memories on the sea 海の記録

海、船、港、魚、人々、食・・・などなんでもありを前提に、想い出すこと思いつくこと自由に載せます。

河の渡船沈没 ベトナム

2009-01-27 00:01:05 | 亜細亜海道
25日日曜日、旧正月の買い物に向かう婦人や子供を主とする乗客を乗せた渡船が沈没、少なくとも40名が死亡した(UPI通信25日ほか)

強い流れと寒風の中、ベトナム中部のカンビン省のGIANH河で、岸から20メートルのところで、桟橋に降りるのを乗客が我先にと競ったことで船が沈没した。「80名以上の乗客が乗っていた」と地元共産党の主席であるLUONG NGOC BINH氏がAFP通信に語った。またこの船の乗客定員は20名であったと。「すでに40名の死亡が確認されたが最後の一人まで捜索する、また36名はすでに救出された」

死亡した32名の女性には2名の妊婦も含まれる。事故の現場は首都ハノイからおよそ500KM南の河川で起こった、とTUOI TRE紙のオンライン版は伝えている。「我々は兵士、漁民、河に経験ある人々などを動員救助活動に当たっている」とBINH氏は電話での取材に答えた。「救助された人々は家に帰るか病院にいる」100人を超える親族や関係者は犠牲者が搬出されるたびに泣き叫んでいる。

この悲劇はべトナム最大の祝日である旧正月前日の午前8時に発生。事故の原因は船が対岸の桟橋に接近した際に乗客が我先にと集中したことだと乗客の一人CAO THI HUONG 39術の歳がVnExpress に語った。また前述のBINH氏は「乗客が規則に従わず、旧正月テトの買い物にと集中したことが原因」と語った。この事故で乗客の救出に当たった青年らの話では、寒く流れの速い河から叫び声が聞こえ少なくとも16名を救助したと。「しかし河の流れと、寒さのため生存の望は薄い」とBINH氏は言う。また渡船の船長は定員超過のかどで逮捕された。また船には救命ブイもあったが、事故はたちまちおこり役立たなかった。多くの家族らは新年になる前夜に埋葬を急いですませたが、牛年にはさらに悪い災厄をもたらすという言い伝えによるものだという。

+++ NYハドソン河のジェット機不時着では155名全員が無傷、厳冬の氷の浮かぶ河であった。今回の事件のベトナムは亜熱帯、水温は10度以上であったろう。なぜ40名もの犠牲者が、と考えると「アジア的貧困悲劇」という言葉が浮かんできた。20人の定員に80名ほどが乗り込み定員超過、桟橋につく直前に舳先に人々が集中、我先にという行動習慣・・・人々がたどり着こうとした行き先は新年を迎えるための衣類や食べ物を求める買い物であったという。一年の苦労の連続をその日でいったん終了し、明日からの幸運を願う気持の行動が災厄を生むとは。