クルマのオーバーヒートについて調べていたらエンジンの熱の散逸性(さんいつせい Dissipative)という知識に触れた。今まで自分自身があまり意識しなかった知識であるが機械エンジニア達にとっては常識的な事なのであろう。簡単に言ってしまえばエンジンを冷やす為にはエンジンの色を黒にするのが好いという事だ。黒い色をしたエンジンは中に篭った高熱を外に散逸する作用がある。そう言えば僕のパソコンもスマホも黒色だが、中に篭った熱を外に発散させる為には黒色という色が機材の冷却に一役かっているのかもしれぬと思った。黒色は他の色に比べて熱を吸収し熱が篭るのだとばかりに一方的に理解していた自分にとっては目からうろこである。ただこれは素材その物を黒にするのか、表面を黒く塗れば良いのかは不明ではある。エンジンを冷却するラジエターの色も黒が一番冷える。黒いラジエターは既に普及している。ランドクルーザーのラジエターも黒いが、これらは設計時に散逸性を考慮された結果であろう。今まで、時に黒く艶消しに塗られたクルマのボンネットを観て、それはボンネットに当たる光を吸収してドライバーの視界を好くする為だとばかり思っていたが、それだけでは無いという事が今になって理解出来た。クルマのタイヤが黒いのもその為なのだろうか?ラジオ周辺機器やエンジンのホース類が黒いのも意味が有っての事なのだろう。黒いパーツを散逸効果で眺めると製作者達の知恵が観えてくる。