うぉんばっとな毎日

大用、現前するとき、軌則を存せず

Better Talk Now引退

2009-09-30 19:48:01 | 競馬日記
Better Talk Nowがとうとう引退します(記事1記事2)。左後脚の靱帯損傷が原因です。

芝のGIを5勝。初めて芝の重賞に出たのが2002年9月のサラナックH。近年手薄になった北米芝路線を7年間も盛り上げ続けてくれました。2007年のマンハッタンH以降、勝利を挙げることができませんでしたが、それでも最後のレースとなった今年8月のスウォードダンサー招待Sで2着、その前の今年6月のマンハッタンHでも3着と、老いて尚盛んなところを見せていました。BCターフは2004年に制し、2006年に2着。近年のアメリカ芝を代表する馬だったと思います。

JCに参戦してくれたのが懐かしいです。タップダンスシチーがあり得ない猛スピードで吹っ飛ばし、アルカセットの日本レコードとデットーリの神業騎乗を演出したレースでした。Better Talk Nowは調子落ちが伝えられていて11番人気、レースも後方からちょっと押し上げただけの12着でしたが、JCにはこういうネームヴァリューのある馬が来てくれないと気分が盛り上がりません。勝ったのも日本適性のありそうなアルカセットで海外競馬ウォッチャーとしては収穫のあるレースでした。

重賞回顧(9月19日)

2009-09-28 22:33:56 | 競馬日記
2歳牝馬戦ファースオブクライドS(GIII)はTobougg産駒Distinctiveが勝ちました。Secretariat 4 x 4が父母両方から完全に系列ぐるみを作る様子は見応えがあります。

2歳戦ミルリーフS(GII)はAlhaarth産駒Awzaanが勝ちました。3連勝で重賞制覇です。父Alhaarth、母父Zafonicともに2歳時無敗でカルティエ賞2歳チャンピオンに選ばれており、早くから動けるタイプのようです。母内のインデェアンキング、グランディがいいですね。

ワールドトロフィー(GIII)はVan Nistelrooy産駒Strike the Dealが勝ちました。Crimson Satan 5 x 4がマニアックですね。あまり効果的なクロスではないと思います。

プランスドランジュ賞(GIII)はEven Top産駒Cirrus des Aiglesが勝ちました。父Even Topは2000ギニー、レーシングポストトロフィーで2着、ロッキンジSで3着があるものの重賞未勝利。平地、障害共用の種牡馬として繋養されるも極めてマイナーで、産駒の平地重賞勝ちは初めてです。父もTourbillon系Topanooraというマイナーさ。

2歳戦シェーヌ賞(GIII)はCape Cross産駒Behkabadが勝ちました。アガカーン殿下のオーナーブリーディングホースで、Cape Crossの代表産駒Sea the StarsOuija Boardとは違い、シンプルにNever Bendをクロスしています。この辺はアガカーン殿下らしいです。父Danzig系でNever Bendのクロスというのはアガカーン殿下の配合の一つのパターンですね。母は重賞勝ち馬、祖母はサンタラリ賞の勝ち馬、曾祖母も重賞勝ち馬、マルセル・ブサック生産のAstanaを基礎繁殖牝馬とするアガカーン殿下伝統の牝系です。(Astanaの子孫だけでなくファミリーナンバー9-eがまとめられています。DihistanDazariBaynounはArbelaが共通する牝系祖先です。名繁殖牝馬Astronomieの孫ですね。AstanaとはDame Mashamで合流します。Sassafras直仔Baynoun。もちろん、JCに2年連続で参戦したSandpitの父であり、私のハンドルMuch Betterの父でもあります。)
ジョッキーはスミヨンではなくルメールです。早速降ろされたのかと思ったら、落馬骨折で手術までしていたんですね(記事1記事2)。弱り目に祟り目というやつですか。

おくやみ

2009-09-28 19:45:52 | 競馬日記
9月に入ってから、えらいたくさんの名競走馬、名種牡馬が亡くなりました。

2000ギニーをレコード勝ちしたMister Baileysが病気のため亡くなりました(記事1記事2)。いつ亡くなったのか書いてありませんが、racingpostの記事の日付が4日なのでそれ以前です。Equine grass sickness(EGS)という難病を長年患っていたそうです(Dubai Millenniumの死因もこれです)。闘病生活と病気による受精率低下もあり、あまり活躍馬を出せませんでした。

7日にはGone Westが亡くなりました(記事1記事2)。疝痛を起こし、手術したものの安楽死の処置がとられました。競走馬としてはドワイヤーSを勝ち、種牡馬としては競走馬時代以上に成功しました。産駒のZafonicZamindarMr.GreeleyElusive QualityGrand SlamSpeightstownらがその血を広めています。

17日にIshiguruが亡くなりました(記事1記事2)。膝の負傷のため、安楽死となりました。競走馬としてはフライングファイヴ(GIII)を勝った程度ですが、Danzig直仔、母はスピナウェイS、メイトロンSのStrategic Maneuverで、種牡馬としてコヴェントリーS(GII)のHellvelynらの重賞勝ち馬を出し、良血馬らしいところを見せました。

21日に名種牡馬El Pradoが心臓発作で亡くなりました(記事1記事2)。競走馬としては2歳時に愛ナショナルSを含む重賞3勝を挙げたものの大成しませんでした。しかしながら、アメリカで種牡馬として大成功し、2002年にはリーディングサイアーになりました。Sadler's Wellsの血をアメリカで広めた功労馬です。産駒のMedaglia d'Oroは初年度産駒からRachel Alexandraを出しています。

22日にはSummer Squallが亡くなりました(記事1記事2)。老衰のため安楽死とのことです。A.P.Indy半兄のプリークネスS馬で、種牡馬としては年度代表馬カリズマティックを出しました。

24日にはCryptoclearanceが亡くなりました(記事1記事2)。疝痛の手術後、心臓発作を起こしたそうです。Gone Westと同期でGIは4勝。BCクラシックのVolponiReal Quietの3冠を阻止したVictory Gallop、Ishiguruの母Strategic Maneuverらを出しました。

25日にエクリプス賞チャンピオンスプリンターKona Goldが亡くなりました(記事1記事2)。Da Hoss(Gone West産駒)とともに放牧していたところ、前肢橈骨にらせん骨折を負い、安楽死の処置がとられました。BCスプリントをチャーチルダウンズのトラックレコードで制しました。

日本では15日にエルプス、18日にリードホーユーが亡くなりました。
エルプスはマグニチュード産駒の桜花賞馬で、マグニチュード産駒=短距離向きというイメージ形成に大きく関わったように思います。直仔に活躍する馬は出ませんでしたが、孫に牝馬2冠のテイエムオーシャンを出しました。
リードホーユーはミスターシービーカツラギエースと同期の有馬記念馬で、父がBlandfordを通らないSwynford系(St. Germansを通る)の愛ダービー馬マラケートという非常にマニアックな馬です。この父系は恐らく世界的には衰退していますが(南米には残っているみたいです)、マラケートの父Lucky Debonair(ケンタッキーダービー馬)は種牡馬モガミの母父(つまりメジロパーマーティッカネンの曾祖母父)であり、日本の馬の血統表内に名前が残っています。

ラヴァマン復帰か

2009-09-27 03:49:06 | 競馬日記
最近のニュースでちょっとびっくりしたのはLava Manが復帰に向けて調教中だという話です(記事1記事2)。
2005年にハリウッドGC勝ちを引っさげて、JCに参戦したものの惨敗。しかし、その後、本国で大ブレイクし、最終的に7つのGI勝利を手にしました。ダート、オールウェザー、芝のGIを勝った現在のところ唯一の馬でもあります。

2008年に一旦引退したものの、Alamo Pintado Equine Medical Centerで幹細胞治療(カネヒキリが受けたようなものでしょうか)と骨片除去手術を受け、Magali Farmでリハビリをしてきました。そして術後の状態も良く、復帰に向けての調整が始まったとのこと。

さすがはセン馬。よく頑張ります。こうなったら4回目のハリウッドGC制覇を目標にして欲しいです。

キングオブコント

2009-09-22 23:13:36 | 日記
見ましたよ。実力通り、東京03が勝ちましたね。

1位東京03、2位サンドウィッチマンは順当でしょう。両者のネタ4本は全部以前に見たことがありますが、やっぱり面白いです。東京03は掴むまで時間のかかるじっくりとしたネタも多く心配しましたが、こういった大会に合いそうなネタをちゃんと持ってきました。何の疑問もない完勝でした。サンドウィッチマンも腕はあります。こうやってこうするというパターンが知れ渡っていますが、それでも笑わせてしまいます。
東京03もサンドウィッチマンも演技力がしっかりしています。ぼろが出ません。

この2組は素晴らしかったですが、インパルスの1本目墓参りの点数が思ったより低くて意外でした。もっと点数が出て良かったはずです。もう一つ、ロッチだったか巨乳のネタもかなり気に入ったのですが、全然点数が伸びませんでした。
そんなわけで、私が順位を付けるとすれば、1位東京03、2位サンドウィッチマン、3位インパルスとしずる、5位ロッチ、6位ジャルジャル、7位モンスターエンジン、8位天竺鼠です。

重賞回顧(9月17, 18日)

2009-09-19 21:13:29 | 競馬日記
2歳戦アランベール賞(GIII)はOrpen産駒Sorciereが勝ちました。伯父はクリテリウムドサンクルーでDaylamiを破ったShaka。OrpenもExit to Nowhereも祖母がRaise the Standardですね。

2歳牝馬戦オマール賞(GIII)はFantastic Light産駒Middle Clubが勝ちました。祖母はレットゲン牧場の独オークス馬Anna Paola。
そう言えばこの牝系のリリエンタールが藤沢和厩舎からデビューしましたね。父Montjeuで母内にドイツの血を持つのは凱旋門賞馬Hurricane Run、愛ダービー馬Fame and Gloryと同じです。欧州向きの配合ですが、初戦はまずまずの動きで2着でした。

アークトライアル(GIII)はSadler's Wells産駒Doctor Fremantleが勝ちました。重賞4勝目。K・アブドゥラー氏のオーナーブリーディングホースで、母はRaintrap = サンシャック全兄弟の全妹。

重賞回顧(9月12日)

2009-09-16 22:55:37 | 競馬日記
2冠馬Sea the Starsが参戦しなかった3冠最終戦セントレジャーはSulamani産駒Masteryが勝ちました。GIIとなってしまった伊ダービーを勝ったもののその後勝ちきれず、ここは伏兵扱いでした。半兄はジェイドロバリー産駒の伊グランクリテリウム馬Kirkleesです。1番人気だったのは同じGodolphinのKite Wood

2歳戦シャンペンS(GII)はDubawi産駒Poet's Voiceが勝ちました。半姉は日本のダートの一流馬ゴールドティアラ。母の全兄にブルックリンHのChief Honcho、曾祖母の仔にトラヴァーズSのGeneral Assembly、祖母は重賞勝ち馬という名牝系です。

パークS(GII)はSpinning World産駒Duffが勝ちました。重賞2勝目。伯母は伊オークス馬Valley of Gold。

セレクトS(GIII)はCape Cross産駒Mac Loveが勝ちました。重賞4勝目。

愛セントレジャーはGalileo産駒Alandiが勝ちました。オックス調教師、ミック・キネーン騎乗で、Sea the Starsと同じコンビでした。馬主はアガ・カーン殿下。牝系は当然、アガ・カーン殿下ゆかりで、母の全姉はオークス1位入線のAliysaです。父Galileoは言わずと知れたSadler's Wells直仔のダービー馬兼名種牡馬です。アガ・カーン殿下はあまりSadler's Wells系を重用せず、アガカーンスタッド出身のGalileo産駒のGI馬は初めてです。昨年、Montjeu産駒Montmartreがパリ大賞典を勝ちましたが、この馬はラガルデールの生産でした。Sadler's Wellsは産駒がGIを130勝した名種牡馬ですが、そのうちでアガカーンスタッド生産のGI馬はDaliapourEbadiylaのみです。

ブックメイカーのladbrokes.comと今年亡くなったヴィンセント・オブライエンの名を冠して行われた2歳戦ナショナルSはWar Chant産駒Kingsfortが勝ちました。半兄はガルフストリームパークBCHのPrince Arch

牝馬戦ブランドフォードS(GII)はDalakhani産駒Chinese Whiteが勝ちました。重賞連勝です。このような配合の馬は日本では勝ち上がるのに苦労するでしょうし、2歳重賞を連勝することは考えられないでしょう。いとこにInvincible Spiritがいます。

アメリカのGIです。
ダートの牝馬戦ラフィアンHはGiant's Causeway産駒Swift Temperが勝ちました。祖母はGI馬、曾祖母はカナダ3歳牝馬チャンピオン。

芝の牝馬戦ガーデンシティSはBernstein産駒Miss Worldが勝ちました。母は父Kingmambo×母父Sadler's Wellsのニックス。祖母の全姉弟にオークス馬Moonshell、KジョージのDoyen

重賞回顧(9月7, 10, 11日)

2009-09-15 23:01:43 | 競馬日記
牝馬戦パークヒルS(GII)はHigh Chaparral産駒The Miniver Roseが勝ちました。父Sadler's Wells系×母父Cape Crossですね。Cape Crossの代表産駒は今年の英2冠馬Sea the Starsですが、Sea the Starsの母Urban SeaとSadler's Wellsの組み合わせがGalileoであり、Sea the StarsはSadler's Wellsの牝馬との組み合わせが楽しみです。祖母はアメリカのGI馬。カナダ産ということになっていますが、配合は完全なヨーロピアンで、なかなか迫力のある近交馬です。

2歳戦フライングチルダーズS(GII)はDubawi産駒Sand Vixenが勝ちました。母父Petong、祖母父Free Stateがものすごく渋いですね。

2歳牝馬戦メイヒルSはMotivator産駒Pollenatorが勝ちました。Motivatorの初年度産駒で初めての重賞勝ち馬です。Tim Tamが5代目から主導を作ってしまうのはちょっと傾向が違うとは思いますが、その他の点ではそこそこ上手く出来てるんじゃないでしょうか。

伝統の長距離戦ドンカスターCはMontjeu産駒Askar Tauが勝ちました。前走で初重賞勝利を挙げたばかりです。

アメリカのGIです。
ポリトラックの2歳戦デルマーフューチュリティはSmart Strike産駒Lookin at Luckyが勝ちました。Raise a Native 3 x 5の近交馬です。半兄Kenseiは重賞勝ち馬です。Smart Strike産駒のGI馬で、最もきつい近交があったのはパーソナルエンスンSのShadow Catで、Mr. Prospector 2 x 4、Raise a Native 3 x 4. 5でした。

ダートの2歳戦ホープフルSはAfleet Alex産駒Dublinが勝ちました。Afleet Alexの初年度産駒です。アフリートのラインも取りあえずはもう一世代つながりそうです。