万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

国際社会で通貨政策のルール作りを

2009年09月16日 16時03分39秒 | 国際経済
韓国外為当局、ウォン高抑制のためドル買いのもよう=トレーダー(トムソンロイター) - goo ニュース
 中国の元安政策に加えて、韓国もまた”通貨切り下げ競争”に参加し、為替相場をウォン安に誘導するようです。最近のグローバル市場における両国製品の競争力は、自国通貨安に負うところが大きく、このままでは、日本国を始めとして他国に不利益を与えそうです。

 そこで、少なくとWTOに加盟している諸国の通貨政策については、一定のルール作りを行うべきではないかと思うのです。現状では、各国の政策権限を拘束する有効な手段はないに等しく、価格上の競争力を維持するために、輸出志向の加盟国の政府は、自国通貨安に誘導する為替政策に依存しがちです。しかしながら、関税や数量制限を撤廃する一方で、為替取引を制限するとなりますと、加盟国の間で競争上の不公平が生じます。中国は、アメリカのセーフガード発動を自由貿易に反する”保護主義”として非難していますが、自らは、元の取引制限という形を変えた”保護主義”を行っていることを自覚していないようなのです。

 一部の国の行為により、グローバル市場における競争が歪められることには問題があります。緊急避難的な措置を除き、平時において恒常的に輸出競争力を維持するために行われる市場介入には、原則禁止、あるいは、制約を設けるべきなのではないでしょうか。

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