memories on the sea 海の記録

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食用可能な投棄魚は慈善目的に   EU

2011-10-31 08:57:38 | 水産・海洋
食用可能な魚の投棄をやめるためにEU漁業コミッショナーのMaria Damanakiは慈善目的での利用をEU議員に訴えた(10月27日Guardian)

EU水域の魚が海に投棄される代わりに貧困国に提供する案が木曜日提案された。
欧州漁業コミッショナーのMaria Damanakiは食用可能な魚を海に投棄する無駄をなくすために公的機関を通じての慈善目的での分配案を提案した。環境食糧地方関連共通委員会に先立ち、彼女は「我々はこれらを慈善目的に与えることができる、漁業者が貧困者に魚を与えてくれるものであれば漁業者に対する補償も必要」と。

Damanaki女史は設定されてから40年が経過したEU共通漁業政策の広範な見直しを模索している。 改革の鍵となるのは投棄行為の禁止である。ある種の魚種においては漁獲されたものの3分の2まで海に投棄されていて、そのほとんどは死んでしまう。年間およそ100万トン相当が北海だけでも投棄されている。こうした投棄魚は漁獲枠制度の副産物である。漁業者は自己の漁獲枠を超えた分や、自分が枠を持っていない魚について投棄せざるを得ない。

しかしコミッショナーは漁業者の団体や参加国から強い反対を受けている。漁業者が漁獲のすべてを陸揚げすることになれば彼らの収入がさがることになるからである。現在の方式では傷ついた魚や価値のない金にならない魚にあっては投棄が許されていて、これは漁業者の利益を最大にするためである。Damanakiは消費者らに対して政府、再販業者、漁業界などに対し投棄をやめるよう呼びかけることを要請、これによりEUの魚資源の持続性を高めようというもの。「我々は消費差の支持賛同がなければ実行できない」といい、「自分としては消費者に自分たちの食べる魚に対する責任を呼びかけ圧力としたい」

今年のはじめには何万もの人々がGuardian紙での食品ライターHugh Fearnley-Whittingstallの呼びかけに呼応して投棄禁止に関する請願書に署名している。Damanakiは漁船のスクラップに補助金を出すことも中止したいとしている。しかし2007年から今年までの間におよそ10億ユーロの金が漁船のスクラップに応じた漁業者に支払われているがこの期間に欧州の漁船数は3%増加。スクラップ補助金が新しい大型船の建造に使われているからだ。

余剰物の分配で欧州から低収入の国々の人々に分配する慈善システムにはすでに既存のものがある。それは“貧者への食糧”の形であり農業製品では行われている。価値の低い食べられない漁獲はフィッシュミールとして魚の餌になる。加えて漁業者はどんな稚魚をとっても補償金を受けることになる。いくつかの魚種にあっては投棄ののちにも生存するサメなどはあるがこれは依然許可されている。
しかしDamanakiはそうしたレベルの補償金の設定は困難と認識している。「漁船お協力を得るためにいくばくかの金は漁船に対し支払わねばならないだろうが多すぎてはいけない。それよりも小魚を獲れない選択性のある漁具をすすめるべきだ」

漁業委員会は今後7年間に67億ユーロの予算を要求している。この資金は漁業から廃業するものや新しい仕事に就業させる目的のもので、不要になった漁船をレジャー目的や海のプラスチイクゴミのリサイクルという革新的な計画に使われる。またこの資金は冷蔵庫の新設などのインフラにも用いられ、魚の無駄を解消する。
Damanakiの提案は欧州議会や欧州委員会で現在検討中のもので来年には討議される。もしこの案が参加国によって否定されなければ来年の末には法制化される。

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