MAICOの 「 あ ら か る と 」

写真と文で綴る森羅万象と「逍遥の記(只管不歩)」など。

雪岳山(ソラクサン)の清水と冷麺

2005年11月16日 | たべもの・料理
韓国のソラクサンへはカンナムのバスターミナルから高速バスを利用し、束草(ソクチョ・するめの生産地で有名)市郊外の高速バスターミナルまでノンストップで行くことが出来る。四時間を越える長旅だが、途中のドライブインで20分程度の休憩があって飲食などができるので、さほどきつい行程でもない。

朝鮮半島を横断し東海岸(日本的には日本海だが韓国では東海と呼ぶ)に出て海岸線を北上すると、途中軍隊の検問がある。
銃を抱えた兵士二人がバスの中に乗ってきて一巡するだけであるが、北朝鮮とは今でも戦時下であることを思い起こされ一瞬であった。
また国境近くということもあってか、海岸線には鉄条網が張り巡らされていた。

泊まりは、韓国の知人の紹介で現代自動車の分譲したコンドミニアムを利用することが出来た。といっても料理することは苦手なのでインスタントラーメンと焼肉用の肉を買ってきて間に合わせた。
翌日、観光の中心地である雪岳小公園に向かった。
観光といっても、ロープウェイと滝めぐりぐらいで、一日あれば十分に楽しめてしまう。

公園の中には川が流れていて、谷川のような清冽な水が流れていた。日本の川なら手酌で飲んでいたかもしれないが、周りに遊ぶ韓国人は一人としてそのようなことはしていなかったので、飲めないものと思っていた。ただ、最近のTVCMで「雪岳山の名水」といっているのを見るに付け、もしかすると飲めたのではないかと・・・・

滝(韓国語で瀑布(ポッポ)めぐりの帰り道に、山小屋のような売店によって食事をした。テーブルは屋外にあって木漏れ日の下で食べた。そのときの冷麺が美味しかった。スープ冷麺なのだがゴマだれの様なスープだった。ゴマの香りとスープのうまみが、やわらかく煮込まれた牛肉や刻まれた果物によく合っていた。
「この味は日本に持っていけば売れるかも・・・」とも思ったほど

後日、日本の韓国料理屋で「雪岳山で食べたような冷麺が食べたい」といったら、「無理!無理!あそこの味はソウルでも作れない」とのことだった。
スープ冷麺はもとも「ピョンヤンネンミョン」とも呼ばれ北朝鮮が元祖なので、北に近いソラクサンの冷麺がより本格的なものだったのかもしれない。あの味を再び味わうには資金的にも時間的にもあまりにも遠くになってしまった・・・


写真は雪岳小公園からロープウェイに乗って標高800mの権金城(クォングムソン)から華彩峰方面を望んだ風景。油絵です。
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