うぉんばっとな毎日

大用、現前するとき、軌則を存せず

Redoute's Choiceはアガカーンスタッドへ

2012-08-31 00:39:03 | 競馬日記
最初、Redoute's Choiceがフランスにシャトルされる、という記事タイトル(記事1記事2)しか目に入らなかったので、ふーん、へー、としか思わなかったのですが、シャトルされる先はアガカーンスタッド・フランスのHaras de Bonnevalじゃないですか(記事1記事2)。

オーストラリアで2度、チャンピオンサイアーになった名種牡馬です。既に21頭のGI馬を出しています。父は大種牡馬Danehill。Danehillの仔がアガカーンスタッドに行くんですね。アガカーンスタッドはDanehill、Sadler's Wellsの近年最強コンビを積極的には使わないような印象がありましたが、とうとうアガカーンスタッドにDanehill産駒が繋養されます(母父DanehillのSiyouniがHaras de Bonnevalに繋養されていますが)。

アガカーンスタッドのニュースにあるようにRedoute's Choiceの牝系は優秀で、トライマイベストEl Gran SenorスピニングワールドザールRags To RichesJazilなどが出ています。
アガカーンスタッドからは少なくとも15頭の牝馬がRedoute's Choiceと交配される予定。アガカーンスタッドにとって、大きな試みになります。どんな牝馬が選ばれるのか、楽しみです。

良いニュースと悪いニュース

2012-08-30 19:22:13 | 競馬日記
良い方から。
Paynterの状態が少しましになったようですね(記事1記事2)。
油断できない状況ではあると思いますが、少しでも良くなるのはいいことです。

悪い方。
アガカーン殿下の仏オークス馬Valyraが亡くなりました(記事1記事2)。後肢大腿骨骨折とのこと。
ラガルデールから受け継いだ牝馬の仔であり、こういった牝系がどのようにアガカーンスタッドに根付いていくことになるのか、興味があったのですが、残念です。
曾祖母の仔にラガルデール生産のBCマイル馬Val Royalがいました。

Paynterまで

2012-08-30 00:15:08 | 競馬日記
ベルモントS2着でハスケル招待を勝ったPaynterが体調を崩しています。

ハスケルのあと、熱発がありました(記事)。一時、トラヴァーズSに出られる可能性のあるところまで回復したようですが(記事)、結局回避しました(記事)。その後、大腸炎と診断され入院(記事1記事2記事3)。

'seriously ill'とのこと。良くないようですね。このブログで今年のアメリカは戦線離脱が多いことを何回も書いていますが、RacingpostもアイルハヴアナザーBodemeisterUnion RagsHansenが既にいなくなったことを書いています。既に酷い状態なのですが、Paynterまで何かあれば今年のクラシックと昨年のBCジュヴェナイルの1、2着が全滅するという目も当てられない状況になります。

Racingpostの記事を読むと、かなり心配になってきます。母が年度代表馬Tiznow、重賞5勝Budroyale、重賞勝ち馬Tizdubaiの全きょうだいという魅力的な血統背景があります。無事であって欲しいです。

パーソナルエンスンSはLove and Pride

2012-08-29 00:10:52 | 競馬日記
パーソナルエンスンSはLove and Prideが勝ちました。

父A.P. Indy×母父Storm Catの豪華な配合です。もちろん、この組み合わせは何回も試されているわけですが(例えばSweet Catomine産駒Sweet Thoughts、Storm Flag Flying産駒Colors Flyingのような良血馬もいます)、私の記憶では今までGI馬は出ていなかったと思います。逆パターンの父Storm Cat×母父A.P. IndyのGI馬にはBluegrass CatMr.Sidneyがいます。

今まで成功例はありませんでしたが、特に悪いようには思っていませんでした。父、母父の血はバランスよく抑えられますし、Secretariat 3 x 4の明確な主導ができあがります。Love and Prideも十分に良くできた配合だと思いますが、もうちょっと言うなら祖母内のMr.Busherがもう一つ前に出ていた方がWar Admiral - Man o'Warの生かし方が良くなったように思います。まあ、十分に良くできているので、大きな問題ではないですし、この位置にこの血があった方がいいと言ったところで血統表を好きなようにいじくれるわけではなく、制限がある中でそれなりに良い配合を作るしかありません。

パシフィッククラシックはDullahan

2012-08-28 00:04:04 | 競馬日記
ケンタッキーダービー3着のDullahanがパシフィッククラシックSを勝ちました。
2歳時にブリーダーズフューチュリティ、3歳時にクラシック前哨戦のブルーグラスSを勝ちましたが、BCジュヴェナイルは4着、ケンタッキーダービー3着、ベルモントS7着、ハスケル招待5着と大きいところでは負け続けていました。今回のGame on Dudeを下しての勝利は価値があるでしょう。勝ったGI3つは全てポリトラックのレースで、AWに対する適性が高いかもしれません。

半兄はケンタッキーダービー馬Mine That Bird。Mine That BirdはMr.Prospector 5 x 3の中のNative Dancer 6 . 7 x 5 . 6 . 6、Nashua 5 . 7 x 5でリードする魅力ある配合です。Dullahanの方はMr.Prospector 5 x 3の系列ぐるみで構造は異なりますがこちらも魅力があります。

この世代は2冠のアイルハヴアナザー、ベルモントSのUnion Rags、ケンタッキーダービー、プリークネスS2着のBodemeister、2歳チャンピオンHansenなど、有力馬の離脱が相次ぎましたが、ハスケル招待のPaynter、トラヴァーズS同着のAlphaGolden Ticketなどのクラシックを取れなかった組が穴を埋めて行ってくれることでしょう。

トラヴァーズS

2012-08-27 00:25:53 | 競馬日記
“ミッドサマーダービー”トラヴァーズSはAlphaGolden Ticketの同着でした(記事1記事2記事3)。このレースでの同着決着は初めてです。

前2頭を見る3、4番手の位置から外を回って順位を上げようとしたAlphaに対し、Golden Ticketは内を上手く抜けて直線入り口で先頭に立ちました。直線は逃げるAlpha、追うGolden Ticketの叩き合いになり、並びかけたところがゴールでした。

AlphaはBernardini産駒。あの悲劇のケンタッキーダービー馬Barbaroが故障したプリークネスSの勝ち馬で、他にトラヴァーズS、ジョッキークラブGCを勝っています。つまりこのレース父仔制覇(Stay Thirstyで昨年もこのレースを勝っています)。Bold Ruler 4 . 5 x 5にPrincequillo 5 . 6 . 7 x 6 . 7 . 7 . 7のスタミナを足した配合で、A.P. Indy産駒の中でかなり好きな血統構成です。ただし、母方にNearcticクロスを伴うNorthern Dancerがあり、種牡馬としてはこの部分の影響が強くなってBold Ruler主導のシンプルな構成だった父の構造をそのまま受け継ぐ産駒は作りにくいかもしれないです。
で、Alphaは母父Nijinskyで、この中のNorthern Dancerが強い影響を持ち、また祖母父Alydarの中のRaise a Nativeの影響も強くなっています。父母の傾向に大きな差がないので破綻はないのですが、個人的にはもうちょっと世代が揃っている方が好みです。

Golden TicketはGone Westの後継種牡馬Speightstown産駒。BCスプリントの勝ち馬です。Secretariat 3 x 4が明確に主導を作るいい配合です。しかし、Golden TicketではSecretariat - Bold Ruler、Princequillo、次に影響の強かったTom Fool - Menowは無視で、Mr.Prospector 3 x 4、Northern Dancer 5 x 4の中間断絶で、Northern Dancerの全開とNative Dancer - Polynesianがリードする配合になっています。もうちょっと父の傾向を活かしたかったようなところはありますが、まずまずと言った感じでしょうか。

ナンソープS

2012-08-26 00:14:31 | 競馬日記
ナンソープSはオーストラリアからの遠征馬Ortensiaが勝ちました。5Fの電撃戦で後方の位置取りだったのですが、差し切りました。

オーストラリアのスプリンターは強いですね。オーストラリアではGI1勝。ドバイ遠征してアルクオーツスプリントを勝利。そこからイギリスに遠征してキングズスタンドS、ジュライCと連敗しましたが、GIIキングジョージSとここを連勝です。

父はTesta Rossa。日本でも走り、京王杯スプリングCはスティンガーの5着、安田記念はブラックホークの16着でした。好きな配合の馬でした(ブログ)。

Ortensiaは父こそ一流スプリンターマイラーのTesta Rossaですが、母方の累代交配は渋いです。母父Picnickerは名スプリンターSnippetsの産駒ですがマイルGIIIを勝ったのが唯一の重賞勝利です。祖母父Loosen UpはNever Bend直仔で、12Fのリステッドを勝っていますが、重賞勝利なし。ただし種牡馬としてはBetter Loosen Upを出しています。曾祖母父RulingはBold Ruler直仔でサラマンドル賞3着。母方には一流競走馬は付けられていません。
配合としてはNasullahが主導で、父母の傾向とあっていているのですが、Sadler's WellとNever Bendのニックス同様、Lalunのクロスが出来ているところ、Alycidonの系列ぐるみなど、ただのスピード馬には見えないところが素晴らしいと思います。

ゴルトブリッツ死亡

2012-08-25 22:07:28 | 競馬日記
ショックなニュースでした。
ゴルトブリッツが腸捻転で急死しました(記事1記事2記事3)。

6月に帝王賞で初GI勝利を飾ったばかりでした(ブログ)。レーティングは115で、ダートの一流馬の仲間入りをしていました。
血統は実に魅力的で、ディープインパクトの甥、スペシャルウィークとレディブロンドの仔で、血統表内にディープインパクトが再現されています(ブログ)。ウインドインハーヘアの孫で唯一のGI馬でした。

ダート馬とは言え、この血統背景があればどこかに引き取り手があるだろう、出来れば海外に拾ってもらえないかと思っていましたが、こんなところで亡くなってしまうとは。返す返すも残念です。

ヨークシャーオークスはShareta

2012-08-24 01:38:56 | 競馬日記
アガカーン殿下のSharetaがヨークシャーオークスを勝ちました。昨年の凱旋門賞でDanedreamの2着に入り、今年のサンクルー大賞典でもMeandreの2着に入りました。

アガカーンスタッド生産馬は若干の雌伏の時を経て、最近再び活躍し始めています。今年に入ってサンタラリ賞のSagawara、仏オークスのValyra、セクレタリアトSのBayrir、そして今回と、GI4勝です。

Sagawara、Valyraはラガルデールから受け継いだ牝馬の仔でしたが、Bayrir、Sharetaは母もアガカーンスタッドの生産馬です(Sharetaはアガカーンスタッド伝統の牝系ですが、Bayrirは曾祖母がアガカーンスタッド出身ではありません)。最近走っている馬はアガカーンスタッドでこの数年間大成功していたパターンからは外れているものが多く見られ、復活までもう少しかかるのかなと思っていましたが、復活の兆しが見えたと言っていいかもしれません。

BayrirはMedicean産駒。アガカーンスタッド生産のMedicean産駒のGI馬は初めてです。Machiavellianの系統はMr. Prospector系ですが芝適性・距離克服能力があり、これを使うのはアガカーン殿下らしいと言っていいように思います。
SharetaはSinndar産駒。アガカーンスタッドの生産で、英愛ダービー、凱旋門賞、ナショナルSを勝ち、8戦7勝。3歳初戦のリステッドを取りこぼした以外、全て勝った名馬でした。アガカーンスタッドの生産馬としては愛オークス、ヴェルメイユ賞のShawandaがいます。Sharetaとは3/4同血です。従来の配合パターンと言っていいでしょう。
ShawandaはMill Reef、Northern Dancer、Abdosと3種類の中間断絶クロスを5代以内に持つちょっと難しい配合でした。SharetaはBaratheaが挟まることにより更にHabitatの中間断絶クロスが加わっています。こういうタイプの配合は日本ではほとんど成功例がないように思いますが(ローズキングダムの配合は見る度にShawandaを思い出しますが)、いい配合だと思います。

Hansenまで引退の危機

2012-08-23 23:21:03 | 競馬日記
昨年のBCジュヴェナイルの勝ち馬HansenはトラヴァーズSに出走予定だったのですが、屈腱炎を発症して、このレースを回避、このまま引退の可能性が高くなりました(記事1記事2記事3)。

米クラシック路線の有力馬がどんどんいなくなります(ブログ)。A.P. Indyの系統でもあまりPulpitの系統は好きではないので、終始辛い評価だったのですが、引退するとなると残念ですね。