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ROSSさんの大阪ハクナマタタ



1997年、総事業費696億円をつぎ込んで完成した大阪ドームは、大阪市を筆頭に大阪府、関西電力、大阪ガスなどが出資する第三セクター「大阪シティドーム社」が経営をしていた。



地上9階、地下1階、コンコース一周が600m、延べ面積約16万㎡、最大収容人員5万5千人という巨大なドーム球場は、丁度バブル期に計画されたために無駄な空間が一杯詰まった球場であった。



例えば、半円形の波打つ屋根で覆われた9階スカイホールは、一周600mの円形スペースとなっているために使いにくく、あまり利用されていないようである。



案の定、公務員をトップにしたドーム会社の経営は、赤字が毎年15~18億円という状況が続き、2004年11月、シティドーム社は債権放棄を求める特定調停を大阪地裁に申請している。



しかし調停も不調に終わったため、2005年10月会社更生法の適用を申請し、負債総額588億円の大型倒産となっている。

2006年には、大阪ドームの施設と営業権を売却する入札が実施されたが、応札した企業は、京都のタクシー業者MKグループ1社のみで、入札価格は不動産鑑定価格に近い100億円であったという。



それにしても総事業費696億円と、不動産鑑定価格100億円の差額596億円は、どこに消えたのであろうか。
 
管財人は、「エムケイの応札内容は不確実性が高い」として不適格と判定し、ドーム施設を大阪市に対して買い取りするように要請している。



その後大阪市は、オリックスと協議を進め、オリックスが5億円でドーム社を買収し、5年後にドームを市に無償譲渡することで合意したという。



プロ野球球団の本拠地としての大阪ドームの年間使用料は、10億円程度と言われ、近鉄バファローズの経営に致命傷を負わせた原因となっているが、5億円で買収すれば5年分の使用料50億円を格安にできるという訳であろう。

オリックスは2007年、大阪ドームを専用球場として登録し、今年はオリックス主催公式戦のうち48試合が大阪ドームで開催されることが決まっている。



2006年春、大阪ドームは、京セラに5年の期限付きで命名権(年間数億円と推定)を売ったために2006年7月から「京セラドーム大阪」と呼ばれるようになっているが、京セラは再建支援には一切関わっていないというから賢明である。



今日大阪ドームの近くを通りかかると、以前あったアミューズメント・ショッピングゾーンが解体されて更地になっていたが、これも無駄にデザインされた建物の一部であろう。

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