Fish On The Boat

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『東大がつくった確かな未来視点を持つための高齢社会の教科書』

2018-04-10 01:02:11 | 読書。
読書。
『東大がつくった確かな未来視点を持つための高齢社会の教科書』 東京大学高齢社会総合研究機構
を読んだ。

年金の義務だとか、介護保険についてだとか、
高額療養費制度だとか、
生きていく上で知っておかないといけない大事な情報や知識がありますが、
義務教育の中では教えてもらえなかったりする。
高校や大学を卒業して、「もう勉強をしなくて済む!」と
解放された気分になる人も多いと思いますけども、
学生を卒業してからも、こういった先述の、
年金だとか保険だとかの仕組みについて学ばないといけなかったりする。
学ぶ、というより知っておくというほうが、
多くの人には適合する言い方かもしれないです。

本書は、そういった、知っておくべきなのに
学校では習わないような知識を得ることができます。
高齢社会について、その対策や法律を知っていくことは、
もしかすると今後100年近く高齢社会かもしれない日本に住む者としては、
まさにマストではないでしょうか。

今後はというか、今もですけども、
まちづくりだって、法案作りだって、
高齢社会を見据えた形で推進されていきます。
たとえばバリアフリーについて。
今歩行困難な高齢者などが増えてきているとすれば、
今後10年でもっと増えることは目に見えている。
ならば、今からバリアフリーな社会にしていくのは
当然のことになります。

特養老人施設などの施設を増やしたり、
サービスを最先端のテクノロジーで、
今後足りなくなるゆえに負担が増える介護士への過重労働を減らしたり、
様々な、今後の方向性がこの一冊で網羅的にわかります。
ただし、ぐっと踏みこんで語ってくれるような深さはありません。
各分野をしっていくための端緒というか、
入口からその先のちょっとした展望を教えてくれる程度です。
そうはいっても、本書を踏まえないと、高齢社会の深いところまで
いくことはできないでしょう。
足がかりの一冊、とでも言うといいかなあ。

日本は世界的に見て高齢社会の最先進国です。
日本の成功を世界は見習い、
日本の失敗を反面教師にして、
今後各国は高齢社会の対策を練っていくと思います。
もう、この教科書で高校生だとか学べばいいのかもしれないですね。
そうやって、高齢社会の構成員たるぼくらの知識を底上げして、
これからのあれやこれやに対応しやすくするのがいいのではないか。

本書は去年、改訂版が出ていますので、
興味のあるかたはそっちを読んでみてください。
積読が長いと、こういうことが起こります……。

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