島便り

スペインはマヨルカ。2004年9月生まれの息子、2009年6月生まれの娘と、島出身のだんなとの4人家族の日々。

閉鎖主義の犠牲者

2010年01月26日 | ひとりごと
いろいろあったこの週末。
なにを最初に書こうか、どの映像を載せようか・・・

勝利を得た映像は「鶏の解体ショー」

雄鶏が増えたため、スペシャリスト、ペドロ指揮のもと、男3人がかりで
3羽の雄鶏が丸裸にされ、解体されました。

初めての経験だった我が家。
私はギロチンが終わるまで、家にいたのだけれど、ナルは観察していたらしい。
その場にいたすべての子供たちが平気な顔で、弱肉強食の模様を観察していました。
いやいや、マヨルカで育つ田舎Kids,強し!

この日は日本人母ちゃんつながりの新年会で、鮟鱇鍋をやりました。
と、この模様もお伝えしたいのだけれど、自分にとって苦痛であったある出来事を
今日は綴ります。

昨年の夏に公務員になった話はここで書いた。
が、契約書に書かれた、ある一つの条件、については、そのとき触れませんでした。
気が重かったので。

それは。

「3年以内にカタラン語(レベルC)を取得すること」

このマヨルカは、カタラン語(その方言として、マヨルキンという言葉をここでは使いますが)を
第一言語とするカタラン地方に属するため、公務員になると、このカタラン語取得というのが契約書に記されます。

カタラン語とは。
日本語の中の「大阪弁」というわけではなく、独立した一つの言語で、文法も発音もまーーーったく違う、私にとっては「いらねー」言語なわけ。

独立した言語ではあるが、バルセロナを中心とするこのカタルーニャ地方、列記としたスペイン国の一部なので、いわゆる「スペイン語」といわれているカステリャーノ語も公用語として使います。

私は普段、カステリャーノを使っているし、これは「スペイン国家」の公用語なのだから、
いまさらカタラン語をやる必要はないと思うのだが、公務員、政府から給料が出ている、という弱みがあり、カタラン語を無視できない状況なのです。

いろんな公務員がいますが、初級、つまりAでOKな公務員、中級Bまでとれ、という職場、そして上級C(高校卒業、大学受験資格レベル)をとれ、という職場といろいろあるのです。
私が勤務する音楽院は「教育の最高峰(ほんとかーーー???)に位置する職場なのだからCをとれ」といわれているらしく。
医者がレベルBなのに、なんでただのピアノ弾きがレベルC????

こんな外国人にまで、大学受験レベルのカタラン語を強いるのです。えーーーん。

このカタラン語、なんの不自由もなく、生まれたときからカタラン語を使っている人でもCをとるのは難しい、といわれ、(文法がやたらめったら複雑なの)、俺はスペイン人だからカタラン語は楽かも、と思っている本土の人間は、Aですら涙する、そんな言語なのだ。
なにせ、発音がフランス語とスペイン語の中間、みたいな、どうしようもない代物なのですよ。

昨年、教職試験に合格した同僚は、みな、本土の人間、外国人は私を含め2名。
つまり、カタラン語とは縁のない人間。

なので、みんな苦しんでいると思いきや。

「そんなシステムはなくしてしまえ」運動をする、という。
なので、誰も勉強していない。

そんなことをしているうちに、刻々と時間は過ぎていくではありませんか。

私はそこまで楽観主義者ではないので、カタランAの試験をとりあえず、土曜日に受けてみたわけです。

ま、手ごたえはなくはなかった。
問題は合格点。
10点満点のうち、7.2をとらないといけないのよね。
これは、「うっかり間違った」というレベルの間違いしか出来ないわけです。
しかも、65%が、面接官との面談(もちろんカタラン語ね)と、かなり熾烈な試験でありました。
予測つかないしさぁ。試験管によるし、テーマによるし・・・と、いろいろ。

終わった、とりあえずがんばった、ということで、日曜日は新年会をやったわけなのだが、
お上の仕事は遅い。
なんと、結果が出るのは3月6日。
次のランクの試験は6月。
受かってから準備していたのでは遅いので、もう今週末から次のレベルの勉強に入ります。

・・・・・

ひとこと、いいでしょうか。

ふざけんなーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!
外国人が、日本へいって、大学受験レベルの日本語、漢字取得を、どこの教師に強要するんだーーー!!!!!!!
誰も働けないじゃないか。
この閉鎖システムを当然と思っているカタラン人。
いまに覚えてろ。
(・・となにができるわけでもないのだけれど)

唯一、カタラン語をやってよかったかも・・・と思うのは、Nadalと義母との電話の内容が一言も漏らさず
聞き取れるようになったこと。
「そんなことないよー」とか、電話口でチャチいれてまーす。