タンカー爆発、深まる謎 MOLのMV M.STAR号

初期調査の結果船上と外舷で爆発があったことが明らかになった。フジャイラ港湾局長のCaptain Mousa Muradは爆発のあったことを確認したがその原因については言及していない。また船主はテロリストによる攻撃の可能性を否定はしなかった。（7月30日khaleejtimes,UAE）

「タンカーの初期調査はUAEの領海の中で錨を入れた状態で行われ、爆発は明らかになった。しかしその原因はいまだ不明である」とCaptain Muradが発言。昨日はオマーン当局者が地震による衝撃波が船に損害を与えたと発言していた。爆発による衝撃は船員居住区を切り裂き、上部甲板に損害を与えている。「損傷箇所の修理は現在行われている」とCaptain Murad.

米国第5艦隊の報道担当官John Fage はKhaleej Timesに対して、爆発は船上で起こりそれによりライフボートが吹き飛ばされたと語った。「我々はこの爆発の原因いついてこれ以上を知らない。右舷側のハッチが損傷していることを確認した」と彼は語った。
爆発説が当初東京では信じられ、船主であるMOLは「タンカーが強い波に打たれたという話もあるが、その確率はかなり低い」と。いまだ結論を得てはいないが、我々はタンカーが爆発によって損傷したと考えている」と同社の広報担当ヒビノ・マサシト氏は語った。

UAE外務省の通信報道部門幹部のSultan Al Aliはそのステートメントの中で関係当局による調査から原因の判定はいまだ出来ていない、と。「負傷者なく油漏れや油による汚染も発生していない」と付け加えた。

本タンカーは200万バレルの原油をカタールのUM SAEED とUAEのDAS島で積みつけホルムズ海峡を通過したもので、事故の際には31人の乗組員がいた。石油のライフラインとして戦略的な海峡であるこの地は世界全体の原油の40%が運ばれている。このことは、この海峡を経由して毎日1700万バレルが運ばれていることになり、中東原油は日本の総輸入量の90％にあたる。

最大幅が100kmであるこの水路での混乱や事件はこの地方にたちまち緊張をもたらすものとなる。

＋何がタンカーに損傷をもたらしたか？その原因について疑問やさまざまな推測がなされている。

＜海賊によるものか？＞
海のギャングの行為であることの特徴がタンカーの受けた損傷からは見つからず、海賊説は排除される。また事故の発生した現場は海賊の活動場所からははるかに北方である。海賊はアデン湾での攻撃にはロケット砲弾を使用する。海事当局者はその場合このタンカーのような損傷にはならないという。

＜攻撃はグループによるものか？＞
海事当局は攻撃の可能性をいまだ否定はしていない。結論を導き出すにはあまりにも情報がすくないことによるものである。「ただちに何が起こったかを知ることは不可能。ひとつは攻撃によるもの、また他方の原因としては衝突や事故が考えられる」とコンサルタントであるControl Risks社のアナリストJonathan Woodはいう。

＜本船内部での爆発ではないのか？＞
海運筋の一部は損傷はタンカーの船内で発生したものではないかと推測している、しかし撮影された写真からは外部からのものであることを示している。「もし爆発が船内のものであれば船殻の損傷は凸形であり写真のような凹形にならない」と海事安全対策会社MRMの最高責任者のJohn Dalbyはいう。
又別の海運関係者は、別の理由としてストレージタンクがポンプの誤操作によって、内部が真空となり変形破裂したのではであという。

＜機雷によるものか？＞
海事専門家はこの説を否定。タンカーの下で嫌いが爆発すれば船体に貫通するはずという。「これは嫌いや魚雷によるものではない」と英国海軍の機雷除去ダイバーであったGibbon-Brooksはいう。

＜潜水艦と衝突か？＞
UAEのFujairah港湾当局者は潜水艦説を木曜日に唱えた。「損傷が単純である。またあたかも人工物であるかのように完全な正方形を示している、潜水艦かもしれない」とMRMのSalby氏は言う。