MAICOの 「 あ ら か る と 」

写真と文で綴る森羅万象と「逍遥の記(只管不歩)」など。

桜吹雪の中で

2008年03月14日 | あらかると
新宿御苑は、勤めていた会社が四谷大木戸近くに本社ビルを構えていたこともあり、桜の季節には昼休みの時間を利用してよく行っていた。コンビニの弁当や「浅野屋」のサンドイッチなどを持参して桜の木の下で同僚などと他愛ない話をしながら過ごすのである。
電算機室担当だった頃は、通勤時に読んだ日経新聞を片手に入園し芝生に寝転んでいたこともあった。僅か30分程度の仮眠状態に入るだけだが、プログラム作成に集中し過ぎた時の体には本当のリフレッシュになった。

当時は大塚に住んでいたが、天気のいい日はカメラバックを肩に御苑まで歩いていたりもした。桜以外の季節は運動不足を補うために歩くことが目的だったが、桜の季節は、マミヤプロフィッショナル330とNIKON-FMにエクタクロームを装填して「桜の写真」を撮ることが目的で歩いていた。

そんなある日のこと御苑内で見事な桜吹雪に出会った。桜の樹の下で弁当を広げていた人に多すぎるくらいの花が舞った。そのとき殆どの人は食を忘れ、歓喜のまなざしで桜吹雪に見とれていたのである。私にとって感動的なシーンだった。

「新宿御苑の桜吹雪を撮る」という私にとっての撮影テーマはその時に生まれたのである。テーマを前に6×6判カメラを持って2時間近く待ったこともある。そのときの一枚は結構な傑作だった。その傑作を6×7プロキャビンでビルの白い壁に実物大に投影したこともあったが、いまや時代はデジタル化全盛となり、過去の多くのポジフィルムはゴミとなりつつある。

写真は3年前に撮影した新宿御苑での桜吹雪である。快晴で暖かくかつ時々弱い風が吹いて来なければ花吹雪は見られないが今年もまた撮りたいと思う。
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