畑のつぶやき

畑や田んぼの作物の生育や農作業の報告
農家の暮らしの日記
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食、農への思い

ゴボウ掘り

2009-12-10 19:03:29 | 農作業
12月10日(木)  ときどき 

天気が、よい方に、ずれてくれた。一日、ゴボウ掘りをしたが、少し、残ってしまった。
とにかく、固い土だ。表面は、何年も耕して、野菜を作りつずケてきたので、サラサラの土。しかし、30㎝ほど掘ると、固く、締まった、粘土混じりの土。しかも、雨が、多いので、水分をたっぷり含んでいる。ミニショベルの、バケットの詰めを突き刺しても、詰めの部分だけしか、刺さっていかない。だから、掘るといっても、土を削り削り、掘り進んでいくという状態。たかが、1mくらい掘るだけなのに、何度も、何度もバケットを下さなければならない。
当然、ゴボウの植わっている脇を、掘ることになる。あまり近すぎると、ゴボウ自体を傷つけることになる。まっすぐでもそうなのに、わが家のゴボウは、どのように伸びているか、皆目、わからない。少し離れ気味に、掘ることになる。
さあ、それからは、スコップ。穴に入り、ゴボウのそばへと、慎重に、削り落していく。根を見つけたら、傷つけないように、伸びていく方向を確かめながら、スコップを動かす。
「あっ!」、何度かは、傷つけてしまう。また、土の重みで一緒に崩れ、折れてしまうことも。ある程度、上の方を掘り表し、両手で慎重に、引っ張り抜く。この時も、固く締まった土との、綱引き合戦。先の方が、千切れてしまうこともある。

隣の畑のおばあさん。見物に来ていて、なにやかやと、雑談していく。
曰く。「ゴボウの先は、毒があるから、掘らないでいい。と云われている。」 と。
この地の先人たち。ゴボウの、最先端まで、ていねいに掘り取る、精農達に、皮肉を込めて、そのようなことを、云ったのだろう。自分たちの、適当な、ゴボウ掘りの技術を、棚に上げて。
しかし、ていねいに、神経を使って、時間をかけて、最先端まで、掘り取っても、その、最先端は、土の中に残ってしまった、最先端と、ほとんど同じ運命をたどることになる。
おばあさんの云う、先人の知恵の方が、適っているのかも。