最新の治療法など、地元の医療情報を提供する「メディカルはこだて」の編集長雑記。

函館で地域限定の医療・介護雑誌を発刊している超零細出版社「メディカルはこだて」編集長の孤軍奮闘よれよれ・ときどき山便り。

CKDサポート活動を開始。かかりつけ医から腎専門医への紹介基準は超シンプル

2022年11月04日 06時51分44秒 | メディカルはこだて
第83号のスペシャル・リポートは、CKDサポート活動を開始。かかりつけ医から腎専門医への紹介基準は超シンプル

腎臓には血液をろ過して、体の中に溜まった老廃物や水分、取り過ぎた塩分などを尿と一緒に体の外へ出してくれる働きがある。この腎臓の機能が慢性的に低下している病態については、「慢性腎不全」という病名が用いられていたが、腎機能障害をより理解しやすく、より早期に発見するために、2002年米国腎臓財団から「慢性腎臓病」(CKD)という概念が提唱された。
日本国内におけるCKD患者数は約1330万人に達するといわれているが、これは成人のおよそ8人に1人にあたる数だ。CKD患者は透析の予備軍や心血管疾患の高リスク患者群と捉えられていることから、近年は全国各地でCKD重症化予防の取り組みが推進されてきた。函館では今年2月、CKD患者紹介促進支援活動を目的の一つとして「函館腎臓病懇談会」が設立された。代表世話人である五稜郭ネフロクリニックの鈴木勝雄院長に話を聞いた。
治らない(治せない)CKDは圧倒的に多いが、例外もあると鈴木院長は言う。検尿異常は早期であれば治療可能な腎疾患を発見する糸口となり得るそうだ。「例えば、IgA 腎症は今や治せる腎臓病です。『尿蛋白のみ』 のような早期のタイミングで発見して早期に治療するほど治療成績は向上するのです」
治療のチャンスを逃して腎不全に至り、透析生活を余儀なくされる患者をひとりでも減らすことができるように漏れなくチェックがされるべきであり、軽度腎機能障害では背後に隠れている管理不十分な生活習慣病を是正することで進行を食い止め、遅らせることが可能なケースもある。「透析回避が難しくても、透析開始のタイミングを遅らせることも可能です。
諦めて何もしないのではなく、その時点で出来ることを探してとことん対応することで経過の改善が図れるのです」。CKDへの早期介入は意外と有効であると教えてくれる。 「CKD患者のQOL・予後改善、そして函館市の医療費抑制のために、打てる手があるか否かについて検討してみるのは重要なことなのです」

記事は4ページで紹介しています。


新たなCKD連携システムについて説明をする五稜郭ネフロクリニックの鈴木勝雄院長


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