京男雑記帳

洛中で生まれ育った京男が地元視点で見た日常風景や話を雑記的に掲載

雨中烏

2009年10月07日 05時21分08秒 | 風景・和菓子


書斎というか仕事場の窓から見えるお寺の屋根。
雨がシトシト降っているなか
一羽の烏がジッと耐えているようにいる。
雨に濡れない軒下でなく、一番高い場所で。



「かれ朶(えだ)に烏のとまりけり秋の暮」
という芭蕉の句があたまに浮んだ。
この句について萩原朔太郎は、
「枯れ枝に止つた一羽の烏は、彼の心の影像であり・・・漂泊者の黒い凍りついたイメージなり」とし、
寂びしをりの禅的境地を代表するものと見る。



烏ってそんなに好きな鳥じゃないけど、
なんとなく自分の心の奥底にある自分と共鳴したのかも。
与謝蕪村の「烏図」というのも頭にうかんだ。



話しは全然かわります。
これは、先日長野の伊那からのお客さまから、
お土産にいただいた信州飯田「和泉庄」の「名代大きんつば」
きんつばって本来こんな形だったんです。
「つば」って日本刀の鍔(つば)のことを指している。
江戸時代当初は、現在のような四角形でなくこのような円形だったんです。
だから一番古い形のきんつばといえるだろうな。
一度みたかったんです。
もちろん、きんつま『金曜日の妻たちへ』とは、関係ないのはいうまでもない。



京都のきんつばとはまた違った餡のぐあい。
とてもやさしい味なんです。



どこかで食べた餡だ・・・おやきにはいっている餡の味。
そういえば、おやきも信州の名物ね。
コメント (6)
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