky Liege - Spearmint、Man o'War - Fair Play、Tourbillon - Ksar、Prince Rose、Rialto、Blue Larkspur、Vatout、Nasrullah - Nearco、Tetratema - The Tetrarchなんかがクロスし、Nasrullah - Nearco、Tetratema - The Tetrarch以外はほとんどスタミナ寄りなのですが、メジロマックイーン内は全て7代目以降と影響が薄いです。これによって、重さを出さず、バランスを崩さず、父のスタミナを生かすことができています。その分、残り1/4は少しスピード寄りの方が良いみたいで、GI馬3頭はこの部分が軽めになっています。

それにしてもトライバルチーフのPrincely Giftが5代目からクロスする形態で、2400mの重賞でこの強さとは。相当に恐ろしいニックスですね。

オルフェーヴルは凱旋門賞を目指していますが、気が早いですがゴールドシップは来年はどうするのでしょうか。
日本の競馬界も縮小していくことですから(日本でのサラブレッドの生産頭数は2012年は6800頭前後になると思われ、7000頭を割り込むのは1973年以来39年ぶりとのことです(記事))、「種牡馬の輸出」というのも考えなければなりません。ゴールドシップが日本で種牡馬入りしても、いい待遇を受けることは難しいのではないかと思います。それなら、海外のGIを勝って箔を付けてから海外に種牡馬として買ってもらえれば最高なんじゃないかと思います。
小岩井農場のアストニシメントと下総御料牧場の星旗の血を引くGI馬が海外で種牡馬になれば、オールドファンにとっては感慨深いものになるでしょう。

チーフベアハート死亡

2012-09-20 20:21:49 | 競馬日記
チーフベアハートが亡くなりました(記事1記事2記事3)。

カナダ生まれのカナダ調教馬。3歳時はカナダのクラシックにも挑戦し、芝のブリーダーズSを9馬身半で圧勝しました。この年はソヴリン賞最優秀芝牡馬。4歳時はカナディアンインターナショナル、BCターフと芝のビッグレースを制し、ソヴリン賞の方は年度代表馬、最優秀芝牡馬、最優秀古牡馬、エクリプス賞の方でも最優秀芝牡馬に輝きました。5歳になっても活躍を続け、マンハッタンHを勝ち、JCにも参戦しました。この年もソブリン賞年度代表馬兼最優秀芝牡馬。カナダを代表する芝馬でした。
引退後、JBBAで種牡馬入りし(1999年から供用)、シャトルでニュージーランドでも種付けを行いました(多分、2001~2003の3年間)。日本では最優秀2歳牡馬のマイネルレコルト、最優秀障害馬のメルシーエイタイム、天皇賞馬マイネルキッツを出し、ニュージーランドでも3歳牝馬チャンピオンShikobaを出しています。
何頭かのDanzig系種牡馬が日本で供用されましたが、中央のGI馬を出したのはチーフベアハートだけです(リスト)。貴重な種牡馬でした。また、AEIがCPIを超え、優秀な種牡馬だったと言えるでしょう。

父はDanzig直仔の2歳チャンピオンChief's Crown。2歳時はBCジュヴェナイルを含むGI4勝で、3歳時はクラシックこそ全て逃しましたが、この年もGI4勝を挙げた強い馬でした。自身はダート馬だったのですが、産駒は芝適性が高いものも多く、チーフベアハート以外にダービー馬エルハーブという芝の大物を出しています。
母父Bold HourはBold Ruler直仔で、ホープフルSの勝ち馬。サバーバンHではDr. FagerDamascusという同期の名馬2頭の間に割って入って2着でした。種牡馬としての代表産駒はトラバーズSのWillow Hourですが、芝の重賞勝ち馬も出しています。
祖母父はRibot、曾祖母Gold DiggerはMr. Prospectorの母です。

血統表がダートで活躍した馬で占められており、Bold Ruler 4 x 3ですから何も考えなければダートに向きそうに感じてしまいます。しかし、芝向きの馬を出すChief's Crown産駒で、Bold Rulerは父方は芝向きのSecretariat、母方も芝向きの産駒も出したBold Hourであり、Bold Rulerがシンプルに主導を作る形態、Papyrus - Traceryといったスタミナが効いている点なんかを見ると、なるほど芝の方が良かったのかという気がします。
種牡馬としても完全な芝向きで、中央での平地重賞勝利は全て芝でした。

ロンシャンの凱旋門賞前哨戦

2012-09-17 00:33:37 | 競馬日記
ロンシャンの凱旋門賞前哨戦が終わりました。

フォワ賞を勝ったのはオルフェーヴル
日本とは異なるゆったりとしたスタートに前半はかかり気味でした。が、スタートがあまり良くなかったのもいい方に働き、スミヨンが懸命に押さえてどうにか内に入れました。僚馬アヴェンティーノがレースを引っ張り、直線でアヴェンティーノが開けた内を抜けて快勝しました。GI3勝Meandreが2着。

他の2レース、ニエル賞は仏ダービー馬Saonois、ヴェルメイユ賞は前走ヨークシャーオークスで初GI勝利を挙げた昨年の凱旋門賞2着馬Sharetaが勝ちました。

この3レースのレベル比較が毎年大切になってきます。馬場状態は全てGood To Soft。
フォワ賞を勝ったオルフェーヴルは見事な勝利ではあるのですが、ペースメーカーを使ってしっかり走って勝った、という感じで、前哨戦らしくないように思います。勝ち時計は2分34秒26。
残る2レースはまだ見ていないのですが、それぞれ2分35秒31と2分29秒06。やっぱりSharetaですね。昨年もヴェルメイユ賞(3着)から本番に向かいました。それがこの3レースで圧倒的にいいタイムで勝った(ただし向こうの計時はあまり当てにならないので、正確な数字が欲しければ自分で測るしかありません)ので、今年もこの馬は侮れないというか、昨年よりも手強いというか。
思い起こされるのはZarkava。ヴェルメイユ賞を2分26秒00で勝ち、これはVision d'Etatが勝ったニエル賞のタイム2分27秒40、Zambezi Sunが勝ったフォワ賞のタイム2分28秒80より速く、距離克服能力の不安を払拭するとともにやはり実力上位なんじゃないかというところを見せつけられました。たまたまですが、今年のSharetaはZarkavaと同じアガカーン殿下の馬、SaonoisはVision d'Etatと同じチチカステナンゴ産駒の仏ダービー馬。オルフェーヴルとZambezi Sunの共通点は思いつきません。

Camelotに土が付いた上に実績のないセントレジャーからの参戦で、オルフェーヴルには十分なチャンスがあると思います。3週間でどれだけ調整できるかですね。
Camelotはセントレジャーの敗戦を受けて凱旋門賞に出走するかどうか不確定になり(記事1記事2)、多くのブックメーカーは前売りから除外しました。

なんと!

2012-09-16 00:13:38 | 競馬日記
セントレジャーはなんと実質最低人気だったEnckeが勝ったようです。

Shergarも負けたセントレジャー。Shergarのように自分に負けるようなことはありませんでしたが、Camelotは実質最低人気の馬にやられてしまいました。

Enckeは優秀な配合の母に名種牡馬を配した配合で好みではないのですが、勝ってしまいましたか。
Shawandaは好きな配合で何度もこのブログに登場します。
全兄Genius Beastはクラシックトライアル(GIII)の勝ち馬。
2歳馬はStreet Cryの牝馬Country Music、1歳馬はMonsunの牡馬Monsun × Shawanda

Country Musicは父の母がヨーロピアンでこの部分が母の血を活かすことが出来ますね。Monsunは先日亡くなりましたので、1歳馬の方も貴重です。

ちなみに私が好みの配合と言えば、KIngmamboの系統で選べば父キングカメハメハとか。
キングカメハメハ × Shawanda
ローズキングダムを見るとShawandaを思い出すと何回も書いているように、これらと同じ方向の配合をしたいです。

セントレジャー確定

2012-09-14 19:35:52 | 競馬日記
セントレジャー出走馬が決まったようですね。
9/12時点でまとめたものからBallydoyleのChamonixとImperial Monarchが回避し、9頭になりました。人気順に見て行きますが、ブックメイカーによって人気順は多少違います。

Ballydoyleはペースメーカーを使わないんですね。Camelot1頭だけの参戦です。断然の1番人気です。鞍上はもちろんジョセフ。

2番人気はダービー2着Main Sequence。鞍上テッド・ダーカン。

ゴスデン陣営は3頭出しです。Thought WorthyMichelangeloともに主戦として乗っていたウィリアム・ビュイックはThought Worthyを選びました。そしてこの馬が3番人気。Michelangeloにはフランキー・デットーリを配し、ダブルエース体制での出走になります。Michelangeloは4番人気。残る1頭Dartfordは恐らくペースメーカーで最下位人気。

5番人気はGuarantee。鞍上はフィリップ・メイキン。この騎手のことはよく知らないのですが、クラシックは初騎乗とのことです(記事)。10年以上騎手をやっていての初騎乗ですから気合いも入っているでしょう。

6番人気はUrsa Major。鞍上はジョニー・ムルタ。アガカーン殿下の専属を解雇されるきっかけになった馬(ブログ)で本番に向かいます。

7番人気はThomas Chippendale。セシル師の馬で鞍上はもちろんトム・クウィリー。

8番人気はGodolphinのEncke。鞍上はGodolphinの主戦ミカエル・バルザローナ。


2番人気はダービー2着馬ですが、私は3頭出しと意欲的なゴスデン陣営の2頭Thought Worthy、Michelangeloが対抗です。Ballydoyle VS ゴスデンのつもりです。その次のつもりだったThomas Chippendaleは随分評価が低いんですね。

アパパネ引退

2012-09-13 19:57:09 | 競馬日記
牝馬三冠アパパネが引退します(記事)。

GIは5勝。阪神3歳牝馬S、桜花賞、オークス、秋華賞、ヴィクトリアマイルを勝ち、あとエリザベス女王杯を勝てば牝馬限定GI完全制覇でした。
長く脚を使うタイプではなかったですが、鞍上蛯名の脚を使いきる騎乗もあり、大事なところを見事に仕留めていきました。しかし、歳をとるにつれて気持ちの入らないようなレースが多くなり、二桁着順に沈むこともありました。そろそろ潮時かなという時期での屈腱炎で、そのまま引退することになりました。

サンデーサイレンスフリーですから、サンデーサイレンス系種牡馬がメインで付けられることになるのでしょう。
ディープインパクトも付けられる可能性が高いですが、世代はあまり合いませんね。
ディープインパクト × アパパネ

アウトクロス寄りの配合になりますが、ヴィクトワールピサとか。
ヴィクトワールピサ × アパパネ
ディープインパクト産駒ではリアルインパクトなんかだとディープインパクトらしさがない産駒ができそうで面白いんじゃないかと思います。
リアルインパクト × アパパネ

燃え尽きる前の引退で、種付けシーズンまで十分な余裕もありますから、初年度から期待したいです。