うぉんばっとな毎日

大用、現前するとき、軌則を存せず

Sea the Stars産駒、重賞初勝利

2013-09-30 01:01:57 | 競馬日記
ある程度のスロースタートは織り込み済みだったものの、予想以上に2歳戦で苦戦しているSea the Starsでしたが、ようやく重賞勝ち馬が出ました。

クリストファー・ツイ氏所有、ジョン・オックス師管理という父と同じ体制のMy Titaniaがカラの2歳牝馬戦C.L.ウェルド・パークS(GIII)を勝ちました。鞍上はアガカーンスタッドの主戦を降ろされることになったデクラン・マクドノー。良かったですね。

牝系はDarjinaDarsiと同じでアガカーンスタッド出身。この牝系で重賞勝ち馬が出たというのはアガカーンスタッドとしても心強いでしょう。

父Sea the Stars×母父Danehillで、猛威を振るう父Galileo×母父Danehillと父の母が同じ点で似てると言えないこともありません。全く違う点はDanzig 4 x 3になること。Danzigクロスも急激に流行り始めているように感じますし、今後、この形態も注意しておく必要があるかもしれませんね。
配合的には、Never Bend 6 x 6、Princequillo 6 . 8 x 7、Prince Chevalier 6 x 7というところは父のいいところを出せそうでいいように思いますし、Court Martial - Fair Trialという父で生かせなかったところをクロスしている点もいいと思います。細かい点を言えばFighting Fox = Gallant Foxクロス、Donatello 7 x 8、Pharis8 x 7とこれらに内包されるClarissimusクロスなんかもいい感じです。
割合少なめのクロス馬でコンパクトにまとめた近親交配馬って点ではアリじゃないかと思います。

オイロパ賞

2013-09-25 23:15:25 | 競馬日記
オイロパ賞は1位入線Meandre、2位入線Empoliともに降着という珍しいレースになりました。4位入線Earl of Tinsdalの進路を妨害したとのことです。結果、3位入線のVif Monsieurが勝利を手にしました。

棚ぼた勝利を手にしたVif MonsieurはGI初勝利になります。春にはフリューヤールス・ドライヤーリゲン賞(GIII)で後に独ダービー馬となるLucky Speedを破ったこともありました。
父はオークス馬Moonshellの全弟で、KジョージのDoyen。Doyenにとっても最初のGI馬になったようです。
母父Big Shuffleは独リーディングサイアーに何回もなったことのある名種牡馬なのですが、大物は出さずコツコツと稼ぐタイプで、産駒のGI馬はターフローズだけでした。母父としてもVif Monsieurが初めてのGIになったようです。

父方Krisと母方SurumuによりRelianceクロスが出来ていますね。Surumuがドイツ血統なので、世界的にはそれほど多い形態ではないと思いますが、2位入線で4着に降着になったEmpoliも同じです。さすがドイツ、我が道を行きますね。
自分の力で勝ったわけではないのですが、好みの配合なので取り上げたくなりました。Northern DancerやHail to ReasonのクロスでシンプルにSadler's Wellsを強調し、RelianceがDeiri、Indusといった特殊な血、Tourbillon、Papyrus、アメリカンなMan o'War、Black Toney、メジャーなBlandfordをまとめています。破綻はありません。

ガーデンシティS

2013-09-20 00:19:22 | 競馬日記
先週は重要なレース、重要な馬が勝ったレースが多くて振り返るのに何日もかかっているのですが、面白い血統の馬が勝ったレースもありました。

ベルモントの芝の3歳牝馬戦ガーデンシティSをAlteriteという馬が勝ちました。仏産で、Literato産駒。Literatoは仏ダービー2着で、チャンピオンSを勝った中距離馬です。

父・仏産Literato×母父・パスカル・バリー厩舎の仏愛ダービー馬ドリームウェル×祖母父・ヘッド家所有のモーリス・ド・ゲスト賞勝ち馬Anabaa×曾祖母父・リュパン賞の勝ち馬グルームダンサーと、徹底してフランス絡みの種牡馬が累代交配されています。
Alteriteもジャン=クロード・ルジェの管理でフランスで走っていたのですが、仏1000ギニー10着、サンタラリ賞2着、仏オークス6着と大レースで負け続け、アメリカのチャド・ブラウン厩舎に移籍しての初戦がガーデンシティSでした。デルマーオークスのDiscreet Marq、アメリカンオークスのEmollientが出走していた中での勝利です。斤量は2着Discreet Marqより6ポンド軽かったですが、移籍早々、アメリカ牝馬芝路線でポジションを取ったかもしれませんね。

ゲイメセン 4 x 5の単一、Northern Dancer 6 x 4 . 5 . 6 . 7の中間断絶が5代内に現れるクロス馬です。ゲイメセンはVaguely Noble産駒でサンクルー大賞典を勝った中長距離馬ですが、母方のTurn-to、My Babuも生きていて、スピード、スタミナどちらにも働いていそうです。ちょっとマニアックなBig Game、UmidwarをHyperion、Nearco、Princequilloらと結びつける面でも効果があると思います。そのNearco - Pharos = Fairwayは豊富でまんべんなく配され、この統一性なんかも魅力的です。
それにしてもこのおしゃれな感じはいったい何なんでしょうね。今年もフランスのオシャレ配合が出ましたという感じです。

ウッドバインマイル

2013-09-19 00:17:35 | 競馬日記
ウッドバインマイルは昨年のエクリプス賞年度代表馬Wise Danが勝ちました。これで9連勝です。

一応GIなのですが、メンバーは軽く、6頭立てでGI馬はWise Danだけという名ばかりGIでした。芝砂兼用馬であり、レースの選択肢は多いのですが、弱いメンバー相手のGIIに出たり、チャンピオンとしては物足りないレース選びが続きます(記事)。Wise Danに恐れをなして、回避馬続出でメンバーが軽くなったってわけではないようですしね。

それでも本馬が年度代表馬レースの先頭にいると思います。ただし、BCマイルにどんな馬が欧州から遠征してくるかが注目です。もし、欧州の一流マイラーよりWise Danの方が下ってことになっても、GI3勝を含む連勝(連勝もGI勝利数もまだ伸びるかもしれませんが)を考慮して年度代表馬に選ばれるのか、それともBCクラシックの勝ち馬の方に行くのか。様々な路線があって直接対決がない中で選ばなければならないエクリプス賞の難しさが出てくると思います。BCマイルで負けたらと言う仮定の話ですけど。

ヴィンセント・オブライエン・ナショナルS

2013-09-18 00:10:11 | 競馬日記
ヴィンセント・オブライエン・ナショナルSはToormoreが制しました。

父ArakanはGIIを2勝した程度の馬ですが、ジャンプラ賞、ヴィトリオディカプア賞のDick Turpinも出していて、期待以上であると言っていいでしょう。Dick Turpinは母父がシャルード、祖母父ソーブレスドという凄い血統でした。
その父は名種牡馬Nureyevで、Sadler's WellsにとってのGalileoMontjeuのような後継種牡馬は得ることができませんでしたが、Pivotalとその仔KyllachyExcellent ArtSiyouniが頑張ってはいます。Dick Turpinは英ナショナルスタッドに繋養されており、本馬とともにNureyev系を繋いでくれるでしょう。

ToormoreはNatalmaクロスを伴うNorthen Dancerクロス、Thong = Lt.Stevensクロスで強烈にNureyevを強調しています。ただ、Tanerko - Tantieme、Djebel、Ribot、Donatelloらのクロスから、ただの早熟馬、短距離馬ではないような雰囲気を感じます。どれくらいの距離をこなせるのか、注目したいです。

愛セントレジャー

2013-09-17 00:25:19 | 競馬日記
愛セントレジャーはTeofilo産駒Voleuse de Coeursが勝ちました。6馬身差の圧勝です。超長距離戦で実績はあったようですが、重賞初勝利がGIになりました。

母はラガルデール生産でアガカーン殿下の所有でしたが、アガカーンスタッドを出ているようですね。生産は愛ナショナルスタッドになります。仏2000ギニー、ジャックルマロワ賞のVahorimix、BCマイルのVal Royalと同じ牝系です。

母父がDanzig系でDanzigクロスができるTeofilo産駒。愛ダービー馬Trading Leather、ジャンプラ賞のHavana Goldと同じです。母父がGrand Lodgeですので、Trading Leatherの方に近いですね。Rivermanを持つことも共通します。12Fまでは持ってしまうこともあるんだろうと思いましたが、この形態で14Fもこなしてしまいましたか。Sadler's Wellsの生かし方、Prince ChevalierやBig GameでUrban Seaの母を生かしている点なんかは確かにスタミナ側に働くだろうとは思うのですが、超長距離を圧勝してしまうんですね。

父のTeofiloは現在、英愛リーディングサイアーの2位にいます。2歳GIから、ダービーディスタンス、超長距離まで幅広くカバーする万能種牡馬ですね。父Galileo×母父Danehillの組み合わせの初期の活躍馬で、Raise a NativeクロスがあるところはFrankelと共通します。Frankelに対する期待も益々大きくなっていっていることでしょう。

ムーランドロンシャン賞

2013-09-16 20:49:48 | 競馬日記
ムーランドロンシャン賞は2歳時から期待していたMonsun産駒Maxiosブログ)が勝ちました。

他に出走していたGI馬は昨年のジャンリュックラガルデール賞の勝ち馬Olympic Glory、今年の仏2000ギニー馬Style Vendome、今年の仏1000ギニー馬Flotilla。仏2000ギニー馬、仏1000ギニー馬が出ていたとは言っても、Style Vendomeはジャンプラ賞4着、Flotillaは仏オークス8着で、今ひとつしゃきっとせず、古馬との対決となる本レースで信頼できる状況ではありませんでした。その中でOlympic Gloryは好メンバーが揃ったジャックルマロワ賞でMoonlight Cloudの僅差2着と頑張っており、この馬が出てきてくれたおかげで少しはまともなメンバーが集まったように見えるようになりました。

そのOlympic Gloryが2着で、Maxiosはそれに5馬身付ける完勝でした。凱旋門賞馬バゴ半弟でMonsun産駒ですから、10F以上での活躍を期待したのですが、勝ったGIは1850mのイスパーン賞とマイルのムーランドロンシャン賞。このロンシャンで行われた両レースの間に走ったアスコット10FのプリンスオブウェールズSは6着に破れています。距離、馬場、相手関係、体調なんかがありますが、今のところ、ロンシャンのマイルが合っているというところでしょうか。

ロンシャンの凱旋門賞前哨戦2013

2013-09-16 00:18:45 | 競馬日記
日英のダービー馬対決となったニエル賞は日本のダービー馬キズナが英国のダービー馬Ruler of the Worldを押さえて勝利しました。1番人気だったパリ大賞典の勝ち馬Flintshireは4着。

後ろの方からゆったりと進んで直線では外に出しました。追い出したところで内のRuler of the Worldが行き場をなくして1馬身くらいは差ができましたが、そこから再加速して差を詰めてきました。ギリギリしのぐ形になりましたが、ダービー以来のレースで、長旅があって、前哨戦仕上げで、安全策をとってということを考えると、勝ち負けはあまり関係なかったと思います。それでしのげたのだから十分ですね。

馬場状態はソフトだったらしく、この状態ならRuler of the Worldとの比較でキズナがかなり上だろうと思っていたのですが、思っていたよりRuler of the Worldは強いですね。
キズナは豊にとって乗りやすい馬なんでしょうね。フォームが昔と変わらず、道中の映像であのフォームが映ると、それだけで勝ちそうな気がしてしまいます。


ヴェルメイユ賞は人気のTreveが勝ちました。完勝ですね。2着にケイアイファーム所有のWild Coco。この馬は繁殖のために買ったんだと勘違いしましたが(ブログ)、今年に入って前走のリリーラングトリーSを連覇していました。凱旋門賞には行かないのでしょうか。


フォワ賞はオルフェーヴルが連覇。3馬身差楽勝です。3月以来のレースで、頓挫があって、よくここまでコンディションを持ってきましたね。

Camelotが取り消して、ライバルらしい馬はDunadenくらいしかいませんでしたが、そのDunadenが8着に沈んでしまってはこの楽勝も仕方ありません。


一応、勝ち時計の比較をしておきます。ニエル賞は2'37"64、ヴェルメイユ賞は2'36"82、フォワ賞は2'41"47。GIのヴェルメイユ賞が例年通り一番タイムがよく、楽勝になってしまったフォワ賞が一番遅いです。まあ、こんなもんだろうというところで、タイムの比較でこの馬は強すぎるなあと言えるものはなかったように思います。
TreveはZarkava並みなのかなと期待しましたが、そこまで言うのは早いという感じですね。

レースが行われるごとにブックメイカーでの人気はめまぐるしく変わりました。この3つが終わって、結局、大手William Hillを参考にすれば、1番人気オルフェーヴル、2番人気Treve、3番人気Novellist、4番人気キズナ、5番人気Ruler of the World、 Flintshire、The Fugueという順になっています。日本の馬がロンシャンの前哨戦の2つを制し(ジェンティルドンナがヴェルメイユ賞に出ていたら3勝もあったかも)、1番人気と4番人気にいるというのはすごいことになってきました。

セントレジャー

2013-09-15 16:24:48 | 競馬日記
英国クラシック最終戦、セントレジャーが行われました。勝ったのはBallydoyleのLeading Light

母は重賞5勝。5代母はRound Tableの全妹Monarchyです。
一見でいい配合と言えますね。まず父Montjeu×母父Gone Westはダービー馬Motivatorと同じです。更に祖母父がIrish Riverで、Sadler's WellsとNever Bendの相性の良さを生かしています。そして祖母父が3冠馬Nijinsky。
父Sadler's Wells×母父Irish RiverのGI馬は愛2000ギニー(8F)馬サフロンウォルデン、E.P.テイラーS(10F)のInsight、フィリーズマイル(8F)のリッスン、モイグレアスタッドS(7F)のSequoyah、共和国大統領賞(10F)、ラインラントポカル(12F)のSaddexです。サフロンウォルデン、Insightの母Or Visionとリッスン、Sequoyahの母Brigidは全姉妹で、Sadler's Wellsとこの姉妹の組み合わせでは10F以下向き、Northern Dancer 2 x 4が発生するのがSaddexで10F以上向きいうところです。Sadler's Wells × River Jigなら恐らく10F以上向きでしょう。

母父がスピードよりのGone Westとは言っても、Prince Rose、Djebelがしっかりと支えています。Prince RoseはクロスしてもDjebelはクロスしてないのがMotivatorやCamelotでした。
超長距離が合う純然たるステイヤーではないと思いますが、十分な距離克服能力を持ったバランスのいい配合という気がします。今後は12F路線でも走るかもしれません。

2着はオークス馬Talent。12Fは守備範囲だが本質的にはもう少し短いところが合いそうと解説しましたが(ブログ)、この距離でも頑張りました。