memories on the sea 海の記録

海、船、港、魚、人々、食・・・などなんでもありを前提に、想い出すこと思いつくこと自由に載せます。

中国は2010年の水産製品の増加を報じた

2011-03-03 16:58:51 | 水産・海洋
2009年中国の水棲生物の製品は5120万トンに達し前年比で4.6%増加した(2月1日TFSND)

生活水準の向上ともに、毎年高たんぱく水産製品の消費が増加している。このたくましい需要が水産製品の産出量を毎年成長させている。プロダクトミックスで考えると海面生産は淡水製品のギャップを補い、それぞれの比率は52.4%と47.6%となっている。

また中国はその水産製品の輸出量を増加し増加する海外需要に応えている。2010年の第3四半期までの輸出量と金額では中国は2.3百万トン、95.2億米ドルに達しそれぞれ前年比で8.9%および25,6%の増加となっている。エビ、貝類、テラピア、ウナギ大型のイシモチなどが輸出の主体となっていてこれらの輸出総額は全体の50.2%を占めている。輸出価格の面ではウナギや大型のイシモチがそれぞれ38.7%と43.4%という大きな伸びを示している。
沿岸の省である山東省や広東省は水産物輸出の主体であり、米国、日本、韓国に輸出している。水産物の加工においてはその収入が2006年以来増加している。2010年の1月から8月この部門は1980億元を稼ぎ出した。
その内容についてみると、冷凍加工食品が消費者の食の傾向の影響を受けて急成長を見た。2010年の1月~8月これらの産業は1505億元を得て水産加工製品の76%に相当する貢献をした。しかしながら、冷凍保存、輸送、買い付けなどにより売上総利益率は2006年から2010年8月の間は11%~12%であった。

報告書は養殖産業についても述べており、国内産業としてはHOMEY グループ、大連Yiqiao海洋種苗、Zhanjiang Guolian 水産製品、 Zhangzidao漁業グループ、 Dahu養殖会社、山東オリエンタル・海洋Sci-Tech者 Guangdong Haid グループなどがある。

HOMEY グループ・インターナショナルは主にナマコの養殖とクラゲの加工を手掛け全体利益に貢献している。2010年の上半期粗利益率は47.1%を達成した。 HOMEY グループ・インターナショナルはナマコ養殖を2014年には50,000畝に拡大すると計画している。大連Yiqiao海洋種苗は地元の旗艦ともいえる会社で水産種苗の繁殖に努め養殖事業とともに、ナマコとエビの種苗販売を行っている。2010年前半の操業収益は1.4億元を記録、粗利益率は45.4%とその競争相手よりもおおきくなっている。(以下省略)

スコットランドは投棄魚問題に取り組む

2011-03-03 16:58:24 | 水産・海洋
スコットランドは漁獲枠試験を投棄魚の削減のために拡大する。(2月16日WFAN)

漁獲枠計画はすべての魚を水揚げすることを許容する。ところがこれまでの漁獲枠方式の場合、漁獲量の制限があり、それ以上となった場合はどんな魚も洋上で投棄する必要があった。新しい漁獲枠試験は2010年に17隻のスコットランド漁船が参加、あらたに26隻となったこの計画はもうすぐ開始される。北東スコットランドからに白身魚漁船も含まれ、各地からの船が参加、西海岸、オークニー、シェットランドも含まれる。
新漁獲枠方式の漁船は魚の投棄をすることなく水揚げすることができる。特別枠はマダラのTACの12%に相当する。これは投棄魚をなくすことを確実にするためである。参加漁船の操業実態は船上カメラに確実に収録される。スコットランド政府はこの計画のために新しい監視システムの導入取付の費用40万ポンドを支給。2009年にはスコットランド漁船は白身魚漁獲量の4分の一28,000トンの魚の投棄を余儀なくされていた。金額では3300万ポンドに相当した。漁業大臣の Richard Lochheadは投棄魚は共通漁業政策(CFP)により漁業者を強制したもの。政府は革新的な方法で投棄魚をなくし、スコットランド漁船の維持可能な操業のために支援したいと。

「我々は漁業者がすべての魚を水揚げできるようにしたい、そしてどの魚にも値がつくようにしたい。そしてその見返りに海からの取り分を少なくしたい。漁獲枠方式のみですべての結論を得ることはできない、これは重要な第一歩で未来に対する維持可能な解決方法を導くものだ」と同氏はいう。Lochhead氏は58隻の船長(白身魚船のおよそ半数)がこの新漁獲枠方式を今年申請した。しかし結果として26隻が認められた。 スコットランドと水域を共同利用する他国からはこの方式に疑問も投げかけられている。このことにより複合的な漁業種においてどう関連するかアプローチの理解につながるであろう。異なる魚種の枠は多様で深い。

「2011年は将来のCFP交渉に影響を与える重要な年となる。漁獲枠方式試験の成功は我々の立場を強化し、スコットランドがEUの維持可能な、投棄魚のない漁業においてリーダーシップを握ることになる」と彼は続けた。しかしながらみんなが確信しているわけではなく、自由民主党の漁業スポークスマンLiam McArthurは漁獲枠方式は白身魚対象とエビ漁船では違う 、選択した漁船の適格性もあることから宝くじのようなものだと。「 どの団体も投棄魚問題に取り組む必要性は合意している。しかし政府は漁獲枠方式の変更を必要とする魚介の声にも耳を傾けるべき」。


ベトナムの輸出が好調

2011-03-03 08:27:19 | 亜細亜海道
ベトナムの輸出業者は様々な挑戦を成し遂げ、16品目の輸出で10億ドルを達成(2月20日SGGP)

国際ゴム協会によれば、2011年のゴムの世界需要は1100~1500万トンであるが、供給にあってはこの数値以下となる。需要が供給を超えるためゴムの価格は2011年上昇と予測される。ベトナムグム輸出入工業グループのDinh Van Tuongによれば2010年11月12月以降同グループの多くの会社が契約を締結している。2011年1月には同組織は8万トン以上を輸出した。また2月以降はさらに4万トンを輸出、この間に価格はトン当たり5,000米ドル上昇した。こうしたことからベトナムの義務産業は世界市場での地歩をかためている。2011年のはじめに中国はベトナムから車のタイヤおよびチューブ用のゴムを輸入、ベトナムは対中国輸出を増やす必要がある。経済専門家によれば、今年第一四半期に優位に立つと見込まれている。

ゴムのほかに、水産物輸出業者も優位性を確保している。ベトナムには水産物加工会社が969社あり、これらの製品は世界の162か国に輸出されている。高品質の製品の市場はすでに確立されていて、ベトナム企業は多くの国において主要な供給元となっている。
コーヒー輸出業者は2011年5月引き渡し条件でトン当たり2070~2080ドルの注文を受けている。ベトナムコーヒー協会によれば、仮に価格がトン当たり2000ドルであれば、今年の輸出金額は20億米ドルに達するという。ベトナム・カシューナッツ協会の副会長 Nguyen Duc Thanhによれば、世界市場の価格は高騰,輸出総額は14億ドルになる見込みと。昨年は11億ドルであった。胡椒も世界市場では高値でありトン当たりおよそ4600ドルであるが、ベトナム物は4500ドルである。
輸出企業にとって市場拡大は品質の向上、ブランドの維持とともに重要である。経験と努力により今年ベトナム企業は成功を収めるであろう、と。


マダラの適水温は?

2011-03-03 00:00:58 | 水産・海洋
ハイテク・ミニ水温計を取り付けた数百匹のマダラにより適水温を探る試みがデンマークで行われた(2月25日TFSND)
マダラは伝統的に冷水域で繁殖すると考えられてきた。このことから気候変動による海水温の上昇でその生存が危ぶまれるという見方がある。そこで最新の技術により適水温をさぐる試みが北東大西洋で行われた。

欧州のいくつかの大学の研究者がデンマーク水棲調査研究所(DTU AQUA)とともにバルチック海、スカゲラック海峡、北海の北大西洋のマダラの8系群の2000尾以上のマダラに温度計を取り付けた。一年間以上にわたり一定時間ごとに海水温度を計測、データ蓄積しうる計測器である。その結果は“海洋生態進行シリーズ”で先ごろ発表された。
「このように大規模かつ包括的データ採取は非常にユニークなもの」とDTU AQUAの4人のうちの一人Ken Haste Andersen教授はかたる。このプロジェクトは商業的に重要であるマダラのみを対象とした。加えて魚がある程度大型でありこの電子的なタグをつけても邪魔にならないことが理由である。結果はマダラ成魚はかつて考えられていたよりも高温でも耐えられることが判明した。

「あるマダラ水温マイナス1.5℃を記録したが、ほかの魚はプラス20℃という水温でも問題なく遊泳。このことから、マダラは以前考えられていたよりも高水温でも耐えられることを示している。しかしながら、これは成魚の場合であって、産卵したばかりの場合は異なると考えられる。その時期の魚の場合は一貫して0~8℃と思われる。このことから、マダラのライフサイクルの中で卵や幼生の段階では気候変動に対して脆弱であるといえるであろう」とAndersen教授。

北東大西洋のマダラが水温20℃でも生きられることの事実は、すべてのマダラ成魚にあてはまるものではない。仮に北海で得たマダラを今回の計測で得られたもっとも寒冷なアイスランドの北の水温マイナス1.5℃に放せば、これは魚にとっては深刻な挑戦である。「それぞれの海区の魚資源はその地域的状況に適応している。マダラが零度以下でも生存することはよく知られていることで、その理由は魚自身が作り出す不凍結タンパク質による」とAndersen 教授はいう。


過去100年間にわたる捕食魚の減少が自然の海の脅威に

2011-03-03 00:00:05 | 水産・海洋
ブリテイシュ・コロンビア大学(UBC)の研究者は人類が食物連鎖網を獲り尽くしている確たる証拠があるという。マダラ、マグロ、ハタ類などが過去100年間で3分の2となり、餌となるマイワシイ、カタクチイワシ、シシャモなどは同じ時期に倍増しているという事実を引用した。(2月18日TFSND)

UBC漁業センターの Villy Christensen教授率いる科学者チームは世界中の200例以上の生態系モデルと1880年から2007年までの68,000件のバイオマスについての研究結果から結論を導き出したが、この結果は新聞発表される。UBCチームは捕食側の魚資源は過去40年間で54%減少したという。“猫がいなくなればネズミが増える”ということわざが海で起こっている、これは乱獲によると同教授は述べている。大型の捕食魚が海からいなくなれば、小型の餌となる魚が生き残り繁栄する。

餌魚の倍増が魚生産を増加する。教授は小魚は環境変動に対して脆弱であると警告している。「今日小型の餌魚はフィッシュミールや魚油に変換され養殖業の餌として利用されていて、餌料としてあてにされている」 「仮に魚の食物連鎖の下位のものが漁獲されるようになると、我々の海はある日、養殖産業の餌の生産場所となり、自然の海からは決別することになる」

Christensen教授の示したものは2050年の海洋と漁獲に関するパネルデスカッションの一部である。その予測では、その時点でも魚はいる、しかしその多様性が小さくなると。