拝島正子のブログ

をとこもすなるぶろぐといふものを、をんなもしてみむとてするなり

「Tiefe」と「Tiefen」(BWV131)

2018-06-25 11:46:36 | 音楽
人生捨てたもんじゃない。こないだの朝、パジャマをあるだけ全部洗濯機に入れてしまい、今マンションの外壁工事中だから部屋干しを余儀なくされていて、夜までに乾かないと寝るとき着るものがないことに気がついたが、酔っ払って帰ってきて服のまま寝てしまえばパジャマはいらない、そうならないかな、と思っていたら見事そうなった。このように思ったとおりの展開になることは滅多にない。思わぬ展開だったのは今朝の朝ドラ。なんとリツくんがスズメにプロポーズ。その後の「アサイチ」で華丸さんが「とんでもない」「おかしい」「プロポーズのオフサイド」と言ったのは全く正直な感想であろう(以前のMCならあり得ない発言である)。リツ君と弓道の彼女とは「3年しかもたなかった」とあっさりしたもの。それより朝ドラは今が折り返し点。ここでもしリツ君とスズメが結婚したとなると、次の興味は「いつ別れるか」である。朝ドラでは別れないって?いんや。「ちりとてちん」では別れましたっ。ということで(気が済んだので)本題。バッハのカンタータ第131番「深き淵より」の冒頭が「Aus der Tiefe」と「Aus der Tiefen」の2ヴァージョンあることが某所で話題となった。あー、「Tiefen」は「Tiefe」の複数形だよって?ブー(子という旧友がいる)。これだけ取り出せばその通りであるが「Aus der」の次となると、これは女性名詞の単数形が来ないとおかしい(複数なら「aus den」である。え?そんな細かいところどうでもいいって?よくない。日本語の「てにをは」と同様、いやそれ以上にドイツ語では冠詞の変化で文が決まる)。私の見立てはこうである。「Aus der Tiefe」はそのまま。「Tiefeから」(Tiefe=女性名詞。深いところ=淵)の意味。問題は「Aus der Tiefen」だ。これはもともと「aus der tiefen ○○」(深い○○から)だった。ここでの「tief」は「深い」という形容詞。次に女性名詞の○○が来れば「tiefen」になる。その「○○」がとれてしまって、残された形容詞が名詞化して大文字になった。因みに、1545年のルター聖書を見ると「tieffen」と小文字になっている。おおっ、私の推論を後押ししているではないか!すると○○は何かだが、「淵」で思いつくのは「Abgrund」(モテットの3番にも出てくる)。しかし、これは男性名詞だからダメ。「Schlucht」は女性名詞だ。それよりも、もっと直接的に「Tiefe」と考えればどうだ?「aus der tiefen Tiefe」と似た言葉が続くからこそ、名詞を省略しようって気にもなるってもんだ。おー、なんだか当たってそうな気になってきた。悦悦。しかし、これはあくまでも私の推論である。でも悦悦。