うぉんばっとな毎日

大用、現前するとき、軌則を存せず

スーパークリーク亡くなる

2010-08-31 20:05:02 | 競馬日記
スーパークリークが亡くなったそうですね。老衰なそうですが、老衰するにはちょっと早かったです。
スーパークリークはオグリキャップと同じ1985年生まれ。オグリキャップの活躍によるブームがあっただけでなく、個性的な馬が多くて日本競馬の黄金期と呼んでいい時代だったと思います。
1985年生まれのGI馬は以下の通りです。

スーパークリーク(ノーアテンション産駒、菊花賞、天皇賞春秋)
オグリキャップ(ダンシングキャップ産駒、有馬記念2回、安田記念、マイルCS)
ヤエノムテキ(ヤマニンスキー産駒、皐月賞、天皇賞秋)
サクラチヨノオー(マルゼンスキー産駒、ダービー、朝日杯3歳S)
サッカーボーイ(ディクタス産駒、マイルCS、阪神3歳S)
バンブーメモリー(モーニングフローリック産駒、安田記念、スプリンターズS)
ダイユウサク(ノノアルコ産駒、有馬記念)
アラホウトク(トウショウボーイ産駒、桜花賞)
コスモドリーム(ブゼンダイオー産駒、オークス)
ミヤマポピー(カブラヤオー産駒、エリザベス女王杯)
パッシングショット(トウショウボーイ産駒、マイルCS)

父系では牡馬のクラシックを完全制覇したNijinsky系の時代だったと言っていいと思いますが、種牡馬を見ると2頭のGI馬を出したのはトウショウボーイだけで、見事な多様性です。
これだけの馬がそろっていながら繁殖で大成功したのはサッカーボーイだけでした(アラホウトクはまずまず)。スーパークリークはドイツの特殊な血を含む上に世代ズレ構造というかなり上級者向けの配合で、コンスタントに活躍馬を出すのは難しかったと思いますが、Mahmoudのスピードを生かしたサクラチヨノオー、Menowのスピードを生かしたヤエノムテキ(ラムタラKahyasiと同じNijinsky×Red Godのニックス)まで軽視されたのは残念です。現在のサンデーサイレンス系種牡馬に対応できる血を持っていると思うのですが(サクラチヨノオーの甥にサクラプレジデントが出たのは必然と言っていいと思います)。しかし、Nijinsky系クラシックホース3頭はNijinsky系が急激に活力を失う流れには勝てなかったと言うこともでき(1991年生まれ以降で中央GIを制したNijnsky系の馬はメイセイオペラを除きすべて海外での配合:参考)、ダービー馬サクラチヨノオーが重賞勝ち馬を出してどうにか格好を付けるのが精一杯でした。

母父がスーパークリークの馬は数少ないですが、その中から阪急杯を勝ったブルーショットガンが現れました。ブルーショットガンの母を通してしばらくはスーパークリークの血が生き残るかもしれません。

Rachel Alexandra破れる

2010-08-30 20:46:09 | 競馬日記
パーソナルエンスンSに出走したRachel Alexandraは2着に破れました。スタートから先手を取ったRachel AlexandraにLife At Tenが絡んで2頭が大きく後続を放す展開。まくり気味にこの2頭に取り付いてきたPersistentlyがゴール前でRachel Alexandraを交わしました。ここ2戦を連勝してようやく目が覚めたかと思いましたが、凌ぎきれませんでしたね。また、Rachel Alexandraはまだ10Fのレースを勝ったことがなく、距離の不安も解消しませんでした。
Persistentlyは名牝Heavenly Prizeの孫ですね。

Midsummer DerbyことトラヴァーズSはAfleet Alex産駒Afleet Expressが勝ちました。祖父アフリートはドモナラズが七夕賞を勝ちましたし、まだ活力がありますね。日本ではスターリングローズが種牡馬入りしているとは言ってもマイナー種牡馬扱いですが、アメリカで順調に父系を伸ばしています。
ケンタッキーダービー馬Super Saverは10着。ケンタッキーダービー以降、絶不調ですね。原因を突き止めるために検査を受ける見込み(記事)。

無敗だったハンガリー調教馬OverdoseはドイツのGIIゴルデネパイチェに出走しましたが、7着に破れ連勝が止まりました。2009年春から順調さを欠いてレースを使えませんでしたが、今年の夏になってスロヴェニア、ハンガリーで2戦を消化し、ここにやってきました。が、久々の国際グループ競走でしたし、ブランクが響いたでしょうか。
勝ったのはAmico Fritz。前走モーリス・ド・ゲスト賞しんがり負けからの巻き返しでした。

サンタアニタはダートを採用

2010-08-24 20:56:15 | 競馬日記
プロライドをやめることが既にアナウンスされていたサンタアニタパーク競馬場ですが(ブログ)、他の種類のオールウェザーではなく、ダートを採用することにしたそうです(記事1記事2)。

もともとはクッショントラックが導入されていたものの水はけの問題でプロライドに変更し、そのプロライドもやはり大雨には対処できず今回の決断になりました。
工事はオークトゥリー開催が終わる10月31日以降に開始し、12月第1週には完成の見込みです。ということなのですが、オークトゥリー開催が安全に行われるかも分からないとのこと(詳細は合田さんの記事で)。
安全に競馬が開催されることが一番大切であり、オールウェザーは馬の脚元への負担が少なく、管理が簡単というメリットがあるから採用されてきたはずなのですが、安全性に疑問があり、管理の面でも困難がある場合においても強硬に推進する人がいるというのは何か事情があるんでしょうね。

父ディクタット×母父Cadeaux Genereux

2010-08-23 21:20:56 | 競馬日記
モルニー賞はディクタット産駒Dream Aheadが勝ちました。父ディクタットにとってRajeem以来の2頭目のGI馬になります。
この2頭はどちらも母父がCadeaux Genereuxです(父Man o'War系×母父Hyperion系という組み合わせは現在では非常にマニアックです。日本にこの組み合わせの現役馬はいないかもしれません)。この組み合わせではBalidar(アベイ・ド・ロンシャン賞)の5 x 4、Mixed Marriage(2000ギニー、ミドルパークSのKnown Factの祖母、ミドルパークSのSharpen Upの父エタンの母)の5 x 6という珍しいクロスが二つも発生します。これによってCadeaux Genereuxの能力源Tudor Minstrelを生かすことに成功しています。

Dream Aheadは父ディクタット(スプリントC、モーリス・ド・ゲスト賞)×母父Cadeaux Genereux(ジュライC、スプリントチャンピオンシップ)×祖母父Green Desert(ジュライC)×曾祖母父Star Appeal(凱旋門賞、ミラノ大賞典、エクリプスS)×高祖母父Derring-Do(QエリザベスIIS)×5代母の父My Babu(2000ギニー、サセックスS)と、Star Appeal以外は徹底的にスピードタイプの種牡馬が累代配合されています。本馬もスピードタイプと見るのが普通だと思いますが、仏ダービー馬Herbagerのクロスがセントレジャー馬FirdaussiでBalidarと結合していますし、愛2冠馬The Phoenixなんかも生きています。Park Appealの特殊な血を生かしている点で興味のある配合であり、どれくらいの距離克服能力があるかも含めて注目したい馬です。

ステキシンスケクン、Better Than Honour

2010-08-19 20:42:52 | 競馬日記
2006年に二つのマイル重賞を勝ったDanzig直仔ステキシンスケクンはチリで種牡馬入りするそうです(記事)。馬主はちょっとヤクザな人だったみたいですが、いい引取先があって良かったです。
Danzig系は日本ではあまり成功しておらず、海外に活路を求めるのは理にかなっています。母はミドルパークSのLyciusの全妹、アメリカで芝の重賞を2勝のアカビールの半妹。いとこに南アフリカのGI馬Eddingtonがいます。チリでリーディング級の成功をしても驚く必要がない良血馬です。

Better Than HonourはStreet Cryの仔を受胎しているそうです(記事)。
Thoroughbred Databaseで確認できる産駒は以下の7頭。
2001年:Teeming(Storm Cat産駒、4戦3勝)
2002年:Magnificent Honour(A.P. Indy産駒、不出走)
2003年:Jazil(Seeking the Gold産駒、ベルモントS馬)
2004年:Rags to Riches(A.P. Indy産駒、ベルモントS、ケンタッキーオークスを含むGI4勝)
2005年:カジノドライヴ(Mineshaft産駒、ピーターパンS)
2006年:Man of Iron(Giant's Causeway産駒、BCマラソン)
2007年:Arco Felice(Giant's Causeway産駒)
2008年と2009年は産駒なしで、2010年に生まれたのがStreet Cryとの仔になり、今年もStreet Cryが交配され、無事受胎したようです。
初仔は惜しかったですね。超良血配合であるだけでなく中身もしっかりした配合に見え、4戦3勝と能力もあったようですが、重賞勝利に行き着くことなく引退したようです。ただし繁殖牝馬として価値が高いでしょう。
2番仔はRags to Richesの全姉になりますが、残念ながら不出走。
3番仔からがすごく、Jazil、Rags to Richesと2年連続でベルモントS馬を出し、その次がずっとアメリカで走っていたら間違いなくGIを勝っていたであろうカジノドライヴ、その次がBCマラソンのMan of Iron。
Street CryはZenyttaを出して乗ってる種牡馬ですが、Better Than Honourとの配合では5代目に異なるクロス馬が並び、ちょっとはっきりしないのが気になります。同じMr. Prospector系ならJazilの配合の方がNative Dancer 4 x 6がはっきりしていて良かったんじゃないでしょうか。2010 Leading Sires上位から既に実績のある配合以外を選ぶなら、Smart Strike、Distorted Humorでどうかなと思います。

カナダ3冠

2010-08-16 20:58:40 | 競馬日記
すべて違うサーフィスで行われることで知られるカナダの3冠戦(距離はアメリカ3冠戦と同じ)が終了しました。

初戦のクイーンズプレート(ウッドバイン競馬場、ポリトラック10F)はTenpins産駒Big Red Mikeが勝ちました。前哨戦プレートトライアルを勝っています。Vice Regent 4 x 2というクロスがありますが、ゼロ交配を使っている上にセン馬ですので悪影響はないでしょう。父TenpinsはSmart Strikeの仔で重賞5勝、GI勝利はなし。

第2戦プリンスオブウェールズS(フォートエリー競馬場、ダート9.5F)はGolden Missile産駒Golden Mokaが勝ちました。この馬はパナマで走っていたそうですね。初めてのカナダでのレースで初めて6Fを超える距離を走っての快勝でした。父Golden MissileはA.P. Indyの仔でピムリコスペシャルの勝ち馬。

最終戦ブリーダーズS(ウッドバイン競馬場、芝12F)はLimehouse産駒Miami Decoが勝ちました。デビュー以来5戦未勝利であり、芝を走ったこともありませんでした(未勝利で3冠戦にでられるんですね)。Buckpasser、Bold Rulerで母父を強調しているのですが、Hyperion、Mahmoudなど、芝に向きそうな血も生きています。父LimehouseはGrand Slamの仔で重賞4勝、GI勝利はなし。

初戦は極めて順当だったものの、後の2戦は普通の感覚では考えられない馬が勝ちました。

Goldikova破れる

2010-08-16 00:40:54 | 競馬日記
ジャックルマロワ賞に出走したGoldikovaは2着に破れ、GI11勝目はお預けとなりました。
勝ったのは今年の2000ギニー馬Makfi。Sir Ivorの系列ぐるみという珍しい血統構成です。2000ギニーの後、セントジェイムズパレスSを7着と大敗し、ここに臨みました。Makfiは強いんじゃないかと思っていたのですが、前走の大敗で見込み違いだったかと思ってしまいました。今年の3歳馬はWorkforceにしてもCape Blanoにしても、快勝したかと思えば惨敗もあり、当てにしづらいですね。

ラインラントポカルはCampanologistが勝った模様です。同じ配合のレジュールダムールという馬は日本に輸入されており、松国厩舎に入ったのでこの厩舎なら仕上げられるんじゃないかと期待していたのですが、全然デビューせず駄目かと思っていました。が、先日、函館ダートの3歳未勝利戦でデビューし、あっさり勝ち上がってくれました。

久々更新

2010-08-10 20:22:58 | 競馬日記
夏休み(とその準備)で更新をサボっていましたが、その間にいろいろな動きがありました。

7月24日にモンマスパークで行われたレディーズシークレットS(格付けなし)にRachel Alexandraが出走し、3馬身差で完勝しました(記事)。牡馬相手に圧勝を繰り返した昨年の状態にまで戻ったかは分かりませんが、それでも十分復活したと言っていいでしょう。直線でずいぶん内にささったのは気になりますが、鞍上ボレルが楽勝だったと言っているので問題ないでしょう。

アイルランドの児玉厩舎に移籍したポップロックは7月30日のデビュー戦を勝利で飾りました(記事)。日本で一線級の相手と戦ってきたポップロックにとって相手が軽かったですね。どこを目標にするのか楽しみです。

8月1日に行われたロートシルト賞に出走したGoldikovaは予定通り圧勝し、GI10勝目を挙げました(記事)。このレースは3連覇です。牝馬では相手になりませんね。

8月1日に行われたハスケル招待はプリークネスS馬Lookin at Luckyが圧勝しました(記事)。ケンタッキーダービー馬Super Saverは4着。Lookin at LuckyはRaise a Native主導の迫力は認めてもスタミナの弱さが気になります。あと1F伸びてRachel AlexandraやZenyattaと対したときにどのようなレースをするのでしょうか。その後、Lookin at Luckyは熱発で予定していたトラヴァーズSを回避する見込み(記事)。

8月1日に行われた欧州主要国の春のクラシック最終戦独オークスはレットゲン牧場の自家生産馬Enoraが勝ちました(記事)。重賞4勝のEgertonの半妹です。父のNoverreはDarleyに繋養されていましたが、2008年にインドに売却されました。

今年のドバイWC馬Gloria de Campeaoがtendon injury(腱を断裂した模様)のため引退しました(記事)。ビッグレースで倒したかった相手が引退するのは残念です。レッドディザイアでも倒す可能性が十分にある相手でした。そのレッドディザイアは鼻出血の関係でBCを目指すことになったそうです(記事)。

更に8月7日に今年のKジョージで歴史的圧勝をしたHarbingerが引退をするという衝撃のニュースが駆け巡りました(記事1記事2)。凱旋門賞戦線が混沌としてきましたね。

8月7日に行われたクレメント・L・ハーシュSはZenyattaがいつも通り追い込んで勝ちました(記事1記事2記事3)。これでデビュー以来無敗の18連勝。次は今年からゼニヤッタSと名前を変えるサンタアニタパークの旧レディーズシークレットSに向かう予定(記事)。

8月8日にTuscan Eveningが急死しました(記事)。母のSuave Dancer × Sassafras × Vandale × Clarionという重厚な累代交配が見事で、繁殖牝馬としての魅力もあったと思います。