うぉんばっとな毎日

大用、現前するとき、軌則を存せず

有馬記念

2012-12-24 00:02:19 | 競馬日記
有馬記念はゴールドシップが勝ちましたね。

余裕残しの仕上げだったことも心配しましたが、レースが始まっても遅れ気味のスタートで行き脚もつかず、結局、最後尾のポジション。小回り中山2500mですから、常識で考えればいいポジションではありません。しかし残り800m付近からまくりにかかり、直線でもう一段点火して抜け出し完勝です。強いですね。
皐月賞を勝ったときに、悪化した馬場と内田博幸騎手の好騎乗のおかげで勝てたと、この馬の能力を疑う人もいましたが、皐月賞で2馬身半以上以上つけた皐月賞馬、共同通信杯を勝った皐月賞馬が弱いわけはなく(ブログ)、2冠+有馬記念制覇です。

ドリームジャーニー、オルフェーヴル、ゴールドシップの3頭でGI11勝であるために、たびたび出てくる父ステイゴールド×母父メジロマックイーンなのですが、ゴールドシップは残り1/4のおかげで、ゴールデンサッシュ≒パストラリズムで、Hail to Reasonがここに含まれて、と仕掛けいっぱいなんですよね。もっとよく見てみる必要がある配合です。

ステイゴールド産駒は有馬記念3勝目。前記3頭です。今年は2着もステイゴールド産駒オーシャンブルーでした。オーシャンブルーも日本ではなかなか見ることがない母父Dashing Bladeに曾祖母ドイツ血統という、癖のある配合です。Victoria Park内は9代血統表でGallant Fox、10代血統表でBuchanがクロス馬になります。母が異系寄りなので、この程度で十分なんじゃないかと思います。

母父メジロマックイーンは今年、交流も合わせてGI5勝。ゴールドシップ3勝、オルフェーヴル1勝と父キングカメハメハのタイセイレジェンドが1勝です。父ステイゴールド以外のGI馬が現れて、芸域が広がり、母父としての優秀さが証明された1年でした。

最優秀配合賞

2012-12-20 21:01:39 | 競馬日記
1年間で一番気に入った配合を取り上げてみようかと思いました。私が選ぶ最優秀配合賞という感じです。最優秀と言っても、私の好みだというだけのことです。
未勝利馬から選んでも仕方がないので、活躍した馬が対象になります。もちろん私が血統表を見たことがある馬だけが対象になってしまいます。毎年の恒例企画にしたいです。

それで、2012年最優秀配合賞はFort Larned。ホイットニーHで初GI勝利を挙げ、BCクラシックまで勝ってしまいました。
この馬の血統表をじっくり見たのはホイットニーHを勝った後でした(ブログ)。このときに解説しているのですが、もう一度、書き直してみます。

父E DubaiはMr. ProspectorととLord at Warのニックスです。ドワイヤーS、サバーバンHと二つのGIIを勝ち、トラヴァーズSでPoint Givenの2着に入りました。母は1勝馬。祖母Bayakoaはアルゼンチン産で、BCディスタフなどGI13勝の名馬です。孫にGI4勝のAffluent

Fort Larnedの配合の第一のポイントは相似性を生かしたクロスにあります。父E Dubaiと祖母BayakoaがNashuaとFleet Nasrullahを持ち、Nashua 4 x 5、Fleet Nasrullah 5 x 5ができます。まずNashuaとFleet NasrullahはNasrullahとBull Dog = Sir Gallahadが共通し、軽い相似性があります(Fleet Nasrullah × Nashua)。E Dubai内ではGold DiggerとFleet NasrullahがNasrullah、Count Fleet、Bull Dogを共通して持ち、ここも相似性があります(Fleet Nasrullah × Gold Digger)。Bayakoa内ではGood MannersとFleet NasrullahがNasrullah、Count Fleet、Bull Dogを共通して持ち、ここも相似性があります(Fleet Nasrullah × Good Manners)。父内Gold Diggerと母内Good MannersはNashua、Count Fleet、Bull Dogを共通して持つ相似配合です(Good Manners × Gold Digger)。
NashuaとFleet Nasrullahを軸として相似性が積み重なる見事な配合です。

第二のポイントはRibot、Princequillo、War Admiralのスタミナです。父の父、父の母、母の父、母の母と4分割してみた場合にNashuaとFleet Nasrullahの両方とも含まないのは母の父Broad Brushだけです。Broad BrushはTurn-to、Roman、Nasrullahとスピード源を持つのですが、クロスしているのはNasrullahのみで、6代目に並ぶクロス馬はRibot、Princequillo、War Admiralです。Nasrullah中心の傾向を保ちつつ、スピードよりもスタミナ強化に働いています。Ribot、Princequillo、War Admiralは三冠馬Rock Sandで強固に結合していて、これがAllegedの強さの源でした(Broad Brushの母父がAllegedの父Hoist the Flag)。RibotはPharos、War AdmiralはHarry of Hereford(=Swynford)でNasrullahと結合、Rock SandでCount Fleetと結合。PrincequilloはPapyrus - TraceryでRibotと連合勢力を作ります。Papyrus - Tracery - Rock Sandの流れがNasurllahに結びつきます。Papyrus - Traceryの流れと言ったときにAllegedとともに忘れることができないのは父の母の曾祖父Brigadier Gerardです。Brigadier Gerardは父がマイラーQueen's Hussarであったためにダービーを自重したのですが、レースを重ねるごとに長い距離も走るようになり、最終的には12FのKジョージVI&QエリザベスSも制しました。Brigadier GerardはPapyrus 6 x 4、Tracery 7 . 7 x 5 . 6でリードする形態で、父のイメージ以上に距離は持つ配合でした。Fort Larnedの血統表ではBrigadier Gerard内は9代目にPapyrusが残っているだけですが(Horus = Honey Buzzard 8 x 7がある)、アメリカン主体のFort Larnedの中の異系であるBrigadier Gerardの特徴が引き継がれていることも記憶しておきたいです。もう一つ、Traceryの供給源としてあるのがアルゼンチンの名種牡馬Congreveです。「アルゼンチンの特殊な血」と片付けたくなるCongreveが祖母とLord at Warがアルゼンチン出身であるためにクロスし、それがPapyrus - Traceryの流れに合流します。素晴らしいですね。

この2つのポイントがあった上で、他の細かいところの処理もちゃんとなされています。例えばDiscovery、Man o'WarはFair Playで、TourbillonはDurbarでNashuaと結合。Lord at War内Fair Trialもクロス。War AdmiralがSweep - Ben Brushというコテコテアメリカンを内包。

何度も繰り返し見たくなる配合ですし、こういった配合の馬が勝ってくれると血統表を見るのが好きな人間は何かを語りたくなります。

今年の次点はオークス馬Was。昨年の私の解説通り、オークスを勝ってくれました(ブログ)。

昨年の最優秀配合賞をさかのぼって選べば凱旋門賞馬Danedreamですね。NiniskiとDanehillの相似性を生かしてNatalmaを伴うNorthern Dancer 4 x 4、Ribot 5 x 5でリードし、Owen Tudor - Hyperion、Djebel - Tourbillonのスタミナ、Menowのスピードを生かしています。格好いい配合でした。

朝日杯

2012-12-16 20:11:51 | 競馬日記
朝日杯はロゴタイプが勝ちましたね。ローエングリン産駒です。
祖母はスターバレリーナ。連勝でローズSを勝ち、エリザベス女王杯では1番人気に支持されました。米3冠馬Secretariatの仔の米2冠馬Risen Starの産駒で、血統的魅力もありました。

父Sadler's Wells系×母父サンデーサイレンスの馬がGIを勝つのは初めてです(少なくとも国内では)。Hail to Reasonクロスを伴うHaloクロス、Sadler's WellsとNureyevの相似、Mill ReefとSecretariatの相似など、仕掛けがいっぱいです。仕掛けの種類は多いですが、まずはHaloというのがはっきりしていて、悪い感じはないですね。

外枠絶対不利の朝日杯で14番から出ての勝利です。鞍上はミルコ。彼は格が違いますね。道中、4番手に付けたのですが、外枠ですのでそこまでに脚を使わざるを得ません。しかし先団に取り付いたところで一旦きっちりと折り合いをつけ、直線で早めに抜け出してコディーノの強襲をしのぎ切りました。上手いですね。

コディーノは折り合いを欠いたんでしょうか。いいところに付けたと思っていたら、気がつけば先頭に並びかけそうになっていました。そこからどうにか抑えて、もう一回エンジンをかけて差してきましたが、クビだけ届きませんでした。差が差ですので、折り合いを欠いたのが残念です。

ウオッカはFrankelと交配

2012-12-15 22:25:49 | 競馬日記
ウオッカは3年連続でSea the Starsと交配されたのですが、来年はFrankelのようですね(記事1記事2)。

Sea the Stars × ウオッカ
Frankel × ウオッカ

Sea the Stars × ウオッカの方はNever Bend 6 x 5、Raise a Native 5 x 6でリードする形態。母で主導的な役割だったNashuaもクロスしています(Mr. Prospector ≒ Marshua's Dancer)。KlaironクロスからDjebelを補給し、Princequillo - Prince Roseなどの影響もあって、中距離向きのしっかりした配合になっていると思います。

Frankel × ウオッカもUrban Sea、Danzigが共通しているので他が邪魔していなければ大外しはなさそうです。父はNever Bendを持たないので、前面に並ぶクロス馬は異なり、His Majesty = Graustark 5 x 5 . 6、Hail to Reason 6 x 5とタニノギムレット内が強調されるような形になっています(Alibhaiクロスもできる)。タニノギムレット内はMr. Prospector ≒ Marshua's DancerによるRaise a Native、Nashuaのクロスもありますね。Prince John 6 x 6がCount Fleet、Blue LarkspurといったアメリカンをPrincequillo - Prince Rosetと結びつけているのはいいですね。
FrankelはNorthern Dancer、Buckpasser、Raise a Nativeクロスの影響むき出しで、ぶっ飛ばして強いタイプでした。このうち、引き継いでクロスされるのはRaise a Nativeのみ。一番合うところは中距離くらいかなとこちらも思います。

細かく見ると違いはありますが、どちらもいい配合だと思います。

香港国際競走

2012-12-11 00:09:51 | 競馬日記
香港国際競走が行われました。

なんと言ってもスプリント。ロードカナロアが完勝しました。格が違うと言わんばかりでした。
香港スプリントはレベルが高いだけでなく、パワーが要求されて、日本のスプリンターにとって厳しい舞台でした。が、昨年はカレンチャンが5着と日本馬最高着順を更新し、今年はロードカナロアが完勝です。カレンチャンはスタートで後手を踏み7着。流れに乗れていたらもっと上に来られたでしょう。
日本ではGI未勝利で、海外でGI2勝のアグネスワールドのようなスプリンターもいましたが、国内でも海外でも走れるスプリンターが出てきたことは非常にいいことだと思います。
キングカメハメハ産駒はルーラーシップに続き、今年海外のGIを2勝です(どちらも香港)。芝、ダート、短距離~超長距離、国内、海外と何でもこなしてしまいます。ロードカナロアはドバイや欧州に遠征して、向こうで種牡馬にならないかと誘いが来るくらい活躍して欲しいです。

香港ヴァーズはJCにも参戦したRed Cadeauxが優勝、2着はジャガーメイル。JCの8着、10着によるワンツーとなりました。JCとは全然違うレースだったことがよく分かります。日本で勝ちあぐねている馬でも適性次第で海外でチャンスがあると思います。

一方、香港マイルの方は香港の力のいる芝にあまり合いそうにないサダムパテックグランプリボスが出走し、6着としんがり負けでした。
勝ったのはAmbitious Dragon。オセアニアで生き残っているBuckpasserを通らないTom Fool系の種牡馬Pinsの産駒です。

日本馬が参戦しなかった香港カップはCalifornia Memoryが連覇しました。

ローブティサージュ

2012-12-10 20:33:14 | 競馬日記
阪神2歳牝馬S(ジュベナイルフィリーズなんて何言っているのか分からない名前は早く変えるべき)はローブティサージュが勝ちました。このレースはダービー馬の仔が強く、新コースになってからの6年で5回をダービー馬の仔が制していましたが、今回はウォーエンブレム産駒でした。

ウォーエンブレムは米産Mr. Prospector系ですが、欧州血統も持ち、特にAristophanes 5 x 6によるHyperionの影響が強いのが特徴です。また、父の曾祖母Dorineが父Aristophanes×母父AdvocateでForliと相似性があり(Forli × Dorine)、母方にSadler's Wellsなんかを持ってきてForliを刺激しに行く配合が一つの方向性として考えられます。実際、ウォーエンブレム産駒の稼ぎ頭は今のところ母父Sadler's Wellsのシビルウォーです。
ローブティサージュの母父はSadler's Wells系のシングスピールです。シングスピールはHerbagerクロスを持つのですが、このクロスが継続されます。Hoist the FlagクロスにはRoman、War Admiralといったアメリカ系、Ribot、Tourbillon、Firdaussiといったヨーロッパ系が含まれ、Mr. ProspectorクロスとはMan o'Warで、HerbagerクロスとはFirdaussiで結合します。上手く連携がとれていると思います。
一方、母方のHalo - Hail to Reason、Natalma - Almahmoud - Mahmoudはずばっと無視です。あれもこれもをせずに思い切って捨ててしまうのも大切です。その結果、Mr. Prospector、Hoist the Flag、Herbagerの協力関係がはっきりしているのはプラスだと思います。

鞍上は秋山真一郎。今年、NHK杯で初めてのGI勝利を挙げましたが、これでGI2勝目です。一つ勝つまで時間がかかりましたが、毎年重賞を勝っているようにもともと上手い騎手です。きっかけさえあれば勝てると思っていました。

Wild Coco購入

2012-12-07 00:03:29 | 競馬日記
私が買ったわけではありません。Tattersallsのディセンバーセールでケイアイファームが購入しました(記事1記事2)。

レットゲン牧場出身でイニシャルWと言えばKincsemのラインを思い出してしまいますが(例えばオイロパ賞のWell Made)、Wild Cocoの牝系でレットゲン牧場が所有したのは祖母のWild Romanceからで、曾祖母には全くドイツ血統が含まれていません。ドイツでの歴史は新しい牝系です。
しかしながら、父方祖父Monsun、祖母父Alkaldeがほぼ純然たるドイツ血統で、かなりドイツ血統の主張が強い配合になっています。

短期的に結果が出るかは分かりませんが、将来的にはシュレンダーハン牧場のAラインの血を引くGalileoSea the StarsKing's Bestや同じくシュレンダーハン牧場のSラインの血を引くマンハッタンカフェビワハイジなどからドイツ血統がどんどん広がっていくはずで、それを考えれば面白い牝馬を買えたのではないかと思います。

一方、Kincsemの血を引くWラインではWell Madeの半姉ヴェリニスカが日本に輸入されて走ったのですが、繁殖牝馬にはならなかったようです。他に輸入されたのは牡馬のワイルドファングくらいでしょうか。
Kincsemからの牝系出身では今年、Camelotが2冠を制しました。しかし、Camelotのようなドイツ血統と関係ないところに範囲を広げても輸入されたと確認できる馬が他に探し出せません。これだけ有名な牝系ですから日本に入ってきていてもおかしくないとおもうのですが不思議ですね。
まあそのうち、社台がCamelotの近親を買ってきそうですね。

とろでWild Cocoとはどのような馬なのか書くのを忘れていました。
BCターフ、コロネーションC、ジョッキークラブ大賞典のShiroccoの子で、2,937mのパークヒルS(GII)、14FのiSharesフィリーズS(リリーラングトリーS)(GIII)と二つの牝馬限定超長距離重賞を勝ちました。日本の牝馬限定重賞の最長距離はオークスの2,400m。もっと長い重賞があっていいと思うのですが。

注:この時点では輸入されるものだと勘違いしていましたが、2013年時点でまだ現役です。リリーラングトリーSを連覇、ヴェルメイユ賞で2着に入っています。

調教師免許試験合格者

2012-12-06 20:54:27 | 競馬日記
調教師免許試験合格者が発表されました(記事)。
石橋守騎手が合格していますね。これは期待せずにはいられません。

まもちゃんは人柄の良さには定評があり、またメイショウサムソンを仕上げた実績もあります。メイショウの松本さんは馬を預けてくれるでしょう。責任者になるわけですから、マネージメントがうまく行けばいいですね。金が腐るほどあれば馬を買って石橋守厩舎と本田優厩舎に預けるのですが。

もう一人、騎手から転身する飯田祐史騎手は飯田明弘調教師の実子です。飯田明弘門下生からはスマートファルコンの小崎憲調教師が出ています。こちらも期待です。

フリオーソ引退

2012-12-04 21:01:49 | 競馬日記
フリオーソが暮れの東京大賞典で引退するそうです(記事)。
GI6勝。2着は最多の11回で、連対数17回も最多。NARグランプリ年度代表馬に選ばれること4回。現代地方競馬を代表する名馬でした。

配合は父ブライアンズタイム×母父Mr. Prospectorのニックス。母父Mr. ProspectorのGI馬はチョウカイキャロルノーリーズン、フリオーソの3頭で、父は全てブライアンズタイムです。
祖母は仏重賞勝ち馬。曾祖母も重賞勝ち馬で名牝Triptychの全妹。高祖母Trillionはガネー賞の勝ち馬で、GI2着10回です。

Roberto、Mr. Prospector、Northern Dancerを使っているので、どこを強調するのかを決めなければなりません。サンデーサイレンスと合わせるなら、Northern Dancerもクロスする可能性が高く、そうすればMr. Prospector(Raise a Native)抜きの方がシンプルになってくるでしょう。
Mr. Prospector近交だと、他に余計なクロス無しだと内包するNashuaの影響がはっきりします。実際はNorthern Dancerもクロスする可能性が高いんでしょうが。

血統、配合ともにかなりレベルは高いので、アメリカ移籍なんかも期待したいところです。

母父サンデーサイレンス産駒のGI馬

2012-12-03 20:51:26 | 競馬日記
JCダートはニホンピロアワーズが勝ちました。母父はアドマイヤベガで、母父サンデーサイレンス産駒としては日本で最初のGI馬になりました。世界的にはオーストラリアのYoseiが最初だったのだと思います(ブログ)。

曾祖母はミルレーサーの半妹ミルカレントで、この子孫で確認できるものは全てニホンピロの冠名が付いています。ニホンピロニールのようなそこそこ活躍した馬もいましたが、重賞勝ちはニホンピロアワーズが初めてで、GI勝利も初めてです。小林百太郎氏も感慨深いでしょう。

父ホワイトマズルも母父アドマイヤベガも芝向き種牡馬で、一目でダート向きだと分かる配合ではありません。血統表で先入観を抱けば芝を走らせたくなってしまいそうですから、馬体とか走法とかを見てダート一本できたのでしょう。
ダートに向きそうな血統要素をほじくり返すとすれば、アドマイヤベガ半弟アドマイヤドンで生きていたTom Fool、Native Dancerがクロスする点、Bold Rulerクロスなんかでしょうか。他にはHyperionのスタミナを武器とした先行力がダートで生きそうな感じもあります。Tom Fool、Native Dancerクロス+Hyperionのスタミナというのがアドマイヤドンの構造でした。

鞍上の酒井学騎手はGI初勝利。1998年デビューの15年目で重賞は交流も合わせて8勝。そのうち3勝がニホンピロアワーズで挙げたものです。しかし、先週もハクサンムーンで京阪杯を勝っており、2週連続重賞勝利という一流騎手のような快挙を成し遂げました。
酒井騎手は2006年はわずかに1勝だけでした。その1勝がニホンピロコナユキ(ニホンピロニールの仔)という馬だったそうで、そこから小林百太郎氏が使ってくれるようになったとのこと。どん底から6年でGI勝利までたどり着きました。小林百太郎氏もニホンピロウイナー以来の中央GI勝利(初代ニホンピロウイナーの馬主は北野俊雄氏だったんですね)。大橋勇樹調教師もGI初勝利。生産者の片岡牧場もGI初勝利。