書斎というか仕事場の窓から見えるお寺の屋根。
雨がシトシト降っているなか
一羽の烏がジッと耐えているようにいる。
雨に濡れない軒下でなく、一番高い場所で。
「かれ朶(えだ)に烏のとまりけり秋の暮」
という芭蕉の句があたまに浮んだ。
この句について萩原朔太郎は、
「枯れ枝に止つた一羽の烏は、彼の心の影像であり・・・漂泊者の黒い凍りついたイメージなり」とし、
寂びしをりの禅的境地を代表するものと見る。
烏ってそんなに好きな鳥じゃないけど、
なんとなく自分の心の奥底にある自分と共鳴したのかも。
与謝蕪村の「烏図」というのも頭にうかんだ。
話しは全然かわります。
これは、先日長野の伊那からのお客さまから、
お土産にいただいた信州飯田「和泉庄」の「名代大きんつば」
きんつばって本来こんな形だったんです。
「つば」って日本刀の鍔(つば)のことを指している。
江戸時代当初は、現在のような四角形でなくこのような円形だったんです。
だから一番古い形のきんつばといえるだろうな。
一度みたかったんです。
もちろん、きんつま『金曜日の妻たちへ』とは、関係ないのはいうまでもない。
京都のきんつばとはまた違った餡のぐあい。
とてもやさしい味なんです。
どこかで食べた餡だ・・・おやきにはいっている餡の味。
そういえば、おやきも信州の名物ね。