小笠原日記

夫婦で小笠原に移住予定です。どんな生活が待ち受けているか?とりあえず小笠原の生活を綴って見ようと思います。

360度大パノラマ

2006-01-25 19:49:57 | Weblog
今日は、昨日までの北西の風もひとまず落ち着き穏やかな天気なので、初コースである中央山へトレッキング。中央山は父島で二番目に高い山で、標高は319m。
アパートのすぐ裏から夜明け道路を一周するコースで、中央山はその途中にある。夜明け道路はランドナーで一周した事があるが、アップダウンが激しい。自転車だとつい見落としてしまう事でも、トレッキングだとよく見えて何かしらの発見がある。

途中、国立天文台の巨大な電子望遠鏡を見る事ができる。星や銀河から届く電波を観測する施設で、私たちの銀河系の姿を描き出そうというプロジェクトが進行中だそうだ。その先にはNASDAの小笠原追跡所がある。種子島で上げたロケットの追跡調査をする施設だ。何となく、この島が宇宙の中の特別な場所、選ばれた場所のような気がしてきた。

中央山への手前に初寝浦展望台という場所がある。その辺りには戦跡が多く、コンクリートの建物に鉄の窓枠がそのまま残っている場所が何箇所かある。近くの山にはトーチカもあり悲しい歴史を私たちにも伝えてる。この素晴らしい自然に溢れた南の島でまで争いを持ち込んだ人間の愚かなことよ。空と海は全て分っているかの様に今日も青い。

中央山の頂上は素晴らしい。360度視界が広がり、地球の丸さを実感できる。今日は見晴らしもとても良く、70キロ離れた聟島列島や50キロ離れた母島が見渡せた。周りが全て水平線なので、見ているとゾクゾクしてきた。カルチャーショック。
妻は北の方角に向かって、「きよらー、風太ー!」と叫んでいた。内地に居る子供達にありえないけど、届いている様にすら思えた。

夜明け道路をぐるっと一周、そのまま湾岸道路に出て、帰路につく。途中、またダンプの運ちゃんのバイトをしている仲良しのえいちゃんに会う。私たちを見つけると、相変わらずの満面の笑み。ほんと、いい人だ。
今日も、悲しい島の歴史とは関係無く、ゆっくり穏やかに時間は過ぎてゆく。

全行程、15キロ 5時間半のトレッキングは無事終了。