Fish On The Boat

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『心に訊く音楽、心に効く音楽』

2015-07-22 00:39:38 | 読書。
読書。
『心に訊く音楽、心に効く音楽』 高橋幸宏
を読んだ。

YMOやサディスティック・ミカ・バンドのメンバーとして有名な、
もちろんソロ活動もバリバリやられています、
ドラマーで音楽家の高橋幸宏さんの著書です。

幸宏さんの音楽遍歴、それは好みの上でのものであったり、
自分が作ってきた音楽のものであったりするものを
時系列に集めて語られています。

ぼくはリアルタイムでは再生YMO(名前にバッテンがついてた93年のYMO)
を経験し、その数年前からYMOはもっとも好きだったバンドでした。
始めにベスト盤を買って、ライディーンだとか東風だとかおもしろい音楽だなって
聴いていて、中学生ながらCUEの空気感も好んでいて、友だちに聴かせて
いいよね、なんて言いあっていたりもしました。

その後、いまから10年くらい前に、恵比寿ガーデンホールで行われた
エレクトロニカ系のイベントでHASという形で出演したYMOの三人の音楽を
堪能することになるのですが、そこで幸宏さんを生で目撃しています。
ぼくはクラブだとか行ったことがないのでわからないですが、
重低音がすごくて、心臓がもういっこ体の中にできたかのように、
それも不整脈を起こしたように体の中で響くというのを体験しました。
あれは心臓の悪い人は無理だなと思ったり。

そんな幸宏さんは、昔っから、
洋服やポップ音楽のセンスはずば抜けて良い人だという認識がぼくにはあり、
ツイッターをはじめた2010年くらいからかっこよさがわかるようになったんです。
それで、そんな幸宏さんのお話を、まるで身近でお聞きするような本がこの本なんですよ。
バカラックの話、ビートルズの話、そして細野さんやユーミンたちと知り合った若いころの話。
音楽の傑物たちが同じ場所に集まっていたんだから、
そこに働いていた引力みたいな不思議な運命のようなものを感じるのですが、
すごい人はすごい人と巡り合うんですよね、なんだか。
交流、親交、そういったものを垣間見るような語りになっています。

文章も軽やかで、読みやすかった。
YMOだとかはっぴいえんど周辺、音楽史好きには目からうろこのエッセイだと思います。


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