奇跡

昨日土曜日は、父島のオリンピック、小中高連合運動会の日。ところがその前日金曜日の午後、小中高の教職員、6年生から高校3年生までの児童生徒が、それぞれの役割分担に分かれ会場の準備作業中、ポツリポツリと雨が降り出してしまった。そして時の経過とともにその雨脚は強まり、作業が終わる頃にはグランドのあちこちはまるで池状態。

一応開催の決定は翌朝判断と言うことになったが、誰もがこれはとても無理と言う思いで、帰路についたと思う。追い討ちをかけるように、ものすごい雷が何度も雷鳴し、その一発は自転車で帰宅途中の僕の自転車が振動で地面から浮き上がるほど。

そしてその夜、硫黄島三島クルーズから7時帰港したオガマルの綱とりは、計ったように又も土砂降りの雨と雷に見舞われ、入港してくるオガマルが霞んで見えるほど。後で聞いた話ではTVにテロップで小笠原地方の大雨警報が流れたらしい。この時点で僕は運動会の中止をほぼ確信していた。

翌朝妻はいつものように4時、扇浦までの早朝ジョグにスタート、そして帰宅すると「きっとやるよ！」といつもより早く出勤の態勢。てっきり中止と決め込んでいたいた僕は、出来る訳無いじゃん、と思いながらも慌てて用意を済ませ妻の後を追った。

学校に着くと、すでに教職員の方々が雑巾、スポンジを片手にグランドに溜まった水をバケツに吸い取っている。その後は、それこそ児童生徒、そして島の有志の皆さん総出でグランド整備。ダンプで砂を運び、小型の重機を持ち込んで砂の運搬。何とか予定の30分遅れほどで、連合運動会開催にこぎつけた。

こういう時の島の方々のパワーと団結力は本当にスゴイの一言。整備中も一雨降れば元の木阿弥と言う状況の中、何度か黒い雨雲が近づいてきたのだが、皆の運動会開催にかける強い思いがその雲を追いやったのだろう。終わってみれば開会式の終わり頃パラッと一雨きたがその後は小康状態。午後には薄日も射し、グランドも徐々にグッドコンディションに。

そして閉会式の終了を待つように、またしても一雨。東の空には綺麗な虹が掛かり、父島のオリンピック連合運動会は無事？に終了。まさに奇跡的な、思い出に残る今年の連合運動会となった。

写真は砂の一杯入ったグランドの様子。

タートロン

気が付いたら今日はもう10月2日、時の経つのは早いネ。この前もこのブログで書いたけど、相変わらず小笠原は真夏の暑さ。台風15号から変わった温帯低気圧が八丈島と小笠原の間を通過するようで、内地はカラッとした爽やかな秋の気候らしいが、小笠原は南西の風が強く、海は時化模様。明日は4メートルのウネリらしい。ここのところ父島のサーファー達も波乗りを存分に楽しんでいる御様子。

そんな中今日入港したオガマルは、当然かなりの遅れとの大方の予想を覆し、ほぼ定刻での入港。少なくとも1時間は遅れるのではとノンビリ構えていた僕は、チョッピリ予定が狂ってしまった。船員さんの話では八丈を過ぎた辺りから潮が良かったそうで、帰りは大変かも、との事。

積荷のほうも厄介物少なく、久し振りにフルメンバーがそろい3時頃には終了。非常にスムーズな作業だった。

そしてこのオガマル、今夜7時桟橋を出港、船中1泊で硫黄島三島クルーズに出かける。先ほど入港日恒例のお買い物から帰って来た妻は「バスーカ砲のようなカメラ持った人が、町にイッパイ」と話していたが、そのクルーズに出かけるバードウォッチャーの人達だろう。

所で先日我家のポストに「タートロン開催決定！！」と言うチラシが入っていた。小笠原諸島返還40周年の記念行事として、父島で行われていた伝統競技の復活らしい。

競技内容は簡単に説明すると、スイム800㍍、3択クイズ、ラン3,400㍍、ビーチクリーン、子亀の放流と言うものらしい。チラシのうたい文句は‘本格的なトライアスロン競技志向ではなく、小笠原の自然を堪能しつつ、最終的には子亀の力に勝敗を委ねるという、島らしい情緒あふれる大会’との事。

しかし、ゲストにトライアスリートの関根明子さんを招いて、スイムのワークショップも開催するらしい。関根さんといえばシドニー、アテネオリンピックの日本代表で、アテネでは12位になった兵。荷役仲間のイチ君も、「そんな凄い人なんだ、ワークショップ楽しみだな」とやる気満々。

僕はいろんな人から「コーさん、タートロンでないの」と聞かれるのだが、今回は大会運営に少しでもお役に立てればと、先日ボランティアの申し込みを済ませてきた。（実はＴシャツがもらえると言うのが、かなり大きなボランティア参加の動機だったりして）

内地で趣味でやっていたトライアスロンの経験が少しでも生かせればと思っている。大会は10月18日（土）会場は扇浦海岸。

写真は、補修工事が終わり綺麗になったレストハウスから見た扇浦海岸。ここがメイン会場となる。