逃げ馬に乗ればうまいという定評のある中舘騎手が主戦でしたが、ほぼどん尻から追い込んだエリザベス女王杯(オークス馬チョウカイキャロルをハナ差で下す)やJC(ランドの2着)での強烈な末脚は本当に魅力的でした。華のある馬でした。
1998年生:ヒシアンデス(牡、ヒシマサル産駒)
1999年生:ヒシシルバーメイド(牝、Silver Deputy産駒)
2000年生:ヒシバラード(牝、Saint Ballado産駒)
2003年生:ヒシアマゾンの2003(牡、サンダーガルチ産駒)
2004年生:Amazi(牝、Awesome Again産駒)
2005年生:ヒシラスター(牡、Fusaichi Pegasus産駒)
2006年生:Flying Warrior(セン、Fusaichi Pegasus産駒)
2009年生:ヒシラストレディ(牝、Posse産駒)
2010年生:ヒシラストガイ(牡、Corinthian産駒)
2011年生:ヒシアマゾンの2011(牡、War Pass産駒)
ヒシアマゾン=ヒシピナクルは、明確なNearctic主導ですが、父母の世代が少しあっておらず、Katiesの方が強く出た配合になっています。これが次の配合を考えれば難しいところで、例えばNorthern Dancerをクロスすればヒシアマゾンの父Theatricalの祖父Northern DancerとKatiesの母父ノノアルコの父Nearcticが同じ位置にきてしまい、その結果、強調している部分がわかりにくくなり、また、ヒシアマゾンの構造をそのまま引き継がせることも難しくなります。
また、Secretariat系を存続させたいという意向があって配合されたヒシマサルとの組み合わせでは、Nasrullah 4 X 7など、Theatricalの部分の血の新しさが問題になります(例えば、あくまで世代だけで言えば、ヒシアリダーみたいなのの方が(ヒシアリダーは牡馬ですが)ヒシマサルには合ったはず)。
難しさのある繁殖牝馬でした。しかし、アドマイヤムーンが種牡馬としてGI馬を出しているように、ノノアルコのNearcticは使い道があると思いますので、世代が上がれば活躍馬を出せるかもしれません。
ヒシアマゾンも逝きました。管理人様が仰られる様に、訃報が続きます。残念な事です。
当時、ヒシアマゾンの配合を見た時にNorthern Dancerを系列クロスに出来る事を、無邪気に喜び、凄い繁殖牝馬になると、思い込んでいました。しかし、現実はそうはならなかった訳で、改めて血統を見返した際に、これは難しい牝馬だと認識を改めたものです。
ヒシアマゾンの当代配合を考えた場合、サンデーサイレンスのような血は比較的相性が良いとは思いますが、NearcoとAlmahmoudの影響が同程度になる点や、世代の問題。更に、母の不満点でもあったSassafrasの生かし方の弱さも解消出来ない点がやや惜しまれます。
理想としては、適度に米系を含みNearco.Hyperionで血統をリードする形態か、Nearcticを再度主導にするのが良かったかと考えています。
あり得ない組み合わせですが、個人的にはこの配合がベターな部類かと考えています。
https://www.jbis.or.jp/topics/simulation/result/?x=72&y=18&sire=0000191120&broodmare=0000250077
今後もブログの更新を楽しみにしております。
サンデーサイレンスについては私も全く同じ印象です。付け加えるならサンデーサイレンス×Theatricalは実際に重賞勝ち馬が出ていないというところくらいです。悪くはないがベストフィットとは言えないというところでしょう。
Nearcticの近交が強いですから、これを緩める方向というのが伝統的な配合の考え方だと思いますし、実際、例に挙げられているようなNearco主導のようなものの方がバランスを取りやすいだろうとおもいます。